七つの感情ストラトス   作:銀の巨人

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ノア・エルリックの事情

千冬の号令で解散にしようとしたが

 

千冬「エルリック、すまないがラウラの拘束を解いてくれ。この状態では連れて行く事ができない」

 

ノア「あ、分かりました」パン!!

 

ラウラ「・・・動ける」

 

ノアは千冬に言われてラウラの拘束を手合わせ錬成で分解して解放した。

 

千冬「・・・エルリック少し聞いて良いか?」

 

ノア「何ですか?」

 

千冬「お前は今迄、手を抜いていたのか?」

 

一夏「!!?」

 

他の生徒『!?』

 

千冬の言った言葉でセシリアと鈴にシャルル、管制室のエマそして何故かラウラ以外の全員、特に一夏が反応した。

 

ノア「いえ、僕は手を抜いた事は一度もありません。何故そんな事を?」

 

千冬「・・・今回の生身での戦い、あれだけ動けるならI Sを使えばあの時もあれ以上に戦えたのでは無いのか?」

 

ノア「・・・織斑先生それは無理です。それに、今回生身で戦ったのはあの時と状況が大きく違います」

 

千冬「何が違うんだ?」

 

ノア「それは・・・えっ?・・・分かったスピーカーにする」

 

ノアは千冬に今迄手を抜いてたのでは無いかと疑いをかけられたがノアは否定して前回と今回の違いを話そうとしたがインカムからエマの連絡がありインカムを外して周囲に聞こえる様にスピーカーにした。

 

エマ『それについては私から説明しますが織斑先生、宜しいですか?』

 

千冬「・・・頼む」

 

エマがスピーカーで自分が説明すると言い、千冬はそれを聞いて了承した。

 

エマ『では、説明させていただきます。その理由は三つ、まず一つはI Sは今のお兄ちゃんには枷にしかなりません、その理由はISがお兄ちゃんの動きについて来れないからです』

 

千冬「!?」

 

一夏&他の生徒『えっ!?』

 

セシリア&鈴&シャルル『(やっぱり何度聞いても衝撃が強すぎる)(ですわ)(わね)(よ)』

 

ラウラ「・・・(やはりそうか)」

 

エマ『だから現在お兄ちゃんの専用機は改修中なので量産機で一番丈夫な打鉄を代用してますが、それでも今回の様な最新のISで戦うなら量産機のISを使うよりも生身の方が良かったのです』

 

千冬(マスタングが話してたが国家錬金術師は戦争時には人間兵器として駆り出されると言ってたが・・・今ならあの話も納得が出来る。一夏とマスタングの時は一夏の未熟な実力も考えて参考にもならなかったが、今回のラウラは正規の軍人であり最新のISを使っている。それ程のアドバンテージがあるにも関わらずラウラは負けた・・・国家錬金術師、ISが世界最強の兵器と言われてるが国家錬金術師はIS等をとっくに超えてる力を持ってるのかもしれない・・・)

 

エマ『話を続けますよ。次に二つ目、今回の場合は前と違いあるものがちゃんとあるからです』

 

千冬「・・・それは何だ?」

 

エマ『今着ているお兄ちゃんのISスーツと手袋です』

 

千冬「前に説明した世界初の私服型ISスーツだな。確かにかなりの性能がありそうだがエルリックの付けてる手袋とは?」

 

エマ『そのISスーツは只のスーツではありません、中の黒のスーツだけでも通常のISスーツの10枚分の強度があります。コートに関してはその3倍の強度があります』

 

『ハァー!?』

 

千冬「な!・・・じゅ、10枚分!?それにコートは3倍!?つまりは30枚分だと!?服はともかくコートはそんなの普通のI Sの装甲とあまり変わらないぞ!」

 

エマ『はいその通りです、事実お兄ちゃんのズボンを見て下さい破れていませんから』

 

エマの話しを聞いてノアのズボンを見てもプラズマ手刀で受けたズボンは焦げ以外全くの無傷だった。

 

千冬「なら何故そんなに厚くない!それ程の強度なら、かなりの厚さになる筈だ!!」

 

エマ『・・・それが錬金術ですよ』

 

『!!!』

 

エマ『錬金術で通常科学技術では出来ない、限りなく薄く組み込む事で可能になったのですから』

 

千冬「とんでもないな・・・」

 

エマ『後、手袋でしたねそれは・・・「それは僕が話します」ブゥ〜お兄ちゃんの錬金術オタク!』

 

ノア「うぐっ!・・・気を取り直して、この手袋、シンザスアルケミストグローブは僕が国家錬金術師になる前に研究して自分で作った物です」

 

『自分で作ったぁ〜ーーー!?』

 

ノア「簡単に説明しますとこの手袋を使う事で、錬成陣を描かずに手を合わせる事で直接錬金術が使えます」

 

千冬「成る程・・・確かに前にはそんな物が無かったな・・・」

 

ノア「実は今この手袋をつける事が出来てるのは、この手袋の研究データは実家に置いてきたのですが、エマが勝手に持って来たので付ける事が出来てます」

 

千冬「大体の理由は分かった、後一つは?」

 

ノア「・・・織斑先生・・・それは察して下さい・・・」

 

千冬「・・・!そうか、その理由があるなら仕方ない・・・」

 

『???』

 

一夏「・・・」

 

最後の理由を聞いた生徒達には分からないだろうが、千冬はノアの雰囲気と言葉で理解した。最後の理由それは″女性権利団体または女尊男卑の主義の人間″に対する牽制だった。無人機事件の時、一夏がノアを刺した事について、日本政府からの揉み消しの指示があったがその裏には女性権利団体がノアを消して千冬の弟である一夏を立てる為にした行動だった、それに学園でも生徒や教師にその思想の者達がいる事をノアはエマから教えられたので、今回の件を表では専用機の為にノアの生身の戦闘データを取るを名目で生身でI Sと戦い、圧倒してそういった連中にノアに手を出すとどうなるのかを印象付けた。

 

一夏「おいノア!」

 

だが、一夏だけは別の事を考えて先程の事を考えてる千冬を尻目に突然ノアに近づいた。

 


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