あと、この時間軸ではコロシアイ学園生活は起きていません。なので江ノ島は健在ですし、日向も七海もちゃんといます
あ、あと超展開注意です!
特別番外編 アイズオブヘブン~邂逅のDIO~
その『物語』の始まりは、ほんの『偶然』であった。
「ふぅ~…、まさか、マジで完成させちまうとはなぁ~。我ながら自分の才能に惚れ惚れするぜ…」
希望ヶ峰学園の一角にある自分の『開発室』にて、左右田和一は自らが完成させたそれを前にしみじみと言う。
「『タイムマシン』を創るつもりで始めた筈が、まさか『ワームホール発生装置』になっちまうなんてなあ…」
ほんの気まぐれで、冗談のつもりで始めた人類にとって『夢』であるタイムマシンの制作。それは、なんの偶然か発生してしまった『ワームホール』の影響によりいつの間にか『ワームホール発生装置』へと変わってしまった。
「…けど、これマジで俺が創ったんだよな…?適当なところで辞めるつもりだったのに…とんでもねえもん作っちまったな。…さて」
「で、この俺が創り上げた『ワームホール発生装置』の実験に協力してくれる奴は…」
『嫌です』
「即答かよテメーらッ!!」
たまたま暇だった小泉、終里、弐大、大和田、苗木をかき集めて呼びかけた左右田であったが、当然ながら一蹴されてしまった。
「いや、つーか…どう考えたって胡散臭いじゃねーか」
「つーか、『ワームホール』ってなんだ?芋虫なら食ったことあっけど…」
「『ワームホール』って言うのは、簡単に言えば『違う時空同士をつなぐトンネル』です。それは『異なる時代』であったり、『場所』だったり、あるいは『違う世界』に繋がっているなんても言われています。が…そんなもの『フィクション』の産物でしかない筈なのに、本当に作ってしまうだなんて流石に予想外でしたけどね…」
「ま、完全に『偶然』ってやつだな。電磁波をいじくってたら突然現れたからびっくりしたぜ。もう一個おんなじもん作れって言われても絶対無理だな」
「…で、一応聞くけど、『実験』って何をするの?」
「そりゃあまあ…『ワームホールの先』を確かめてもらいたいっつーか…」
「…ッバッカじゃないのッ!?そんなの危険すぎるじゃないのッ!そういうことなら、ア
ンタが行けばいいじゃないの!」
「ば、バカ野郎ッ!俺が行ったら『万が一』の時に誰がこいつをいじくれるんだよッ!?」
「まあ確かに、それはそうじゃが…」
危険極まりないその申し出に、誰もが断固として拒否の意志を示した。
と、そこに。
「…左右田さん、少し確認してもいいでしょうか?」
「あ?なんだ?」
「そのワームホール発生装置…それはどの程度『信用』してもいい代物なんでしょうか?」
「ちょ…苗木君!?」
「とりあえず聞くだけですから…」
「…そうだな。ぶっちゃけどこに繋がってるかは俺にもさっぱり分からねえ。けど、この間ワームホールに『腕』を突っ込んだ時には、特に変わった様子は無かったから『大気』がちゃんとあるのは間違いねえ。そしてワームホール自体は『確実』に作り出せる。問題は『エネルギー』だが…一度ワームホールを作ると次に作るまでに『一時間』電力をチャージしなくちゃならねえ。けど、ちゃんとチャージすればまた同じ場所に繋げることができるはずだ。『超高校級のメカニック』の名に懸けて、そこは保障するぜ」
「…わかりました。なら、僕が行ってみましょう」
「そうか、そりゃそうだよな……って、うぇッ!?」
「お、おい苗木正気かよ!?こんなのどう考えたって怪しさ満点じゃあねーかッ!!何もお前が行くことは…」
「いえ、むしろ『僕だから』こそ行くんです。僕は自分の能力である程度『自給自足』ができますから、単独行動には向いています。それに、自分で言うのはなんですがもし向こうに『危険』が有った場合…この中では僕が一番生存確率が高いですからね」
「ま…そりゃそうじゃが、なんだって…」
「…と、まあこれは『建前』で…本当のところは僕も『ワクワク』してるんですよ。この先に何があるのか、気になっていたところなんです。だから、ちょっと行ってみようかな、…ってね」
「…ハァ。どうせそんなところだと思ってたわ。…霧切ちゃんたちにはうまく言っておいてあげるから、好きにしなさい」
「ありがとうございます、小泉先輩!」
「よく言った苗木!それでこそ『男の子』だぜ!…んじゃ、さっそく装置を起動させるぜ!」
苗木の意志を確認すると、左右田は装置のコンパネを操作する。すると
ジジジジッ…ギュワァァァァァァッ…!
装置に火花が走ったかと思うと、直後に装置の中心に黒く渦巻く『ワームホール』が発生する。
「…苗木!きっちり『一時間後』に、またワームホールを開くからな!無理はしないでその辺で待ってろよ!」
「はい、分かりました」
「気をつけろよ、苗木!」
「まずは無事に戻ってくることだけを考えるんじゃあ!無茶をしてはならんぞ!」
「分かってますって、…それじゃいってきます!」
そう言うと苗木は迷うことなくワームホールの中へと向かっていった。
その場にいた皆は、そこまで不安には思っていなかった。苗木の『強さ』を、皆は信じ切っていたからである。もしものことがあっても、苗木なら大丈夫。そんな『思い込み』が誰一人として苗木を止めなかった理由であった。そしてそれは、少なからず苗木自身も感じていたことであった。
故に彼は、その先で知ることとなる。自分の『レクイエム』ですら及ばない、『絶対的な力』が存在することに。
ブォンッ…!
「…っと、着いた……ッ!?」
ワームホールを抜け、『別の空間』へと辿りついた苗木はその先の光景に思わず絶句する。
ワームホールを越えた先は、一面の『雪景色』であった。東京では滅多にお目にかかることがない、真っ白が雪が積もった静寂の世界。
そこまでは、良かった。
「これは…一体、何が起きたというんだッ!?」
苗木が驚いたのは、その雪が積もっている『下』であった。こんもりと雪を被っているのは、崩れ去ったビルや家屋の残骸らしき『瓦礫の山』。その端々にはいつ付いたのかも知れない『血痕』のようなものが付着しており、それがかなり昔に破壊された物だということを窺わせた。そしてそれは、見渡す限りの地平のかなたまで共通していた。つまるところ…『世界は滅んでいた』のである。
「こんな、こんなことが…!一体ここはどこなんだ!?まず間違いなく、僕が居た『場所』でも『時間』でも『時代』でもないッ!となるとここは、別の世界…いわゆる『平行世界』という奴なのか?しかし、それにしても何故こんなことに…」
「…ほぉう。まだこの街に『生き残り』が居たとはな」
「ッ!!?」
思案する苗木に掛けられたその『声』に、苗木は誰なのかを確認する前に感じた。己に流れる『血の滾り』と、首筋で主張する『星の疼き』を。
「見ない顔だが…小遣い稼ぎにでも来たのか?だとすれば、この俺に見つかったのが『運のつき』よの…」
「…あ」
(なんだ、この声…!?僕はこの声を知っている…!?いや…僕はもう『分かっている』ッ!この声の主が誰なのかにッ!!)
『確信』を抱きながら、苗木はゆっくりと声の方に振り返る。
「しかし、『奇妙』だな。何故か貴様とは『他人』な気がしない。一度どこかで会っているか?…まあいい、そんなことはもうどうでもいいことだ」
倒壊したビルのてっぺんに立っているのは、ド派手な衣装に身を包んだ『長身で長い金髪を持った男』。
異様であったのは、男の『顔』であった。『白銀の肌』に自己主張するかのようにびっしりと並んだその『文字』の意味を、苗木は確かに知っていた。
そして、その男の『首筋』にある、苗木と同じ『星形の痣』。そして、苗木が予想が当たっているのを肯定するかのように、男は自らの名を口にする。
「光栄に思うがいい…貴様にはこの『DIO』の、久方ぶりの『ディナー』になる権利を与えてやろう…ッ!」
「ク、ソ…親、父…ッ!!」
自分を見下す『父』に対し、苗木は絞り出すようにそう言った。
「…?貴様、今何と言った?」
「……」
「このDIOの耳がほんのちょっとでも衰えていなければ、貴様、今確かに…」
「……」
「このDIOのことを、『親父』と…」
「…そう言ったんだよッ!糞親父ィィィィッ!!!」
不思議そうに訊き直すDIOに、苗木は積年の思いをぶちまけるように叫び飛ばした。
「…!?…フ、フハハハハハッ!そうか貴様、このDIOが戯れに与えた『種』の一つだな!とうに皆死に絶えたかと思ったが、成程…これはなんとも面白い『偶然』だッ!」
「クソ親父…いや、DIOッ!アンタには2つ…いや『1つ』だけ聞きたい事があるッ!…この『世界』の惨状は、アンタが『原因』かッ!?」
溢れ出そうになる『ソレ』を抑えながら問う苗木に、DIOはニヤリと嗤い辺りを見渡しながら答える。
「…そうだ。このDIOが手に入れた、『新たな力』で『ジョースターの血筋を滅ぼす』。そのほんの『ついでに』、この世界を破壊させて貰った」
「ッ!?なんだって…『ジョースター』を…?ということは、まさか…!」
「そうだ!あのジョナサンの孫『ジョセフ』も、その孫『空条承太郎』も、このDIOが全て根絶やしにしやったぞッ!もはやこの世界に、我が『運命』に踏み入るジョースターの血縁は一人として『存在しない』ッ!!」
「そん、な…」
その言葉に、苗木は再び絶句する。言葉の内容からして、承太郎たちが敗れたのはおそらくエジプトでDIOと闘った時であろう。そして、苗木が承太郎から聞いた話によれば、承太郎の母『ホリィ』、そし当時幼い『仗助』はDIOが蘇った影響により発現したスタンドを制御しきれず死にかけたという。ならば、承太郎たちがDIOを倒せなかった以上、その二人が生きている可能性は限りなく低い。それはつまり、おそらく存在していたであろう『この世界における苗木』、…そして現時点で苗木は知らないが彼と同じく『DIO』の血を引く『3人の男』を除けば、この地上から『ジョースター家』の血を引く者が『消滅した』ことを意味していた。
「………」
「ん?どうした?己の運命に『絶望』したか?なに、何も恐れることは無い。お前の命は、このDIOに還るだけのことだ。それはお前にとって、何にも代えがたい『安心』となるであろう。さあ、このDIOに身を委ねるのだ…『息子』よ」
「…言いたいことは」
「む?」
「言いたいことは…それだけかッ!!『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』!!」
ドォンッ!
一喝と共に飛び出した『G・E・R』は音速に迫るスピードでDIOに殴り掛かる。
「何ィッ!?」
『無駄ァッ!』
バキャッ!
「ぐおッ!?」
そのスピードはDIOと言えど反応しきることができず、かろうじて両腕で防いだもののガードした腕をへし折られ後方に吹き飛ばされる。危なげなく着地したDIOは、驚いた表情で苗木と傍の『G・E・R』を見る。
「お前…その力…」
「もう『迷い』は無くなったッ…!『この世界』のジョースターさんたちの仇、、そしてアンタの『息子』として、世界は違えど好き勝手やり過ぎたアンタの始末をつけるために、僕は…お前を倒すッ!!」
「『この世界』?…ほう、成程な。貴様、『平行世界』の俺の子か。道理で俺には分からぬはずだ。お前が『この世界』の住人であれば、それほどのスタンドパワーを持っていることにこの俺が気づかぬはずが無いからな。…面白い」
ニヤリと嗤うと、一瞬DIOの折れた腕の周りの空間が『歪む』。
(ッ!?なんだ…今の?)
それを見た苗木が怪訝そうな顔をしていると、立ち上がったDIOは折れた筈の腕を『完治している』のをアピールするかのように振るう。
(!治ったのか…今の一瞬で…!?いくら吸血鬼の回復力が優れていると言っても、いくらなんでも早すぎる…!さっき言っていた、『新しい力』と関係があるのか?)
内心驚く苗木の前で、DIOは地上に降りると悠然と苗木の方へと歩いてくる。
「そういえば…まだお前の名を聞いていなかったな」
「…苗木、誠だ」
「苗木誠、か…。気が変わったぞ、誠よ。お前のスタンドの力、どれほどの物かこの『父』が確かめてやろう。そして、お前の『魂のエネルギー』が最大になったその時!お前を『血を吸って殺す』と宣言しよう…!」
「…やってみろッ!お前がその『真実』に辿りつくことは、決してないッ!!」
「『真実』か…いいだろう。『天国に至った』このDIOの『真実』と、異なる世界より来たお前の『真実』。どちらが『本物』か、確かめてみようではないかッ!!」
そしてお互いの『射程距離』に入った時、DIOは己のスタンドの名を叫ぶ。
「『ザ・ワールド・オーバーヘブン』ッ!!」
ドォンッ!
「ッ!!」
強大な威圧感と共に現れたのは、かつて承太郎と死闘を繰り広げDIOと運命を共にしたというスタンド『ザ・ワールド』。しかし、苗木は知る由もないがその体は以前の『黄金色』からなんの偶然かDIOと同じ『白金(プラチナ)』色へと変わり、『黒の眼』に『白の瞳』はより『機械的』な印象を与えさせる。しかし、その存在が放つ圧倒的なプレッシャーは『G・E・R』にも匹敵するほどであった。
「さあ来い息子よ…父の腕の中で、お前も『天国』の一部となるがいい!」
「冗談じゃあない…!お前が行くのは『地獄』だクソ親父ッ!」
「無駄無駄無駄無駄…!」
「無駄無駄無駄無駄ッ!!」
白銀に染まった死の世界の中心で、地球最大級の『親子喧嘩』が始まった。
どうでしたか?ぶっちゃけまだストーリーは書けていないので序章と言った感じでしたが…
本編か番外編が落ち着いたらストーリーも書きますので続きは相当先になるかも…