ニューダンのPV見ました。山ちゃんの一人5役は流石の名人芸でしたね。一人でガヤができる声優なんて山ちゃんぐらいでしょうね…。
そしてメインのキャスト陣。おおむねナイスな声だったんですが…やはり星君、お前なんなんだよwww一人だけ声の世界観が違う上に見た目のギャップが酷いwww
しかもあんな台詞だから、あの見た目でどこぞの蛇さんみたいなことしてたんじゃあないか?みたいなことを考えてしまいました
いやー、発売が楽しみですね。既に予約済みのとしてはただそれだけですね。…問題は今まで原作を攻略頼りでクリアしてきたので、完全初見でクリアに何日かかるか…しかもコミュも含めるとアイランドモード的な何かがないと掘り下げもできないし……ニューダン編は夏以降になるかもね
「よいしょっと。…鍵はかけなくてもいいのかな?」
「構わんよ。ワシもそこまで彼等から選択肢を奪うつもりはない。…ふぅ…流石に、寄る年波には勝てんのう。あちこち関節が痛くてしょうがないわい」
気絶した逆蔵を階段を降りた先の一室に閉じ込め、天願は肩を回しながらそう愚痴る。
「会長…強いんだったら早く言ってくださいよ。ハラハラしたんですからね」
「ははは、すまんな。ワシとしてはとうに隠居したつもりじゃったからな。隠すつもりはなかったのだがな」
「僕は見てなかったから何が起きたのか分からなかったけど、本当に会長が逆蔵君をたおしちゃったの?」
「はい、すごかったですよ会長さん…!」
「ええ。…それにしても、まさか会長が『波紋使い』だったとは知らなかったわ」
「波紋…使い?」
「…なあに、昔取った杵柄じゃよ。一時は『天才』と呼ばれてもおったが、結局使い道のない波紋に嫌気がさして投げ出すような軟弱者じゃ。…ジョセフさんがいなければあのまま腐っておったじゃろうし、日向君がいなければこうして再び波紋を使うこともなかったじゃろう。…結局はワシも彼らと同じ『中途半端』だったんじゃよ。そんなワシでも君たちの力になれるというなら、喜んでこの老骨に鞭を打とう」
「会長さん…、ありがとうございます。でも、無理はしないでくださいね?誠君も会長さんのことを信頼してる筈ですから…」
「…フッ、そうであれば光栄なんじゃがな」
「あの…何の話をしてるんですか?」
「それは歩きながら説明するわ。…今は急ぎましょう。邪魔が入らないうちに検死を終わらせないと…」
「…あ、皆―!」
「え?…あ、葵ちゃん!?」
廊下の向こうから走って来たのは、朝日奈と黄桜、そして月光ヶ原の『3人』であった。
「良かった、皆無事だったんだね!」
「まあ、なんとかのう」
「さっき逆蔵さんに襲われましたけど…」
「えッ!?あ、アイツ何処!?」
「今はそこの部屋に閉じ込めてるよ。気絶してるからしばらく目が覚めないと思うけど…」
「…それより、葵さん。誠君はどうしたの?一緒に居た筈なんじゃ…」
「…あー、それがな…」
『でちゅ…』
「…誠は…」
その頃…
「ねえヨイちゃん、そろそろ休もうよ~」
「…そうだな、またどこか空き部屋を見つけて…」
ザッ…
「…ッ!?」
「ッ!お前は…!」
「…忌村…ッ!!」
廊下をうろついていた安藤、十六夜と忌村がばったりと鉢合わせしていた。
「アンタ達…ッ!」
「流流歌、下がってろ…!」
「…出たな、ボッチ女…いや、今じゃ『蝙蝠女』の方が合ってるよね。宗方と苗木誠の都合のいい方に尻尾振っちゃってさ…ホント、『裏切り者』って言葉がピッタリよね」
「…ッ!裏切り者は、アンタでしょ…!」
「よく言うよ…!裏切りのアンタの『専売特許』でしょ!…『裏』で何があったのかなんて知らないけどさ、アンタが『変な薬』でアタシを騙したっていう事実は変わらないんだからねッ!」
「…あの時は、あの時はお前が…ッ!!アタシは、変な薬なんか…ッ」
「どうせこのバングルの『毒』だってアンタが仕込んだんでしょ!?」
「違うッ!私は、私はぁ…ッ!!」
「違わねえよッ!この…裏切り者がッ!!」
「ちがぁぁぁうッ!!!」
いきり立った忌村はマスクを引っ剥がすと、ポケットから『薬ビン』を取り出し中の錠剤を口に流しこむ。
バキッ…!
歯ぎしりでもするかのようにそれを噛み砕くと、忌村の体に変化が起きる。
「お…あああああああッ!!」
呻き声と共に忌村の全身が痙攣しだし、筋肉の膨張と共に体が一回り大きくなる。爪は鋭く伸び手袋を突き破り、髪の毛もボブカットだったのが床に届くまでに伸びる。これこそが忌村の切り札、かつて花村と共同開発した『ドーピング・コーンスープ』の改良型である『身体機能増強剤』の効果であった。
「チィッ!」
ビュンッ!
「ふんッ!」
ガキィッ!
舌打ちと共に投げられた十六夜のナイフを、忌村は口でキャッチするとそのまま噛み砕いた。
「ここは逃げるぞ!」
「わわッ!?よ、ヨイちゃん!?」
「逃がすかぁぁぁぁッ!!」
安藤を抱えて逃げ出す十六夜を、忌村は憤怒の表情のまま追いかけて行った。
コツコツコツ…
一方、宗方はモニタールームまでやって来ていた。
「…ここだな。まあ、既に逃げ出した後…ッ!?」
もぬけの殻とばかり思っていた宗方であったが、ガラス張りのモニタールームの中を覗きこみ、そこに『居る』人物に目を見開く。
「貴様は…ッ!?」
驚愕していたのも束の間、すぐさま平静を取り戻すと宗方は手にした刀を振り上げ…
パキィィィンッ!!
何故かすぐ隣の扉を開けず、正面のガラス壁を『切り破った』。
パキン…パキン…
「…何故ここに残ったのか、などと言う理由は聞かん。どうせ答えられんだろうからな。故に、一方的に言わせてもらう。…よく残ったものだな、苗木誠…!」
「……」
「残ったって…モニタールームに一人で!?無茶苦茶だよ!」
「確かにのう…。宗方君が来ることなど目に見えていただろうに…」
「いやオレもそう言ったんだけどね、…朝日奈ちゃんが苗木さんが『ここに残る』って言ってるって言うもんだから…」
「朝日奈さんが…?」
困ったように黄桜にそう言われた朝日奈であったが、当の彼女自身もあまり納得している風ではなかった。
「…私だって、危ないって言ったよ。でも、誠はそれでも残るって、そう言ってるように見えたから…」
「…葵ちゃんがそう思ったのなら、そうかもしれませんけど…」
「…なにか考えがあるのかもしれないわ。…信じましょう」
『でも、宗方さんが苗木君の思い通りに動いてくれるかなんてわからないでちゅよ?』
「…月光ヶ原さん、それは違うわ」
『ほえ?』
「誠君は『動いてもらう』つもりなんか無いわ。…誠君が宗方さんを『動かす』のよ。それが、誠君が『父親』から…『DIO』から受け継いだ力よ」
ザザ…ッ
『…本部内の全員に通達する。これより、苗木誠を『処刑』する!』
『ッ!?』
「そ、そんな…!?」
「き、響子ちゃん…」
「…お願い、『間に合って』…!」
「…本部内の全員に通達する。これより、苗木誠を処刑する!」
ブツ…
モニタールームのマイクにそう言うと、宗方はスイッチを切り苗木の方へと向き直る。
「……」
「…文字通りの『置物』だな。足手まといだと置いて行かれたか?…それとも、『自分の意志』でここに残ったとでも言うのか?」
「……」
「…生憎だが『目』を合わせるつもりは無いぞ。左目が開かんようだが、貴様が動けずとも妙な『力』を使えることは先の事を以て知っている。どうやら『催眠術』の類のようだが…目を合わせなければどうということはない」
「……!」
「そんなつもりは無い、か?…ならば、俺と『対話』でもするつもりだったか?口すらまともに利けぬそのザマでか?…残念だが、俺はそんな茶番に付き合ってやるほど甘くは無いぞ…!」
チャキ…!
宗方が刀の刃を苗木の首筋に突きつける。
「……」
「朝日奈葵の言葉を通じて、貴様の『理想』とやらをある程度理解できた。…絶望を『廃絶』するのではなく、己の『弱さ』として認めることで、絶望との『共存』を可能とする世界…。そんなところだろう、貴様の理想は…」
「……」
「…成程。確かにすばらしい世界だ。絶望を認め、それを受け入れることができれば、再び江ノ島盾子のような『絶対的な絶望』が現れたとしても、人々は簡単に屈することなく、それを『向き合う』強さを身に着けられるかもしれん。貴様が『人間の成長』に絶望が必要だと言ったのは、そういうことだったのか…」
「……」
「ああ、文句のつけようなどない世界だろうさ。少なくとも、『今の世界』のようなことにはならないのだからな」
「…だが…ッ!」
バキィ…ッ!
「…ッぅ!」
宗方は刀の柄で苗木の頬を殴りつけた。
「だがッ!それでも俺は、お前を決して認めはしない!何故なら、お前は吸血鬼…『化け物』だからだッ!」
「…ッ!」
「人を喰らい、生き血を啜る怪物…人間を『食い物』にするおぞましい化け物だからだッ!そんな怪物が導くような未来を、俺は決して許しはしない!…貴様が絶望を受け入れられたのは、貴様があの江ノ島盾子と同じ化け物だからだ。例え元々人間であったとしても、貴様にはもう人間の…俺達の『心』など理解できまい!お前たちには分かるまい…お前たちがあの希望ヶ峰学園という『檻』の中に居る間、俺達がどんな『絶望』と戦ってきたのかを…ッ!」
「……」
「…同情でもしているつもりか?そんなものは不要だ…!俺達は、決して絶望を許しはしないッ!あの学級裁判で貴様が言ったことは、俺達とて『同じ』だ!例えどれほどの血が流れようと…俺自身が死のうとも!俺は決して自分の『道』を変えたりなどしないッ!」
宗方は再び刀を握る手に力を籠め、大きく振りかぶる。
「…人間の世界は、『人間』が創らねばならない。その世界に、絶望など必要ない!だから貴様も、必要ないッ!!」
「ッ!」
斬ッ!
ブシャァァァ…ッ!
ベチャ…ッ!
モニタールームのガラス壁に、鮮血がへばりついた。
「…ッ!?苗木…まさか…!」
安藤と十六夜を追走していた忌村も、宗方の放送を聞いて一瞬我に返る。
「…ハッ!いい気味ね、これでパッショーネも終わりってワケ!」
「…裏切り者は死ぬ、奴にはお似合いの最期という訳だ」
「んだと…ッ!?アンタ達、村雨が…アイツになにを『託した』のかも考えずに、よくもそんな…ッ!」
「…ぷっ!まだ村雨に惚れてんのアンタ?…アンタみたいなのに人を好きになる資格なんかあるワケねーだろうがッ!」
「煩いッ!黙れ…黙れぇぇぇぇぇえッ!!」
ブシュッ…!ブシュシュ…
「……」
宗方の刀は、狙い違わず苗木の首に振り下ろされ、横薙ぎに肉を裂き、骨を断ち切った……が、
「…貴様…!」
その剣は完全に苗木の首を断ち切らず、首の皮を僅かに残し寸止めされていた。
「……」
切り裂かれた喉から血を噴き出しながらも、苗木は宗方を見据えて離さない。
「首の皮一枚まで切られても尚、眉一つ動かさない…。何がお前をそこまでさせる…!?いくら貴様とて、首だけで長時間生きていられる筈が無い!死を目前にしても尚、俺との『対話』を望むとでも言うのか…?」
「……」
「…チィッ!」
悔しそうに舌打ちすると、宗方は苗木の首を切り落とさぬよう刀を引き抜き、地面に突き刺す。
「…いいだろう。お前の望みどおり『言葉』で相手をしてやる」
「…フゥ」
「だが、お前とて今の状況は理解している筈だ。…故に、俺が何故ここまで強硬な手段をとるのかも、既に分かっているだろう」
「……」
「今俺達は、黒幕と襲撃者に対して『圧倒的不利』な立場にある。それは、我々の中の『裏切り者』が誰なのかということを知らないということだけではない。…襲撃者がこの殺し合いを『いつでも終わらせることができる』ということだ。もし早い段階で…仮に奴らに『目的』があるとしてそれを達成し、殺し合いを切り上げた場合、奴らは何食わぬ顔で生存者の中に紛れ込むことができる。…それは、この未来機関に『絶望』を野放しにしておくということだ」
「……」
「お前とて他人事ではないぞ。…お前の仲間の中に『裏切り者』が居た場合、お前はいつでも自分を殺せる立ち位置に『絶望』を放置しておくことになる。お前がいかに冷静に判断を下せようと、あのコロシアイを共に闘った仲間…ましてお前の愛する妻を、その手で迷いなく殺すことができるか…?」
「……」
「…だからこそ、奴らは必ず仕留めねばならん!今、ここでだ!例え全員が死に果てることになろうとも、未来機関の…この世界の『未来』の為に、決して絶望を逃がす訳にはいかないのだよ!」
宗方は再び刀を手に取ると、切っ先を苗木に向ける。
「苗木誠、貴様は紛れもない『希望』だ。だが貴様の言うとおり希望と絶望は『表裏一体』、強すぎる希望は、より多くの絶望を引き寄せる…!貴様と言う存在が、絶望を生み出すのだ!…お前が生きている限り、俺の『計画』は決して成り立たない!『あの時』のようにな…。許されるつもりなど無い、だが…やはり貴様にはここで死んでもらうッ!」
「…ッ!」
パンパンパンッ!
「ッ!?」
突如銃声が鳴り響き、咄嗟に飛びのいた宗方の立っていた場所に銃弾が突き刺さる。
「貴様は…ッ!」
「…それ以上、誠君に手は出させない!」
先ほど宗方が破ったガラス壁から銃を撃ったのは、別行動をしていた筈の戦刃であった。
「戦刃むくろ…!」
「宗方…!お前だけは、絶対に許さないッ!」
戦刃は銃を仕舞うと腰のコンバットナイフを引き抜き、低い体勢で走りだしそのまま宗方に切りかかった。
「チィ…!」
ガキィッ!
宗方は刀でそれを受け止め、再び刀とナイフの鍔迫り合いとなる。
「戦刃むくろ…。貴様もまた『許されない』存在だ!どんな理由であれ、あの江ノ島盾子の手足となって『超高校級の絶望』として行動していた以上、この世界に貴様の居場所など無い!苗木誠同様、貴様も『未来』には必要ない存在だ!」
「…フッ!」
ドゴッ!
「がッ…!?」
鍔迫り合いの状態から戦刃は宗方の肘目掛けて膝を撃ち込み、刀を握る手を緩ませ即座に距離をとり、苗木の傍へと駆け寄る。
「貴様ァ…ッ!」
「…お前にどんな目的があろうと、例えお前が『希望』だったとしても…それでも、お前に誠君を否定する資格などないッ!!」
戦刃は苗木を抱きかかえ、半ば千切れかかった首が落ちないよう腕と胸で優しく抱きこむと、宗方を迂回し壁を走って出口へと向かう。
「…逃がさんッ!」
遠回りする戦刃を待ち伏せしようとまっすぐ出口へと向かおうとする宗方。
カカカカッ!
「ッ!?」
が、突然飛来した『針』のようなものに気づき、即座にその場を離れる。
「クッ…!今のは…」
「あなたは…!」
「…どうやら、間に合ったようじゃな戦刃君」
『ギリギリセーフでちゅ!』
出口へと着いた戦刃を出迎えたのは、先ほど宗方へと放った『仕込み針』らしきものを向けた天願と月光ヶ原であった。
…その頃、霧切、舞園、朝日奈、黄桜、御手洗はゴズの遺体の元へと向かっていた。
「…天願さん、大丈夫かな?月光ヶ原ちゃんも…」
「会長さんなら大丈夫ですよ。…それより、私たちはこっちに集中しましょう」
「ええ。…今は何としても、襲撃者の正体を暴くのが先決よ。この『NG行動』の制約がある限り、私たちが黒幕に命を握られている状態に変わりはないわ」
「それに、早いとこ苗木さんを解放してやんなきゃな。彼さえ復活すればこっちのもんだぜ」
「そうですよね…。ところで黄桜さん、どうしてこっちに…霧切さん達の方に来たんですか?」
「ん?なんだ、人妻軍団を独り占めしたかったのかい?意外とムッツリだねえ…」
「そそ、そんなわけないじゃないですかッ!…ただ、こっちの方が襲撃者に狙われるかもしれないじゃないですか。なのに…」
「だったらそう言う君はなんでこっちにいるんだい?」
「え…えっと、僕が苗木君の方に行ってもどうしようもないですし、それなら霧切さん達の手伝いができないかと思って…」
自信なさ気にそう言う御手洗を見て、黄桜は薄く笑んで帽子のつばを降ろす。
「…成程ね。ま、俺もそんなもんさ。…それに、ちょっと『ワケあり』でな」
「ワケあり…?」
「…私の事ね」
「?響子ちゃ…あ…!そうか、黄桜さんって学園長…響子ちゃんのお父さんと…」
「え?」
「…まあそういうこったな。けど響子ちゃんよ、『もう一つ』あんだろ?」
「…もう一つ?」
「ありゃ、そっちは憶えてなかったか…。まあいいや、思い出した時でいいさ」
「…?」
モニタールームでは、天願のアシストで部屋から脱出した戦刃と苗木を睨む宗方と、天願が向き合っていた。
「…助けてもらってありがとうございます」
「なに、大したことはしとらんよ。…しかし、どうやら君もかなりギリギリだったようじゃな」
「…ごめん、誠君。もう少し早く来ていれば…」
『で、でも無事でなにより…ってふわッ!?戦刃さん服が血塗れでちゅ!』
「え?…あ、これ私のじゃなくて誠君の血…」
『へ?苗木君のって…わああッ!?くく、首が~!?』
「…これは…!随分無茶をしたようじゃな、苗木君」
「……」
窘めるような天願の視線に苗木は申し訳なさそうに目を逸らす。そうしている間にも、切り裂かれた苗木の首からは止めどなく血が流れ出る。
「…治りが遅い…!血が足りないの…?」
『そういえば…さっきも襲撃者に滅多刺しにされたでちゅ。その時も血がいっぱい出てたでちゅから…』
「血をあげたいけど、私は…それに…」
戦刃の視線の先には、体勢を立て直し刀の切っ先を苗木に向ける宗方がいる。
「…逃がしはせん。苗木誠はここで殺す。貴様はここで死ななければならない…、『人間の未来』の為にな…!」
「…やれやれ、こっちの方も来て正解だったようじゃな。…戦刃君、月光ヶ原君、苗木君を連れて先に行きなさい。ここはワシが引き受けよう」
「え…!?でも…」
「心配するな。…少しこやつとは『話』をせねばならん。それより、今君がやらねばならんのは苗木君を守ることであって、宗方君を殺すことではあるまい?」
「…すみません」
『戦刃さーん!私のマシンに乗ってくだちゃい!…会長さん、無茶しちゃ駄目でちゅよ?』
「わかっとるよ。…苗木君、『未来』を頼んだぞ…!」
「……!」
「…ご武運を!」
苗木に負担をかけないよう月光ヶ原の電動椅子に乗り込んだ戦刃を乗せ、月光ヶ原のマシンは猛スピードでその場を逃げ出した。
「逃がさんと言った筈だ…ッ!」
その後を追おうとする宗方であったが
カカカカッ!
「!」
ギャギャギャインッ!
再び天願の放った仕込み針を手にした刀で弾き返すことでそのタイミングを失う。
「天願…!」
「やんちゃが過ぎたな若造…!説教代わりに、このロートルの『準備運動』に付き合ってもらうぞ?」
「…今のあなたに、語る言葉は無い…。『輝き』を失った貴方に、未来機関の長たる資格は無いッ!」
「…そうじゃな。故に、ワシにできるのは…あの『黄金の輝き』を守ることじゃ。例えこの身が砕けようともな…」
その頃…
「うううう…アイツら、どこへ行った…?」
十六夜と安藤を追い回していた忌村であったが二人の姿を見失い、あちこちを徘徊しながら捜索していた。
「私は、裏切ってなんか…あれは、私だって知らなかった…なのに、自分だけ被害者ぶりやがって…!」
かつての安藤との『確執』を思い出し、好き勝手にのたまう安藤への怒りを燃やしていると
…ギュォォォォォォ…!
「…ん?」
自分のいる廊下から見える本部の吹き抜けを通る『立体交差』を、なにかの『モーター音』のようなものが通る音が聞こえる。
「…何…?」
ふと気になって窓の外を見ると、立体交差を疾走する月光ヶ原の乗るマシンに便乗する戦刃と、彼女に抱えられた苗木の後ろ姿を見つける。
「苗木…!?あれ、生きてるの?…まさか…」
戦刃に抱えられたままぐったりとしている苗木。動けないというのは分かっているが、その姿が余りにも弱弱しく見えたのが忌村に疑念を抱かせる。
「……ほっとけ、ないよね…」
しばし考えた後、忌村は安藤達の捜索を中断し月光ヶ原のマシンの後を追った。
「…痛つつ…。糞、あのジジイ…俺をコケにしやがって…!なんで『波紋使い』ってのはどいつもこいつも俺の神経を逆なでしやがんだ…ッ!」
一方、天願の波紋で気絶していた逆蔵も目覚めていた。首筋を抑えながら歩いていると、再び会議室の前へと戻ってくる。
「…会議室、居るとは思えねえがな…」
ドバンッ!
「わあッ!?…さ、逆蔵君!?」
会議室の扉を蹴り開けると、雪染の遺体の傍に座り込む万代が跳び上がって驚いた。
「…テメエだけか。霧切共はどうした?」
「き、霧切さんは…『探偵』の仕事をしに行ったよ。他の皆も一緒さ。…僕は足手纏いだから、ここで留守番してるんだ」
「…ハッ!ジジイ以外じゃ最年長だってのに、そんなに自分の命が惜しいかよ?」
「…確かに、死ぬのは怖いよ。もうあんな苦しい目には遭いたくないもん」
「…なら、さっさと俺をぶっ殺しゃあいいじゃねえか?俺をやっちまえばまだマシだと思うぜ?」
「…僕は逆蔵君を恨んでなんかいないよ。あれが僕を殺そうとしたわけじゃないって言うのは分かってるし、逆蔵君だって僕のNG行動を知らなかったんだからね。『隣の牧場品種知らず』さ」
「なんだと…?」
「それに、僕にだってできることはあるからね。…ここで雪染さんの遺体を守らなくちゃいけないからね」
「…ッ!」
「彼女だって…こんなところで死にたくは無かった筈だよ。あの時、苗木君以外の誰が死んだっておかしくなかった。…雪染さんは本当に『不幸』だっただけなんだ。だから…せめてこの事件が終わった後に、ちゃんと埋葬してあげることが雪染さんの、…そして宗方さんの為になるって、僕は思うんだ」
「…宗像の為、か」
「…逆蔵君?」
「…そうか。なら、精々しっかり守るんだな。下手にそいつを置いて行ってみろ、また巻き込まれようが俺は知らねえからな」
「あ…うん」
「…あばよ、雪染。後の事は任せときな」
どこか切なそうにそう言い残し、逆蔵は会議室を出て行った。
「…さて、俺は俺のやることをやんねえとな。じゃねえと、アイツに化けて出てこられるからよ…」
そう呟きながら逆蔵が廊下を歩いていると
ギュォォォォォ…!
「…あん?」
すぐ真下の立体交差を疾走する月光ヶ原たちを見つけた。
「…ハッ!雪染が気でも利かせてくれたこりゃ?カモがネギ背負ってきやがったぜ…!」
思いがけずやって来たチャンスに獰猛な笑みを浮かべ、逆蔵は待ち受けるべく彼女たちの方へと走り出した。
今回ここまで
…追憶編を待ってる方、もうちょいだけ待っててね。