ダンガンロンパ~黄金の言霊~   作:マイン

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本ッッ……当に久しぶりのアイズオブヘブン編です。
他の作品を進めてたりやきうゲームで100エーカーの森の仲間達作ってたりしてて大変遅れてしまいました。…おかげでストーリーちょっと忘れて苦労しました

ではどうぞ


特別番外編 アイズオブヘブン~超人vs魔人~

「ぬうんッ!!」

 

轟ッ!!

 ワムウの肘から先が回転し、それが力強く振り抜かれると小規模ながらも『竜巻』が生み出されカムクライズルへと迫る。

 

「…ふっ!」

 それに対しカムクラは『2つの鉄球』を手にするとそれに黄金の回転をかけ、ワムウが放った竜巻へと投げ入れる。

 

 

ギュルルルル…ギャルルルルルルッ!!

ドドゥッ!!

 あっけなく竜巻に飲み込まれた鉄球であったが、しばらくすると竜巻の内側から『異音』が鳴り響き、やがて先ほどより回転を増した鉄球が竜巻からはじき出されるようにワムウへ襲いかかる。

 

「何ィ!?」

 

ボボゴォッ!!

 躱す間もなく、鉄球はワムウの両腕を突き破り二の腕に風穴を開ける。鉄球には既に波紋が籠められていたらしく、風穴からは波紋傷の煙が噴き上がる。

 

「SHHHYYYYAAAAAッ!!?ば、馬鹿な…俺の風を、逆に『攻撃に利用した』だと…!」

「相殺するだけなら簡単でしたが、どうせなら利用させてもらいました。投げ入れた鉄球を『遊星ギア』に見立てて中心の風圧を高めれば、外に『弾き出される力』は増しますので」

「チィッ…!次は俺様だ、小僧!!」

 ワムウがいとも容易く手傷を負ったことに流石に動揺したのか、エシディシがカムクラめがけて飛びかかる。

 

「喰らってドロドロに溶けちまいな!『怪焔王』の流法!!」

 エシディシの全身から『血管』が飛び出し、そこから摂氏500℃にも達する超高温の血液がカムクラに降りかかる。しかし、カムクラは一切慌てること無く手で『指鉄砲』の形を作ると…それを『自らのこめかみ』突きつける。

 

「『タスク Act3』…!」

 

ドゥンッ…!

 突きつけた指先の『爪』が回転し、勢いよく発射された爪弾がカムクラの頭部を撃ち貫く。

 

「な…何ィィィィッ!!?」

「馬鹿なッ…日向君!!」

「ふん…死の恐怖に耐えきれず『自殺』するとは、拍子抜けだ…ッ!?」

 気が狂って自殺したと思っていたエシディシであったが、直後にカムクラの体に起きた『異変』に思わず息を呑む。

 

ギュルルルルル…!

「何ィ!?」

 カムクラの頭に穿たれた爪弾は黒い渦を作りながら『回転』し、カムクラの身体はその渦に巻き込まれるように消えていく。

 

「なんだこれは…!?奴は一体何処に…」

 

「…!エシディシ、奴は貴様の『背中』だッ!」

「ハッ!?」

 カーズの声にエシディシが首を捻って背中を見ると、自身の背中に同じ黒い渦が発生し、そこからカムクラの上半身が『生えていた』。

 

「遅いッ!!」

 エシディシの反応より一瞬早く、カムクラはエシディシの身体に波紋を流し込んだ。

 

ジババババババッ!

「うぎゃぁぁぁぁぁぁッ!!?」

「エシディシ!!」

 想定外の反撃に悲鳴をあげるエシディシを助けるべく、カーズが『輝彩滑刀』を振り上げ襲いかかってくる。

 

「…『Act4』!」

 

ガキィンッ!

 カムクラはすぐさま渦から飛び出し、『タスク』を『Act4』に切り替えてカーズの斬撃を受け止める。鉄すら切断する輝彩滑刀をあっさり受け止められたことにカーズは驚くが、その頭脳と観察眼がそれの正体を感づき出す。

 

「…この感覚、貴様自身が我が輝彩滑刀を受け止めているワケではないな?貴様ではない何か…貴様の『傍に居る何者か』が貴様の代わりに攻撃を防いだのか!エシディシに使った妙な手品もそいつの仕業だな!?」

「流石は柱の男のリーダー…スタンドを目視できないままでスタンド能力に気がつくとは」

「舐めるな人間!それさえ分かればさしたる問題ではない…例え目視できずとも、こうして接触できる以上触れる瞬間には確実に存在しているのだろう!ならば周囲の空気の流れを読み、そこに微かな『変化』があるのならば…!」

 

ガキュインッ!

「そらそらそらそらそらそらッ!!」

『オラオラオラオラオラオラッ!!』

 

ガキキキキキィンッ!!

 カーズの目まぐるしく繰り出される斬撃にカムクラは『タスク』のラッシュで応戦する。時折競り勝った『タスク』の拳がカーズに向かうが、カーズはまるで見えているかのように一瞬早くそれを回避する。

 

ガツゥンッ…!

 そして何十合目かの刃と拳の衝突の後、カーズはその場を飛び退いて距離をとりカムクラに勝ち誇ったような笑みを向ける。

 

「…やはりな。貴様、まだその力を十全に使いこなせてはいないな?今の攻防、『貴様自身』が攻撃する隙は十分にあったはずだが、貴様は何もしてこなかった。つまり貴様はその能力を使っている間は自ら攻撃することが出来ない。どういう理屈かは知らんが…その能力は貴様自身の意思で無ければ動かせないようだな」

「……」

 

 カーズの読みは的中していた。日向とカムクラのスタンド『タスク』は破壊力こそ他の追随を許さないものがあるが、彼らのスタンドを用いた戦闘の経験は少なく、いかに万能の天才であるカムクライズルといえど苗木のようにスタンドを動かしながら自分も戦うということには慣れていないのである。

 

「エシディシ様…!」

「むう…すまんカーズ、ちと油断したわ…!」

「気にするなエシディシ。…奴を侮ったのは俺とて同じだ。だが次はそうはいかん…小僧、認めてやろう。貴様は我らが戦った中で『最強の波紋戦士』だ。…だからこそ!今この場で殺さねばならんッ!」

 ショックから立ち直ったワムウとエシディシを伴い、カーズはカムクラに先ほどまであった『遊び』の欠片もない殺意を向ける。

 

 

 

「…す、スゲぇ!日向の奴、カーズ達を相手に互角…いや、それ以上に戦っているぜ!これなら勝てるんじゃあねえか?」

 戦いを見ていたジョセフはカムクラの想像以上の戦いぶりに興奮するが、声をかけたリサリサやジョセフ(老)の表情は渋い。

 

「…いえ、確かに彼は強いわ。私たちが思っていた以上に…だが、それでも仕留めきれなかったのは大きい。今まで奴らは彼を見くびっていたが故に『一人ずつ』仕掛けてきたけれど、これで彼らも本気になった…!おそらく次は全力で殺しに掛かってくるはずよ」

「いくら日向君が強くとも柱の男を3人まとめて相手にするのは無理じゃ!確実に殺される…やむを得ん、ワシらが加勢するしかあるまい!」

「チッ、しょうがねえ…」

「マリアの孫だというのなら、死なせるわけにはいかないッ!」

 状況が不利になったカムクラの助太刀に承太郎とシーザーが駆け出そうとした、その時。

 

 

 

「…その評価は受け取っておきますが、残念ながらこの勝負は『お預け』にさせていただきます」

 殺気立つ柱の男達に、カムクラは唐突にそんなことを言い放った。

 

「…何?」

「どういう意味だ?」

「言葉通りです。貴方がたが僕に脅威を抱き、排除しようと目論むのは構いませんが、我々には貴方がたに構っている暇は無い。…ですので、今日のところはここでお引き取り願います」

「…小僧、貴様…我らを侮るのも大概にしておけよ!エシディシ様と俺に傷を負わせ、カーズ様に必殺の宣言をされておきながら生きて逃げられるとでも思ったのか!?」

「ば、馬鹿野郎日向―ッ!何怒らせてんだよ、もうちょっと言い方ってモンがあるだろうがよぉー!」

「…ワムウ相手に啖呵を切っていたお前が言えたことか…?」

 カムクラの態度に青筋を浮かべて激昂するワムウだが、カムクラは冷静に応える。

 

「…いいえ、貴方がたは必ず退く。『退かねばならない』…何故ならばこれ以上の戦いはもはや『無意味』でしかないからです」

「何だと?」

「『エイジャの赤石』…貴方がたがここに来た目的はそれでしょう?」

「…ッ!貴様、何故そのことを…」

 

「エイジャの…赤石?なんだそりゃ?」

「先生、何かご存じですか?」

「…まさか、赤石のことまで知っていたとは。ジョセフ、貴方が教えたの?」

「い、いや…ワシは話しておらん。もしかしたら、彼のいた世界のワシが教えたのかもしれん」

「…何を考えている」

 カムクラの言動や態度にジョセフ達は戸惑うが、カムクラは構うこと無く更に続ける。

 

「貴方がたの目的は我々の所有していた『スーパーエイジャ』を奪い、それを用いて『完全なる生物』へと進化すること…確かそうでしたね?」

「…貴様が何故そこまで知っているのかは分からんが、ならばなおのこと生かしてはおけん!我々の悲願の障害となり得る者は全て排除する!そして必ず赤石を…」

「ですから、それはもう『無意味』なのですよ」

「…?」

「言ったでしょう、赤石は我々が『所有していた』…と。貴方がたの狙いが分かった以上、それをみすみす放っておくとでも思っていたのですか?」

「…ま、まさか!?」

 『最悪の可能性』に至ったカーズを肯定するように、カムクラは首に掛かっていた『指輪』のついたネックレスをカーズへと突きつける。

 

 その指輪の台座には闇夜にあっても赤く燦々と輝く赤い宝石…『スーパーエイジャの欠片』が填め込まれていた。

 

「そ、それは!」

「お探しのスーパーエイジャ…その『なれの果て』ですよ。残念ながら数日前に粉々に破壊させてもらいました。今ここに在るこの欠片を除いて、残りは全て海にばらまきました」

「…な」

 

「「何ぃぃぃぃぃッ!!?」」

 カーズとジョセフ(老)の叫びがシンクロする。

 

「ば、馬鹿なッ!そんなことが…」

「疑うようでしたら、どうぞ確かめて結構ですよ。必ず返して貰えるのなら…」

 カムクラはそう言って指輪をカーズへと放り投げる。慌ててキャッチしたカーズは食い入るように赤石の真偽を確かめる。

 

「…お、おい日向君!これは一体どういうことじゃ!?」

「赤石を破壊したなんて、そんな嘘が通じるはずが…」

 カーズ達の注意が逸れた隙にジョセフ(老)とリサリサが小声で詰め寄るが、それに対しカムクラは口の前で人差し指を立て黙っているようジェスチャーする。…すると、指輪を見ていたカーズが戦慄したような声を漏らす。

 

「…馬鹿な。この輝き、この純度…これは紛れもなくかつてローマ皇帝が所持していた赤石…!この世に2つと無い究極のスーパーエイジャだッ!」

「なんですって…!?」

「なんと…!?では、奴の言うとおり赤石は既に砕かれたと…?」

「し、正気か貴様ら!?」

「我々はいたって正気ですよ。…確かに赤石は貴重な代物です。ですが、貴方がたに利用されその力になるぐらいなら…砕いて当然でしょう」

「ぐぬぬ…!」

「もうよろしいですか?…では、それを返して貰います。『Act3』」

 

 カムクラが自分の片手に『Act3』を撃ち込むと、その手はカーズの手元へと出現し指輪を掴むと指輪ごとカムクラの元へと戻っていく。

 

「…貴様らぁ~ッ!!我らをコケにした挙句、数万年をかけた我々の悲願すら阻みおってぇーッ!!」

「…う、ウヒヒヒ!なんだかよく分からねーけど、お前らの悲願とやらはご破算みてーだな!ザマーみろってんだ!」

「報復したいのならばどうぞ。…ですが、僕らもただでは死ぬつもりはありません。この場の全員でかかれば、貴方がたの内2人は倒せるでしょう。それで僕らを皆殺しにしたとして…しかしそこで『終わり』です。貴方がたはこれから一生…いつまで生きられるのかは知りませんが、ずっと日の光に怯えて生き続けることになる。日の光の届かぬ場所でひっそりと生き続けるか、夜のみに生きる者として意味も無く人を喰らい続けるか…そうなった場合、人間も黙っては居ないでしょうからいつか必ず貴方がたを倒せる技術を開発するでしょうが。その時に、たった一人で何が出来るのか…さあ、どうします?」

「…ッ、いいだろう…望み通りここは退いてやろうではないか」

「カーズ様!?」

「カーズ!お前、それでいいのか!?」

「いいわけなかろうッ!だが、既に夜明けも近い…我ら3人ならばこいつらに負けることなどあり得んが、下手に粘られればどのみち退くのは我らの方だ。そして赤石が失われた以上、もはやこんなちっぽけな島に用はない。こんな連中に構っている意味は無いと言うことだ」

「むう…少々納得出来んが、いかに我らが悠久の時を生きるとはいえ無駄な時間は確かに惜しい…仕方が無いと言うことか」

「…お二人がそうおっしゃるのならば、私も従いましょう」

 徐々に白やんできた東の空に撤退を決め、カーズ達はカムクラ達へと向き直る。

 

「波紋の一族共よ!この場は貴様らの愚かさに免じて退いてやろう…だが忘れるな!赤石による進化への道が失われたとはいえ、我らはこんなもので諦めはしない!何時の日か必ず、新たな方法で太陽を克服し、人間共を…いや、この星を我らが支配してやろう!もしその時に、再び貴様らが立ち塞がるというのなら…その時こそ、此度の屈辱を晴らしてやろうでは無いか!」

「…精々気をつけるのだな。今の俺は少々虫の居所が悪い…追いかけてくるのは結構だが、その時は今ほど紳士的にはなれんぞ?特に…我らの野望を阻んだ貴様にはな!」

「ジョジョとやら…この場は退くが、俺はお前との勝負を諦めた訳ではない。未だ貴様の心臓と喉に『死の婚約指輪』がある限り、貴様は俺から逃れることはできない。指輪の融解まであと10日…俺は再びここに来るその日に、貴様が一流の戦士になっていることを楽しみにして居るぞ」

「ま、待て…貴様らッ!!」

「シーザー!」

 

ババッ!

 追いすがるシーザーに構うこと無く、カーズ達は闇夜の空へと飛び去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

「…ぷ、ぷぅ~!心臓止まるかと思ったぜぇ~…」

 柱の男達が完全に去った後、緊張から解放されたジョセフはその場にへたり込む。

 

 

「…おい、日向!お前、どういうつもりだ!奴らをみすみす逃がすなど…俺達が何のために修行してきたと思っているッ!」

「貴方の気持ちは理解しているつもりです、シーザー・A・ツェペリ。…その上で聞きますが、今の貴方のコンディションで奴らに勝つ勝算があったのですか?もしそうだというのなら、僕が余計なことをしたということで謝罪しましょう」

「ぐ…それは…だが、俺はじいさんからの因縁に決着をつけねば…!」

 目の前で父の仇に逃げられたシーザーがカムクラに食ってかかるが、カムクラは一切動じず淡々と勝機が無かったことを告げる。言いよどむシーザーに、ジョセフ(老)とリサリサが声をかける。

 

「シーザー…残念だけど彼の言う通りよ。もし彼らがいなかったら、私たちだけではきっとカーズ達にやられていた。これで奴らが私たちへの興味を失ったのかは分からないけど…少なくとも、多少の時間を稼ぐことは出来るはず。今は力をつける時間が手に入ったことを、素直に喜びましょう」

「先生…」

「シーザー。その…お前にこんなことを面と向かって言うのは小っ恥ずかしいんじゃが、儂は今でもお前のことを『友』だと思っておる。そんなお前に目の前で死なれては、儂はこの上ないほどに悲しいし、悔しい。…そしてそんな想いを、お前の家族に味あわせるようなことはしたくない。仇討ちを諦めろとは言わん…じゃが、お前を愛する者に『お前と同じ気持ち』を抱かせるようなことは、お前とて本意では無いじゃろう」

「…ああ、その通り…だな。……済まない」

「……」

「…て、テメー!何糞さみーこと言ってやがんだ!俺が言ったみてーで鳥肌立っちまったじゃあねえか~!」

「じゃかましいッ!お前が言わんから儂が言っただけじゃ!というかお前も儂なんじゃから、お前が言ったようなもんじゃろうが!」

「にゃにおお~ッ!?」

「…やかましい!黙ってろ糞じじい共ッ!!」

「「うひッ!?し、し~ましぇ~ん…」」

 自分同士で口げんかを始めたジョセフであったが、承太郎に一喝されすごすごと引き下がった。

 

「…そ、そういえばじゃ!日向君、その指輪は一体なんなんじゃ!?その台座に填められているのは間違いなく赤石じゃが、なんでそんなちっこいもんになっておるんじゃ!?」

「…それは私も聞きたいわ。赤石は間違いなく無事なはず…なのに、ここに在るのも紛れもなく赤石。赤石が二つあるとは聞いたことは無い…君の持つその指輪はどこで手に入れたの?」

「…それの説明は僕の役目では無い。なので…創に『代わって』貰いましょう」

「はぁ?代わる…?」

 

 カムクラが目を閉じると瞬時に纏う雰囲気が変わり…目を開けると赤かった瞳は元に戻り、人格も『日向・Z・創』へと戻っていた。

 

 

「…っと。たくカムクラのヤロー…好き勝手やって後ぶん投げやがって。…なんか済みませんね皆さん、俺の相棒が失礼したみたいで」

「…ひ、日向…だよな?」

「はい、そうっすけど?」

「な、なんか…また雰囲気変わってねえか?」

「ああ…その辺も含めてお話しますよ。けど、ここじゃ場所が悪い…説明ついでにしばらく俺達に同行してくれませんかね?あとできちんとここまで送りますので…」

「…先生?」

「…ええ、構わないわ。あなた方の事情も聞いておきたいし、もし力になれるのなら今回の礼に協力させてもらうわ」

「どうもです!…承太郎さん、亀を」

「ああ…」

 日向に促され承太郎は再び亀を取り出す。

 

「あ~ん?にゃんだこの亀は~?」

「俺らの『拠点』みたいなもんです。詳しいことは『中』で説明するんで、亀の甲羅に触れてもらえますか?」

「甲羅?」

 言われるがままリサリサたちが亀の甲羅に触れると…

 

ドヒュン!

「どおッ!?」

「何!?」

「きゃあ!」

 吸い込まれるように3人の身体は亀の中へと吸い込まれていった。

 

「さて…んじゃ俺もちょっとくたびれたので説明の為にも引っ込みますわ」

「…日向君、その前にいいかね?」

「はい?」

 自分も亀の中に戻ろうとした日向をジョセフ(老)が呼び止める。

 

「一つだけ教えてくれ…さっきのカーズ達との戦い、もしあのまま続けていたら…『勝てた』かね?」

「…以前説明しましたけど、カムクラは俺であって俺じゃ無い。だから俺はアイツと同じ戦い方なんてできないんで、俺にはどうとも言えないっす」

「……」

「けど…俺もアイツも、『勝てない戦い』はよほどのことが無い限りしません。そして、『俺達』はまだ本気で戦っちゃいない…奴らもそうでしょうけどね」

「…そうか。なら問題ない…どうやら波紋の一族の未来は明るいようじゃな」

「そうなるよう、頑張ります…!」

 ジョセフ(老)に力強くそう言って、日向も亀の中へと入っていった。

 

「さて、ちょっとばかし歴史が変わってしまったかもしれんが…まあいいじゃろう。承太郎、色々あって忘れるところじゃったが、遺体の導きでここに来た以上ここにも遺体があるはずじゃ。早いところ探して次の目的地に向かうぞ!」

「ああ…」

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、亀の中では…

 

「…って経緯なんですけど、理解してもらえましたか?」

「……ええ、理解したわ。貴方の話も…ここの異常な面々にもね」

 日向からカムクライズルや赤石のことについて聞いていたリサリサたちであったが、それ以上にこの場に揃った面子のことに驚きを隠せずにいた。

 

「君たちが新しい仲間かい?僕はジョナサン・ジョースター…不思議だな、初対面の筈なのに君たちとはどこかで会ったような気がするよ」

「ゲゲーッ!!?ま、マジで爺さん…ジョナサン・ジョースターがここに居やがるッ!」

「爺さん…ということは、君がスピードワゴンの言っていた僕の孫かい?成る程…確かに、どことなく僕や父さんに似ているな」

「…まさか、写真でしか見たことのないジョナサン・ジョースターにこうして出会える日が来るなんてね。私の数奇な運命に、今回ばかりは感謝すべきかしら」

「…なあ、康一。あれって…若い頃のジョースターさん、でいいんだよな?」

「うん…そうらしいね」

「なんつーか…マッチョなジョースターさんもだけど、自分と年の近い父親を見るってのか…どうにも気持ち悪いぜぇ~」

「…Oh my god!なんなんだこの亀の中は!?死んだ爺さんに若いスピードワゴンに、おまけに俺の『息子』だぁ~!?ちくしょー、こんなところに居られっか!俺は外に出させて貰うぜー!」

「あ、待てジョジョ!」

 自分を中心としたジョナサンや仗助らとの関係に居たたまれなくなったジョセフは思わず亀から逃げ出していった。

 

「あーあ…しょうがないな、ジョセフさんも……ン?」

 そんなジョセフを呆れたように見送った日向は、一人部屋の隅で自分の『左腕』を見つめている苗木を見つける。

 

「どうした苗木?」

「あ…おかえり日向君。うん、ちょっとね…」

「…なに、アンタまだ調子悪いの?」

 どこか様子のおかしい苗木が気になったのか、江ノ島とジョルノもやってくる。

 

「調子悪い?…苗木がか?」

「ええ。なんでも先の戦いの後、スタンド能力が『上手く使えなく』なったようで…特に、『左腕』の調子がわるいようです。僕の『G・E・R』と比較してみたのですが、どうにも『レクイエム』の力が機能していないようです」

「レクイエムが…ってことは、攻撃を無効化したりできないってことか?」

「そーいうわけでもないんだよね。一応、アタシが時を消し飛ばしても動いたり認知したりはできてるし…なんつーか、『機能していない』っていうよりは『制御できていない』って感じ?」

「…どうなんだ、苗木?」

「…僕にも分からない。不調自体は前々から…『親父と戦った後』ぐらいからあった。でも、ここまで顕著になったのは初めてだ…僕に何が起きているのか、どうして僕だけなのか…まだ分からないんだ」

「ふーん…ま、そういうことなら無理すんなよ。幸いというかなんというか、こうして仲間も着々と集まってきたんだ。お前が不調を押して戦わなくっても、俺達がなんとかしてやるよ」

「…うん、ありがとう」

 

「おら~、シーザー!ゾンビだぞ~!」

「うおッ!?じ、ジョジョ!そんなものを俺に押しつけるんじゃあ無いッ!!」

「こ、こら!遺体を乱暴に扱うんじゃあねーぞジョセフ!」

「…頼りになる人たちだ」

 

 いつの間にか外で見つけた新たな『遺体』でシーザーをからかうジョセフたちを仲間に加え、苗木たちは次なる場所へと向かっていったのだった。

 




ちょっとカムクラチートし過ぎたかな…?
ちなみにカムクラがカーズ達を倒さなかったのは爪弾が勿体なかったのと、倒したところで遺体捜索には関係ないからです。僕的に、カムクライズルは究極の合理的かつ利己的主義者だと思うので。余計な労力は割きたくないということです
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