ダンガンロンパ~黄金の言霊~   作:マイン

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アイデアはあるのに筆が遅いEOH編です
しょうがないんや…本編メインで進めんと終わらんから…!

しかし、この番外編はジョジョ要素が強めなぶんダンロンよりもジョジョのアニメ見てる方が書きたくなるんですよね。…やはり今年の夏アニメは私の味方をしているッ!


特別番外編 アイズオブヘブン~二人の『ディオ』~

 光のヒビを抜けた承太郎がやって来たのは、古めかしい雰囲気のある、それでいてどこか異様な緊張感が漂う大きな館の中であった。

 

「ここは…、建物の中か?日本のものじゃあねえみてえだが…」

『こっ…!ここは…ッ!?』

 外の様子を見てスピードワゴンが亀から飛び出してきた。

 

「俺の『時代』だ…!この建物は…ジョースターさんの…ッ!」

『…この建物は…』

 するとつられて苗木もまた亀から出てきた。

 

「…間違いない、ここは『ジョースター邸』だ。しかもこの内装…どうやらスピードワゴンさんの言うとおり『ジョナサン・ジョースターが生きた時代』のものみたいですね」

「何…?」

「な…なんでお前さんがそのことを知ってるんだよ?」

「僕の時代ではジョースター邸が再建されて、僕がその『管理者』になってるんですよ。…あそこには、ジョナサンさんとエリナさんの『墓』がありますので…」

「…ん?待て、誰か来るぞ…!」

 承太郎が注意を向けた廊下の先から、何者かがふらふらとこちらにやって来る。

 

「…ッハァ…ハァ…」

「む!あれは…」

 承太郎がその人物のことを考察するよりも早く、スピードワゴンがもはや『反射』に近いスピードでその人物の名を呼ぶ。

 

「ジョースターさんッ!!」

「…ッ!あの方が、ジョナサン・ジョースター…!」

「ジョースターさん、ご無事ですかい!?」

「…スピードワゴン!?」

 大急ぎで走り寄ろうとするスピードワゴンに気づいたジョナサンは、焦った様子で大声を張り上げる。

 

「…来るなッ!こっちに来てはいけないッ!」

「…うッ!?」

 直後に感じた『殺気』に思わず足を止めると、承太郎たちの正面にある階段の上から何者かが飛び降りた。

 

「…まだ生きていたか、JOJO!」

「ッ!?アイツは…ッ」

「て、テメエ…『ディオ』ッ!」

「何ッ!?」

 現れた人物…承太郎の記憶よりどこか『若々しい』ディオは、ジョナサンを一瞥するとスピードワゴンたちに視線を向ける。

 

「貴様は…確か、スピードワゴンとかいうカス…」

「…あれが、『この時代』のDIOか。そして…あの男が、ジョナサン・ジョースター。俺の先祖か…」

「ええ…。僕にとっては、二人とも『父親』みたいなものですね。そしてその二人が揃っているということは…嫌な予感しかしませんね」

「…そこの二人は初めて見る顔だな。だが…どうでもいいことよ、ジョジョォッ!」

「ぐっ…!」

「お前の奮戦ぶりは認めよう!我が僕の『亡者』達を相手に、よくぞ今まで持ちこたえた…!だが、『屍生人(ゾンビ)』はまだまだ無尽蔵ッ!休む暇など与えんぞッ!」

 ディオが両手を広げると、屋敷の通路の奥から次々と『屍生人』が現れる。

 

「アアー…」

「ウー…」

「クッ…、『波紋の呼吸』を…整えなくては…ッ!」

「マズイ…!ジョースターさんは今まで闘い続けて疲弊しきっているッ!」

「なら…僕たちでジョナサンさんを援護するだけです!」

「やれぃッ!『ゾンビ』共ッ!奴にファンファーレという悲鳴を吹かせてみろ!」

「ふん、させねえぜ…!」

 迫りくるゾンビの群れを迎え撃とうとするジョナサンを守るべく、3人はジョナサンの元へと駆け出していく。

 

「ゥアー…ッ!」

「ハァ…ハアッ…!オーバードライ…」

『オラァッ!』

 

ボゴォンッ!

「「ッ!?」」

 ジョナサンに襲い掛かろうとしたゾンビの一体が、承太郎の『スタープラチナ』の一撃を受け近くの柱に叩きつけられる。

 

「き、君は…!?」

「話は後だぜ。今はこいつらを片付ける…アンタはすっこんでな!」

「…申し出はありがたいが、心配は無用!ディオを前にして、休んでなどいられない!」

「…フン、なら好きにしな。無茶して死なねえようにな…」

「ああ…助太刀、感謝する!」

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!』

「どぉりゃあッ!」

「『波紋疾走』ッ!」

『オラオラオラオラオラオラァッ!』

「…こいつら、『何者だ』…?触れずして我がゾンビどもを蹴散らすとは…」

 

『……』

 驚くディオと、それを『階段の上』から見下ろす『男』の眼前で、承太郎たちはゾンビの群れをあっという間に片付けてしまった。

 

「…一丁上がりィ!」

「凄いな…君たちは…!」

「ゾンビ程度ならこんなものです。…問題は」

「ああ、こんなもんじゃ埒が明かねえ…親玉のテメエが来やがれッ!」

 承太郎の啖呵に、ディオは警戒の眼差しを承太郎と苗木に向ける。

 

「ゾンビの群れをモノともせんとは…しかも、見たところ『波紋』を使っているようでも無い。貴様ら…その『能力』は一体…?」

 

「…どうした、てこずっているようじゃあないか?」

『ッ!!』

 段上より聞こえた声に皆が顔を上げると、声の主はゆっくりと階段を下りてくる。まるで『ジョッキー』のような服装をしたその男は、ディオの隣に立つと顔を上げ…

 

『!?な…ッ!』

その顔を見た瞬間、承太郎たちは驚愕の表情を浮かべる。何故ならその『顔』は…

 

 

 

 

 

「しかし、スタンド使いが相手では…まあ貴様には荷が重かったようだな」

 隣に立つディオと、『瓜二つ』だったからである。

 

「だ、誰だ…ッ!?ディオに、似ている…?」

「何者……いや、まさか…!」

 混乱するジョナサンたちに対し、ディオはその男に若干の『嫌悪感』を向けながらその名を言う。

 

「チッ…『ディエゴ・ブランドー』か…」

「ディエゴ・ブランドー…だと!?ディオの…『兄弟』か?」

「フン、その程度の発想が…」

「…いえ、違います。おそらく彼は、『別の世界軸のディオ・ブランドー』だと思います」

「別の、世界軸…?」

「…ほぉ」

 苗木の推理に、ディエゴは感心したように声を上げる。

 

「つまり…あいつ等はお前とジョルノみたいなもんということか?」

「はい…。そういうことになるでしょう」

「まさか、そんなことが…!?」

「…いえ、むしろ『必然』なのかもしれません。僕とジョルノ君という、『2つの世界軸のDIOの息子』が居る以上、少なくとも『2つの世界軸のDIO』が存在しているのは間違いないことです。ならば、『他の世界軸のDIO』が存在していたとしても、なんら不思議なことではない…!」

「…なかなか、勘のいい奴がいるじゃあないか。よくもそんな突拍子もない考えが思いつくものだ。が…『正解』な以上誉める他ないな。そうだとも、俺とこいつは『似て非なる存在』!同じ『ブランドー』の名を持つ存在ではあるが、俺達はれっきとした『別人』だ」

「…ふん。こんな『人間モドキ』となど一緒にされたくもないんだがな…」

「おいおい、上から目線で言うんじゃあないよ『怪物』。俺達はあくまで『対等』、そういうことになってるだろ?」

「……」

「……」

「…フン。似たような名前と顔をしている割には、随分仲が悪そうじゃあねえか」

「とりあえず言えるのは…どちらにせよなんか『ムカつく』んですよね…」

 睨みあう『ディオ』と『ディエゴ』を苗木は複雑そうに観察する。

 

「…まあいい。お前との決着は後でつけるとして…今は、ジョジョを始末することが最優先ッ!」

「ディオ…ッ!」

「ジョジョ…、『この世界』の『ジョニィ・ジョースター』か」

「あー?何言ってやがんだテメエ?」

「多分、ディエゴの居た世界のジョナサンさんのことでしょう。…どうやら奴と同じように名前とかが若干違うみたいですけどね」

「…ふむ、いいとも。『協力』してやるよ。コンビで奴らを始末する」

「…まあいいだろう。足を引っ張るなよ」

「ならば僕が…うぐッ!」

「ジョースターさん、それ以上は流石に無理だ!」

「…承太郎さん、ここは僕が闘います。自分でもよく分からないんですけど、一発ぶん殴ってやらないと気が済まない気分なんです…!」

「…お、おう…」

「…彼はディオと何かあったのか?妙にディオを嫌っているが…」

「…いいだろう。なら俺も…」

『いえ、ここは僕にもいかせてください』

 

ドヒュン!

 戦いに出ようとした承太郎を制するように、亀の中からジョルノが現れる。

 

「ジョルノ君…?」

「済みませんが、ここは僕にやらせてください。ディオ…昔の父さんはともかくとして、あのディエゴとかいう男の力は未知数だ。ここは『レクイエム』を持つ僕たちが出た方が確実ですから」

「……」

「それに…」

「ん?」

「…苗木君、僕も君と『同じ気持ち』なんですよ。細かいことは抜きにして、とりあえずあの二人と戦いたいんだ…!そうすれば、少しは父さんの事を知ることができそうですから」

「…はは、成程」

「…分かった、任せるぜ」

「ありがとうございます。…行きますよ、苗木君…!」

「ああ、ジョルノ君…!」

 並び立つ苗木とジョルノに、ディオとディエゴは傲慢な笑みを浮かべる。

 

「ふん、誰が来るかと思えば小僧二人か。拍子抜けだな…」

「妙に気に入らない奴らだ…。速攻でカタをつけてやろう…ッ!」

 

ドォンッ!

 ゆっくりと歩み寄る二人目掛け、ディオは空中高く跳び上がって襲い掛かる。

 

「死ねィッ!人間…」

 

「「無駄ァッ!!」」

 

ドゴゴォッ!!

「ぐおッ…!?」

 ディオの動きにカウンターするかのように放たれた『2体のG・E・R』の拳がディオを捉え、階段の上まで吹っ飛ばした。

 

「ぐぅッ…!い、今の『力』は…?何か、『見えない拳』で殴られた様な…」

 現時点ではスタンド使いではない為スタンドが視えないディオに対し、ディエゴはその光景を見て感嘆するように口笛を吹く。

 

「ヒュウ…!凄まじいパワーだな。…しかし珍しいな、『全く同じスタンド』が2体存在しているとはな」

「…どうやら、スタンド使いなのはディエゴの方だけみたいですね」

「うん。…けど、だからといってあっちの親父を放っておく訳にもいかないよ。ほら…」

 苗木が示した先では、殴られたダメージから立ち直り憤怒の形相を浮かべ立ち上がるディオがいる。

 

「これがお前の言っていた『スタンド』とかいう力か…!小賢しいッ!モンキーが棒を持った程度でこの俺に勝てる筈が無いということを思い知らせてやろうッ!」

「もう立てるのか…!?かなり思いっきり殴ったつもりだったんだが…」

「アレが『吸血鬼』だよ。…さてジョルノ君、どう戦う?片方を落とすか、個別に倒すか…」

「…ここは二手に分かれましょう。奴等が『異変』に関わっている可能性がある以上、いつまたあの『光』で逃げられるか分からない。こちらの手の内を片方に見せたままにするのは後々危険ですから…」

「なら、ジョルノ君は吸血鬼の方の親父を。僕はディエゴと戦う。…それと、とりあえず僕が知る限りの親父の力を手短に説明しておくよ」

「…お願いします」

「まず、純粋な力は近距離型スタンド並だ。スピードや反射神経も人間のそれを遥かに上回る。それから奴には直接触れられないように気をつけてくれ。指先から『血を吸う』だけじゃなく、触れた相手を凍らせる『気化冷凍法』という技をもっている。それと、狙うなら『頭』だ。吸血鬼の『弱点』は『日光』と『波紋』、それに『頭部への攻撃』だから、頭を吹っ飛ばせば奴を倒せる…!」

「…わかりました。ありがとうございます、そちらの情報は殆どありませんから、気をつけてください…」

「ああ、分かってるさ…!」

 

「…彼は何者なんだ?見たところ『波紋使い』でもないのに、何故ディオの闘い方をあれほど知っているんだ…?」

「さあ…?アイツどれだけこっちの事情を知ってやがんだ?」

「…まあ、面倒が無えのに越したことはねえ。問題は…あのディエゴとかいう奴のスタンド能力だがな…」

 

 戦いを見守る承太郎たちの眼前で、ジョルノはディオへと、苗木はディエゴへとそれぞれ向かっていく。

 

「ディオ…!あなたという存在を、確かめさせてもらいます!」

「なにをワケの分からんことをッ!貴様なんぞジョジョの血を吸う前の前菜に過ぎんということを思い知らせてやろう!」

 

「さて…俺の相手はキミってことでいいのかな?」

「そういうことだね。…一応聞くけど、アンタはスタンド使いなのか?」

「そうだ。アイツにも一応スタンドのことは教えてやったんだが…あの様子じゃ痛い目に遭うまで受け入れそうにないな。まったく、たかが『人間を辞めた』程度でイイ気になっているヤツを見ていると頭が痛くなるよ。君もそうは思わないか?」

「…否定はしないけど、それはアンタだって同じじゃあないか?自分のスタンドにどれほどの自信があるのかは知らないが、少し『油断』が過ぎるんじゃあないか?」

「油断?…フフフ、これは『余裕』と言うんだよ!言葉を返すようだが、自分のスタンドがいくら強いからっていつまでも上から目線で喋っているんじゃあないッ!!」

「そうか…なら、確かめてみるか!」

「来いッ!『シルバーバレット』!」

「ッ!?」

 

ガシャァァーンッ!!

ヒヒーンッ!

 ディエゴの呼び声に呼応するように、屋敷の窓を蹴破って一頭の白銀の鬣を持つ馬が飛び込んでくる。

 

「久しぶり…かな?またしばらく頼むぞ!」

「ブルルッ!」

「う、馬だとぉ!?」

「野郎…マジで『騎手(ジョッキー)』だったのか!」

「ハッ!…これで『機動力』と『制圧力』はこちらが上回った!」

「くっ…!」

 流れるような動作で馬の背に飛び乗ると、自分めがけて突っ込んできたディエゴを苗木はかろうじて躱す。

 

「…避けたか。だが、いつまで躱しきれるかな?早くスタンドを出して身を守ったらどうだ?」

「…馬、か。なら、僕も『同じ土俵』で戦わせてもらおう…!」

「何だと?」

「『ゴールド・エクスペリエンス』!」

 苗木が足元に『生命エネルギー』を流すと、足元の『絨毯』の一部が突如隆起し始め、それはやがて一頭の『馬』の形を成して出現した。

 

「何ィ!?」

「じゅ、絨毯を『馬』に変えたッ!?」

「あれが奴の『ゴールド・E』…『生命を生み出す能力』か…!」

 

「…それが、貴様の…いや、『貴様ら』のスタンド能力か。自在に生物を生み出すとは…『あのレース』の最中であれば喉から手か出るほど欲しい能力だな」

「一応、褒め言葉として受け取っておくよ。…さて、これで条件は『互角』だ。正々堂々『一騎打ち』と行こうじゃあないか?」

「…ほう、面白いことを言うじゃあないか。馬に乗っただけのお前が、『騎手』としてのキャリアのある俺に『騎馬戦』で勝てると思ってるのか?」

「やってみなくちゃ分からないだろ?…それに、日本の諺にこんな言葉がある。『思う一念岩をも通す』…アンタがどれだけ堅い岩だろうが、僕の『覚悟』がそれを穿つッ!」

「…面白い、やってみろッ!!」

「ハァッ!」

 ディエゴと苗木の乗った馬がお互い目掛け駆け抜ける。そして互いの馬の鼻先がすれ違おうとしたその瞬間、二人はお互いのスタンドを発現させる。

 

 

「『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』…」

 一瞬早く発現した苗木の攻撃が決まると思われたその瞬間、

 

 

 

ドォーンッ!!

「……」

「…!?こ、これは…!」

 その異変に反応したのは、承太郎だけであった。何故なら…その瞬間、既に『時間が止まっていた』からである。

 

「この能力…ッ!まさか、テメエのスタンドは…」

 

「…『ザ・ワールド』。俺だけの時間だぜ」

 そして時間を止めた張本人、ディエゴは己のスタンド『ザ・ワールド』を傍らに悠然とその名を宣言した。

 

「やはり…ッ!テメエのスタンドも『ザ・ワールド』!」

「…ほう、『奴』から聞いた情報は本当だったようだな。空条承太郎…この止まった時間を認識できるということは、貴様も俺と『同じ能力』を持っているということだ」

「テメエ…!」

「この世に時を支配するスタンドは二人と要らぬ。お前は必ず始末するが…その前にこの愚か者に止めを刺すとしよう」

 ディエゴは承太郎を一瞥すると、傍で若干俯いたまま動かない苗木へと視線を向ける。

 

「自分の力に驕った小僧…。このディエゴの『栄光』の礎となるがいいッ!」

「苗木ッ!」

 『ザ・ワールド』の拳が苗木へと振り下ろされ、その心臓を撃ち抜こうとした、その時…

 

 

 

 

 

 

 

…パァン!

「…ッ!?」

 振り下ろされた拳を『G・E・R』が当然のように弾き返し

 

 

「…力に驕っているのは…」

「な…ッ!?」

 動けない筈の苗木が『当たり前のように』口を利き、ディエゴを正眼に捉えると

 

 

 

「…お前の方だッ!」

『無駄ァッ!』

 

ドゴォッ!

 『G・E・R』の拳が逆に『ザ・ワールド』の胸板を殴り飛ばした。

 

「にぃぃ…ッ!!?」

 スタンドごとシルバーバレットの馬上から叩き落とされたディエゴは先程自分が降りてきた階段にまで吹っ飛ばされ叩きつけられる。それを起点に、時は再び動き始めた。

 

 

「…何ッ!?」

「今の感覚は…まさか、今のが『ザ・ワールド』…!?『時を止める能力』…!」

「な、何が起きたんだッ!?」

「馬同士がぶつかるかと思ったら、急に彼…ディエゴが吹っ飛んだ…!?」

「苗木…アイツ、『時の止まった空間』で動けるのか!?」

 驚く一同を余所に、苗木は馬から降りるとゆっくりとディエゴへと歩み寄る。

 

「こ、こいつ…ッ!」

「予想はしていたが…本当に『ザ・ワールド』を使うとはな。けど、『ただのザ・ワールド』なら僕には勝てないぞ。…あのクソ親父も、それを見越してアンタを嗾けたみたいだな」

「貴様…何を言って…!?」

 

『無駄ァッ!』

「ぐおッ!」

「!?」

 倒れ伏すディエゴの隣に、今度はディオが吹っ飛ばされてくる。

 

「こ、こいつ…ッ!」

「…そっちの片付いたみたいだね、ジョルノ君」

「ええ、少し手を焼きましたが…そして、ディオと言う男のことも『理解』できました。どうやら、君の言うとおりあまり『尊敬』に値する男ではないようですね」

「だから言ったでしょ?…じゃあ、止めと行こうか」

「ええ…!」

「ぐッ…!このディオが、こんな奴如きに…」

「クソ…ッ!こんなところで…ム?」

 

ゴゴゴゴゴゴ…!

 ディオとディエゴに止めを刺そうとした時、その二人を囲う様にあの『黒い光』が生じる。

 

「これは…ッ!?」

「…チィ…ッ!余計な真似を…憶えておけ!貴様らは必ず、このディオが血祭りにあげてやるッ!」

「…間に合わないか。おい!一つ聞かせろ!…お前達はあのクソ親父に何故手を貸している?アンタ達だって…『ディオ』なんだろう!?」

「…フン、『奴』のことを言っているのか。俺は別に奴の手下になった覚えは無い!俺は奴を『利用』しているに過ぎん…最後に『総取り』するのは、このディエゴだッ!!」

 

ドヒュゥン…!

 捨て台詞を残し、二人のディオは光と共に消えていった。

 

「クソッ!逃がしちまったか…!」

「…済みません、勇んで出てきておいて取り逃がしてしまいました」

「気にするな。向こうから横槍を入れられた以上どうしようもねえ。…それより」

「ええ。…やはりこの一件、間違いなく『DIO』が裏で糸を引いていると見るべきでしょうね」

「…ぐう…ッ!」

「ジョースターさんッ!?」

 脅威が去ったことで気が抜けたのか、ジョナサンはその場に膝を突いた。

 

「大丈夫ですかい、ジョースターさん!?」

「く…これしき…ッ!」

「…失礼します」

「な、苗木?お前なにを…」

 割入った苗木にスピードワゴンが問いかけるよりも早く、苗木の『G・E・R』がジョナサンの体を治療する。

 

「これは…ッ!?傷が…しかもこのスピードは波紋以上…!?」

「…よし、これで体の傷は癒えました。けど体力までは戻っていませんから、しばらく休んでいた方がいいでしょう」

「お、おお!サンキュウ苗木!」

「…お前らのスタンドはそんなことまでできたのか」

「ええ、死んでなければ『G・E・R』なら大抵の傷は治せます」

「…キミ達は一体何者なんだ?スピードワゴン、彼らが君が見つけてきた『仲間』なのか?」

「仲間…?そういやスピードワゴン、アンタ自身の話を聞いちゃいなかったな」

「今の話…そして、アナタがどうして『聖なる遺体』を持っているのか、お聞かせ願えませんか?」

「…そうだな。俺達は、元々『風の戦士(ウインド・ナイツ)』っていう小さな街(ロット)へ向かう予定だった。吸血鬼となったディオが、その街に潜んでいるって噂を聞いたからな。…だが、その直前に『異変』がこの時代で発生した!焼け落ちた筈のジョースター邸が復活し、中は屍生人どもで溢れかえっていたッ!」

「…そんな時だった。僕の前に、『聖なる遺体』が現れたのは…」

「遺体は、元々ジョナサンさんが持っていたんですか?」

「ああ。…だが、ジョースターさんは屍生人を食い止めるためにここに残った!オレも一緒に闘いたかったが、無理やり『聖なる遺体』を渡されて、『異変』に立ち向かってくれる『仲間』を探す為に時空を超える旅をすることになったのさ…」

「例え、偽りでも…この館を見捨てることは、僕にはできなかったからね…」

「…あれ?そういえば日向君の先祖…『ウィル・A・ツェペリ』氏はいないんですか?あなた達が『ウインド・ナイツ・ロット』へと向かう途中だったのなら、既に出会っている頃ハズですが…」

「…それが、ツェペリのおっさんは『異変』が起こった時にいきなり『消えちまった』んだ…」

「消えただと…?」

「ああ…。さっきのディオのように、いきなり『黒い光』に包まれたかと思うと、助ける間もなく…消えてしまったんだ…!」

「黒い光…まさか…」

「…それより、助けてくれたこと感謝するよ。流石に危ないところだったからね」

「すまねえ…ジョースターさんッ!オレが遅くなっちまったばっかりに…!」

「気にするな、スピードワゴン。よく戻って来てくれた。…っと、そういえば自己紹介がまだだったね。僕はジョナサン・ジョースター。君たちは…?」

「…空条承太郎だ」

「ジョルノ・ジョバーナです」

「苗木誠です」

「よろしくな。…そういえば、ナエギ…くんだったか?何故君はあれほど吸血鬼に関して詳しいんだ?見たところ波紋の戦士ではないようだが…」

「ああ、それは…」

 

 

 

 

 

「オーッホッホッホッホッ!!」

「ッ!?」

 どこか鼻につくような高笑いが鳴り響いたのは、その時であった。

 




今回ジョルノと苗木のDHAを期待していた方、残念ですが今回はお預けです
…だってアレが決まると二人が瞬殺されるし。それは少し困るんですよね…尺的に
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