七つの感情ストラトス   作:銀の巨人

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ノアの錬金術

保健室

 

 

あれからノアとシャルルはセシリアと鈴を保健室へ連れて行った。着いた途端、さっきまで少しは動けた2人は身体中悲鳴を上げて動けなくなってしまった。2人は治療を受けるので、ノアとシャルルは部屋を出て一旦着替えに更衣室に行き、着替えてから保健室前の廊下に戻った。そして今は処置が終わったと聞き、ノアは入室を担当の先生に聞いて許可を貰いシャルルと2人で部屋に入った。そこで見たのは身体中包帯だらけ2人がベッドで横になっている姿だった。

 

ノア「ハァ〜全く2人共、冷静を失って戦えば相手の思うツボなのは分かってるだろう?」

 

セシリア&鈴「「・・・・」」

 

ノア「感情的になるのは悪いとは言わない。僕の二つ名も感情だし・・だけど!それでも時と場合はちゃんと分けている!だから今回、2人が感情的になった結果が今の状態だと分かっただろ?」

 

セシリア&鈴「「はい、ごめんなさい・・・」」

 

今ノアはシャルルに2人に飲み物を買って来て欲しいとお金を渡して頼んで少し退室してもらい、2人が何でラウラと戦いそんなにボロボロになったか聞いて溜息を吐いて2人に説教をしていた。

 

ノア「・・・ハァ〜でも、僕は2人が無事で本当に良かった・・・」

 

セシリア&鈴「「!!、ノア(さん)・・・」」

 

ノア「絶対防御も完璧では無い・・・確かに織斑のした事は許せないが、一刻も早く助けたいという気持ちだけは僕も同意する」

 

セシリア&鈴「「ちょっと待って(下さいまし)ノア(さん)!彼奴(織斑さん)は!「でも!」・・・」」

 

ノア「それで関係ない他の人を巻き込んだりする織斑の行動は間違ってると僕は思ってる」

 

セシリア&鈴「「・・・ノア(さん)『トントントン』?」」

 

ノアの心配する言葉を聞いた2人は府いてた顔を上げて、ノアを見た。ノアの口から一夏の事を肯定する様な発言を聞いた2人はノアの言う事を否定しようとするが今回一夏がした他人を巻き込んだ事についてはノアは否定した。それから扉からノックする音が聞こえた。

 

ノア「どうぞ!」

 

シャルル「ごめん!お待たせしたね!」

 

ノアの声で入って来たのは、4つの飲料水を抱えたシャルルだった。

 

ノア「ありがとうシャルルごめん、買い出しに行かせて」

 

シャルル「気にしないでノア、僕も欲しかったし、それに話も終わったみたいだね」

 

ノア「あぁ、お陰で話も聞けたありがとう」

 

シャルルはセシリアと鈴の分だけでなく自分とノアの分も買ってきた、シャルルは最初2人分だけ買うのにノアから多くお金を渡された事に疑問を感じたが察して自分と合わせて4人分購入した。ノアにお釣りを渡して自分の飲み物を貰った。

 

ノア「あっ!でも1つ聞くの忘れていた2人共、感情的になったのは聞いたけど何でそんな事になったんだ?」

 

セシリア&鈴「「・・・・・」」プイ

 

ノア「?」

 

シャルル「フフフッ、ノア、多分2人はボーデヴィッヒさんがノアの悪口を言ったから怒ったんだよ」

 

シャルルは微笑みながらセシリアと鈴が怒った理由を話して2人に飲み物を差し出した。

 

ノア「え!?そうなの!2人共!」

 

セシリア&鈴「「!!」」バシッ!カチッ!プシュ!ゴクゴクゴクゴク!

 

シャルルの言葉が図星な為に2人共、照れ隠しで黙ったまま、差し出しされた飲み物の缶を奪い取るように受け取りプルタブを開けて無言で飲み始めた。

 

ノア「・・・・・ありがとう・・セシリア、鈴・・・」

 

セシリア「・・・当然の事ですわノアさん、わたくしと貴方はライバルであり友人なのですから」

 

鈴「友達の為に怒れないなら友達じゃないわよ・・・」

 

シャルル「フフフッ」

 

ノアが2人にお礼を言うと2人は飲むのやめて照れながらも返事をして、それを見ていたシャルルは微笑みながら飲んでいた。

 

 

 

 

ノアside

 

 

僕は2人が感情的になった理由が僕の為に怒ってくれたと分かって嬉しかった。それからシャルルも交え、次の話しの内容は僕の錬金術になった。

 

鈴「それにしても凄かったわね、錬金術って」

 

セシリア「確かにその通りですわ、前に織斑さんを助けた時は厚い石の壁だけでしたがあんな綺麗な剣を作ったり、ボーデヴィッヒさんの砲撃を黒い影や槍のようなもので防いだり、スラスターを破壊したり石の大砲を出したりと本当に魔法の様に万国ビックリショーを見せられた感じですわ」

 

シャルル「ア、アハハハッでも錬金術は魔法じゃなくて科学なんだよね」

 

ノア「まぁー確かに・・(影と槍は錬金術ではなく、ホムンクルスの能力だけど・・・)魔法じみてるけど錬金術は科学だよ、僕は別に魔力は持ってないけど錬成力と言う力は持ってるだけ。それは本来誰にでもあるから、それを使えるか使えないだけであまり珍しい事じゃないよ」

 

鈴「でも、それってアメストリス人やシン国の人間もしくは両国の血縁者だけでしょ?使えるのって」

 

ノア「・・・」

 

3人が色々言うので僕は珍しい事ではないと否定するが鈴のジト目と言葉で黙ってしまった。

 

シャルル「そ、それよりも気になったのがノア!」

 

ノア「ん?何シャルル?」

 

シャルル「あの、ノアが錬金術で作った綺麗な剣て何なの?」

 

シャルルは話題を変える為に僕が作ったサーベルについて聞いた。

 

ノア「あぁーアレね、あれは鉱石・・・いや、水晶かな?まぁ石の事はよく分からないけど、それで作ったサーベルだよ」

 

「「「・・・水晶!!?」」」

 

『ガタッ』

 

ノア「・・・」

 

僕の言葉に3人は驚いて僕の近くの扉の外から音が聞こえたけどおそらく立ち聞きしてるのはあのアリーナにいた生徒達だと思うから僕は無視した。

 

鈴「嘘でしょう!!水晶ってあんた!錬金術でそんなものも作れるの!?」

 

セシリア「水晶を作るって!そんな簡単なのですか!?」

 

シャルル「ノア!僕達にも詳しく教えて!!」

 

しかし3人は水晶について夢中になっていて聞こえなかったみたい。

 

ノア「落ち着いて3人共ちゃんと話すから」

 

「「「・・・」」」

 

ノア「じゃあ、話すね。さっきの説明も含めて言えば錬金術で水晶を作る事は出来る、勿論その人の力量次第だから簡単じゃ無いけど水晶以外にも、宝石や鉱石さらには金を作る事もできる」

 

シャルル「水晶だけじゃなく、宝石や金も作れる!?」

 

鈴「宝石は驚いたけどあたしは金については驚かないわよ、漫画や物語とかで錬金術で金を作れるてあったから」

 

セシリア「ですが実際にそれが可能な人が目の前にいれば話しは違ってきますわ」

 

鈴「と、言う事は・・・ノアとノアのお父さんは金を作れるならかなりのお金持ちの家って事よね」

 

ノア「それは違うよ。勿論僕もやろうと思ったら金を錬成できるけどでもそれは駄目だよ」

 

鈴「?、何で駄目なの?」

 

ノア「国家錬金術師になった者はある三大原則の義務が課せられる」

 

シャルル「三大原則?」

 

ノア「まず1つ目、人を作るべからず これは倫理に関係する為に禁止されてる。2つ目、金を作るべからずこれは経済のバランスを崩壊させない為に義務つけられてる。3つ目、軍に忠誠を誓うべしこれについては説明は要らないよね国家錬金術師なった瞬間から僕は軍人なんだからそれが国家錬金術師の三大原則だ」

 

僕は金を作ってはいけない理由を3人に三代原則を説明した最後については少し言葉を濁した、軍の狗である事と人間兵器として戦場に駆り出される事を僕は言わなかった。

 

鈴「人間って錬金術てそんな事もできるの!?」

 

ノア「人体錬成、そう言われてけど実際成功した話しは無い。だから危険と倫理に違反するという事で禁止されてる」

 

セシリア&シャルル「「・・・・」」

 

ノア「・・・2人共、変な考えだけはしないで欲しい」

 

セシリア&シャルル「「!!!」」

 

ノア「何があったか知らないけど亡くなった者は絶対に生き返らない。それは肝に命じて・・・それに亡くなった者の望みは生きてる者の幸せだから、亡くなった者達の分まで精一杯生きる・・・それが生きている者がやるべき事だと、僕は思ってる」

 

セシリア&シャルル「「!!うん(えぇ)・・・」」

 

人錬成の事を話したらセシリアとシャルルは何か様子が変だったから、2人に釘をさして話したら2人共納得した。

 

ノア「じゃあ!話しを戻すよ。だからその原則がある為に私利私欲で金を作ったりする事はできない」

 

鈴「でも軍人と言う事はノアって結構お金持ってると言う事だよね?」ニヤニヤニヤ

 

ノア「まぁ、確かに国家錬金術師の年間研究費とかで莫大な資金が支給されるけど・・・」

 

鈴「なら今度、ノアの奢りで買い物に行こうよ!」

 

鈴からとんでもない事が口から言われた

 

ノア「ハァ!?ちょっと鈴!!」

 

鈴「あっ!でも私だけじゃあ不公平ね・・・後は、エマと・・・セシリアもどう?」

 

ノア「ちょっと!何を勝手にき・・「あら?ならわたくしもご一緒させて貰いますわ」セシリア!?」

 

セシリア「ノアさん、男性の甲斐性と言うの見せ所ですわ!」

 

ノア「いや!セシリア!それを言うなら、男の甲斐性・・って、そうじゃなくて!ちょっ!ちょっと待って!!」

 

鈴と笑いながらセシリアも楽しそうに便乗して来た。この前のエマの話しで確かにとんでもない額が入ってるけど流石にまずいのでは!?

 

ノア「ちょっと待ってくれ勝手に『ノア・・・(クイクイクイ)』?シャルルどうしたんだ?」

 

シャルル「ノア・・・僕も良いかな?///

 

ノア「・・・勝手にしてくれ・・・」

 

セシリアと鈴が盛り上がってる余所にシャルルが僕のコートを二人に気づかれない様に引っ張ってきてたからシャルルの方に向くと小声で自分も、と赤面しながら聞いてきたからもう僕は匙を投げた。

 

ノア「また話が脱線したけど続きを話すよ、水晶は僕が修行時代、シンザスアルミストグローブ、手合わせ錬成グローブを作って初めて錬金術で作った物なんだ。だけど簡単には出来ない、錬金術を使うには材料が必要だけど僕は原材料とある物を使って水晶を作ったんだ」

 

シャルル「ある物?」

 

セシリア「それって何なのですの?」

 

ノア「僕らの日頃から周りにある物だよ」

 

鈴「周りにある物?・・まさか空気とか言うんじゃ無いわよね」

 

セシリア「アハハ、鈴さん流石にそれは「その通りだよ」え!?」

 

鈴「本当に!?」

 

シャルル「空気!?でもどうやって!?」

 

ノア「僕らの周りに漂ってるのは空気だけじゃないよ細かくて見えない不純物や電磁波とかもある、近年錬金術も進化して空気中の分子や原子、電子とかも材料して主体の材料を補う新しい構築式や錬金術が発表されて空気の水分を使い、水を錬成さたり複数の材料で違う物を作ったりするのが空気中の不純物を代用する事で、出来る用になったんだ」

 

セシリア「それはまた魔法のようですわね・・・」

 

ノア「でも錬金術は科学だ、そしてこれが先の戦闘でも使った水晶だよ」

 

僕はどうやって錬金術で水晶を作ったのか説明してボーデヴィッヒ少佐との戦闘で使ったサーベルから掌に少しだけ収まるサイズまで錬成した水晶をベッドから離れられない鈴達に近づいて見せた。

 

シャルル「うわぁ〜綺麗だね〜」

 

鈴「本当ね、錬金術ってこんな物も作れるのね」

 

セシリア「ノアさん少し貸して下さいまし!」バシッ

 

ノア「え!?セシリア!?」

 

セシリア「(スチャッ)・・・」

 

3人に水晶を見せる時、突然セシリアが僕から水晶を奪い、何処ら取り出したのか鑑定に使う小型のルーペで水晶を見始めた。

 

セシリア「ーー見事な水晶ですわ・・硬さに重さ見た目もちゃんと二重線が見えますわ、それもかなり複雑な・・光りを当てても透明度も完璧ですわ。天然物だとしてもこれ程の物は中々お目にかかれない品ですわ。世界最高の水晶、スイス水晶にも負けてませんわ・・・」

 

鈴「・・セシリアって鑑定もできるのね」

 

シャルル「・・うん、彼女は貴族の家だからこういったのにも結構、遭遇したのじゃないかな」

 

鈴「ところでスイス水晶ってなに?」

 

ノア「確かスイス水晶ってのはスイスで手掘りで採掘され、多くは流通されない産地のため、世界一高い水晶と言われてる筈」

 

鈴「・・・ノアの水晶ってそんなに凄いの?」

 

シャルル「確かクラスタークリスタルは378gで日本円で8万位するね」

 

セシリア「これはそんな物ではおりませんわこれ程の水晶は初めて見ますわダイヤやルビーにも負けない輝き、それにこの透き通るような青色・・・重さはおよそ190〜200ぐらいこの大きさでこれほどの品質およそ3900ユーロですわ」

 

シャルル「えええぇーー!!!」

 

鈴「な、何よ!シャルル男の癖に大声なんか出して」

 

シャルル「だって鈴!3900ユーロだよ!!」

 

鈴「知らないわよ!日本円で言いなさいよ!!」

 

ノア「1ユーロが約129円だから、約50万円だよ」

 

鈴「・・・え?えぇーーーー!!!!!?」

 

『ガッタ!』

 

ノア「・・・ハァ〜」

 

セシリアの鑑定で僕の作った水晶が50万円のだと聞いて僕とセシリア以外みんな動揺した。保健室の中も外も騒がしいみたいだから思わず溜め息を吐いた。

 

ノア「はいはい、セシリアもう返して貰うよ」バシッ

 

セシリア「あっ!あぁ〜ノアさんもう少し見せて下さいまし〜」

 

ノア「これ以上騒ぎを大きくしたくないから駄目!!」

 

僕はこれ以上事態を悪化させない為にセシリアから水晶を没収してコートの懐にしまった。

 

シャルル「ねぇ、ノアもう少し見せて〜」

 

鈴「もしくは頂戴♪」

 

ノア「駄目、それに絶対に上げないよ!・・・それにあの水晶はさっきも話したけど僕が初めて作った大切な水晶なんだ。それに何故か分からないけど僕の錬金術は水晶を作る事が一番得意なんだ」

 

「「「えっ!?得意ぃー!!!?」」」

 

ノア「そう、水晶の錬成は調べたらかなり高度な錬成で父さんに聞いたら僕以外でここまでの水晶を錬成出来る人は過去の記録を見ても見た事が無いと言われた」

 

セシリア「確かにあれ程素晴らしい物を作れる人はおりませんでしょう・・・」

 

シャルル「それにノアにぴったりな錬金術だね。水晶て石言葉で純粋て言う意味なんだよ」

 

鈴「それに青は誠実って意味だから純粋な誠実の感情と言う事ね。感情の錬金術師ノアにぴったりね」

 

ノア「長いし、言いにくいし、覚えにくい・・・でも、ありがとう」

 

鈴「じゃあいっその事、水晶の錬金術師に改名したら?」

 

ノア「・・・・」

 

感情の錬金術師、本当は師匠達が僕の中に居るからそう名付けられたけど、もしかしたらこの水晶の錬金術が感情の錬金術師である事を証明してるかも知れない。


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