七つの感情ストラトス   作:銀の巨人

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箒の失態

ノアside

 

 

 

僕とシャルルは保健室を出て自室に向いシャルルと別れて自室に向かう途中、僕は銀時計を弄りながらある事を考えていた。

 

ノア「(そう言えば、このシンザスアルケミストグローブ、本当ならオリジナルの半分の効果しか無い筈だけど・・・何故あそこまでの威力があったんだ・・・)」

 

ラース(ノア、どうかしたか?)

 

ノア(師匠・・・奥にいたのですか?)

 

プライド(ラースとグリードとエンヴィーに感謝して下さいよ。貴方の友達との楽しい会話に水を差したく無いと言って私達全員奥に引っ込んでいたのですから。もっとも、会話だけは聞いてましたが)

 

ノア(あっ!気を使わせてすみません師匠、それにグリード、エンヴィーありがとう)

 

ラース(何、修行も大事だが学生生活も楽しむべきだ)

 

グリード(ハッハハハハ!良いって事よぉ!久々に面白い話を聞けたしな)

 

エンヴィー(別に〜只、奥に行きたかっただけだよ)

 

ラスト(素直じゃないわね)

 

グラトニー(お腹すいたな〜)

 

スロウス(めんどくせぇ〜)

 

ノア(本当にありがとう)

 

皆んなが僕に気を使ってくれて本当に嬉しかった。出会ってからもう三年が過ぎ、四年目になろうとしてた。僕のもう一つの家族よなものだ。

 

ラース(ところでどうしたのだ?何か悩みでもあるのか?)

 

ノア(いえ、大した事では無いのですがこの手袋で錬金術を使った時に自分の予想よりも遥かに超えた錬成を行えたので少し疑問を感じてるのです)

 

ラース(・・・)

 

プライド(・・・)

 

ラスト(・・・)

 

エンヴィー(そんなのどうでも良いじゃん)

 

グリード(ハハハッ!使えるなら何でも使えば良いじゃねぇか)

 

ノア(・・・うわ〜エンヴィーとグリードらしい答え・・・)

 

エンヴィー(おい!それ、どういう意味だよ!!)

 

グリード(俺は強欲だからな!欲望の侭に生きれば良い!!!)

 

結局僕は気にせずグリードの言う通り使える物は使おうと考えた。

 

ノア「さっ!早くもど・・「ノア〜!!」んっ!あれは、箒?」

 

箒「ノア〜!!ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・ちょっと・・いいか・・?」

 

ノア「・・・(すみませんが師匠達は奥の方に・・『了解』ありがとうございます・・)良いけどなるべく手短にお願い・・・」

 

 

突然僕の前に剣道着姿の箒が走ってやって来た。師匠達に断りを入れて奥に行って貰い銀時計をポケットにしまって箒の話を聞く事にした。

 

ノア「それで何があったの?」

 

箒「・・・ノア・・・う、うぅぅぅ〜〜」

 

ノア「ちょ、ちょっと箒!?・・ほら、どうしたの?ほら落ち着いて」

 

箒「ノア・・・ううぅぅぅ〜〜ーー」

 

僕が箒に何があったか聞いてみると突然箒が顔をぐしゃぐしゃにして泣き始めたので僕は一生懸命宥めた。

 

箒「すまない・・・ノア」

 

ノア「落ち着いてたなら良いよ。それでも何があったの?」

 

箒「実は・・・」

 

それから箒は泣いていた事に少し顔を赤くしてたが、箒から聞いた話だと織斑の謹慎が解ける前日に箒は許可を貰い、織斑を訪ねてトーナメントで優勝したら付き合って欲しいと告白したみたいだ。織斑の返事は了承みたいだが、それが他の生徒に聞かれ伝言ゲームの様にどんどん広がるだけでなく最終的にトーナメントで優勝した者が男性操縦者と付き合えると言う内容になってしまったみたいだ。その事に箒が自分のせいで取り返しがつかない事態になってしまったから織斑の件も含めて僕に相談する為に部活が終わった後、直ぐに探してたようだ。

 

ノア「(つまり、箒は今日のアリーナの事は知らないのか・・・)また、それは大変な事になったね・・・」

 

箒「本当にすまない!私の所為でこんな事になるとは・・・こんな事なら告白などしなければ・・・」

 

ノア「ほら、そんな事を言ったら駄目だよ」

 

箒「だが、一夏の事だけでなく、ノアやデュノアにまで迷惑が・・・」

 

ノア「箒の一世一代の頑張った告白だったんだから少なくとも僕は責めないよ」

 

僕は箒の心からの謝罪と話を聞いて責める事をしなかった。逆にその行動をした箒を賞賛した。

 

箒「・・・ありがとうノア・・・だが、私はどうすれば・・・」

 

ノア「トーナメントがタッグマッチトーナメントになってるのは聞いてるよね?それなら、頑張ってタッグマッチトーナメントに勝つしかないよ、本当なら協力したいけど僕はさっき他の皆んなに抽選に任せると言ったから箒とタッグを組む事ができないんだ。自分の言った言葉を曲げる訳にいけないからね」

 

箒「え!?・・・そうだったのか・・・じゃあ・・「だから!」!!ノア?」

 

ノア「もし箒が無理だった時は僕が責任を持って優勝するよ。そうすれば大丈夫だろ?誰がパートナーになっても優勝した後の男性操縦者と付き合えると言うのは僕が何としても阻止するよ」

 

箒はその件でどうすれば良いかと相談して来た。本来なら僕が箒とパートナーを組んでトーナメントに出たら良いのだが、自分の言葉に責任を持たねばいけないと思ったから無理だけどもし、箒が無理だったら僕が代わりに優勝して何とか阻止すれば良いだけ・・・相手が誰になるか分からないけど何とかできる案は沢山ある。最終的にはエマに殺されるけど僕も腹をくくるしかない・・・。

 

箒「・・・ほんとうに?・・・ノア・・・なんとか・・してくれるのか?・・」

 

ノア「あぁ、約束は守る。って泣かないで!?頼むから!」

 

箒「・・・ううぅぅぅ〜〜ーーノア・・ありがとう・・・」

 

ノア「・・・(全く、不器用な子だな・・鈴といい、本当に織斑には勿体無い子だ)」

 

僕が何とかすると聞いた箒は言葉が幼くなってまた泣き出したから僕はまた宥めた。箒は泣きながらもお礼を言ってくれた。

 

箒「じゃあ、ノア、宜しく頼む・・でもトーナメントで当たっても私は負けない!必ずお前を倒す!」

 

ノア「健闘を祈るよ、箒!」

 

落ち着いた箒は僕にお礼をを言ってトーナメントで当たっても負けないと言われて激励をした。それを聞いて満足そうに箒は帰って行った。

 

ノア(皆んなありがとう)

 

プライド(気にしないで下さい。私達は頼まれたからした迄です)

 

ラース(あの娘、随分と良い顔つきになったな)

 

エンヴィー(普通なら女に興味あるのかと言いたいけど・・ラース、あんたの場合だと、どうせ同じ剣士としての感想だろ?)

 

ラース(よく分かっているではないか、エンヴィー)

 

ノア(師匠・・・)

 

ラスト(・・・)

 

プライド(?どうしましたかラスト)

 

ラスト(いえ、さっきの話しを聞いて織斑一夏があの子の告白を了承したと言っていたけど・・・)

 

グリード(あぁ〜?それが何だ?)

 

ラスト(今までの事を考えて、あの子の告白が単純に買い物に付き合ってと考えて返事をしてそうなのよねぇ・・・)

 

『・・・確かに』

 

ノア「(箒が不憫過ぎるなぁ〜そうで無い事を祈りたいが・・・まぁ、とりあえず、僕は部屋に戻ろ・・・)」

 

箒が帰ってから師匠達にお礼を言って話をしていたが、ラストの言葉を聞いて僕を含めて皆んな同意した・・・グラトニーとスロウスは寝てるけど・・・僕は僅かな可能性を信じてそうで無い事を祈りながら部屋に戻った。

 

 

 

ノアside out


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