ノアside
エマは一つのジュラルミンケースを取り出した。
ノア「エマ、そのケースは何だ?」
エマ「これはね・・・じゃーん♪世界初の私服型ISスーツだよ、アメストリスの最新素材で開発されて大総統がお兄ちゃんに渡すように言われたの」
私服型ISスーツだと?見た目は赤いフードコートだ。他にも黒の袖や裾等所々に白いラインがある上下のレザージャケットとズボンに腰に巻ける紳士用のベルトアームバンドと黒のレザーブーツが入ってる。確かにこれがあればいちいちあの面倒なスーツに着替える必要が無くなるけど、このデザインはどこかで・・・
プライド(鋼の錬金術師が着ていた服とコートによく似ていますね)
プライドがそう言うと僕は家にあった写真を思い出した。そこには若い頃の父さんや母さん、まだ鎧のアルおじさん達が写っていた。そのスーツは父さんが着ていた服とコートに似ている。
エマ「そしてこのフードコートのトレードマーク〈フラメルの十字架〉はね、お父さんが付けてくれって頼んだんだよ。このマークはお前に授ける!ってね」
ノア「父さんが・・・」
僕がこのトレードマークを父さんに託されたという事か。・・・ありがとな・・・バカ親父・・・
エマ「ちなみに毎日このコートを羽織るようにとも言っていたよ。このコートもあらゆる耐性の機能があって特に服以上に丈夫でアメストリスの最新素材で作ってあるから気温や気候に合わせて体温を調節するから一年中着れるよ。コートだけでもスーツとして使う事ができるよ♪理事長からは許可を貰ったって言ってたからそこの所も問題ないから大丈夫だよ♪」
ノア「わかった。じゃあ明日からこれを着ていくよ」
エマ「次はこれ、大総統から手紙だよ。」
大総統からの手紙か、何だろう?それに何故直接ではなくエマを通して渡したんだ?
〈ノア・エルリック、私からの贈り物は妹から受け取ったかな?既に聞いたと思うがあれはお前の父の要望でもある、大切にしろよ。それでは本題だ、貴様は国家錬金術師になれるほどの錬金術師にして男性IS操縦者でもある。そこでISの力と錬金術の力を加えればどのような事が出来るか、感情の錬金術師 ノア・エルリック、これを貴様の研究テーマとする〉
なるほど、確かに面白そうな研究テーマだな、それにその方がこっちにとっても〝都合〟が良いし大総統もいいこと考えるじゃないか・・・ん?まだ続きがあるようだ。
〈アメストリスで開発した武装のデータを送るようにする、好きなのがあったら用意してやるその代わり貴様の妹が開発した物のデータを此方に随時送るように。ついでに言い忘れていだが、もし研究が全く進まない場合は貴様の国家錬金術師の称号を剥奪し更に研究所送りにするので頑張りたまえ。査定の件も″私は″とても楽しみにしてるので忘れずにな。アメストリス大総統 ロイ・マスタング〉
ノア「な、な‼︎・・・なんだとぉぉー!!!!」
エマ「っ!?」
僕は思わず怒りを声に出してしまった。
ノア「あ〜の‼︎クソ大総統ぉ〜‼︎研究が進まなければ称号剥奪した上に研究所送りする⁉︎しかもそんな大事な事をついで⁉︎あのドヤ顔で言っていると思うと腹が立つ‼︎よぉし‼︎絶対にそんな事させられない‼︎大総統が土下座するような研究成果を叩きつけてやるぞぉ‼︎」
そんな僕にエマは苦笑いをしながらUSBメモリを見せてきた。
エマ「お兄ちゃん、これを少し修正して大総統に送ればとりあえず査定の件については黙らせる事が出来るよ♪」
ノア「それは一体何だ?」
エマ「これはね、お兄ちゃんが国家錬金術師になる前に修業と勉強の合間に造った手合わせ錬成可能手袋〈シンザスアルケミストグローブ〉だよ♪」
ノア「あぁ、そう言えばそんなの造ってたね最近色々と忙しがったしそれは〝通過点〟でしかないからすっかり忘れていたけど・・・ってえ!何で修行で家に居なかったエマが内容を知ってるの⁉︎それよりどうやってこれを見つけた⁉︎」
僕はこの研究を誰にもバレないようにカモフラージュして隠しパスワードも父さんですら簡単に解けない難解のやつを掛けたはずなのに何でエマが隠し場所とパスワードを知っているんだ⁉︎これが今日一番の驚きだった。
エマ「それはね・・・///」
エマはテレテレしながら僕に近づき妖艶な顔をしてこう言った。
エマ「お兄ちゃんの事なら何でも知ってるよ♡///」
その言動に少し照れたが一瞬で恐怖に変わった。隠し場所だけでなく僕の仕掛けを父さんでも難しいと自負してるパスワードも解くなんて・・・我が妹ながら末恐ろしい子だ。
エンヴィー(これってプライドよりも恐ろしいんじゃない?)
プライド(エンヴィー…それはどういう意味ですか?)
ラース(厄介な能力を持っているやもしれん)
グリード(恐ろしいガキが居たもんだな)
ラスト(へぇ、やるじゃない、エマちゃん)
ノアside out
手合わせ錬成可能手袋については設定の所に投稿しますのでそちらをどうぞ。