一夏side
俺は今、包帯や絆創膏を貼っていて怪我はまだ治りきっていない。そんな中懲罰房で反省文を書き終えてあの時の事を思い出していた。
一夏がマスタングと戦った次の日の回想
自室で荷物をまとめて懲罰房に行く準備をしていた。箒は今は放課後なので剣道の練習に行っていていない。すると千冬姉が部屋に入って来た。
千冬「織斑、入るぞ」
一夏「千冬姉・・・どうしたんだ?」
千冬「だから・・・まぁ今はいい。お前に話があってきたんだ」
一夏「千冬姉が?なんの用だ?」
千冬「お前・・・本当に心当たりが無いのか?」
千冬姉は驚いた表情でこっちを見ている。何だろう、さっぱりわからない。
千冬「わかった、では本題に入ろう。お前は何故アメストリスの大総統に喧嘩を売ったんだ?」
一夏「それは、あいつは戦争とかで人を沢山殺してるんだろ?そんなの許せる訳ねぇ!だから倒してあいつの性根を叩き直そうとしたんだ!」
当たり前だ、命を粗末にする奴は最低だ。
千冬「あのな一夏、確かにマスタングは戦争で多くの人を殺した」
一夏「だったら・・・!」
千冬「だがな、それは自分の大切なものを守るためなんだ」
一夏「守るため?だからって人を殺していい事にはならないだろ!」
千冬「その通りだ。だがこれは戦争だ、敵も同じ気持ちで我々を殺し来る。こちらに殺意が有ろうと無かろうと関係無しにだ」
一夏「・・・・・・」
千冬「そして何かの犠牲無しに何かを成し遂げるのは不可能だ。そこで選択肢が2つある、1つは敵を殺して大切な人達を守るか、2つ目は敵を殺さず何も守れず死ぬか・・・お前ならどちらを選ぶ?」
一夏「そんなの選べる訳ねぇ・・・!」
そんな誰かを殺して大切な人を守るなんて・・・なら、俺は誰も殺さず、何も犠牲にしないで皆を守ってみせる!
千冬「そうか・・・やはりマスタングの言っていた通りお前には覚悟が足りないようだな」
一夏「なっ!・・・千冬姉!?」
千冬「事実だろう?何かを成し遂げるには犠牲は不可欠と何度も言った筈だ。それなのにお前はまだ甘いことを考えている。お前が腰抜けと罵ったエルリックの父親であるエドワード・エルリック殿は自分の錬金術を犠牲に弟を救った。エドワード・エルリック殿には犠牲にする覚悟があったから守れた。だが、お前にはそれは無い」
一夏「ぐっ・・・・・・」
千冬「それから生身の人間相手にISを使用するとはどういう事だ。他にも一国の大総統に暴言・・・お前の発言1つで戦争が起きてもおかしくは無かったぞ」
一夏「そ、それはもういいだろ、あの大総統って奴も無傷だったんだし。」
千冬「そういう問題では無い!問題なのは貴様が生身の人間相手にISで攻撃したと言う事だ!一歩間違えたら貴様が大嫌いな人殺しをしていたぞ!それに何の権限があって他人の考えを正すなどと言った?貴様の思考は万国共通ではない事を自覚しろ!」
一夏「うぅ・・・」
千冬「もういい、とりあえず謹慎が終わったらエルリックに謝罪をしろ。いいか、これまでお前がエルリックにしてきた事を思い出し、死ぬ気で謝れ」
そう言うと千冬姉は部屋を出て行った。そして俺はあまりのショックでベットに座り込んだ。
一夏「・・・・・・」
何でだよ!俺はただ皆を守りたかっただけなのに何でそこまで言われなくちゃいけないんだ!人殺しなんてして駄目に決まってる!それにノアに謝る事なんて何も無い!俺がノアを刺したのは確かに悪かったけど最初から俺に任せておけばあんな事にはならなかった!鈴だって・・・・・
一夏「くそっ!!」ドンッ!
俺は行き場の無い怒りを壁にぶつけていた。
一夏side out