七つの感情ストラトス   作:銀の巨人

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ディザイアの真価とパンドラの匣

遂に試合は始まり各ペアはそれぞれの相手と戦い始めた。

 

一夏「このおおぉぉぉー!!!」

 

ラウラ「フン!雑魚の貴様などすぐに片づけてやる!」

 

一夏「なっ!雑魚だと!!」

 

ラウラ「事実だろ。今日までの貴様を見れば雑魚としか言いようがない!教官の輝かしい栄光に傷をつけた上に、今も教官の顔に泥を塗り続けている・・貴様の存在を私は許さない!教官の汚点・・・織斑一夏!!私は貴様を消し、教官には我が祖国に・・・私の元に戻って貰う!!」

 

一夏「ぐあっ!・・勝手な事・・言うな!!!」

 

一夏はラウラと戦っており2人とも頭に血が上り単調な戦いをしていた。その一方で・・

 

ノア「こうやって本気で戦うのは始めてだな」

 

シャルル「そうだね、今まではお互いに探り合いばっかりでまともに戦ってなかったからね」

 

シャルルはガルムでノアに射撃攻撃をしノアは腰に装備してあるフォースサーベルで弾丸を弾き応戦していた。

 

シャルル「・・正直僕はこうしてノアとの戦いを楽しんでいたいけど、一夏を放って置く訳にもいかないからノアには悪いけど早く終わらせるよ!!」

 

ノア「言ってくれるなシャルル、なら・・私も本気で行かせて貰おう」

 

ノアは憤怒の最強の目に切り替えて動き始めた。

 

シャルル「何これ!?ハイパーセンサーが追いつかない!?」

 

ノア「シャルル・・まだまだこんなものではないぞ?」

 

ノアは最強の目をフルに使い、シャルルの弾丸をセンサーが追いつかない程のスピードで動き、全て避けて突っ込んで来た。

 

ノア「(かなり動き易いな・・今までは重りを背負った上で身体に強制ギプスを付けられた様な感じであったが・・・今の私の動きは制限は無い!!)」

 

シャルル「くっ!!全く当たらないしかすりもしない!!」

 

ノア「(それに幾ら負担の少ない最強の目だからと言っても機体の負担も感じ無い!!)遅い!!」

 

シャルル「くっ!ガルムが切られた!!」

 

ノアは最強の目と自身の身体能力と機体の性能をフルに生かしてシャルルのガルムを斬り裂いた。そしてフォースサーベルを収め・・

 

ノア「まだまだ行くぞ!」

 

シャルル「!?ワイヤー武器!?・・しまった!!」

 

ノア「これはおまけだ、受け取れ」

 

シャルル「うわぁぁ!!」

 

ノアは両手首甲に1基ずつ、両腰及び足先踵裏に1基ずつ、バックパックに1基の計7基のアンカーランチャー バイパーを射出してシャルルを捉えて更にウイングの内側に1門ずつ装備されているリニアレールガン バージルをワイヤーで捉えてられてるシャルルに撃ちシャルルはあまりの威力に地面に叩きつけつけられた。

 

シャルル「うぅ・・全身からワイヤー、翼からレール砲・・何て機体なんだ・・しかも、扱いが難しいその機体を完璧に使いこなしてるのノアの腕・・今までとは全然違う・・」

 

ノア「シャルル・・・まさかこれで終わりではないだろう?」

 

シャルル「くっ!」

 

シャルルは起き上がりノアの機体とそれを完璧に使いこなすノアに戦慄した。だがノアは追い討ちで変幻属性双銃剣 ドラグーンを両手に出し、起き上がったシャルルに向けた。

 

 

 

アリーナ客席

 

 

 

鈴「・・・これが本当のノアの実力・・・」

 

セシリア「・・・生身の時も凄かったですが、今回はそれ以上ですわ・・・」

 

鈴「機体に翻弄もされて無い・・完全に自分の物にして使ってるわね・・」

 

セシリア「・・正直な話をしますと次にノアさんと戦う時・・戦って勝てる気がしませんわ・・次元が違います」

 

鈴「確かにね・・・今の私じゃ相手にならないでしょう・・・でも、勝つのを諦める気は無いわ!」

 

セシリア「!!・・フフッそうですわね、わたくしも負けてられませんわ!」

 

枷の無くなったノアの力に戦慄し特にセシリアは弱気になり答えたが鈴は諦めなかった。それを見たセシリアも鈴にさっきまでの弱気を捨て強く同意して自分もノアに負けないと誓った。

 

 

 

アリーナ来賓

 

 

 

「あれが、アメストリスの男性操縦者・・」

 

「聞いてた話しと違うでは無いか!何だあの動きは!?」

 

「国家錬金術師と言うのは人間兵器と言われているが・・化け物なのか!?」

 

「ブリュンヒルデの弟と比べられ無い程に強いでは無いか!?」

 

「何だあの機体は!?」

 

「もしや、あれがアメストリスの第3世代の機体だと言うのか!?」

 

他の各国もノアと機体に驚愕し様々な言葉を並べていた。そんな中・・

 

リザ「凄いですね。ノア君・・」

 

ロイ「鋼の息子だ、あれくらいはやって貰わなければな。それに感情のは国家錬金術師の上にホムンクルスをその身に宿している、これくらいは当然だ」

 

リザ「ハァ〜何を言ってるのですか。例え国家錬金術師と言っても力はピンからキリではないですか・・ノア君は国家錬金術師の中で新人ですが間違い無く最上位の位置いますよ。代表選手の私ですら今の彼に勝てるか判りません」

 

ロイ「フッ、何はともあれこの戦いもう終わりそうだな」

 

ロイの無茶な言葉にリザは呆れるがノアの力は国家錬金術師の中でも最上位の力があり自分も勝てるか判らないとロイに言う。それを聞いたロイは不敵に笑いノアとシャルルの戦いが終わると答えた。

 

 

 

管制室

 

 

 

山田「あわわわわ、織斑先生!エルリック君、デュノア君を圧倒してますよ!」

 

千冬「落ち着いて下さい山田先生。確かに以前、エルリックの生身の戦闘を見たが機体も万全だとここまでとは・・しっかりエルリックの機体データは録れ!」

 

上級生『は、はい!!』

 

千冬「(国家錬金術師が自分に合ったISを使うとまさかここまでやるとは・・非公式だが私はISでホークアイと戦った事がある。結果は″引き分け″だった。ホークアイは軍人でもあったからまだ納得できるがエルリックは国家錬金術師と言っても一夏と同じまだ少年なのに・・もし私が暮桜を使って奴と戦ったら果たして私は勝つのだろうか・・)」

 

管制室の真耶はノアの動きを見て慌てており、千冬もノアとノアの機体を見て驚愕していた。それでも落ち着き上級生にデータを録る様に指示した。そして、改めて国家錬金術師の力を認識し、かつて一度だけ戦ったリザとの戦闘を思い出し、今の自分がノアと戦って勝てるか判らなかった。

 

ラウラ「ほぉ!やはりエルリックと組む事は間違いではなかったようだな」

 

一夏「シャルル!!」

 

ラウラ「・・余所見をしてる場合か!!」

 

一夏「グハァー!!」

 

ラウラ「これで、終わりだ」

 

一夏「う、動けない【AIC】か!?」

 

ラウラ「お終いだ、教官の汚点、織斑一夏!!」

 

ガガガガガガッ!!

 

ラウラ「グァ!?な、何だ!?」

 

一夏「あっ!動ける!!・・まさか!ありがとうシャル・・ル・・!?シャルル!!」

 

シャルル「アハハハッごめん一夏・・僕は・・リタイアだよ・・・」

 

『シャルル・デュノア、ラファール、SEエンプティ』

 

ラウラはAICで一夏の動きを止めトドメを刺そうとレール砲を向けた。突然別の方から銃撃が来てラウラはもろに受け集中力を見出し一夏を自由にしてしまった。一夏はシャルルが助けてくれたのを直ぐに理解してシャルルにお礼を言うおうとするがシャルルはシールドエネルギーが無くなって地面に座り込んでいた。何が有ったか少し前に戻ると・・・

 

シャルル「まだ!負けた訳じゃないよ!!」

 

ノア「そうでなくてはな!」

 

シャルルは新しい銃を出して発砲しノアはドラグーンの刃の部分で弾丸を斬って防御し、今度は銃で撃ち返した。

 

シャルル「剣にも使えて銃として使える・・それにまだ錬金術も使って無い・・最早何でもありだねノア!(エネルギーも残り少ない・・どうしよ・・)」

 

ノア「全部、大切な妹である機械オタクのおかげだ!(ビームブレイドとブーメランは辞めておこう、下手したら怪我だけじゃすまないかもしれないし、フォースサーベルの光刃機能もだ。・・・・なら!これで決めよう!!)」

 

シャルルはノアの手数に驚きながら心の中でエネルギーが少ない事に焦っていた。ノアもエマを賞賛しつつ次に使う武器の事を考えた。そして最後に使う武器が決まりドラグーンのカートリッジを替えてドラグーンは周囲の電子を吸収し放電現象を起こし始めた。

 

シャルル「!?そ、それは!?」

 

ノア「シャルル・・レールガンの原理て知ってるか?」

 

シャルル「えっ!?」

 

ノア「別名、超電磁砲。フレミングの運動量を借りて、砲弾を閉回路を作り、砲弾を流れる電流が磁束から受けるローレンツ力という力によって電磁加速させて砲弾を撃ち出すもの―――分かりやすく言えばリニアモーターカーと一緒で超強力な電磁石を使って金属の砲弾を打ち出す」

 

シャルル「それがな・・まさか!?」

 

ノア「そう!今替えたカートリッジの中にある弾丸は電気を蓄積させる事が出来る特性を持ってる。この銃剣の能力の一つで電子を吸収して内部で静電気を発生させてその弾丸に蓄積させる事でレールガンを撃つ事が出来る!!」

 

シャルル「どうしよ不味い・・ハッ!一夏!!・・・仕方ない」

 

ノア「(余所見か・・・)終わりだシャルル!レールガン!!」

 

シャルル「!?うわぁぁぁー!!!」

 

ノア「・・・ハァ〜後味の悪い勝ち方だ」

 

こうして、シャルルは本来の実力が出せずノアに敗北した。

 

ノア「ナイスファイトだったよシャルル・・・大丈夫か?」

 

シャルル「うん、大丈夫だよ!ありがとうノア・・」

 

ノア「?」

 

シャルル「僕が一夏を助けて逸らした時、あえてレールガンの威力を抑えてくれたんでしょう?」

 

ノア「・・・なんの事だ?」

 

シャルル「フフッ!でも次に戦う時は負けないよ!」

 

ノア「・・あぁ、僕も負けないよ!じゃあ!」

 

ノアはシャルルに近付き状態を聞くと大丈夫だった。シャルルはノアが加減した事に気付きお礼を言い、ノアは罰悪そうにして誤魔化した。そんなノアをシャルルは笑い、次は勝つと言いノアも負けないと言って一夏とラウラに向かった。

 

ノア「こっちは終わりましたが・・・ボーデヴィッヒ少佐、手伝いましょうか?」

 

ラウラ「必要ない!下がってろ!!!」

 

ノア「・・・ハイハイ、分かりましたよ」

 

ノアはラウラに近づくとラウラは怒り、ノアに下がれと言った。銃弾を受けた事がノアの所為だと八ツ当りした。それを聞いて頭に血が上ってるラウラに対して何の意味も無いと判りノアは相槌を打ち後ろに下がった。

 

一夏「へっ!良いのかよ!2対1なら勝てるのによ!」

 

ラウラ「貴様如き私一人で充分だ!!」

 

一夏「そうかよ、後で吠え面書くなよ!!」

 

ラウラ「ぬかせ!!」

 

一夏「そこだ!零落白夜ぁぁ!!」

 

ラウラ「何っ!?ぐわぁ!!」

 

一夏「へへっ、当たったぜ」

 

ラウラ「ハァ、ハァ、ハァ、くっ!!」

 

ノア「(完全に頭に血が上ってる・・あれなら織斑でもボーデヴィッヒ少佐に勝てるかもしれないな)」

 

ラウラ「私は、私は、負ける訳には行かないのだ!!!!」

 

ラウラは完全に頭に血が上って冷静が無くなり動き単調化しておりスキが多くなった。そこにイグニッション・ブーストしてから零落白夜が決まりシールドエネルギーをゴッソリ持って行かれた。ノアもあれなら一夏でも勝てる可能性があると思った。それからラウラは一夏に突っ込むが最早語る事も無く返り討ちにあい機体もボロボロになり、今動いてるのは執念だけだった。

 

ラウラ「ハァ・・ハァ・・ハァ・・・」

 

一夏「とっととお前を倒して、俺はシャルルの仇を取ってあいつを正すんだ!!!」

 

ラウラ「!!?」

 

ラウラは息を荒げて立ち上がってるが限界に近かった。そんなラウラに一夏はラウラを倒しノアは自分が正すとまた身勝手な事を言った。だが一夏はこの状況でラウラに言ってはいけないフレーズを行ってしまった。

 

ラウラ「私が・・負ける・・」

 

ノア「ん?・・何だ今の感じは・・」

 

ラース(ノア!不味いぞ!)

 

プライド(この感じ・・直ぐに彼女を止めて下さい!)

 

ラスト(・・・もう、遅いわね)

 

グリード(あぁ、もう間に合わねぇ・・・)

 

ノア「はい!!少佐ぁぁぁ!!・・・ハッ!?」

 

一夏「仲間を助けよう立ってそうはいかないぜ!!ノア!!!」

 

ノア「くっ、邪魔だ!!!」

 

ラウラの変化に感じたノアとホムンクルス達、ホムンクルス達はノアに警告してラウラを止める様に言い、ノアも事態に気付きイグニッション・ブーストでラウラに向かおうとするが勘違いしてる一夏に止められてしまった。

 

ラウラ「(私は負けるのか?また、あの頃に出来損ないに戻ってしまうのか?・・嫌だ・・嫌だ・・嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ、イヤダァァァーーーーー!!!)」

 

【ヴォーダン・オージェ】詳しい詳細は省くがハイパーセンサーの技術を応用したそれは、危険性もなく不適合の可能性はない・・筈だった。不運なことに、ラウラには合わなかった。左目は金色に変わり、常時稼働状態となりカットできなくなってしまった。そして、それはラウラを無限の転落に誘うものになった。部隊員からは嘲笑や侮蔑が飛び、上層部からは出来損ないの烙印を押された。毎日が地獄に変わった。

それを、幸か不幸か世界最強の女性、織斑千冬が救う事となりそして千冬の指導はラウラを部隊最強に戻し、そして歪んだ憧れを持ち、一夏への強大な憎悪を生み出してしまった。

 

 

 

???

 

 

 

『汝、力を求めるか・・・?』

 

ラウラ『誰だ・・・』

 

『汝、絶対的な力を力を求めるか・・・?

 

 ラウラ『ああ・・力が欲しい。比類なき、最強の力を・・・よこせ唯一無二の絶対を!!』

 

『ならば受け取れ…絶対なる力を!!』

 

Damage Level…D.

 

Mind Condition…Uplift.

 

Certification…Clear.

 

《Valkyrie Trace System》…boot.

 

 

 

アリーナ中央

 

 

 

一夏「お前を倒して俺が正しいと証明してやる!!!」

 

ノア「どけ!早くしないと、手遅に・・「うううっ」・・・不味い!!」

 

一夏「なっ!何だ!!?」

 

ノア「くっ・・・遅かったか・・・」

 

ラウラ「うっ…ぐっうっ…うああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!!!!」

 

ノアは止めようラウラの元に行こうとするが一夏が邪魔で行く事が出来ず、遂にラウラはパンドラの匣を開けてしまい。やっと一夏も異変に気付いたがもう遅すぎた。装甲を型どっていた線はすべて溶け、ドロドロになりラウラの全身を包み込んでいった。

 

ノア「!?」

 

一夏「!!う、嘘だろ・・」

 

千冬『・・・あれは!まさか!!【暮桜】だと!?』

 

地獄の扉が開いてしまった。


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