さて、昨日の英霊との戦いから一夜明けて、俺は学校に向かっている。
前の二話も同じようなはじまり方だったけど気にしないでくれ。
「それにしても、昨日のおねーさん、ライダークラスだったとはな」
銃に大砲と遠距離武器ばっかりつかってきてたし、てっきりアーチャークラスかと思ってたんだけど。
「それはそれで、良かったんじゃないですか? 宝具と能力値的に見てみればライダーとアーチャーが組み合わさったようなものですし」
「まあ、確かに。手札が増えたことは喜ばしいんだろうけどさ」
アーチャーとしての遠距離攻撃能力と、ライダーの移動力、どちらも手に入ったと思えば得だよな。
「それで、あのことなんですけど……」
「ああ、魔力反応の事だろ?」
実は昨日、俺たちが闘っていた時と同時刻に、大きな魔力反応を感知したのだ。
それも4つも。
とはいえ、俺はあまりそのことについては大ごとだとは思っていない。
なぜなら、簡単にできる予想だが、その魔力反応はなのはたちのものだと思っているからだ。
もともと、昨日にはそろそろ原作が始まると予想していたので、今更驚くに値しない。
少し気になるのは4つというところだが、それもなのは、アリサ、すずかの3人に、魔法少女系のお決まりのマスコットキャラ、もしくは敵のものだと思えば計算が合う。
「ま、もろもろは、行けば分かるだろ?」
「直接聞くんですか? 答えてくれるでしょうか?」
何を言ってるんだダイヤは。
「答えるわけないだろーが。魔法だぞ、魔法。いくら小学3年生でもペラペラしゃべるわけがない。そうじゃなくて、会話の中から何か変わったところを見つけるんだよ」
俺の話術が試されるというわけだ。
もしも何もわからなかったとしても、俺がクラスカードを回収していけばいつかは分かるはずだしな。
そしてお昼休み。
俺たちは今、さわやかな風が吹く中、弁当を広げている。
「そうそう、ユーノ君なんだけどね」
そろそろ近くなってきた毎年恒例の旅行の話がひと段落したところで、なのはが唐突にしゃべりだす。
「ユーノ君? 誰だよそれ」
聞きなれない単語に、俺は目を細める。
「昨日帰ってる途中で、フェレットを拾ったのよ。その子の名前」
アリサはタコさんウインナーをつつきながら答えてくる。
臭うね。
「……へぇ~、ここらへんにフェレットなんていたんだ。どこで見つけたんだ? なのは」
わざと指名する。
アリサとすずかは難しくても、なのはなら慌てた拍子にポロリと言ってくれるのではないかと思ったからだ。
「なのはちゃんの家に行く途中の森の中で見つけたんだよ」
が、俺の考えは外れ、すずかが答えてきた。
「じゃあ、今度見せてよ」
これ以上聞くのは無理だと思った俺は、そう言って会話を打ち切った。
そのまま進展がなく、気が付けばその日の授業を全て消化して、下校の時間になっていた。
今日は4人での下校だったが、3人はスクールバスでの通学、俺は徒歩なので、一番最初に分かれる。
そして、3人がいなくなったのを見計らったのか、ダイヤが念話で話かけてくる。
「結局、『これだ』って思うことは言わなかったですね」
「まあな。怪しい単語は出て来たけどな」
こんなところに普通フェレットなんているわけないしな。
もっとも、ここはアニメの世界がもとになってるし、どこまで『普通』が通用するか(俺が異能バトルをしている時点で普通とは言い難いが)はわからないけどな。
「それじゃあ、とりあえず――――」
家に帰るかと言いかけたその時、あの感覚。
「――――クラスカードを封印するか」
「行きましょう、マスター!」
「2日連続かよ。ま、新しく手に入れたカードも使ってみたいからいいけどさ」
俺はダイヤの指示に従って走り出した。
やってきました森の中。
俺としてはあまり入りたい場所じゃない。
別に草が生い茂っているからとか、虫がいるからというわけではない。
単に、こういうたくさんの木が生えている場所では、今の俺の主武装であるゲイ・ボルクと、佐々木小次郎の日本刀が使いにくいだけだ。
しかも、まだ4時前にもかかわらず、森の中は結構薄暗い。
もしもアサシンだったら、文字通り暗殺されるかもな。
その旨をダイヤに伝えたところ、
「アサシンではないことを祈るしかありませんね」
というそっけない答えしか返ってこなかった。
「つまんねぇの……とりあえず初陣だな。
俺は、昨日手に入れたライダーを
昨日闘った女性の真名は『フランシス・ドレイク』。
人類で初めて世界一周を生きたまま成し遂げ、スペインの無敵艦隊を海の底に沈めた『太陽を落とした女』である。
昨日使っていた武器は宝具ではなく、本来の宝具は、世界一周という彼女の偉業が具現化された船だ。
まあ、その船も、こんな場所じゃ使いづらいけどな。
二丁拳銃を構え周囲を警戒しつつも、さらに奥に進んでいく。
「ッ! マスター! 上です!」
「上?」
言われるがままに上を向くと、そこにでは、女性が張り付くようにしてこちらを見ている。
でも、今回は一目で真名が分かった。
長い薄紫色の髪に、あの特徴的な顔のバイザー。
どう見ても第5次のライダーである。
彼女は何も語らない。
その代わり、鎖付きの短剣が俺の首元へと飛来してくる。
「物理保護全開!」
間一髪で防ぐことに成功するが、のどに直撃したおかげで一瞬呼吸ができなくなる。
さらに勢いを消し切れず、俺は5メール程離れた気に叩きつけられる。
「マスター、無事ですか!?」
ダイヤに言われて首元に触ると、指に赤いものが付いた。
「ちょっと血が出たけど大丈夫だ」
女性は木から降りてきて、鎖を使い短剣を回収する。
あの短剣を避けながら戦うのは困難なので、再び投げられる前に銃を乱射する。
しかし、ライダーは華麗な身のこなしで、それらを避ける。
4メートルも飛び上れば、この空間を覆っている葉っぱにぶつかるというのに木々の枝を利用して、3次元的に動き回る。
俺の放つ弾丸は、幹や枝に阻まれライダーまで届かない。
だったら、木々ごとまとめて吹き飛ばす。
俺は昨日のドレイクのように背後に大砲を出現させて発射。
銃とは比べ物にならない威力のそれは、俺の期待に沿って、木々ごとライダーを吹き飛ばす。
土埃が舞い上がり、その中から空へと飛びあがる物体。
ライダーだ。
「なかなか丈夫だな、さすがにあれじゃ倒せないとは思ったけど、傷すら負ってなさそうじゃないか」
呑気なことを言っていられたのはそこまでだった。
突如、白い翼をもったペガサスが現れる。
なるほど、
「マスター! 回避を……」
「いや、迎え撃つ」
ライダーよ、墓穴を掘ったな。
俺を倒したいのなら、さっきまでのように動き回りつつ、俺の喉笛を掻っ切っていればよかったのだ。
げんに俺は、あの動きについていけていなかった。
しかし、単純な火力比べなら、俺の方に分がある。
「行け!
その叫びとともに俺の背後から巨大なガレオン船が現れ、白い閃光となって突撃してくるライダーに対抗するように突撃していく。
そして。
それた二つがぶつかった途端。
大爆発が起きる。
ライダーは
「マスター……なんて使い方を……」
「倒したんだからいいんだよ別に。武器は使ってなんぼの物なんだからさ」
それに
別に間違った使い方というわけではないだろう。
「とりあえず回収だ」
カードを拾い、BJを解こうとする。
「あー……マスター。近くに昨日と同じ魔力反応があるんですが」
「そうなのか? じゃあ行ってみようか」
今日の俺の戦闘は、まだまだ終わらない。
現在悠斗が使えるカード
セイバー:なし
アーチャー:エミヤ
ランサー:クー・フーリン
ライダー:フランシス・ドレイク メドゥーサ
アサシン:佐々木小次郎
キャスター:なし
バーサーカー:なし