ダンガンロンパ~黄金の言霊~   作:マイン

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アイズオブヘブン編の更新になります。そろそろ半分に差し掛かるかな…?

タイトルの通り、ゲームにて登場したあのキャラとの戦いになります。まだ未掲載の番外編にて登場済みという設定ですが、あまり気にしなくても大丈夫です。…ちなみに誰の番外編で出てくるかはもう分かりますよね?

ではどうぞ


特別番外編 アイズオブヘブン~ギャンブラー・リベンジ~

 プッチを退けた後、承太郎たちは遺体の光に導かれて新たな地へと赴く…筈であった。

 

「…ん?」

「あれ…ここは、杜王町?」

 しかし、光の先にあったのは承太郎たちが以前訪れたはずの『杜王町』であった。

 

「どうしてここに…この時代の『遺体』は既に回収済みなんですよね?」

「ああ、そのはずだが…しょうがねえ、もう一度…」

 不思議に思いながら再び出てきた罅に入ろうとした承太郎であったが…

 

バリィッ!

「何ィッ!?」

「承太郎さん!?」

 光に触れた途端承太郎の身体は謎の『力』によって弾き返されてしまった。その衝撃は亀の中にまであったのか、承太郎の懐から騒がしい声が聞こえてくる。

 

『お、おい!何があったんだ承太郎!?』

「スピードワゴンさん、それが…」

 

 

 

 

 

 その後、スピードワゴンを始め主だった面々が亀から出てきて、たった今起きた『異常』について話し合い始めた。

 

「ウ~ム、俺も試してみたが…多分だけどよ、次の時代に行ける奴が『限られている』んじゃあねえかな?」

「なんだぁ、そりゃあ?」

「光の罅自体がなんらかの『壁』になって、『資格』のねえ奴を弾いてる…俺はそんな風に感じたんだぜ」

「資格ぅ?んなもんどうやって調べりゃいいんだよ…」

 スピードワゴンの推測に仗助が自棄気味にそうぼやいていると

 

コゥゥゥゥンッ…!

「!これは…遺体が『共鳴』している?」

「だ、誰の遺体が…って、オレェ!?」

「僕のもだ…!」

「俺のもです!」

 光に呼応するように、仗助、ジョナサン、日向の遺体が輝きを放つ。

 

「ふむ…これはつまり、次の時代に行けるのはジョースターさんと仗助、日向の『3人だけ』ってことになるのか?」

「そうみたいっすね。理由は分からないっすけど…」

「別行動を取るのですか?危険だと思うのですが…」

「大丈夫さ。僕たちは『遺体』の導きでここまで来たんだ、きっとコレにも何か意味があるんだろう」

「ジョースターさん、お気をつけて!」

「仗助君も頑張って!」

「日向君、くれぐれも気をつけてね」

「おう、ちょっくら行ってくるぜ!」

 皆に見送られ、ジョナサン達は光の罅に入っていき…

 

「…隙ありーッ!」

「あ、ちょ…おまッ…」

 最後に入った日向に割り込む形で光に飛び込んだ江ノ島と共に次の時代へと向かっていった。

 

「あッ!江ノ島さん…もう、本当に油断も隙も無い」

「だ、大丈夫かのうあの娘っ子…?」

「入れたってことは『遺体』がアイツに資格があると認めたってことだが…」

「…まあ、江ノ島さんだからきっと大丈夫ですよ。多分ここに残っても暇するだけだって思ったからでしょうし、碌でもないことはしませんよ…多分、きっと」

「『彼女の心配』ではなく、『彼女が何かする心配』の方が大事なんですか…」

「…ところでよ、俺らはこの後どうすんだ?」

「そうだな…。他に出来ることはねえし、この杜王町で『待機』しかねえだろうな」

「待機ぃ~?なんか拍子抜けだなぁ~」

 鼻をほじりながらそう呟くジョセフに、いつの間にか後ろにいたリサリサが声をかける。

 

「…ならジョジョ、良い機会です。その間に修行の続きといきましょう。まだ貴方に教えなくてはならないことは山ほどあるのですよ」

「ゲゲッ!?や、やぶ蛇…お、おいシーザー…」

「勿論です、先生ッ!」

「チクショーッ!そう言えばこういう奴だったぜーッ!!」

「ガッハッハッハ…!まあそうしょげるな、頑張れよ『ワシ』!」

「こ、この…『俺』ッ!」

「…ちょうどいい、貴方も参加しなさい。50年の間怠けたりしていなかったか確かめてあげましょう」

「ゲゲッ!?や、やぶ蛇…」

「…だったらよぉ~、俺腹減っちまったよ。時間掛かりそうだしトニオさんとこ行ってようぜぇ~」

「もう、億泰君たら…でも、僕もお腹減ってきたな。折角戻ってきたんだし行こうか」

「おお?話しに聞いてたこの街の激ウマイタリアンの店か?だったら俺も行くぜェ~!ジョルノたちも来いよ!」

「…そういやアタシらも脱獄してから碌なもん喰ってなかったな。ついでに喰っていくか!」

 こうして、ジョセフたちはリサリサに引き摺られて波紋の修行に、杜王町メンバーとポルナレフ、ジョルノ、エルメェスたちは腹ごしらえにトニオの店にと、それぞれ思い思いに時間を過ごすことになった。

 

「やれやれ…呑気な連中だぜ」

「ハハハ!まあ、それぐらいの方が頼もしいってもんだぜ。…ところで苗木、お前はどうすんだ?」

「そうですね…大して空腹でもないので、直ぐそこの『ドゥ・マゴ』ってカフェで一服していますよ」

「…ならアタシもそうするわ。その店になんか甘いモンってある?」

「チョコレートパフェが人気ですよ」

「Good!ちょうどそんな気分だったのよ、ホラさっさと行くわよ!」

「はいはい…ふふ」

 刑務所にぶち込まれて以来久しぶりのスイーツにテンションの上がった徐倫に、『自分の知る徐倫』の面影を感じて微笑みながら苗木はドゥ・マゴのある駅前広場へと向かっていった。

 

「…あ、あの店ですよ。…妙に空いてるな」

「あら、ラッキーじゃない。アタシ人混みの中で食べるの苦手なのよね」

「そういえばそうでし……ん?」

 やがて店までやって来た苗木と徐倫であったが、何時になく人気の無い店のオープンスペースに、『見覚えのある男』を見つけた苗木が眉を顰める。

 

「き、君は…!?」

「え、何…知り合い?」

 

「…お待ちしていましたよ、苗木誠様」

「『ダービー』…!」

 テーブルの上でトランプタワーを作りながら苗木達を待ち構えていたのは、かつてDIOの刺客として承太郎たちの前に立ちはだかり…苗木にとっては、自分がオーナー権をぶんどった『カジノ船』の運営を任せている部下である男…『ダニエル・J・ダービー』であった。

 

「どうして君が…いや、言うまでも無いか。『この時代』に君がここに居るということ自体が、君が『親父の放った刺客』である何よりの証拠だ…!」

「ッ!?コイツ、敵なの…!?」

「おやおや、そう慌てなさんなお嬢さん。…ご安心を、『今の私』は貴方の敵になるつもりはありませんよ」

「何…?」

「まだお気づきになりませんか?…何故『1999年にいる私』が、貴方のことを存じていると思います?」

「…ッ!まさか、君もウェザーと同じ…」

「ええ。私には『DIO様が承太郎たちを倒した世界の記憶』と、『貴方の部下としての記憶』の『2つの意識』が存在しています。…なので、私はDIO様の部下ではありますが、貴方を敵に回すことが如何に愚かであるということなのかを理解しています。ですので、少なくとも表だって敵対する意思は有りませんよ」

「…そんなこと言って大丈夫なの?アンタ一応そのDIOってのの部下なんでしょ?」

「心配はご無用。私程度の浅知恵など、DIO様ならとっくに看破されているでしょう。…それでも尚こうして生きているということは、そんなことなど今のあのお方にとっては大した問題ではないということでしょう」

 折角作ったトランプタワーを手慣れた手つきで崩しながらシャッフルし、再び元の山札へと戻したダービーの声音は、嘘をついているとは思えなかった。

 

「…君の心境と立場は分かったが、なら何故ここに?邪魔する気が無いのなら引っ込んでくれてた方が僕としては気が楽なんだけど」

「はは、これは手厳しい。…DIO様の『能力』、知りたくないのですかな?」

「ッ!?」

 ダービーが言い放った言葉に苗木と徐倫の表情が固まる。

 

「あ、アンタ奴の能力のことを知ってんの!?」

「残念ながら全てまでは…ですが、貴方であれば今の段階である程度DIO様の能力を『推測』出来ているのではありませんか?そこに私の持つ『情報』を加えれば、その推測を『確信』にすることが出来る…そのぐらいの自信はありますよ」

「…ありがたく拝聴、したいところだけど…タダでくれるほど安そうな情報ではないよね?」

「当然ですよ。むしろ私は『その為』にDIO様の部下となったんですからね」

 そう言いながらダービーは話しながらシャッフルしていたトランプの山札をずいと差し出した。

 

「どうです、久しぶりに『ポーカー勝負』といきませんか?貴方が勝てば私の知る限りのあのお方に関する情報を差し上げましょう。ですが…私が勝った時には、貴方の『魂』を今度こそ我がコレクションに加えさせて貰います…!」

「は…た、魂!?」

「ダービーのスタンド…『オシリス神』は、ダービーとの勝負で『負けた相手の魂をコインに変える』事が出来るんです。以前はあくどいギャンブルでそうした魂をコレクションしていたんですが…まだ諦めてなかったのか」

「勿論。承太郎はまだいい、プレッシャーに負けた私が間抜けだっただけのこと。…だが、貴方は違う。貴方は私を『ギャンブラー』として真っ向から叩きのめしてくれた。貴方に忠誠を誓いはしたが、その借りは必ず返すと決めたのです!これはその千載一遇の機会…さあ、どうしますギャング・スター!」

「…ふっ。ああ、それでこそ…僕の部下に相応しい。賭けよう、僕の魂をッ!!」

「Goodッ!!」

 テーブルを挟み向かい合う苗木とダービー。その雰囲気は二人が出会った時…まだ苗木の『素性』を知らなかったダービーが無謀にも挑戦してきた苗木と激闘を繰り広げたあの時とよく似ていた。…とそこに、承太郎とスピードワゴンが様子を見に来た。

 

「やっと見つけたぜ…ッ!?テメエは、ダービー!?」

「おー、承太郎までやって来たか。…だが残念だが、今私の相手は苗木誠様なのでな。お前の相手をしている暇はないのだよ」

「おい、こりゃどういう状況だ?」

「それが…そのダービーとか言うのが、『DIOのスタンド』についてなんか知ってるみたいで、それが知りたかったら自分と勝負しろって苗木に言うのよ」

「何…!おい苗木、そいつは…」

「分かってますよ。生粋のギャンブラーにして『イカサマの達人』…でしょう?以前僕の友人も手酷い目に遭わされたのでよーく知ってますよ」

「い、イカサマ!?」

「おいおいおい、そりゃ事実ですが貴方には言われたくありませんね。貴方が私をコテンパンにしてくれた『イカサマ』も相当でしたよ?」

「最後はイカサマ無しで勝ったんだからノーカンだろう?終わったことでゴチャゴチャ言わない」

「やれやれ…ああ、そこの帽子のジェントル。済まないが『ディーラー』をお願いしてもいいかな?私も彼も、カードに『触れた時点』でイカサマになってしまいかねないからねぇ」

「お…おう!」

「…コイツの方からディーラーを任せるなんざ、テメエどんだけえげつねえイカサマをしたんだ?」

「まあ、そこは僕のスタンドで色々と…ね」

 かつて戦った時の陰湿さの面影をまるで感じないダービーに困惑する承太郎の眼前で、スピードワゴンが手慣れたシャッフルの後にダービーと苗木にそれぞれカードを配る。

 

「ルールは『ファイブカード・ドロー』、要するにごく一般的なポーカー。そしてあの時と同じ、『ワイルドカード(ジョーカー)込み』での勝負!互いのチップは『5枚ずつ』、相手のチップを総取りした方が勝者です!…先攻後攻はどうします?」

「…先行を貰う」

「OK。では、お先にどうぞ」

 ダービーに促され、苗木は自分の手札を見る。配られたカードは『♥2、♦2、♥J、♠2、♣9』、既に『スリーカード』の役が出来ていた。

 

(正直スリーカードでも勝ちは狙える…。ダービーはあまり強い役を狙わず、確実性のある勝利を取るスタイルだ。ここは様子見も兼ねて、無理をしない程度に…)

「スピードワゴンさん。一枚チェンジだ」

「おう!」

 苗木は『♣9』を捨て、新たなカードを引く。よしんばフルハウス、ダメでもスリーカードを維持できる堅実な一手である。

 

(…ベネッ!)

 そうして引いたカードは、狙い通りの『♠J』…これで苗木の役はフルハウスとなった。

 

「さあ、お前はどうするダービー?」

「ふ~む、では私は…」

 ダービーはじっくりと手札を眺め、そして徐にカードを握ると

 

 

 

「…『4枚チェンジ』、で」

 一気に4枚のカードを放り捨てた。

 

「んなッ…!?い、いきなり4枚も!?」

「野郎…あの時とはまるで攻め方が違う…!」

「ふふ…どうしましたスピードワゴンさん、早くカードを下さいな」

「お…おう」

 大胆なカードチェンジをするダービーに承太郎達は面食らうが、苗木は驚きつつも苦々しい表情を浮かべていた。

 

「ど、どうした苗木?」

「……」

「…ふふふ、少しは驚いてくれたようですね。今の貴方の気持ちは、私にはよーく理解できますとも。何しろ…私に『完全勝利した時』の貴方も、これと『似たようなこと』をしてくれましたからねぇ。これはその『意趣返し』という奴です」

「…いい趣味してるよ、まったく」

 軽口を叩きつつも、苗木の心境は穏やかではない。

 

(やられた…!これでこのゲームのペースはダービーに握られてしまった。…迂闊だった、あのダービーがなんの『勝算』も無しに僕に勝負を挑むはずがない!今の彼には、きっと『何か』がある…ッ!どうする、ここは勝負を控えるか……いや、ここで臆したらこの後の挽回などあり得ないッ!ここは危険でも前に出るッ!)

「ビット、チップ2枚だ!」

「Good!それでこそ苗木誠、同じく2枚、コールだ!」

 互いに承認し、カードが公開される。

 

 

 

 

「フルハウス!」

「同じくフルハウス!」

 2人の役は、互いに同じフルハウスであった。

 

「ひ、引き分け?」

「いや、コイツはッ…!」

 スピードワゴンの視線の先、ダービーのカードの内訳は…『♠K、♦K、♣K、♠4、ジョーカー』であった。

 

「フルハウスで『同じ役同士』の場合、お互いの『3枚組』のカードの『数字の大きい方が勝ち』…でしたな。どうやらこの勝負は、私の勝ちのようですね…!」

「くっ…!」

 悔しげな苗木に溜飲の下がったとでも言わんばかりの表情でダービーは苗木のチップを引き寄せる。

 

「最初に残していた一枚はジョーカーだったのか…!だが、いくらジョーカー握ってるからって4枚のドローでフルハウスを引き当てるなんざ、なんつー豪運なんだよ…」

「…いや、それは違います。ダービーはただフルハウスを引き当てたんじゃあない、僕が『フルハウスを持っている』と『確信した上』で、『僕以上の役』を『狙って』引き当てたんです…!」

「んなッ…んな馬鹿な!?このトランプは俺がシャッフルしたし、配ったのも俺なんだぜ!それでどうやって狙ったカードを引き当てるってんだよ!?」

「俺の『スタープラチナ』で見張っていたが、イカサマは一切していない。奴は何を…」

「…『凄み』だわ」

「…はぁ?何言ってんだ徐倫?」

「自分でも正直馬鹿馬鹿しいこと言ってるとは思うけどさ…きっとアイツは、『凄み』でカードを引き寄せたのよ。今までずっと、何年も何十年もカードを引き続けた『経験』と『誇り』が、アイツに『引くべきカード』を引かせたのよ!」

「凄み…か」

 徐倫はダービーのことを何も知らない。だが、苗木に対する『忠誠心』が本物であること、そして苗木との勝負に対する『本気』が本物であるということは理解できた。そのスタンドとも違う圧倒的なまでの気迫が、苗木の『超高校級の幸運』と『希望への覚悟』を凌駕したのだ!

 

「なかなかロマンチストなことを言うな承太郎の娘。だが、そう言われる分には悪くない…。苗木誠様、これでおわかりでしょう。私をあの時と同じとは思わない方が身のためですぞ…!」

「…そのようだね。なら、様子見は終わりにしよう。ここからは…本気で君を『殺し』に行くッ!」

「来いッ!」

 卓上の小さな戦いは、続く。

 




ではまた次回。同時更新のオーブ外伝の方もよろしく

明日からイチローさん見に行って来るので次回更新はちょっと遅れます。
それでは…やきうの時間だぁぁぁぁッ!!
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