七つの感情ストラトス   作:銀の巨人

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トーナメント開催

アリーナ控え室

 

 

 

あれからノアはアリーナの控え室に行き、銀時計を触りながら抽選の結果を待っていた。

 

ノア「・・・僕は一体、誰と組む事になるんだろ」

 

ラース(ノア、今は心を落ち着かせ、時を待つのだ)

 

プライド(気になるかもしれませんが、余計な考えは動きや判断を鈍らせます)

 

グリード(ハハハッ!俺達がいるんだ大船に乗ったつもりで待ってろ!)

 

エンヴィー(このエンヴィーが認めてるんだ、一々動揺をするな)

 

ノア(皆んな・・・ありがとう)

 

ノアが決めたと言え、やはり誰と組むか判らないから落ち着かず、気になっていたがホムンクルス達のおかげで落ち着いた。

 

シャルル「あっ!ノア!!」

 

ノア「んっ、シャルル!おはよう・・・ん?織斑は?」

 

シャルル「おはよう・・・実は僕だけが早く来てしまったんだ。それよりどうしたの、今朝から見なかったけど?」

 

ノアはシャルロットに織斑がいない事を聞くとシャルロットは慌てて自分が早く来てしまったと言い、ノアが朝から見なかった事に話題を変えた。

 

ノア「ん?あぁ、これさ」

 

シャルル「それってノアの専用機!」

 

ノア「あぁ、今朝エマに整備室で渡されたんだ」

 

シャルル「あの時、エルリックさんがノアの機体は改修してると言ってたけど・・どんな風になったの?」

 

ノア「それは・・・見てからのお楽しみだ」

 

シャルル「えぇ〜ノア教えてよ〜!」

 

ノア「試合の時にお披露目するよ」

 

『・・・エル×デュノ・・・ダブル金髪・・良い・・・』

 

ノアとシャルルは楽しそうに笑いながらのやり取りがイチャついてる様に見えたらしく、それを見た一部の腐った生徒が良からぬ事を考えてニヤついていた。

 

ノア「あっ!シャルル、抽選結果が出たみたいだ・・・えっ!?」

 

シャルル「こ、これって・・・」

 

ノアは抽選結果が出たのに気付いてディスプレイを見たシャルルもノアに言われて見ると・・

 

[第一試合]

 

[織斑一夏、シャルル・デュノアVSラウラ・ボーデヴィッヒ、ノア・エルリック]

 

 

抽選で出た試合内容を見て、ノアもまさか彼女と組む事になるとは思わなかったので唖然としていた。

 

一夏「お〜いシャルル、酷いじゃ無いか何も言わずにいく・・・ノア!!」

 

ノア「・・・」

 

一夏がタイミング悪く来た。悪態をつける一夏に冷ややかな目を向ける。

 

一夏「・・・行くぞ!シャルル!」

 

シャルル「痛っ!ちょっ・・一夏!早いよぉ!」

 

一夏「駄目だ!シャルル、こんな奴と一緒にいたら!」

 

シャルル「ちょっと一夏!そんな「別に良いよ」・・・ノア」

 

ノア「シャルル・・ありがとう」

 

一夏「ノア!俺はお前の事を絶対に許さないからな!!」

 

ノア「・・・最初の試合、お前との対戦相手はボーデヴィッヒ少佐と僕だ・・・」

 

一夏「!!・・・お前はこの俺の手で正してやる!!」

 

一夏はシャルルに近付き強引にシャルルの腕を掴み、シャルルをノアから離そうとする。更に一夏はノアに悪態を吐き、それを聞いたシャルルは一夏に怒ろうとするがノアはシャルルを制止した。そしてノアは銀時計をポケットにしまい、最初の対戦相手は自分だと一夏に言った。それを聞いた一夏は少し驚いたが自分がノアを正すと言いシャルルを引っ張って行った。

 

 

 

アリーナ生徒客席

 

 

 

セシリア「・・・いよいよ始まりますわね」

 

鈴「そうだけど・・第一試合からこの組合わせって・・何か仕組まれた感じがするんだけど・・・」

 

セシリア「ノアさんも今朝から姿が見えませんでしたし・・・少々気になりますが、わたくしはノアさんなら大丈夫だと信じてますわ」

 

鈴「それはあたしも同じよセシリア、あいつが負ける訳ない」

 

観客席で座っているセシリアと鈴はノアの勝利を信じていた。

 

 

 

アリーナ来賓客席

 

 

 

リザ「いよいよ、始まりますね。大総統」

 

ロイ「あぁ、だがまさかこの組み合わせになるとは・・」

 

リザ「何か気になるのですか?」

 

ロイ「・・・いや、何でも無い少佐(偶然なのか?・・いや、私の勘が何かを伝えてる、それにこの国に来てから少し空気が違ってきた・・まるであの時の様な・・)」

 

ロイはこの組み合わせに疑問を抱いた。リザは何かあるのかと聞くがロイは自分の考え過ぎだとリザに言ったが内心ではやはり気になっており、それに漂う空気もあの最終決戦の時の空気が少し臭ったので気になっていた。

 

 

 

アリーナピット

 

 

 

ラウラ「まさか私がお前と組む事になろうとはな、ノア・エルリック」

 

ノア「僕自身も予想外ですよ、ボーデヴィッヒ少佐・・」

 

ラウラ「・・・なあ、エルリック気になってたのだが・・」

 

ノア「何ですか?」

 

ラウラ「その・・普通に私を名前で読んで良いぞ・・あの時と違い、私は貴殿に敵意は無いのだが・・」

 

ノア「・・それでも僕はまだ貴方の事を知りません。知らないのに名前で呼ぶのは失礼でしょ?」

 

ラウラ「ム〜・・確かにそうだが・・」

 

ノア「(確かに敵意は感じないが・・・まだ様子見だな)」

 

ピットでノアはラウラとそんなやりとりしてる間に・・

 

山田『それでは、只今より学年別タッグマッチトーナメントの第一試合を開始します。出場選手はピットからアリーナ中央へお願いします』

 

何時もオドオドしてる山田先生の声がはっきりとしていた事に内心では驚いているノアがいた。

 

ノア「ほら、ボーデヴィッヒ少佐、お先にどうぞ」

 

ラウラ「・・・では先に行ってるぞ!」

 

僕の声でボーデヴィッヒ少佐はISを纏いピットからアリーナへ飛び出して出た。それを見送って僕も準備した。

 

ノア「・・・初陣だ(行くぞ!ディザイアストライク!!)」

 

ノアは光と共に自身の専用機ディザイアストライクを纏った。

 

ノア「良し!僕も・・『お兄ちゃん!聞こえる!?』・・エマどうしたんだ?」

 

突然エマからの連絡が入った。

 

エマ『せっかくの初陣だもの、出撃のオペレートは私がするよ♪』

 

ノア「・・・全くお前は・・分かった宜しく頼む」

 

エマ『任せて!私が発進どうぞ!と言ったら”感情行きまーす”と言ってね♪』

 

ノア「言えるわけないだろ!!お前さっきまでの話し聞いてた!?」

 

エマ『冗談だよ冗談♪普通で良いけど気合い入れやってね。あとこれからはディザイアストライクじゃ長いからディザイアSって呼ぶね』

 

ノア「・・・分かった」

 

アリーナに出る前にまたエマとコントをしたノアはエマの最初の台詞に比べたらまだ良いと了承した。

 

エマ『ディザイアS発進準備!カタパルト接続!進路クリアー、ディザイアS発進どうぞ!』

 

ノア「ノア・エルリック、ディザイア出撃します!」

 

そしてノアはピットからカタパルトを使い飛び出してトリコロールの色を光らせながらバレルロールして翼を広げアリーナの中央に向かった。

 

生徒『えぇぇー!!!』

 

来賓客『ザワザワザワザワ』

 

セシリア「何ですの!?あれは!!!」

 

鈴「まさか!!あれが改修したノアの専用機!?」

 

千冬「あれが・・改修したエルリックの専用機・・」

 

山田「あわあわあわ!エルリック君、凄い機体で登場しましたね先輩!」

 

?「見て見て見て!!!本音!!あれがエマちゃんが作った機体だよ!!エマちゃん分かってる!!凄くカッコイイよ〜!!!」

 

本音「おおおお落ち着いてよ〜きもちわるいよ〜」

 

事前に見たマスタング達以外の全生徒、来賓、セシリア、鈴、そして本音の肩を思いっきり揺らしてる生徒までピットから飛んで出てきたノアの機体が変わってたり事前の資料とは違ったりエマが作業をしてた事を知ってたが実物を見て全員驚いた。本音は肩を揺らされて気持ち悪がってるが・・・

 

 

 

アリーナ中央

 

 

 

一夏「なっ何だ!あの機体は!?」

 

ラウラ「少々面影はあるが・・以前の機体とは違う・・?」

 

シャルル「・・あれがノアの言っていた機体・・確かに内緒にする理由が分かるよ」

 

ノア「すまない。待たせたな」

 

ノアも着きそして中央では一夏、シャルルのペアとノア、ラウラのペアが睨み合っていた。

 

ラウラ「構わない・・が、織斑一夏は私が潰す。エルリックはもう一人の方をやれ」

 

ノア「了解しました。こっちが終わったら援護します」

 

ラウラ「余計な真似をするな・・・貴様も潰すぞ」

 

一夏「おいノア!何だよその機体は!?新しいISで来る何て卑怯だぞ!!正々堂々戦え!!!」

 

ノア「・・・お前馬鹿か?」

 

一夏「なっ!?」

 

ノア「これは″エマ″が僕の専用機ディザイアを改修した姿だ。ディザイアその物はまだ未完成だったみたいで、それを僕の″専属整備士″になったエマが仕上げただけだ。全く違う機体を使ってる訳ではない」

 

一夏「!?・・エマが・・お前専属の・・整備士だと・・」

 

ノア「・・・」

 

一夏「くっ!ノア!!ボーデヴィッヒもまとめて倒してやる!!」

 

ノア「ふん・・・殺ってみろ・・・!!」

 

ラウラ「エルリック!彼奴は!」

 

ノア「分かってますよ、僕の相手は・・シャルル、覚悟は良いな?」

 

シャルル「それはこっちの台詞だよ、ノア」

 

正に一触即発の状況、特に一夏とラウラ、そしてノアとシャルルはそんな2人と違い互いに笑ってるが目は真剣で闘志を燃やしていた。

 

ラウラ「まさか最初から貴様と当たるとはな・・・」

 

一夏「ああ、でも・・・コレで今までの決着を付けられるぜ」

 

ラウラ「それに関しては私も同意見だな」

 

一夏「へえ・・・以心伝心で何よりだ」

 

山田『それでは試合開始!』

 

織斑がそう言った瞬間、試合開始のブザーが鳴り響いた。

 

一夏&ラウラ『叩きのめす!!!』

 

ノア「行くぞ!シャルル!!」

 

シャルル「僕も負けないよ!ノア!!」

 

そして学年別タッグマッチトーナメント第一試合が始まった。

 


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