七つの感情ストラトス   作:銀の巨人

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新生の欲望

整備室

 

 

 

エマ「ご無沙汰してます。大総統、リザさん」

 

ロイ「久しぶりだな感情の妹」

 

リザ「久しぶりね、エマちゃん」

 

久しぶりに再開したエマは二人に軽く挨拶をして本題に入ろうとした。

 

エマ「では早速本題に入りましょうか・・・こちらがそうです!」

 

ノア「このカバーが掛かってるのが・・」

 

エマ「そうだよ!お兄ちゃん♪」

 

大総統の要望でエマは後ろにあるブルーカバーが掛かっている物に近付き紹介した。ノアもそれが何か察した。

 

エマ「では!・・お披露目です!!」

 

リザ「これが・・」

 

ロイ「・・・ほぉ〜」

 

ノア「・・・エマ・・・これが・・・この機体が!!」

 

エマ「そうだよお兄ちゃん!・・この機体が・・アメストリス製第3世代ISディザイア改め″ディザイアストライク″だよ」

 

エマがカバーを外すと其処には全身が黒主体のトリコロールカラーの機体が鎮座していた。背中に付けてるウイングが更に威圧感を掻き立てさせる。エマ以外の三人三者は様々な反応を見せた。

 

ロイ「成る程、名前も少し変えたのか・・・正直を言えば少し不安だったが中々の物に仕上げたなご苦労だったなエマ・エルリック 」

 

エマ「いえいえ、私は兄をサポートする為にやっただけです。それにこんな事が出来る機会はありませんでしたから」

 

ノア「(確かに、あの疲弊したディザイアからこれ程までに仕上げる何てやっぱりエマは凄い!・・・だけど、このデザイン何処かで見たような・・・それにストライクと言う名前も・・・)」

 

ロイは、エマが仕上げた初アメストリス製の機体に大満足していた。エマも自分は出来る事をやっただけと謙虚に答えた。ノアもこれ程の機体に仕上げたエマに感心したが何か違和感も感じた。

 

エマ「それでは機体の説明をしますが・・・お兄ちゃん!時間があまり無いから説明しながらお兄ちゃんに合わせてディザイアの時のデータと合わせて最適化処理(フィッティング)するから乗って!」

 

ノア「あ、あぁ、分かった」

 

エマ「すみませんが作業しながらの説明については目を瞑って下さい」

 

ロイ「構わない、使えければ意味が無いからな。作業しながらでも良いから説明を頼む」

 

リザ「エマちゃん、説明なら後でも良いのよ?」

 

エマ「ありがとうございます大総統!リザさん、私は大丈夫です説明をしてても手元を狂わせませんから」

 

ノア「エマ、こっちは準備良いぞ・・・」

 

エマ「では、説明を始めますね。まずは、この機体ディザイアストライクは第3世代のISは特殊武装がメインと言われてますのでこの機体の特殊武装は装備換装バックパックストライカーが装備されてます」

 

エマ「ストライカーは戦況に応じた装備です。近接、中距離、遠距離、高機動、全てを含めたマルチの五つ内のどれかを換装して装備する事ができます。但しお兄ちゃんのこの機体の場合は五つのストライカーのどれにも該当はしない特殊なストライカーにしてます」

 

ロイ「成る程、近接戦闘が得意な者には近接装備、そして少佐の様に中距離と遠距離が得意な者はその装備で戦えると言う事だな」

 

エマ「はい、これは量産を視野に入れたシステムです。第3世代を量産するなら、フランスのラファールの様な誰でも簡単に使う事が出来る機体の方が良いと考えましたので、それなら自分の得意な戦術の装備に好きに変えれるようなシステムが良いと考えました」

 

リザ「確かに代表選手である私から見てもこのシステムは助かるわ、今の私の機体はラフェールを改造した専用機だからラファールの様に使いやすいなら、操縦にも支障がでないわ」

 

エマ「更にこの機体の五つのストライカーには全てビーム兵器が装備されてます」

 

ロイ「ビーム兵器・・・だと?」

 

リザ「エマちゃん、どうやって!?」

 

エマ「それは簡単な事ですよ♪ディザイアの戦闘記録映像に無人機がビーム兵器を使った映像データがあったのでそれを解析して作りました」

 

ロイ&リザ『・・・』

 

ノア「(簡単に言ってくれるね・・・でもエマらしい、各国が作れるのは最高でレーザー兵器程で一杯なのにエマは何処かのピエロ兎と同じ事を簡単に出来るから凄いよ・・・でもこの機体何処かで見たんだよな・・・)」

 

エマの説明は度肝受ける内容ばかりでロイとリザも言葉を失うがノアだけはまだ違和感に悩んでいた。

 

エマ「続けますね。機体の性能と出力も現存する第3世代の中で恐らく一番の機体です。第4世代に近い力を持ってると自負してます。更に私の整備でお兄ちゃんが全力で操縦しても大丈夫ですしホムンクルスの能力を使っても120%の力を出す事ができますし、負担も全く掛かりません」

 

ロイ「それは頼もしい、ホムンクルスの能力による機体の極度の疲弊も報告は受けてる。それを前から気づいてたのにも関わらず我々に気を使って報告しなかったからな。何処かの代表候補生は!」

 

ノア「・・・」

 

リザ「ウフフッ」

 

マスタングはノアがロイ達に気を使って機体が疲弊してる事を報告しなかった事にノアをジト目で見るがノアは目を逸らし、リザはそんなノアを見て笑った。

 

エマ「装甲に使われてる金属も”ホーリング鉱石”を使ってますので強度と耐久も保証します」

 

ノア「ホーリング鉱石?」

 

ロイ「貴様が知らないのも無理も無い。貴様が学園に居る間に東部、東の終わりの町ユースウェル炭鉱で発見された金属だ。ユースウェルで現在炭鉱の責任者をしてるカヤル・ホーリングが採掘中に発見した金属で今までの金属の中で一番強度と耐久がある金属と言う事が分かりISや武器等の製造に的した金属で現在はまだ研究中であるそれを貴様の妹に頼まれホーリング鉱石を含め複数の物を貴様の妹に送ったのだ」

 

ノア「そんなのが発見されたのですか(しかも、ユースウェルって父さんが救った町の一つだ・・)」

 

ノアは聞いた事が無い金属に疑問を抱いたがそれはノアが学園に行ってる間に発見された物だから知らなくて仕方ないとロイはフォローする。そして発見された場所がエドが話した町で発見された事に驚いた。

 

エマ「次に武装に付いてですがメインの武器三つを紹介しますね。まず一つ目が光刃剣 フォースサーベル。この武器はディザイアの時のサーベルを改造して作られた武器で本数も4本にあり、前大総統キング・ブラッドレイの様に左右に1本ずつ後ろ腰に2本装備してます。刃もホーリング鉱石を加工して作られています。さらに持ち手のグリップには小さいボタンスイッチが付いており押すと刃がエネルギーを纏い光の刃の様に使う事が出来きます。それによって相手の武器を切り裂いて破壊する事も可能です。使用するエネルギーはシールドエネルギーではなくアメストリスが開発し送って貰いました純度の高いエネルギーが宿ったクリスタルが使われてます。勿論今まで通りの使い方も出来、物理とエネルギーを使い分けて剣術を使う事が可能です」

 

ロイ「ほぉ〜、ホーリング鉱石だけでなくあのエネルギーが宿ったクリスタルを使い造ったのか・・」

 

ノア「(何か、師匠のサーベルが魔改造されてる!?・・・クリスタルをエネルギーにしかもボタンスイッチで光の刃?・・・まさか)」

 

ノアの師匠でもあるラースのサーベルが魔改造されてる事にノアはショックを受けるがエマが話したワードを読み取り段々分かって来た。

 

エマ「次に二つ目、変幻属性双銃剣 ドラグーン。ディザイアの拳銃を使い改造して作った私の渾身の銃剣です。お兄ちゃんが近接戦闘が得意としてる事は機体の戦闘レコーダーで確認してわかったので剣術と同時に銃撃も使う事を考えて作られた武器です。刃もサーベルに使われてる同じ素材が使われており斬れ味良く受け太刀しても全く折れず刃も簡単には欠けません。銃の方も十発まで撃てるカートリッジタイプにし、更に通常弾だけでなく最近アメストリスで開発された錬金術で属性付与する事が出来るエレメントを使う事で冷凍弾、火炎弾等を撃つ事ができます。別のカートリッジで炸裂弾も用意してます。一番の目玉はこの銃剣には電子を吸収して内部で静電気を発生させる機能があります。そしてこの見た目は普通と弾丸ですが電気を蓄える特性を持ってまして静電気をチャージする事で超電磁銃[レールガン]を撃つ事が出来ますカートリッジは拡張領域に30ずつ入れております。最初のあの銃はアメストリのあらゆる技術を使ってあると言われてますが大総統、私からしたら射程と威力が高いだけで面白みの無いものでした」

 

ロイ「何・・・?」

 

リザ「素直に受け止めて下さい大総統。私もエマちゃんのこの銃剣の方が面白みがあります」

 

ノア「(・・・母さんもそうだけど女性って容赦無い・・・それよりも・・・静電気を溜めて超電磁銃[レールガン]か・・・)」

 

エマの言葉でショックを受けたロイだが、リザはフォローせずエマに着きそれを見てノアは女性が怖くなったがエマの説明を聞いて確信した。

 

エマ「最後が三つ目、ビームブレイド フェンリルです。バックパックのウイングの外側に1基ずつマウントされている武装です。対艦刀でサイズはやや小ぶりですが勿論二刀流で使用可能で取り回しの良さを持つグリップ部を取り外すと単独でビームサーベルとしても使用可能ですISの装甲を容易に切り裂けます。私が作った初の実体剣とビーム剣の複合型です」

 

ロイ「フム・・成る程どれもこれも凄まじい性能を持ってるな・・・」

 

エマ「その点も問題ありません。リミッターを付けてるので殺傷力も抑えてます。すみませんが後の他の武装については端末を渡しますのでそれで確認して下さい・・・はい!完了!!お兄ちゃん!終わったよ〜」

 

ノア「・・・」

 

エマ「どうしたのお兄ちゃん?」

 

エマの説明を聞いてマスタングはその性能高さに危惧するがエマはリミッターの説明をしてその安全性を証明した。そして作業が終わりノアに伝えるとノアは無言で待機状態のウロボロスの銀時計に戻した。そんなノアにエマは疑問を抱いた。

 

ノア「エマ・・・一つ言いたい事がある」

 

エマ「何?お兄ちゃん」

 

ノア「お前・・・この機体と武装、全部お前が好きなアニメや映画のネタから作った物じゃないか!!!」

 

エマ「ムッ!何よ!!良いじゃない!!別に私は犯罪をしてるんじゃ無いんだから!!!」

 

ノア「著作権があるだろ!!上の人に怒られるぞ!!何なら元ネタ全部言おうか!?この機体のモデルは某機動戦士の・・・」

 

エマ「わぁぁ!!ストップストップ!分かったから、それ以上は私達の首が飛ぶだけじゃ済まなくなるよ!!」

 

ノア「お前がそれ言う!?」

 

ノアはディザイアストライクや武器がエマの好きなアニメや映画、ゲームが元ネタと気付いてエマを叱るが開き直られてしまった。

 

ノア「とにかく、これはやり過ぎだエマ!!」

 

エマ「そんなの私は知らないよ!!!私の辞書に自制と言う文字は無い!!」

 

ノア「じゃあ今すぐ辞書引いて赤線引け!!そして10回書き取りしてその偏った脳に焼き付けろ!!この機械オタク!!!」

 

エマ「何よ!!お兄ちゃんの錬金術オタク!!!」

 

ノア「なっ!!」

 

エマ「それに何!?ディザイアの時のサーベルと拳銃の名前!!!サーベルはラースサーベル!!拳銃はゲキメツガン!!お兄ちゃん芸術センスは良いのにネーミングセンスなさ過ぎ!!!」

 

ノア「そ、そんな訳・・・かっこいいだろ!?」

 

エマ「もっっの凄くダサい!!ピ〇コロの私服姿並にダサい!!!」

 

ノア「なん...だと...」

 

エマ「フンッ!!」

 

ロイ&リザ『ア、アハハハッ・・・』

 

ノアとエマは言い合いになるがエマはノアの心を的確に急所を狙う事を言い、遂にノアは耐え切れずその場に倒れてしまった。そんなノアとエマの2人のやり取りを見たロイとリザは苦笑いしかできなかった。


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