ダンガンロンパ~黄金の言霊~   作:マイン

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今回は色々と伏線回になってます
なので勘がいい人はこの後の展開が予想できてしまうかも…


交錯編:潜む者達

 一方、本部の外ではようやく到着した十神達救出部隊が葉隠と合流を果たしていた。

 

「十神っちー!よく来てくれたべ~ッ!」

「ええい寄るな、うっとおしい!…で、状況はどうなっている?」

「あ、ああ…。中の様子は相変わらずさっぱりだべ。連絡も全然ねえしよ…変わったことがあると言ったら…」

「…アレか」

 承太郎が視線を向けた先には、港内で未だに沈黙を保つ十三支部の輸送船がった。

 

「そうだべ。十神っち達が来るちょっと前に来たんだけどよ、呼んでも全然返事してくれねえし、それどころか人の気配もしねえからなんか不気味でよぉ…」

「…妙だな」

「ああ、こいつがこんなところにあんのはどう考えても『おかしい』ぜぇ~…」

「?おかしいって…なんでだべ?」

「…俺達は、ここに来る前に未来機関の全ての支部にこの本部で起きていることを通達した。…だが、どういう訳か十三支部とは『連絡が取れなかった』のだ」

「え?な、なんでだべ?」

「知らん。…一応様子を見には行かせたが、生憎時間が無かったので結果はまだ聞いていない。だが、その連絡のつかない支部の船がこんなところに在るのはどう考えてもおかしい」

「…まさか、絶望の残党にやられちゃったんじゃあ…!?」

「となると…まさか、あの船に乗ってやがるのは…」

 『最悪の事態』を想像し顔を青くした康一と億泰が船を横目で見る。

 

「…調べる必要があるな。ここは二手に分かれるとしよう。仗助、十神君。お前らは俺と本部内に突入する。康一君と億泰はあの船を調べてくれ。…万が一の時は、お前らに判断を任せる」

「は、はいッ!」

「…じょ、承太郎さん?俺はどうすればいいんだべ?」

「葉隠君はここで待機していてくれ。ウェザー、お前もな。もし俺達のどちらかに異常があった時、それをもう片方に連絡する役割だ。…それと、どさくさ紛れに島から逃げ出そうとする奴がいないかも見張っていてくれ」

「ふん、お前が動くとロクなことがないからな。ちょうどいい仕事だ」

「わ、分かったべ」

「……」

「…ウェザー、お前がここまでついてきた目的は知らんが、ひとまずは俺の指示に従ってもらうぜ。少なくとも、苗木君を救出するまではな」

「…了解した」

「うし!んじゃ、行くぜ…!」

 役割を確認すると仗助たちは本部に、康一たちは船へとそれぞれ向かう。

 

「頼むべ、皆…!」

「……」

 

 

 

 

「……」

 

ササッ…

 彼らの背中を見送る葉隠と自分の首筋を撫でるウェザーのさらに背後で、ヘリの『貨物室』から『もう一人』、島に降り立ったのに気付く者は居なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 本部突入組の仗助たちは本部の正面入口へとやって来たが…

 

「げ…!完全に埋まってやがるぜこりゃあ…」

「チッ…!聞いていた以上に面倒だな…」

 ミサイルの爆撃により瓦礫の山で塞がった入り口に思わず舌打ちをする。

 

「どうします承太郎さん?ちと時間はかかりますけど、どかせねえことも無えっすけど…」

「…そこまでしている暇はない。わざわざ正面から入らなくとも適当に壁を壊して…」

 

 

 

 

「…待って!」

「「「ッ!?」」」

 突如頭上から聞こえてきた声に3人が即座に臨戦態勢をとって見上げると、本部の外壁を伝って何者かが降りてきた。

 

「…入り口なら、こっちにある。ついてきて…!」

「な…ッ!?」

「お、お前は…ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 その頃、13支部の船にも康一と億泰が『ザ・ハンド』の瞬間移動により強硬乗船を試みていた。

 

 

「……」

 そんな二人を、船の操舵室から『ある男』が眺めていた。

 

「…とうとう来たか、未来機関…。となれば、『彼女』の策もいよいよ『最終段階』に入るところか。ならばもうここに隠れる必要はないな」

 男はそう呟くと踵を返し、康一たちに見つからぬよう船を降りるべく行動を開始する。

 

「全ての『条件』は満たされた…。あとは然るべき『場所』で来たるべき『時』を待つだけだ。…その場所を知る手掛かりは『ここ』にある。精々足掻くがいい、苗木誠…!動き出した『運命』の前では、例え貴様であろうと無力であることを思い知るのだ…!」

 

ガシュ、キシュ…!

 左腕の『義手』の調子を確かめるように動かしながら、男は己の『正義』を信じ歩き出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガタ、ガタ…

 …その頃、その船の『貨物室』では…

 

 

ガタガタ…ガタン!

「…よし、もう出ていいぞ」

「ぷはぁッ!や、やっと出られた…狭かった…!」

 貨物室一杯に積まれた『コンテナ』の一つから、二人の『男女』が這い出てきた。

 

「あれぐらいの狭さで文句を言うな。…そもそもお前のその乳が邪魔だっただけだろ」

「あーッ!そんなこと言うんですか!?普段はおっぱい星人の癖に!酔った時顔埋めて満更でもない顔してるの知ってるんですよ!」

「…五月蠅いぞ『……』。俺達は一応『お尋ね者』なんだ。大声出してバレると面倒だろう」

「う…ここぞとばかりに正論を…。…にしても、ココどこなんでしょうか?高跳び目的で密航したのはいいんですけど、どこに向かう船なのかまでは分からなかったし…」

「……おい、『……』。はやくここから出るぞ」

「え?『……』さん、どうしたんですか?」

「いいから出るぞ。…こんなところに、一秒だろうと長居したくない…!こんな、『0点以下の死』しかない場所なんかにな…」

「え、ちょ!?『……』さん、待ってぇ~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん?」

 目を開けた朝日奈の視界に入ったのは、先ほどまでの本部の物とは違う天井であった。

 

「あれ…?私……ッ!そうだ、タイムリミットで…ってことは、ここは『夢の中』…?」

「うむ…あれ、葵ちゃん…?」

「あ、さやかちゃん!」

「んん…ここ、どこ…?」

 朝日奈が辺りを見渡すと、周りでは同じように眠りに就いた皆が起き上がっていた。

 

「…どうやら、作戦通りにはいったようじゃな。…ここが夢の中か、不思議な気分じゃのう」

「けど、ここどこ…?なんか見覚えがある様な気がするけど…」

 皆が目を覚ましたのは、どこかの建物の廊下であった。明らかに未来機関本部ではないが、揃ってどこか既視感を憶えるその場所に皆が辺りを観察していると、ふと窓の外を見た舞園が声を上げる。

 

「…ッ!?み、皆さん!アレを見てください!」

「え!?」

 舞園が指差した窓の外を見ると、そこには『彼ら全員が良く知る』建物が存在していた。

 

 

 

 

「あれって…『希望ヶ峰学園』…!?」

 窓の外にあったのは、彼らにとっての学び舎であり、後に江ノ島盾子による『コロシアイ学園生活』の舞台となった、希望ヶ峰学園の『旧校舎』であった。

 

「ほ、ホントだ!希望ヶ峰学園だよッ!…ってことは、ここは学園の敷地内なの?」

「…だが、学園の他にこんな建物などあったか…?」

「…いや、十六夜君達は完成前に停学になってしもうたから知らんだろうが、ちょうどこの辺りには『アレ』があった筈じゃ」

「…ッ!そうだ、ここは『新校舎』の方だよ!旧校舎からあんまり離れてなかったし、間違いないよ!」

「…けど、どうして私たちはここに…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

『決まってんだろーッ!ここがオマエラの墓場にピッタリの場所だからだよーッ!!』

「ッ!?」

 どこからともなく聞こえてきた甲高い声にハッとすると、廊下の教室の一つの扉が開かれ、そこから巨大な『鎌』がぬっと飛び出す。

 

「な、何!?」

「アイツは…ッ!思い出した、アイツが『デス13』だよッ!」

「奴が…ッ!?」

『ラリホー!揃いも揃ってマヌケ面晒してるじゃあねーか、クソ未来機関の支部長サン達よぉー!』

 身の丈ほどもある大鎌を手に教室から現れたのは、道化師の仮面に黒いローブを纏った異形の存在。即ち、御手洗亮太のスタンド『デス13』であった。

 

「…お前が、御手洗君のスタンドか」

『御手洗ぃ?…あー、オレ様の『主人格』の方の名前だったか?あんなクソ雑魚ナメクジ野郎と一緒にされんのは御免だが、まあそういうこったな!』

「…って、アレ?なんでアタシらにまでアレが見えてんの?」

『教えてやるぜ!ここはオマエラの『共通意識』…要するにオマエラの記憶の中で同調しやすい部分を貼りあわせてつくった夢の中だ。ここじゃあ互いの感覚がリンクしている状態だから、スタンド使いのそこのスイマーやアイドルと同じものがテメーらにも見えてるってワケだぜ!』

「そ、そうなんだ…」

『…って、テメーら何呑気してやがんだ!ここに居るってことがどういうことか、分かってんのかぁ!?』

「…勿論、分かっています。私たちは、その為にここにいるんですから…!」

『ああん?…テメーら、何を企んでやがる?まさかとは思うが…このオレ様をぶっ倒そうだなんて、身の程知らずなこと考えてるんじゃあねーよなぁ~?』

「…ハッ!そのまさかよ!ぶっちゃけ面倒だけど、アンタを御手洗から引っぺがす為にこっちはわざわざ来てやってんのよ!」

『ッ!?……ぷっ、ギャハハハハハ!て、テメーら…アタマ湧いてんじゃあねーのかぁ~?この夢の世界でオレ様に勝てるワケねーじゃねーか、ブァーカッ!』

 真っ向から自分に立ち向かおうとする舞園達を、『デス13』は心底から馬鹿にしたように嘲笑う。

 

「やってみなくちゃ…分からないでしょ!『オアシス』ッ!」

 ケタケタ嗤う『デス13』に先ほどのお返しをしようと、朝日奈は『オアシス』を呼び出そうとする。が…

 

 

 

「……あれ?」

「…な、何?どうしたの?」

「…嘘。スタンドが、『オアシス』が出ない…!?」

「何!?」

「『スティッキー・フィンガーズ』!…そんな、私もです…!」

 朝日奈だけでなく舞園の『スティッキー・フィンガーズ』までもが、いくら呼び出そうとしても一向に出現しなかった。

 

「そんな…なんで!?」

 想定外の事態に混乱する朝日奈を『デス13』が嘲笑する。

 

『当たり前だろーがバーカ!ここは夢の世界、オレ様が支配する空間なんだぜ!ここではスタンド能力を呼び出すことはできねーんだよ!そして、スタンドはスタンドでしか倒せない…つまり、ここに来ちまった時点でテメーらに勝ちの目なんざ端っからありはしねーんだよッ!』

「そ、そんな…ッ!」

「むう…なんということじゃ…ッ!」

「ちょ、そんなのどうすんのよ!?…ちょっと、苗木ッ!どうなってんのよ、アンタがなんとかするんじゃなかったの!?…返事しなさいよーッ!!」

 作戦の提案者である苗木を焦った安藤が大声で呼び叫ぶが、この場に居ない以上返事など有る筈が無かった。

 

『あん?苗木ぃ?…クックック、そりゃテメーら騙されたんだよ!今頃あのヤローは一人で逃げてんじゃあねえのか~?実際オレ様が表に出てきた時には居なかったしよぉ!』

「苗木が、逃げた…!?」

「そんな筈ないよッ!誠が、誠がそんなことするわけないッ!!」

「そうです!誠君は嘘なんかつきませんッ!!」

『あぁ~ん?…チッ、うぜぇ…クソうぜぇんだよ!何が信じるだ、他人なんざ信じたところで、誰も助けてくれやしねーんだよ!…いいぜ。そんなにアイツの事を信じたいのなら、頭ん中お花畑のままぶっ殺してやるよ!ラ~リホ~!』

 気丈に反抗する朝日奈と舞園に苛ついたのか、『デス13』は手にした大鎌を振り上げにじり寄る。

 

「いかん…!皆、ここは逃げるのじゃ!ワシが時間を稼ぐ…!」

「ぼ、僕も…僕も皆を守るよ!」

「天願さん、万代さん…!…皆、行くよ!」

「ちょ、ちょっと待って…!?」

 天願と万代が前に飛び出し、その隙に忌村が皆を連れて逃げようとするが、それが叶うことは無かった。

 

ズチャ…グチャ…!

「な…なにコレ!?地面が、ニチャニチャして…動けない…!?」

 足元の廊下の床が突如ガムのように粘着質に変化し、足をとられた一同は身動きが取れなくなってしまった。

 

『無駄無駄ぁー!言った筈だぜ、ここはオレが支配する世界だってよ!ここから逃げることなんざできねーんだよ!テメーらはここで全員くたばるのさ!』

「くッ…!」

 安藤を庇うように十六夜が必死に抱え込むが、『デス13』の大鎌の前では無駄なあがきでしかないのは目に見えていた。

 

「…まだ、だよ…!絶対に諦めない、私は…誠を信じるッ!」

「そうです…!私たちは、絶対にあなたになんか負けません!」

『往生際が悪いぜビッチ共が!まだわかんねーのか、スタンドも使えないテメーらじゃオレ様には勝てねーってことが…』

 

 

 

 

 

『…そう。確かにここではスタンド能力を使うことはできない。当事者ではないから合っているかは分からないけど、おそらく肉体から精神が夢の世界に『切り離された』ことで、スタンドとのつながりが一時的に途切れてしまったんだろうね』

 

『ッ!?』

「えッ!?」

 突如聞こえてきた声に一同のみならず『デス13』までもが驚愕の色を浮かべる。…その『声』に、あまりにも聞き覚えがあったからだ。

 

『けれど、そのルールには一つだけ『抜け道』がある。…それは、起きている間に『スタンドを呼び出したまま眠りに就く』ことだ。そうすれば、精神を引っ張られる時にスタンドも一緒になって連れてくることができる。…こんなふうにね』

『ば、馬鹿なッ!そんなことが…』

 信じたくない思いに駆られながら、『デス13』がゆっくりと後ろに振り返ると…

 

 

『…ラリホー』

 そこにはここに居る筈のない存在、苗木誠のスタンド『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』が浮遊していた。

 

『な…ッ』

 

ガシッ!

『ぐげッ!?』

 『デス13』がその事実に反応するよりも早く、『G・E・R』が頭を引っ掴んでアイアンクローの形で締め上げる。

 

『いがががががッ!?な、なんで…どうして、テメーがここにいるッ!』

『…言葉通りだ。そんなことも分からないのか?どうやら同じ御手洗さんでもこっちのほうが随分とオツムが足りてないみたいだな』

「…え、ちょ…これ、何が起きてんの?」

「あ、アレって…『G・E・R』、だよね…!?」

「は、はい…!ということは、もしかして…」

 

 

コツコツコツ…

「…ま、そういうことだね」

「ッ!」

 舞園達の期待に応えるように、近くの階段を降りてきた苗木が姿を現す。

 

「誠ッ!」

「待たせてゴメン。…どうやら、なんとか間に合ったみたいだね」

「間に合ったって…ちょっと、どういうことか説明しなさいよ!マジで焦ったじゃんか!」

「す、すみません…。しかし、仕方が無かったんです。あの場で話してしまえば、おそらく『デス13』は能力を使うことはないと踏んでいたので」

「…どういうことだ?」

 首を傾げる一同に、苗木は自分の作戦を説明する。

 

「そもそも、僕が『デス13』の能力の抜け道を知っていたのは、僕が以前に『デス13』の能力を『唯一知っている人物』からそのことを聞いていたからです」

「『デス13』の能力を知っている…?それって誰なの?」

「…『花京院典明』さん。七海さんのスタンド『ハイエロファント・グリーン』の本来の持ち主であり、死後にそのスタンドの人格になった人だよ」

「七海さんのハイエロファントから!?」

「うん。ハイエロファント…花京院さんは『デス13』を攻略した唯一の人物だ。本来『デス13』の能力で夢の世界に閉じ込められた記憶は起きてしまえば忘れてしまうけど、花京院さんは倒したことでそのことを憶えていた。だから僕に能力の抜け道を教えることができたんだ」

『な…なんだとぉ…!?き、聞いてねえぞ…チクショー…ッ!』

「…だったら、先にそれを言えばよかったんじゃ…」

「そう言う訳にもいかなかったんです。腐川さんの前例から考えて、『デス13』側の人格は御手洗さんの記憶は共有していなくても『感情』は共有している可能性がある。ならば、あの時にこの事実を伝えてしまえば、御手洗さんの中に僅かでも『安心感』が生まれる恐れがあった。それを感じ取られてしまえば、『デス13』も不審に思って能力を使うのを躊躇うかもしれなかったので…」

『ぐぎ…』

 苗木はそこまで言うと『G・E・R』に捕まっている『デス13』へと向き直り、告げる。

 

「悪いが、夢の時間はおしまいだ。カーテンコールをさせてもらうぞ…!」

『…き、ひゃひゃ…!ギャハハハハハーッ!』

「…な、なにアイツ?急に笑い出したよ…?」

 追い詰められている筈の『デス13』が突如笑い出したことに、皆は気味悪がって眉を顰める。

 

「…何が可笑しい?」

『クックック…決まってんだろ。テメーがこの程度で勝った気になっていることがだよ!まだ分かってねーみてーだな、ここは『俺が支配する世界』なんだぜ!その気になりゃあよぉーッ!!』

 『デス13』が捕まった状態のまま大きく身を翻すと

 

 

ガシャシャッ!!

 なんと『デス13』のローブの下から大量の『機関銃』の銃口が飛び出した。

 

「なッ!?」

『この距離なら避けられねーだろーッ!蜂の巣になりやがれーッ!!』

 

 

ドドドドドドドドドドドッ!!

 ほぼゼロ距離から放たれた銃撃の嵐が、『G・E・R』を飲み込んでいく。

 

「ああッ!?」

『アヒャヒャヒャヒャ!偉そうなことばかりぬかしやがって!何が『希望』だ、何が『英雄』だ!テメーがどんだけ強くたって、この世界じゃ俺が最強…』

 

 

グオッ…!

『へ?』

 

バキィンッ!!

『へぶッ!?』

 言葉を言い切らぬうちに、銃撃の最中を突っ切って来た『拳』が『デス13』の仮面をクリーンヒットする。

 

『な、なに…?』

「…ああ、確かにお前は最強だよ。少なくとも、このコロシアイの『ルールの中』、この『夢の世界の中』においてはな」

 拳の飛び出た先、もうもうと揺らめく硝煙が晴れた先には

 

 

「…ただし、『僕以外』ならな」

 数千発の銃弾にさらされたにも関わらず、まったく『無傷』の『G・E・R』が『デス13』の頭を掴んだ手とは逆の腕を突き出していた。

 

『ば…馬鹿にゃ…』

「僕の『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』の能力は僕に対するあらゆる干渉を『ゼロに戻す』能力。…例えお前がこの世界において神に等しい存在であろうと、僕はその全てを無に還す。一方的に理不尽を押し付けるような『絶望』なんかに、『希望』は負けない。…まして、間違っていると『分かっていて』も尚それを抑えることができない、貴方にはね…」

『…ッ!』

「え…ッ?」

 意味深な物言いに首を傾げる皆の前で、苗木は『デス13』に…正確には、『その奥』にいる存在に語りかける。

 

「…そこに、『居る』のでしょう?御手洗さん…」

「ッ!?」

 

 

バラバラバラ…

 苗木の問いに答えるように『デス13』から飛び出していた銃器が零れ落ちていく。そして、銃器群によって隠されていたローブの奥にあったものは…

 

 

「……」

 

 ローブの中の暗闇から顔だけを見せ、苦々しい表情で苗木を睨む『御手洗の顔』であった。

 




次回で襲撃者の一件は片が付きます。…まだ終わらないけどね!

あ、あとクロスオーバーのほうでキン肉マン読んでて衝動的に描いてしまった悪魔将軍様のネタを投稿したので興味がある方はどうぞ。もしかしたらここの息抜きでやるかもしれない筆頭なので
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