七つの感情ストラトス   作:銀の巨人

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愚者の大罪

一夏とシャルルの自室

 

 

 

シャルルside

 

 

 

お風呂の後僕はノアと別れて自室に戻って来た。一夏は織斑先生の言う通り反省文を書いている。側には夕飯を食べた食器があった。

 

一夏「おっ!シャルルお帰り!大浴場どうだったか?」

 

シャルル「う、うん。とても気持ち良かったよ」

 

一夏「本当か!!良いよな〜俺何て今日は部屋で一日中謹慎で大浴場に行く事も駄目だって言われるんだよな〜何で千冬姉はノアは良くて、俺が駄目なんて言ったんだろなぁ?彼奴は俺を気絶させて家族を馬鹿にした最低な奴なんだぞ!!シャルルはどう思う?」

 

シャルル「・・・」

 

一夏は自分が何をしたのか忘れてる様に聞いて来た。僕はそんな一夏を見て怒りが湧いた。一番怒りが湧いた理由はノアを悪く言うからだ、ノアは一夏の為に頑張ったのにそのノアに対して一夏はノアを否定する事に僕は心の中で怒り出てきた。だが・・

 

シャルル「知らない」

 

一夏「?・・何だよ・・」

 

僕はそう言ってノアの言う通りにテレビを付けて21時に始まるニュースを見る事にした。一夏は僕の態度に疑問を持ったが全く気にし無かった。

 

アナウンサー『今晩は、先ずはだだいま、入りましたニュースをお伝えします。本日午前未明にフランス政府館とISの大企業のデュノア社そして女性権利団体の支部が同時に強制捜査が入りその中の女性権利団体の構成員が全員逮捕されました』

 

シャルル「!!」

 

一夏「!!お、おい!シャルル!これって・・」

 

僕は時間通りのニュースにチャンネルを変えるとノアの言う通り、デュノア社の関連するニュースが流れた。

 

アナウンサー『実行したのはフランス政府委員とデュノア社の社長、アルベール・デュノア氏とアメストリ国軍でありフランス政府とデュノア社長は秘密裏にアメストリ国に協力を要請し結託して一斉検挙をしました。理由はフランスの汚点をこれ以上見逃せ無いと理由で逮捕された構成員は多くの汚職が摘発されました。また逮捕されたデュノア社の社長夫人のデュノア夫人は社長を脅し自社の資金を使い数々の犯罪に手を染めおり更には自身の娘を男装させて男性操縦者のデータを盗ませる様に工作し強要した事実が判りました』

 

シャルル「・・えっ!?(あの命令はお父さんの命令じゃ無かったの!?)」

 

一夏「お、おいシャルル何がどうなってるんだ!?」

 

アナウンサー『デュノア社長は自身の妻から娘を守る為にIS学園に送り彼女を妻から遠ざける為に動きましたがそれを加害者が利用し、彼女に男装を強要させて無理矢理、男性操縦者のデータを盗む為にした事が判りました。その為、臨時に設立されたフランス政府はデュノア社長の娘は被害者と公言し政府は彼女を保護し正式にフランス国家代表候補生として迎える方針です・・』

 

シャルル「そうか・・・僕はもう大丈夫何だ・・」

 

ニュースの内容は想像絶する内容だった。まさかあの命令は父じゃなくて僕を嫌ってた義母の命令だとは思わなかった。そして父がこの学園に僕を送った元々の理由が僕を守る為だとニュースで聞いて僕は無意識に涙が流れた。嬉しかった・・僕は本当の意味でお父さんに愛されてたんだ・・それにアメストリ国が協力したと言う事はやっぱりノアのおかげだ!ノアは僕を見捨てないかった・・

 

シャルル「ありがとう・・本当に・・ありがとう」

 

一夏「良かったなシャルル!なぁ!俺の言った通りだろ?何とかなるって!!」

 

シャルル「・・・」

 

僕が安心してノアに感謝してた時に一夏も祝ってくれたがその後の言葉に僕は先程抑えた物も含めて怒りが湧いた。

 

シャルル「・・ねぇ一夏・・何で君が得意げなの?君は何かしたの?」

 

一夏「えっ?何でだ?だってシャルル、俺はノアと違い側に居ただろ?」

 

シャルル「ッ!!!」

 

一夏の言葉を聞いて僕は完全にキレた。

 

シャルル「何が側に居ただろ、だよ!!それだけで一夏は何もしてないじゃないか!!」

 

一夏「!?」

 

シャルル「ノアと違う?一夏の方がノアと違って何もして無いじゃないか!!」

 

一夏「お、落ち着けよシャルル」

 

シャルル「何が落ち着けだよ!!巫山戯ないでよ!!ノアは態々自分の権力を使ってまで大総統に頭を下げて動いてくる用に頼んだんだよ!!ニュースで話した通りアメストリス国が動いたのがその証拠だよ!!」

 

一夏「!!なっ!そんなの俺は聞いてねぇよ!!」

 

シャルル「当たり前だよ!!前にノアに協力を頼む時に一夏はノアに暴力を振るったじゃないか!!そんな人に話す理由は何処にあるの!!」

 

一夏「そ、それは・・彼奴がシャルルを泣かせたから・・」

 

シャルル「あれは!ノアが僕が自分の意思で動かなくちゃいけない事を教えくれたからだよ!!それに一夏は勝手な考えで怒って暴力を振りノアの協力を出来ない様にしたじゃないか!!」

 

一夏「ッ!!・・」

 

シャルル「一夏・・ノアの事を否定するけど・・君はノアと違うと言うけど何か対策は考えてたの?」

 

一夏「・・・」

 

シャルル「・・やっぱり、沈黙は肯定と受け取るよ」

 

一夏「ぐっ!!もう、良いだろ!助かったんだから!!」

 

シャルル「・・・」

 

僕は一夏に質問したけど一夏は何も答えなかった。何も考えて無かったんだ。最終的には逆ギレしたそんな一夏を見て僕は冷めた目で見た。

 

シャルル「・・・それが一夏の答えなんだ」

 

一夏「!!い、いや。こ、これは・・」

 

僕の発言に一夏は自分の口にした言葉に動揺したがもう、遅い!!!

 

シャルル「あの時、ノアが織斑先生に相談したら良いと言ったのに一夏は何をした?」

 

一夏「・・・」

 

シャルル「織斑先生に迷惑を掛けたくないからと言って拒否したよね?でもノアは、違う!!ノアは自分では出来ない事をちゃんと分かってるからこそ大総統に頭を下げたんだよ!!それが出来る人は本当に強い人だよ!!」

 

一夏「ぐっ!!」

 

シャルル「それもやら無いで、自分は解決に何もしてないのに根拠の無い自信だけを言って解決したら自分の手柄の様に勝手に言わないで!!一夏はノアと比べないで!!」

 

一夏「くっ・・!!くうぅ〜ー」

 

シャルル「・・・」

 

僕は一夏に言いたい事を全て言ってやった。そんな一夏は悔しそうな顔をしていた。

 

シャルル「・・・」

 

一夏「なっ!何をしてるだシャルル!?」

 

シャルル「僕は今日、エルリックさんの部屋に泊まる、彼女も僕の事情を知ってるから」

 

一夏「なっ!?エマの部屋に!?」

 

シャルル「驚く事無いでしょ?彼女は医者でもあるんだよ。僕が女の子だと言う事は最初から分かってたんだよ。もっとも彼女は僕の意思を尊重して知らないフリをしてたみたいだけど・・」

 

一夏「・・・」

 

僕はスーツケースを出して自分の荷物を全て入れ始め、この部屋を出る準備をしながら一夏に何処に行くか説明をした。エルリックさんの所に行くと言っても本当はノアの部屋に行って今晩は泊めて貰うだけど・・

 

一夏「シ、シャ、シャルル・・」

 

シャルル「じゃあね一夏、協力しようとしてくれた事には感謝してるでも・・君を信じた僕が馬鹿だったよ・・」

 

僕は荷物をまとめ終えてスーツケースを持って部屋に出ようとした。

 

一夏「・・何で・・何で?・・・・何で何だよーーー!!!!」

 

シャルル「・・・」

 

一夏は何か叫んでるけど僕は無視して部屋を出た。


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