臨海学校当日。1日目は自由時間で海を満喫できる。その為1組の生徒達はバスの中でわいわい騒いでいた。引率の千冬も今日ばかりは見逃してくれている。
エマ「海、楽しみだね♪お兄ちゃん♪」
ノア「あぁ、そうだな。それにしても・・・何故僕だけ補助席なんだ?」
ノアの右に座るエマは笑顔で言いノアもそれに同意する。バスの座席は教員2人とエマ、クラス全員が座れる程あった筈なのだが、ノアだけ補助席に座らされている事を疑問に思っていた。
シャル「しょうがないよ。ノアの隣は大人気だからね!」
左隣りのシャルは拳を握りしめ、この席を手に入れる為に繰り広げた激闘を思い出しながらノアの疑問に答える。
ラウラ「むぅ、嫁の隣りは夫と相場が決まっているのに・・・」
本音「エルルンの後ろ~。やった~!」
不満気なラウラとは反対に大満足している本音にノアは「それは喜んでいいのか?」と苦笑いする。
因みに大まかな席順はバスのど真ん中に補助席のノア、右にエマ、前にラウラ、左はシャル、後ろに本音が座っている。
1番後ろの席は優子、清香、セシリアが座っており、1番前の右座席に千冬と真耶、左座席に一夏と箒が座っていた。
グリード(ど真ん中で女を囲むたぁノア、お前も強欲になって来たじゃねぇか! )
ラスト(両手に花どころか最早お花畑ね)
プライド(相変わらずですね。ノア)
ノア(別に望んだわけじゃ・・・てかプライド、相変わらずってどういう意味?)
プライド(クスッ・・さて何でしょうね)
ノアを茶化す三体のホムンクルスに頭を抱えるが、プライドの発言が引っ掛かり聞き返すが上手く誤魔化されてしまった。
エマ「そうだ!お兄ちゃん、海に着いたらサンオイル塗ってよ♪」
ノア「なっ・・/// なんで僕が・・・!シャル、代わりにーー」
シャル「あ、じゃあ僕にも塗って欲しいなぁ・・・///」
ノア「シャ、シャルもか!?」
ラウラ「ふむ、それは良いな。私にも塗ってもらおう」
本音「エルルンがサンオイルを~!?/// 気持ち良さそう~」
ノア「ラウラ、お前まで・・・!? 本音はもう塗ってもらう前提だし・・・駄目だ、こいつら自由過ぎる・・・!」
エマの提案に便乗する様に次々とサンオイルを塗る対象が増えていく。
エマ「異議あり!!これは私が最初に提案したんです!真似しないでください!」
シャル「ぼ、僕だって、その・・・ノアに頼もうとしてたんだよ!///」
ラウラ「落ち着け妹よ。ここは平等に塗ってもらおうじゃないか」
エマ「だ・れ・が・・・妹ですかぁぁ!!!」
ラウラ「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ーーーわ、わかった、わかったからアイアンクローは辞めてくれぇぇぇ!!!」
エマが異議を唱えるとシャルは恥じらいながらも反抗し、ラウラがエマを宥めると妹扱いされた事に切れたエマは席を立ち上がりラウラにアイアンクローを食らわせる。
本音「まぁまぁエマるん~。このままじゃラウラウ死んじゃうよ~」
止めに入ろうと席を立ち上がったと思わせ、後ろからこの惨状に頭を抱えるノアに抱き着いた。
エマ「エマるん!? へ、変なあだ名を付けないでください!って、何しれっとお兄ちゃんに抱きついてるんですかぁ!?」
本音「えぇ〜。じゃあエマるんにもやってあげる~」
エマ「な、何でそうなるんですか! あぁもう、何故本音さんには強く言えないんだろう・・・」
本音がエマに抱き着く。するとエマはすっかり毒を抜かれ怒りが治まっていた。
エマ「わかりました・・・じゃあ本音さん、シャルさん、ラウラさんだけ許可します!」
『ええええ~~』
エマの宣言に不満の声を漏らす周りの生徒達。
エマ「異論は認めません!!」
両手を挙げて不満の声を一蹴すると回復したノアがエマに聞く。
ノア「因みに拒否権は・・・?」
エマ「ありません!!」
ノア「ですよねぇ~・・・」
プイッとそっぽを向くエマに対して諦めたようにノアは肩を落とす。
シャル「あ、海が見えたよ!」
シャルの一声で全員が窓の外を見る。そしたら街の向こうに何処までも青く鮮やかな空とよくマッチした海が目に飛び込んで来た。
ノア「やっぱりいつ見ても海は良いな!」
ラウラ「私は海上訓練で見慣れているが、この様な形で海に来ようとはな。嫁よ、せっかくの海だ。スイカ割りなるものを体験してみたいぞ!」
ノア「スイカ割りか・・・僕もやった事がないな。うん、一度はやってみたいな!」
シャル「僕はやっぱりビーチバレーかな。こう見えて結構強いんだよ?」
本音「エルルンと対戦~。バキュンバキューン!」
ノア「アハハハ、わかったわかった。ビーチバレーもやろう。でもやるからには負ける気はないよ」
と言う風にノア達が談笑しているとエマは少し考え込んでいた。
エマ「ビーチバレーか・・・フフフ・・・楽しみだなぁ♪」
ノア「エ、エマ? どうしたんだ?」
エマ「ううん、何でもないよ♪お兄ちゃん♪」
怪しい笑み浮かべるエマにノアは嫌な予感がしていたが、どうか穏便に臨海学校が終わるのを心の底から願っていた。