ノアside
とうとう決闘の日が来たな。絶対に叩き潰す。
千冬「対戦だが、まず織斑とオルコットでやる。その次はエルリックがオルコットとだ」
オルコット?・・・あぁ、そう言えばいたね、すっかり忘れてた。
一夏「なぁ、箒。俺達は三日間何してたっけ?」
箒「・・・・・・」プイッ
一夏「目をそらすな!」
箒「仕方ないだろう、お前の専用機がまだ届いていなかったのだから」
一夏「それでもISの知識とか・・・」
箒「・・・・・・」プイッ
一夏「だから目をそらすな!」
騒がしいな。だいたいISの勉強なら部屋で出来るだろう。それを人のせいか?何様だ、お前は。銀時計を見ながらそう思った。
一夏「ノアは何やってたんだ?」
チッ・・・こっちに来たか。見せないように慌てず自然に銀時計をポケットにしまった。
ノア「普段通り鍛錬や勉強をしていただけだ。それと織斑、お前はいい加減に呼び捨てするなと何度言ったらわかるんだ?」
一夏「別にいいだろ?友達何だから」
は?・・・今こいつはなんと?友達?バカバカしい・・・
ノア「お前、人の父親を腰抜け呼ばわりしておいてまだ友達とほざくのか?言っておくが僕はお前と友達にはならない!お前が謝るまではな。」
一夏「なんだよ、そんなに照れなくてもいいだろ。」
勘違い甚だしいな。気分が悪い。
真耶「織斑君!専用機が届きましたよ!」
千冬「これがお前の専用機《白式》だ。時間が無いので初期設定は試合中に済ませろ」
無茶苦茶言うなこの先生は。流石に苦笑いを隠せない。
一夏「これが白式・・・行ける!」
ビュン!
織斑は勢い良く飛び出して行った。
箒「ノア、一夏はオルコットに勝てるだろうか?」
ノア「そうだな、まぁ無理だろうな」
箒「なっ!」
箒が残念そうな顔をしている。
ノア「・・・だが、オルコットは油断しているし織斑はファースト・シフトがまだだ。そこを上手く付けばもしかしたら・・・」
箒「そ、そうか!」
箒が嬉しそうな顔になった。いろいろわかりやすいな、て言うかなんで僕が織斑のフォローなんてしなきゃいけないんだ!
エンヴィー(あんたが勝手にやったんでしょうよ)
ノア(そうなんだけど、箒の顔見たらつい・・・)
ラスト(まぁあからさまだったものね)
箒「!!一夏が光った!?」
ノア「あれは、ファースト・シフトが完了した証拠だ」
一夏「この力で全てを守る!」
織斑が何か言っているな。全てを守る?到底無理な話だ、何故ならお前はまだ守られている存在だからだ。
〈試合終了!勝者、セシリア・オルコット!〉
案の定負けたか。さて次は僕がオルコットとか。
千冬「エルリック、お前は5分後にアリーナへ出ろ」
ノア「はい」返事をしてスーツに特別作られたポケットの銀時計を一度握り締めてISを纏ってアリーナに出た。
セシリア「ようやく来ましたわね。逃げ出したかと思いましたわ」
ノア「逃げ出す訳ないだろ。せっかく代表候補生と戦うチャンス何だから」
さっきまで忘れてたけど。
セシリア「あらそう?最後にチャンスを上げますわよ?」
ノア「チャンス?」
セシリア「えぇ、先日の非礼は詫びるな、「いらん、さっさと来い」・・・そうですか。それは、残念ですわね!」
オルコットが撃ってきたので僕それを難なく躱した。
セシリア「な、何ですって!?」
ノア「何をそんなに驚いている?ただ避けただけだぞ?」
セシリア「くっ!・・・なら、ブルーティアーズ!!」
そう言うと4つのピットが出てきた、ISの名前と同じか、ややこしいな。でも余裕こいてる暇はないな。
セシリア「これで実質5対1ですわよ、降参する気になりましたか?」
ノア「そんな訳ないだろ。ここで諦めたら何の為に頑張って来たのかわからないからね」
セシリア「そうですか、ならば落ちなさい。このわたくしとブルーティアーズが奏でる円舞曲で!」
オルコットは4つピットからレーザーを撃ってきた。僕はそれを躱そうとするが数が多く〝やっぱり〟全て躱すことは出来ず何発か食らってしまった。
セシリア「大口を叩いていた割にはその程度ですの?」
ノア「ほざけ」
僕は銃を装備してピットの動きに合わせて撃った。1つは破壊したが後3つも残っている。しかも僕の銃が警戒されて全然当たらない。
ラース(ノア、お前は遠距離武器より近接武器の方が向いている、銃ではなく剣を利用してみろ)
ノア(剣を利用?・・・あっ、そういうことか!)
僕はそれぞれのピットから放たれたレーザーをそれぞれ別のピットに跳ね返し破壊した。
セシリア「そんなバカな!!」
ノア「おぉ、やってみるものだな。あとは本体だ!」
僕はそのままオルコットに斬り掛かろうとした。
セシリア「掛かりましたわね。ピットは全部で六つありましてよ!」
ノア「なっ!しまった!」
なんてな。
僕は撃ってきたミサイルを剣で破壊しオルコットに接近した。
セシリア「なっ!インターセプター!」
オルコットはショートブレードを取り出し防いだ。やはり接近武器を持っていたか。
ノア「この程度か?オルコット。」
セシリア「な、何ですって!?」
オルコットは距離を取りスターライトで攻撃をして来た。・・・!!
さっきより威力が桁違いに上がっている!?今までのが最大出力ではなかったのか!しかも反応が遅れて避けきれなかった。
セシリア「どうしました?驚いた顔をして」
ノア「あぁ、驚いたよ。まさかあれ程の威力があったとは」
セシリア「まだまだ全力ではありませんよ!」
っく!さっきよりも射撃精度が上がっている!ついに本気を出したという事か!やばい、追い詰められてる!
セシリア「もう逃げ場はありませんよ。これで終わりです!!」
避けきれない、しょうがない本当はあまり使いたく無いけど使うか。すると僕の左手の甲にウロボロスの模様が浮かび上がった。
ドーン・・・
ノアside out
セシリアside
私のスターライトの最大出力が直撃しましたわね。
セシリア「やはり代表候補生と言えど所詮男、織斑一夏同様、わたくしに敵う訳がありませんわ。・・・何故ブザーがならないんですの?」
ノア「それは、まだ終わってねぇからじゃねぇの?」
セシリア「!?」
煙の中から声がした。
セシリア「ば、バカな!あれを受けてまだ立てるんですの!?」
男はただ笑みを浮かべ立っていた。
ノア「さぁ、続きを始めようや、嬢ちゃん。」
口調が変わった?それにさっきまでと様子が違う・・・
セシリア「それがどうしましたの!」
構わず撃ち続けた。だが、片手で簡単に弾かれてしまう。
ノア「らぁ!!」
なっ!素手で攻撃!?それにしても硬い・・・!!拳の部分が黒く、なっている。おそらく黒い部分は硬化していると考えていいでしょう。
セシリア「だったら、黒くない部分を攻撃しますわ!」
ノア「!!・・・やるな、すぐに俺様の特性を見抜くたぁな!」
セシリア「あなたもやりますわね。まさかこれ程の男がいたなんて」
ノア「少しは見直してくれたか?」
セシリア「えぇ!ノア・エルリック!わたくしの全力を持ってあなたを倒しますわ!!」
ノア「いいねぇ!元気の良い奴は大好きだ!!」
〈試合終了!勝者、ノア・エルリック!〉
セシリア「私の負けですわ。」
ノア「いい勝負だったよ。オルコットさん!」
あら?口調が戻ってますわね、それに雰囲気も。
セシリア「あ、あの、セシリアでいいですわ!」
ノア「そう?じゃあセシリア、代表候補生同士これからもよろしくね!」
セシリア「はい!!」
フフフッ・・・いいライバルが出来ましたわ!
セシリアside out