ノアside
昼休み、エマの自室
僕は昼ご飯を本音とセシリア、最近では鈴と一緒に食べている。だが今日はエマに別の場所で食べようと誘われて本音以外は僕達と食べる事になった。本音が来なかった理由はエマは真剣な顔で「お二人に大事な話があります申し訳ないですけど・・・」と言って本音に席を外してもらったからだ。本音も快く頷いてくれた。
ノア「・・・美味い!エマ、昔よりもだいぶ腕が上がったな!」
エマ「えへへ♪まぁイズミ師匠の所で料理も習ったからね♪」
僕がエマの料理を食べて、褒めるとエマがえっへん!と胸を張っていた。そして鈴が申し訳なさそうな顔をして話しかけてきた。
鈴「ノア、エマちゃん・・・あの事件の時、一夏を止められなくて・・・いや、止めなくてごめんなさい!!」
なんと鈴は僕とエマにあの事件の事を謝り出した。それも深く頭を下げて心の底からの言葉だと鈴から感じた。
ノア「もう気にしなくていいよ。僕の傷はもう治ったしね」
エマ「そうですよ、この通りお兄ちゃんは無事だったし、何よりあなたは悪くないです・・・悪いのは、お兄ちゃんを刺したあの男・・・!!」
本当の事を言えば織斑を止められなかった教師の方々にも責任はあると思うが、今はいいだろう。僕なんかのためにここまで思ってくれているんだからね。
鈴「そのお詫びと言ったら何だけど、これ食べて!あたしが作ったんだけど・・・」
すると鈴は僕とエマに酢豚を差し出した。
ノア「へぇ、それじゃあいただきます。・・・・・うん、すごく美味しいよ!」
鈴「そ、そう?何かそんなに褒められると照れるわね・・・///」
エマ「むむむ・・・」
エマが僕を睨んでいる、何で⁉︎僕が悪いのか?
セシリア「あのぉ、ノアさん、わたくしのサンドイッチも食べてください。日頃のお礼として私が作ったんです」
ノア「ありがとう!・・・っ!これは・・・」バタッ!
エマ「お、お兄ちゃん!?」
鈴「ノア!?」
セシリア「ノアさん!?」
僕はセシリアのサンドイッチを食べてから約10分間気絶していたらしい。そして気がついたらセシリアは鈴に説教されていてエマは僕をちゃっかり膝枕をしていた。
エマ「そろそろ本題に移るね」
エマは真剣な顔をして話し出した。
エマ「鈴さん、セシリアさん、無人機の時にお兄ちゃんの手助けしてくれてありがとうございました!特にセシリアさんはお兄ちゃんが刺された時に必死によびかけてくれた事を本当に感謝してます!」
セシリア「当然の事をしたまで、ですわ。ノアさんには借りがありますし、わたくしがノアさんを超えるまで死なれては困るからですのでお礼なんて不要ですわ」
鈴「あたしは別に何もしてないわ」
エマ「それでも、私はあなた達に感謝してます」
なるほど、大事な話と言うのは無人機の時の話しか、だったら本音に聞かせる訳には行かないな。鈴もセシリアも本当に優しい人達だ。織斑はこんな良い人に見限られたのか、もったいない。
エマ「それじゃあ次は、ちょっとお兄ちゃんの専用機をみせてもらっていい?」
ノア「僕の専用機を?・・・分かった」
まさかエマはディザイアの機体状態を知っているのか?僕はエマに銀時計を渡した。
そして整備室に場所を変え、ディザイアを展開してエマは「やっぱり・・・」と呟いた。
エマ「この機体、いつ壊れてもおかしくない程、疲弊している」
セシリア&鈴「「え!?」」
ノア「・・・・・・」
やっぱり、エマの目は誤魔化せないか・・・その通り、僕の専用機、ディザイアはもう限界だ。その理由はディザイアが僕の動きについてこれてない上にホムンクルスの能力を使った事によって負担も大きいからだ。エマは二人にもホムンクルスの能力については少し濁して同じような事を説明した。
鈴「へぇ、ノアのたまに見せるあの変化ってホムンクルスって言う能力だったのね。そして能力を使うと機体の負担が大きいから能力をあまり使う事を避けていたのね」
セシリア「なるほど、そうだったのですか、ですがそれよりもノアさんの動きについてこれてないと言う事は・・・」
鈴「あれだけの動きをしておいてまだ完全じゃないって・・・」
セシリア「本当に恐ろしい方ですわ、ノアさん・・・」
セシリアと鈴は僕を化け物でも見る目で見てくる。失礼な、僕なんか師匠からすればまだまだひよっ子だよ。
エマ「そしてお兄ちゃんはそれに前から気づいていたんじゃない?」
ノア「・・・あぁ、わかっていたさ、ディザイアが僕の動きについてこれてない事や能力で負担が掛かってる事もだから騙し騙しで機体が保つように整備とかしていた」
エマから当分の間は機体はエマが預かると言って僕もそれに了承した。その代わり代替えで学園の打鉄を貸してもらうようにエマが手続きをしておくと言いその為、エマはセシリアと鈴にもしもの時に僕の手助けをお願いと頼んでくれた。
二人は心良く引き受けたそれを聞いてエマは午後の授業でお礼に二人の専用機を整備してあげると言って二人は疑問に感じたていたが僕がエマに整備してもらった方が良いと後押ししてデータは取らない条件で了承した。
そして午後の授業の前に僕と鈴に織斑から何でお昼一緒に食べなかったかと非難されたが僕は流して鈴も自分の勝手だろうと素っ気なく返した。
ノアside out