授業が終わったので帰宅しようと思ったら、廊下に凄い人だかりが出来ていた。
「ねえねえ、これ何の騒ぎ?」
何ごとかと近くにいる女子…なるべく可愛い女子に声を掛ける。
「げ、D組の変態……みんなA組を見に来てるんだよ。ヴィランの襲撃から生還した人たちってどんな感じだろと思ってね。それに体育祭が近いし」
成る程敵情視察か。オレもA組の女子をチェックしに行くかな。小声で呟かれた暴言は聞かないものとする。
前に居るヤツらを掻き分け、というか自発的にオレが避けられてる気がするが、A組の教室の出入口に向かう。すると同じクラスのヤツがA組の生徒と話していた。
「敵情視察?少なくとも
見た目に反して熱いヤツだな。よしこいつを利用してオレも輪に入ろう。
「よう心操、カッコつけてんなあ!」
「香山…」
「A組の皆さんこんにちは!オレは普通科の香山
心操よりも友好的なオレの態度に戸惑いつつもホッとした様子のA組生徒。どうやら心を許してくれたようだ。
「よ、よろしく。僕は緑谷出久」
「麗日お茶子っていいます」
「飯田てん「麗日さん!!」
「な、何かな?」
早速可愛い子の名前を知れた。麗日さんはオレの大声にビックリしているが、そんなことはどうでもいい。これはもうアレを言うしかあるまい。
「君に一目惚れした!どうかオレとS○Xして下さい!」
「ふえ?」
どうやら聞こえなかったようだ。よし、もう一度言おう。
「ヤらせて下さい!性○為させて下さい!ピーさせてて下さい!!」
「ふええええええええええええええ!?」
大分押せているな。よし、ここで渾身の土下座をかまして畳み掛けるのだ。
「どうかっ!オレとっ!セッ『何やってんのあんたは』
聞き覚えのある呆れ声と共に、突如として押し寄せる眠気。薄れゆく意識のなかで最後に見たのは、顔を真っ赤に染めた麗日さんと他の生徒たちのドン引きした表情だった。
◆
目が覚めると見覚えのある家にいた。オレの家、正確に言えばオレを預かってくれている叔母の家。けっこうな豪邸だ。流石現役の人気ヒーローなだけある。
どうやら強制的に下校させられたらしい。オレの胸中に悔しさが渦巻く。
「もう少しで童貞卒業出来たのに!」
「あれで出来る訳ないでしょ、馬鹿ガキが」
そのSっ気が滲み出た声に反応して振り向くと、オレの保護者代理である叔母さんが立っていた。
「叔母さん!何でまた邪魔したんだよ!あんたの個性のせいだろ、急に眠くなったのは!オレが純粋な愛を伝えてたっていうのに!
「純粋の意味辞書で調べて来なさいよ」
まったく忌々しい叔母さんめ。オレの充実したS○Xライフをことごとく邪魔してきやがる。オレが女子に愛を伝えているたびにすっ飛んできやがって。
「あのねえ…今まであんたがなんかやらかすたび、あたしが一緒に根津校長に頭下げてやってるのよ?だから反省文程度の処分で済んでるけど、本来停学させられたっておかしくないんだからね。大体高校っていうのは…」
この偉そうに説教しているのがオレの叔母、香山
彼女は海外出張で日本を離れるオレの母親に頼まれ、その間の保護者を引き受けてくれている。
最初はエロい親戚と一つ屋根の下で暮らせると喜んだが、彼女はオレの通う雄英で教師として働いている。そのせいで、何かにつけて学校でのオレの活動を邪魔してくるのだ。うっとうしいことこの上ない。
オレはただS○Xがしたいだけなのに……ひどいや……
この女には血も涙もない。そう嘆いていると、彼女は呆れながら一枚のチラシを取り出した。
「そんなに性欲が溜まってるなら、ここで発散したら?」
「……雄英体育祭?」
雄英体育祭ならオレも知っている。雄英生が一年に一度、学年ごとに競い合う一大イベントだ。
しかしここで性欲を発散しろとはどういうことだ?オレも見たことがあるが、この体育祭には『ドキッ☆女だらけの水泳大会』などといった競技はない筈。ヒーロー科のヤツらが主役の、百パーセントガチの勝負だ。興奮しようがない。
「体育祭では個性の使用が許可される…つまりあんたの個性も使えるってことよ」
その提案の素晴らしさに電流が走った。一年生女子たちが悶え喘ぐ姿が目に浮かぶようだ。オレの中でただただメンドいイベントであった体育祭が、神イベントに変わった瞬間である。
「叔母さん、あんた最高だよ」
「まあ、これでも18禁ヒーローだからね。あんたのエロにかける気持ちは理解できるわ」
そう言って悪どい笑みを浮かべるオレたちであった。
次回から体育祭です。
ちはやふるのSSが行き詰まったので書いてみたらこんなのできちゃいました。
消されたら連載終了のチキンレースです。
もう少し表現をマイルドにして再投稿するかもですけど。