ロイside
アリーナ
これから織斑一夏と非公式で勝負する事になったのでアリーナの真ん中で両手に〝発火布の手袋〟を付けて織斑一夏が来るのを待っていた。
一夏「待たせたな!覚悟しろよ!」
どうやら織斑一夏がご自慢の白式とやらを纏って来たらしい。
ロイ「ようやくご到着か。覚悟しろ?・・・何を言っているのだ?覚悟するのは貴様だ!」
〈それでは、試合開始!!〉
試合開始のアナウンスがなった、そしたら織斑一夏が叫びながら特攻隊の如く突っ込んで来た。
ロイ「ただ叫んで突っ込んで来る・・・いい的だ!」パチンッ!
考えずに真っ直ぐ突っ込んで来る織斑一夏に私は〝片手だけで〟指パッチンによる焔の錬金術で返り討ちにしたわざと避けられるように。織斑一夏は炎をぎりぎりで避けてこう言った。
一夏「熱っ!!何も無い所に何で炎が⁉︎卑怯だぞ!!遠距離攻撃なんて!!」
ロイ「卑怯?勝負に卑怯も何もない。それに生身の人間相手にISを使う貴様も卑怯ではないのか?」
一夏「違う!男なら遠距離攻撃なんかじゃなくて剣で勝負しろ!!」
ロイ「それは行儀の良いスポーツの場合だけだ。これはIS対生身の人間、貴様は人を殺せる兵器を使っている以上どう見てもスポーツなんて甘いものではないぞ」
一夏「人を殺せる!?」
ロイ「そうだ。何を今更驚いている、現にノア・エルリックを貴様の零落白夜とやらで刺して殺しかけたではないか。そんな事も知らずにISを使っていたのか、貴様は・・・!」
一夏「っ・・・!」
織斑一夏は私が睨んだ瞬間顔が強ばった。おそらく私は今、あの時と同じ目をしているのだろう。
ロイ「貴様に生身の人間を殺す覚悟があるなら・・・かかってこい!」
一夏「れ、零落白夜ぁぁぁぁ!!!」
ロイ「また真っ直ぐ突っ込むだけ、少しは頭を使え馬鹿者が」パチンッ!
織斑一夏は切り札の零落白夜を起動して斬りかかってきたのでまた〝片手だけ〟で焔の錬金術を使い燃やした。今度は直撃させた。
一夏「ぐあぁぁぁ!!!」
ロイ「絶対防御があるとはいえ、許容を超える熱までは防げる訳なかろう馬鹿者が。どうした?自慢のISで何とかして見せろ」
織斑一夏は熱さのあまり悶絶していた。
ロイ「織斑一夏、そういえば貴様は先程皆を守ると言っていたが、本当にその覚悟があるのか?」
一夏「な、なん・・・だと!」
ロイ「貴様が以前、ノア・エルリックの父親、エドワード・エルリックは腰抜けだと言っていた事は知っている。ちなみにエドワード・エルリックも国家錬金術師で二つ名は鋼の錬金術師だ。そしてそのエドワード・エルリック改め鋼のはかつて自分の弟を助けるために一生錬金術が使えない体になった。つまり鋼のは、たった一人の弟を助けるために錬金術を捨てたのだ!今までの努力や死にかけた事によって手に入れた力を、自分の全てと言っても過言ではないものを捨ててまで弟を守った。鋼のにとって弟の存在は今まで手に入れて来たものよりも重かったのだ。そしてもし鋼のが錬金術を失わなかったら間違いなく奴こそが最強の錬金術師だ!」
一夏「・・・お、俺だって、そのくらいの覚悟は・・・」
ロイ「ほう、ならば貴様の姉や親しい者が命の危機に瀕した時、貴様はISや持っている雪片弍型や零落白夜を、ISに乗る事ができると言う力を全て捨てでも助ける事が出来るのか?それ以前に捨てられるのか?」
一夏「っ!!・・・俺は、ノアの父親と違って何も失わずに全てを守ってみせる!!!」
すると織斑一夏は再び零落白夜を発動させて斬りかかってきた。
ロイ「っ!!この‥愚か者が!!」パチンッ!
一夏「ぎゃぁぁぁ!!」
ロイ「鋼のには守るための揺るぎない覚悟があったが・・・貴様にはそれは無いようだな。いいかよく聞け、何も失わず守るなんて不可能だ、犠牲は不可欠。その覚悟がない者が、軽々しく守るなど言うな!そして・・・我々錬金術師の業を、覚悟を、舐めるなァー!!!」パチンッ!
私の錬金術は織斑一夏の体を呑み込み、燃え上がった。
〈そこまで!試合終了、勝者、ロイ・マスタング大総統!!〉
どうやら今ので決着がついたようだな。しかし、見ていて不快だ。守ろうとする事は同じなのに覚悟があるか無いかだけでここまで違うとは、まだ大佐だった私の時の鋼のとノアと同じ年齢なのにこの愚か者が。
私はそのような事を思いながらピットへ戻っていった。
ロイside out
今まで全く出て来ていませんがノアには妹がいます。