千冬side
知ってるだろが私は織斑千冬だ。今は今回の事件の報告をしていたのだが、まったく馬鹿な政府だ、相手は代表候補生で国家錬金術師だぞ。そう簡単に揉み消せるわけがなかろう、エルリックの機体の無人機との戦闘時の記録を見れば一目瞭然だ。政府はどう対応するのか見ものだな。これをきっかけに日本とアメストリスが戦争にならないことを願うしかないな。私からもあのマスタングやエルリックのご両親に謝罪をせねばならないな、もちろんエルリック本人やホムンクルス達にもな。
だがその前に一夏と話しをしなければならない。元はと言えば私が教育を怠ったのが原因だ。奴はたしかまだ保健室にいるはずだが・・・
鈴「あ・・・織斑先生・・・」
千冬「ん?おぉ、鳳か。治療は終わったのか?」
鈴「はい、もう大丈夫です・・・」
千冬「そうか、大丈夫か・・・」
とても大丈夫そうには見えないな。鳳の顔が沈んでいる。
千冬「織斑は保健室か?」
鈴「・・・はい。」
千冬「そうか、今日はご苦労だった。部屋に戻ってゆっくり休め」
これは一夏と何かあったな。まぁその事は私が踏み入れていい問題ではないからそっとしておこう。
私は保健室に行き一夏が自分で治療しているのを見た。おかしいな、普通は保健室の教師がいるはずだが、あぁそうか、今はエルリックの治療に専念しているのか。
一夏「っ!・・・千冬姉!」
千冬「織斑先生・・・まぁ今はいい。お前に話があってきた」
一夏「話し?」
千冬「あぁ、そうだ。お前は自分がした事を理解したのか?」
一夏「・・・はい、俺がノアを刺した。」
一夏は顔を俯かせて言った。私は椅子に腰掛け、一夏と向き合った。
千冬「そうだ、お前が何故あんな行動をしたのかは大体想像つく「皆を守りたかった」だろ?」
刺す直前にもそのような事が言っていたしな。
一夏「あぁ、俺は守りたかったんだよ。千冬姉や皆を」
千冬「それは立派な事だ。だがな、何かを守るのには力や覚悟がいるぞ。それに1人で守ろうとするな」
一夏「でも、俺には雪片弍型がある、そして零落白夜もだ。これがあれば負ける筈が無い!」
千冬「現にオルコットに迫ってはいたが負けて、エルリックには歯が立たず、鳳にも軽く遊ばれていたのにか?」
一夏「ぐっ・・・・」
図星を付かれた一夏は苦虫を潰したような顔をいていた。
千冬「・・・まぁそうだな。これからは篠ノ之と一緒に私もお前の訓練を見てやる、ただし暇な時だけだがなるべく時間は作る」
一夏「本当か!?千冬姉、ありがとう!!」
一夏は笑顔で答えてくれた。だが、私が一夏をあんなにしてしまった。これが正しい行いなのかはわからんが、これ以上歪める訳にはいかない。
千冬「あと、エルリックの事だが、正直この件を揉み消すのは不可能だ」
一夏「・・・・・・」
千冬「近いうちにアメストリスからお前について話しをしに来るだろう。もしかしたら宣戦布告かもしれん。」
一夏「なっ!何でだよ!?」
千冬「分からないのか?一夏、お前はアメストリスの代表候補生で国家錬金術師であるエルリックを刺し殺そうとしたんだぞ?」
一夏「お、俺は別に殺そうなんて・・・」
千冬「貴様にその気が無くても傍から見たらそう見えるんだ。よく覚えておけ、戦っているのはお前だけではない、周りをよく見ろ」
一夏「・・・わかったよ。次から気をつけるよ。それよりも訓練よろしくな!」
千冬「あ、あぁ。まかせろ。私はもう行く、訓練のために仕事を終わらせなければならないのでな」
私は一夏と話しを終えて職員室に向かった。
千冬(心配だな。一夏はエルリックのことを心配する様子はなかった。そして自分がした事をよく理解していない節がある。これは私が訓練に付き合って正してやらねばな。これが私に出来る罪滅ぼしだ)
千冬side out