七つの感情ストラトス   作:銀の巨人

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激怒

ノアside

 

 

 

ふぅ、セシリアとはいい勝負が出来たな。ライバルか・・・悪くない。

 

ノア「あれ?箒はどこに・・・」

 

千冬「篠ノ之なら先程観客席に戻ったぞ。と言うより戻らせた、部外者なのでな」

 

ノア「そうなんですか」

 

まぁたしかに部外者だな。

 

一夏「おいノア!!あれはどういうつもりだよ!!」

 

こいつは何を怒っているんだ?

 

ノア「主語を言え、それじゃなきゃ伝わらないぞ」

 

一夏「お前が女の子を一方的に殴った事だよ!!」

 

いや、意味がわからん。

 

ノア「一方的に殴る?あれは対等な戦いだっただろう」

 

一夏「いいや違う!あんなのただの暴力だ!!そんな事して楽しいのか!!」

 

グリード(っ!てめぇ・・・)

 

ノア(落ち着けグリード)

 

ノア「そりゃ戦闘をしているんだ。暴力にもなるだろう?それにお前も剣で攻撃しようとしただろう」

 

結局その剣は届かなかったけど。

 

一夏「あれは剣だからいいんだ!!」

 

ラース(剣をバカにしているのか?この小僧は・・・)

 

エンヴィー(ありゃりゃ~あの愚者、ラースを怒らせちゃった感じだねぇ~www)

 

ノア「はぁ~、もういい、話しにならん。決着は決闘で決めよう」

 

一夏「望むところだ!お前が間違ってる事を教えてやる!!」

 

 

5分後僕はアリーナに来た。

 

 

一夏「来たか!お前を倒して間違いを正してやる!!」

 

もう言葉を交わすのも面倒になって来たな。

 

〈それでは、試合開始!!〉

 

一夏「うおぉぉぉ!!」

 

織斑が一直線で突っ込んで来た。まるで猪だな。僕はそれを避けカウンターを叩き込んだ。

 

一夏「避けるな!卑怯者!」

 

卑怯者?何を言っているんだ、じゃあ避けるなと?・・・少し試すか。

 

僕は織斑にわざと避けさせるように剣で攻撃をした。それを織斑は避けた。はぁ、これがブーメランって奴か。

 

ノア「ほぅ、避けるのか卑怯者」

 

一夏「俺は卑怯者じゃない!!」

 

ノア「避けるのは卑怯なんだろう?さっきお前が言った事だ。その理屈ならお前は卑怯者だ」

 

一夏「ぐっ!うるせぇぇぇ!!!」

 

単調な動きだ、読みやすい。

 

ノア「織斑、この程度か?」

 

一夏「何だと!?」

 

ノア「動きは単調、技術もなければ力もない、せめて知恵は絞れるかと思ったけどそれも無い。お前、よくその程度で僕達を敵に回せたな」

 

一夏「くっっ!!くっそぉぉぉぉ!!!零落白夜ぁぁぁ!!」

 

まだわからないか。

 

俺様は右手を硬化させ織斑の雪片を掴んだ。

 

一夏「なっ!!」

 

そして織斑が距離を取ったので〈強欲〉から〈怠惰〉に切り替え、オレの最速で、めんどくせぇけど織斑に体当たりして織斑は地面に叩きつけられた。

 

一夏「ぐっ!・・・く!」

 

そして僕は織斑の目の前に立ち、こう言い放った。

 

ノア「立てよド三流!!僕達とお前との、格の違いって奴を見せてやる!!!」

 

グリード(そのセリフは・・・)

 

エンヴィー(思い出すねぇ~)

 

プライド(鋼の錬金術師、エドワード・エルリック)

 

ラスト(やっぱり親子ね。)

 

一夏「うおぉぉぉ!!」

 

織斑は雪片で攻撃して来たが、容易くそれを受け流し反対側の壁まで蹴り飛ばした。

 

一夏「かはっ!!」

 

〈し、試合終了!勝者、ノア・エルリック!〉

 

ふん、興ざめだな。まさか本当にこの程度だったとは。

 

一夏「待ちやがれ!!お前を倒す!!」

 

まだやる気か?シールドエネルギーもない癖に。

 

ノア「僕に勝って、それからどうするの?」

 

一夏「お前に勝って、俺が正しかったと証明する!」

 

いよいよわけがわからないな。

 

ノア「あのな、何故僕が間違ってると思っているんだ?」

 

ラース(ノア、少し私に喋られてくれ。)

 

ノア(わかりました。)

 

一夏「俺が正しいんだから俺が間違っていると思っている奴は全員間違ってるんだ!そう、俺が、「自惚れるな!」!!何!?」

 

ノア「貴様が貴様を正しいと思うのはいい。だが、それを私や他人に押し付けたり、ましてや一方的に間違ってると言うのはどういう事だ?貴様はそれ程偉いのか?神にでもなったつもりか?自惚れも大概にせよ、人間の価値はそのまま1人分の価値しかなく、それ以上でもそれ以下でもない。いい加減に学べ人間」

 

一夏「くっ!くそぉ!!」

 

ノア(師匠・・・)

 

ラース(済まない、どうしても言いたかったのだ)

 

ノア(いえ、大丈夫です)

 

僕は倒れている織斑を放ってピットに戻った。

 

千冬「エルリック、まず謝らせてくれ、済まなかった。うちの愚弟が」

 

ノア「いえ、大丈夫です。それに貴方が悪いわけではないでしょう?」

 

千冬「いや、私の教育が悪かった」

 

ノア「ならもう少しマシにして下さい。僕が言えるのはそれだけです。それと今日は疲れたので帰っていいですか?」

 

千冬「あぁ、ご苦労だった。ゆっくり休んでくれ」

 

僕はまっすぐ部屋に行きシャワーを浴びベッドに入り込み、ベッドの中で専用機の銀時計を取り出して(ごめんねやっぱり〝無理〟をさせ過ぎたね)見て思いながら心の中で謝罪して手で大事に握り締めながら眠った。

 

 

 

ノアside out

 

 

 

 

時間を少し遡り、一夏とノアの戦いが終わったあとの観客席。

 

「なんか織斑君弱くない?」

 

「うんうん、なんか拍子抜けだなぁ」

 

「だよね、ジッサイ」

 

「いや、エルリック君は代表候補生だったから仕方ないよ」

 

「そうだよね、エルリック君が強すぎるんだよね」

 

箒(一夏大丈夫かな?明日からもっと鍛えてやらないとな!)

 

 

 

セシリアside

 

 

 

わたくしはセシリア・オルコットですわ。今日決闘をして男性の凄さがわかりました。ただ女尊男卑だったから男を差別していた自分が恥ずかしいですわ。

 

今はシャワーを浴びながら今日の事を思っています。

 

セシリア(ノア・エルリック・・・・・・強い意志、覚悟を持っている。・・・なんでしょうわたくしは喜んでいるのでしょうか。良きライバルが出来て)

 

ノア・エルリック、貴方はわたくしがお会いした中で間違いなく1番素敵な男性ですわ。そして・・・

 

セシリア(織斑一夏・・・全てを守ると豪語する勇敢さ・・・・・・・・・まったく反吐が出ますわ。そう言うのは勇敢とは言いませんただ無謀なだけです)

 

全てを守る?未だ姉である織斑先生に守られていて、自分をも守れていない癖に?無理ですわね。かえって迷惑ですわ。それに自分の武器の特性も理解しないで自滅とは、呆れますわ。やはり織斑一夏は取るに足らない人間ですわね。

 

 

 

セシリアside out

 

 




エドの名言やキング・ブラッドレイのセリフを使わせてもらいました。あの2人かっこいいですよね!

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