七つの感情ストラトス   作:銀の巨人

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特訓

ノアside

 

 

 

朝、教室

 

 

 

今日から放課後、鈴に特訓してやらないとな。まぁ元々織斑なんて敵ではないと思うけど鍛錬に越したことはない。

 

「ねぇ、織斑君勝てると思う?」

 

「前までは専用機持ちが1人だけだったから勝てるかもって思ってたけど・・・」

 

「2組のクラス代表は代表候補生の上に専用機持ってるし半年デザートフリーパスは望み薄かな」

 

「だからエルリック君の方が良いって言ったのに」

 

おいおい、もう織斑が負けると思っているらしいな。まぁ同感だけどね。

 

「そんな事ないよ!」

 

「織斑君ならきっと勝てるよ!」

 

「でも見たでしょ?クラス代表戦の時、オルコットさんとエルリック君に一撃も当てられずに倒されたの」

 

「それはそうだけど、織斑君だって強くなってるはずだよ!」

 

「そうそう、今の織斑君ならオルコットさんにもエルリック君にも負けないよ!」

 

ところが昨日その織斑が僕に不意打ちをした挙句それを避けられ、〈強欲〉を使ったとはいえ一撃で気絶していたんだよな。

 

なんか申し訳なくなるな銀時計を見ながらそう思った。僕は1組なのに2組の鈴に特訓するんだから。今回織斑が負ける事になるのは殆ど僕のせいだそう考えながら銀時計をしまった。

 

「ねぇねぇエルリック君」

 

ノア「どうしたの?えっと・・・相川さん?」

 

相川「あ、名前覚えててくれたんだ。そう、私は相川 清香。よろしくね!」

 

ノア「あぁ、よろしく。それで要件は?」

 

相川「あのね、織斑君に特訓して欲しいんだけど・・・お願いできない?」

 

ノア「・・・ごめん、僕は鈴・・・2組のクラス代表に教える事になっているから」

 

相川「え!?そうなの!?」

 

「えぇぇ、じゃあもう織斑君に勝ち目は無いじゃん!」

 

「いいや、絶対勝てるよ!」

 

 

ワーワー!ギャーギャー!

 

 

千冬「煩いぞ!!何を騒いでいる!!」

 

「お、織斑先生。」

 

千冬「早く席に着け。そして・・・」

 

 

ドゴッ!!

 

 

一夏「いで!!」

 

織斑が遅刻して来たので織斑先生による出席簿攻撃が炸裂した。

 

 

放課後、アリーナ

 

 

約束通り鈴と特訓をしている。さすが代表候補生、昨日よりも正確な立ち回りだ。

 

ノア「昨日は全然本気じゃなかったんだね」

 

鈴「えぇ、まぁね。それに少し慢心してたわ。さぁ、続きをしましょう!」

 

鈴の双天牙月を連結させて右から攻撃を繰り出したので僕も剣を装備し対応した。

 

くっ!・・・攻撃が思ってたより重い。パワーでは鈴の方が上か!

 

鈴「どうしたの?防戦一方のようね!これならあたしの方が強いんじゃない?」

 

ノア「まだまだ、こんなもんじゃないよ!」

 

僕はもう1つの剣を取り出し、二刀流で鈴の双天牙月と交えた。

 

鈴「箒が言っていたわ。あんたが二刀流にする時は本気を出す時だってね。それはあたしに本気を出してくれると取っていいの?」

 

ノア「あぁ、君は強いから僕も〝今の本気〟で戦うよ!」

 

鈴は龍咆を乱射して来た、だがそれはもう見切られていて当たることは無い。

 

ノア「血迷ったか?そんなの全然当たらないよ!」

 

鈴「わかってるわ」

 

鈴は笑みを浮かべ龍咆を撃ち続けている。なんのつもりだ?そんなのいくら撃っても当たらない・・・っ!!

 

ノア「ぐぁっ!」

 

鈴の双天牙月が背中に当たった。なるほど、龍咆で避けた先を読んで接近して双天牙月で攻撃したようだな。

 

鈴「いつまでも避けさせ続ける訳ないでしょ!」

 

ノア「御最もだ、やられたよ。(本当は言い訳はしたく無いけど負担が大きいから能力を極力使わず〝今〟はこれが精一杯か理由があってもやっぱり…悔しいな…)」

 

僕は地面に倒れた体を起こし立ち上がった。そして鈴が地面に着地して来た。

 

鈴「ふぅ、今日はここまでにしましょう」

 

ノア「そうだね、さすがに疲れたよ」

 

 

そして僕達は制服に着替え僕はベルトに銀時計の鎖を付けてズボンのポケットの中に銀時計をしまって夕食を食べに食堂に向かっていたその道中。

 

 

一夏「おーい、鈴、ノア!」

 

チッ・・・織斑に会っちまった。今日は会話せずに済むと思ってたのに。

 

鈴「い、一夏!」

 

一夏「そう言えば2人は特訓しているんだろ?俺も混ぜてくれよ」

 

なんて図々しい奴だ。それに散々人に間違っているだの言っておきながらそれでも尚、教えを乞うのか。プライドというものは無いのか?

 

鈴「駄目よ、今のあたし達は敵同士なんだから」

 

一夏「いいじゃん別に。ノアだって1組なのに2組の鈴に教えてるし」

 

鈴「それよりもあんたはあたしに何か言うこと無いの?」

 

一夏「え?何の事だ?」

 

鈴「だから、昨日の事!悪かったなーとかあるでしょ!」

 

一夏「いや、あれは俺悪くなくないか?約束だって覚えてたし、鈴が勝手にキレて出て行っただけだろ」

 

鈴「はぁ!?約束の意味が違うのよ!!」

 

一夏「どういう意味だ?」

 

鈴「もういい!!決着はクラス代表戦で決めるわ!」

 

一夏「いいぜ!!」

 

鈴「いくわよ!ノア!」

 

ノア「お、おう」

 

鈴はプンプン怒りながら食堂へ行きラーメンをものすごい勢いで啜っていた。

 

 

 

ノアside out


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