私はヴィラン…多分   作:まったいら

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漢字テストやっとおわった。


14.覚悟

「おはようございます。」

 

「やぁ、おはよう。」

父に挨拶をして食卓につく。今日はデニッシュパンとエッグベネディクト、それに…うぇ、海藻サラダか。

 

「揃った事だし、食べようか。」

「はい、いただきます。」

 

カチッ…キンッ

 

静かな食卓。ベラは別室で食事マナーを血塗れセンセーに教わってて朝は一緒に食べない。ちょっと前までは私もそうだったけど、紅羽さんからオーケーが出たので今はこうして父と朝食を食べる事を許されている。

…昨日みたいに怒られる事もあるけど。

 

「そうだ、鯉影。食後にイザベラを連れて僕のところにおいで。」

 

「わかりました。」

一体何のようだろう。そっちから話しかけてくるのは珍しい。

 

「それじゃあ、僕は先に失礼するよ。」

そう言って父は席を立った。…てか食べんの早。ハっ、これが紅羽が言っていたちょうどいい早さか。

 

「お嬢様が遅いんです。」

 

「…紅羽さん、心を読まないで下さい。」

 

「大体、年上より後に食卓につくのは人間として」

「ご馳走さまでした。」

 

紅羽さんの話を遮って席を立つ。目指すはベラの部屋だ。さっきの話をベラにも伝えなきゃ。

 

コンッコン

 

「…ベラ?居ないの?」

…しーん

 

留守か。まだ食事マナーをやってるのか?まぁ、良い。物色するか。

 

ギィィイィィ …ドアうるさ。

さてさて、お部屋はどんなか…対して汚れてないだとッ!何かつまらないな。もっと実はレディにあらず!ってのを求めてたのに。

ん…私の後ろに影?

「勝手に部屋に入らないでくれる?」

「いつからそこに?」

「入らないでくれる?」

「だから」

「入らないでくれる?」

「ごめんなさい。」

 

おかしいな。生まれてこのかた雪山で遭難なんてした事ないのに、今遭難したかのように身体が寒い。凍る。

「弁解は?」

 

「…あ、あの、父様が呼んで来いって…」

「ッチ。」

お嬢さん今舌打ちした⁉︎

 

不機嫌なベラと二人並んで父の書斎に行く。まぁ、書斎兼船長室だけど。この船父様のだから。

 

「やぁ、待っていたよ、二人とも。わかってると思うけど後2日で目的の地につく。…大丈夫かなと思って。」

え。そんな事?ならさっきの食事中に言えばよかったのに。

 

「お父様、ご安心下さい。私も鯉影も、心の準備はとうに出来ております。」

そうだ。心の準備なら、島を出た時からしている。なんで今更そんな事を聞くのだろう。

 

「残念。[心の準備]の話じゃない。鯉影はわかるかい?」

 

大丈夫って心じゃないの?てっきりそうだと思ってた。じゃあ身体的な準備とかか?

 

「どうやら二人ともわかってないようだね。[心]じゃなくて、僕は[覚悟]の話をしているんだ。」

 

心じゃなくて覚悟?何を言っているんだろう。心の準備と覚悟は一緒の意味だろう?少なくとも私はそう思っていたが。

 

「確かに一緒だと言う人がいる。だけど、僕は違う意味だと思っているよ。

心の準備とは、何かが起こった時それに対処しようとする事を言う。けど、覚悟は違う。覚悟には二つの意味がある。」

父様はそう言って椅子から立ち上がった。

 

「君達は幼くして悪事に手を染めた。ヒーローは一度でも罪を犯した者を、警察に突き出すまで許しはしない。」

 

コツンッコツンッと足音を鳴らしながら近づいてくる。

 

「これから行くのはヒーローを多く輩出する国、ジャッポーネ。二人は生きる為に罪を犯した。だが、それは表の世界では許されない事だ。例え、仕方なかったとしても。

覚悟とは、危険なこと、困難なことを予想して、それを受けとめようとする事。」

 

悪いと言われた事は沢山やった。父様に大丈夫?って聞かれたって事は、罪を受け止めろと言われたようなもんだ。

なら、捕まる覚悟は出来てるかって意味か?…父様は私を警察に突き出すつもりなのか。

 

「…私達を捕まえるおつもりですか。」

 

「…僕が?君達を捕まえる?…、ハハッ、僕はただ困難な事を受け止めろって言っただけじゃないか。人の話は最後まで聞きなさい。覚悟のもう一つの意味は、迷いを脱し、真理を悟ること。だ。」

 

 

迷いを脱し、真理を悟る?迷いって何だ。私は迷ってなんていない。真理なんて悟ってないし、悟る必要性を感じない。

 

「私達は迷ってなどいません。」

 

「いや、君達は迷っている。何が正義か、何が悪か。何を守るべきか、何と敵対するべきか。」

 

正義だの、悪だの、そんなものわからない。てか頭痛い。知恵熱出てきたかも。真理を悟る?真理ってそもそも

私は[世界]と呼ばれる存在

何だ…よ…?

 

あるいは[宇宙]、あるいは[神]

何処かで聞いた事がある声だ

 

あるいは[全]、あるいは[一]

いつの記憶だ。

 

あるいは[真理]

…何処だ、この声は誰の声だ…私はこの声を何処で聞いた?頭が痛い、爆発しそうに。てか真理って喋らないだろ⁉︎

 

うっ…視界が歪む。何もかもが白く見えてきた…

 

「そして」

 

「私は"貴女"よ」

 

 




ちょっと内容が難しかったかもしれません。次話でもう少し何がやりたかったかわかると思います。
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