魔法少女リリカルなのは 英雄の力を使う少年   作:文房具

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第8話 雷神

速いな、追いつけない。

 

どんどん距離を離されてるぞ。

 

どうするべきか、ライダー系の宝具を使うか?

 

「マスター、結界を張ってみてはどうでしょう?」

 

あ、そっか、閉じ込めちゃえばいいのか。

 

俺は早速結界を張る。

 

周りの色がなくなり、少女も動きを止め、こちらを向く。

 

それだけで何も言わないので、声の機構絵所まで進み、俺の方から口を開く。

 

「ジュエルシードを集めて何をするきだ?」

 

「貴方には関係ない」

 

こっちの連れに攻撃しといて、関係なくはないだろ。

 

「じゃあ、理由は聞かないさ。理由を聞く前に倒すことにする。限定展開(インクルード)

 

俺は佐々木小次郎の刀を召喚し、少女に向ける。

 

少女もデバイスを構え―――姿がぶれる。

 

とっさに右に刀を構える、と、ほとんど同時に衝撃が伝わる。

 

ライダーなんて目じゃないぞ、速すぎるだろ、クソ。

 

今までの戦いでは、これほど早い奴とは闘ったことがなかったからな。

 

まさか、初めての高速戦闘がサーヴァントじゃなくて、同年代の少女とは夢にも思わなかった。

 

少女のデバイスを力に任せて押し返す。

 

どうやら、筋力はそこまで高くないみたいだ、男女の差だろうか?

 

追撃を掛けようとしたが、すでに距離を取られている。

 

ちくしょうめ、早いっていうのは、ただ単に力が強いよりもよっぽど厄介だ。

 

「フォトンランサー、ファイア!」

 

「ファイア!」

 

少女がさっき使っていた魔力弾を発射してきたので、俺も魔力弾を発射して応戦する。

 

彼女からは金色、俺からは銀色の魔力弾が打ち出される。

 

何気に実戦で魔力弾を使うのは初めてだったりする。

 

いつもクラスカードを使った接近戦だしな。

 

さて、さて、どうするか。

 

やっぱり近づいて燕返しが一番いいんだろうな……黒ウサギのカードはまだ使えないし、突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)はさすがに威力が高すぎるだろうし。

 

と、こんなことを考えている俺もかなり甘いな。

 

そんなことを考えていると、

 

「サンダースマッシャー!!」

 

少女からビリビリと雷っぽいものを纏ったビームが発射された。

 

「バリア!」

 

俺は目の前に5重の障壁を張る。

 

そしてそのまま障壁の維持を放棄して、自分の間合いに入ろうとする。

 

この障壁は空間に設置するタイプのもので、最初に込めた魔力の分の攻撃を防ぎ、自分は自由に動けるという優れものだ。

 

おそらく相手は俺が障壁を維持していると思っているはず。

 

その隙に近づいて、燕返しをお見舞いしてやる。

 

そう思って砲撃の発射点までやってきたが、そこにはあの少女はいなかった。

 

罠かと思いあたりを見回すと、さっきまで俺がいたところに少女がいて、俺の事を探すようにあたりを見回している。

 

あっちも同じことを考えてたな。

 

再び同じ距離でにらみ合うことになった俺達。

 

その時、結界に侵入者が現れたことを感知する。

 

しかも、

 

「英霊かよ」

 

この状況でさらに不確定要素が増えたな。

 

「お、やってる、やってる」

 

現れた英霊は『とある魔術の禁書目録』のキャラクターである、トールだった。

 

ハハハ……マジですか?

 

最近、現れる英霊のランクがバグってませんかね。

 

「いいね、いいね。俺の世界には存在しない未知の力。いい経験値になりそうだ」

 

あー残念だ、黒ウサギの力が使えれば、インドラとトール―――雷神同士の戦いになったのにな。

 

なんてことを考えている場合じゃない。

 

雷神としてのトールならともかく、全能としてのトールを出されたら勝負になんないぞ。

 

「ん? ああ、心配すんな。流石に、ガキ2人にソッチは使わねえよ」

 

俺の心の内を見透かしたように、トールは少し笑いながら告げてくる。

 

「ま、こっちは使うけどな。投擲の鎚(ニョルニル)、接続の最終確認。完了後に供給開始!!」

 

その言葉と共に、トールに青白い光がともっていく。

 

さらに、トールの両手から空気を引き裂き長さ20メートルもある、10本の溶断ブレードが現れる。

 

長いよなぁこれ。

 

実際に戦闘してみると、20メートルの近接武器っていうのは反則じみてるわ。

 

しかもここは結界の中であり、いくら壊そうが外には何の影響も出ない。

 

よって、周りの被害を気にせずにあれを振るえるという事だ。

 

まったく、あいつにいい条件がそろいすぎだぜ。

 

とりあえず、武器をゲイ・ボルグに変える。

 

「ダイヤ、まともに受けたらどうなる?」

 

「防御をしなかった場合、蒸発します。全力で防御したとしても、肌は焼かれます」

 

ですよねー。

 

でも、勝機はある。

 

トールは何かしらの特別な体質をしているわけではなく、あくまで体自体は普通の人間である。

 

宝具の直撃を受ければ何とか倒せる……はずだ。

 

そして、とある魔術の禁書目録の上位の戦闘能力を持つキャラクターは、軽く音速を超えて戦うのに対し、トールはそういった移動ができない。

 

何故なら体がついていかないから。

 

当てることが出来れば倒せるうえに、ほかの禁書キャラクターに加えて攻撃を当てやすい。

 

突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)の速度はマッハ2だ。

 

避けられるはずがない。

 

突き穿つ(ゲイ)……」

 

「は!」

 

溶断ブレードを振られる前にぶち抜こうとしたが、それより早く足からも溶断ブレードが飛び出し、トールは空中へと飛びあがった。

 

な、なんだこれ、移動が不規則すぎて狙いがつけられない。

 

クソ、俺の腕じゃ当てらんない。

 

限定展開(インクルード)状態だと、武器を扱うのはあくまであれの技術であるため、あまり繊細な攻撃は出来ない。

 

夢幻召喚(インストール)すればこの問題は解決するんだけど、魔力消費がなぁ。

 

俺が狙いをつけられずにオロオロしていると、横から黄色いものが迫ってくる。

 

言うまでもなく溶断ブレードだ。

 

急降下して今度こそ真名解放しようとするが、今度は足から発生させたものが襲い掛かってくる。

 

「ダイヤ! 防御!!」

 

最大出力で左手に盾のように障壁を作る。

 

直後に焼け付くような痛みが俺を襲う。

 

というか、実際に焼かれている。

 

「いっつ……ッ!!」

 

痛みに耐えながら槍を構える。

 

なんか、今の俺のかっこう、重装歩兵みたいだな。

 

相変わらずふざけたことを考えていたが、右側からも溶断ブレードが迫ってきた、笑えない。

 

溶断ブレードにはさまれる瞬間、俺は何者かに抱えられてその場を動けたため、難を逃れる。

 

何者かというのはあの少女だ。

 

「あ、ありがとう。助けてくれなかったら死んでた。……えっと」

 

「フェイト、フェイト・テスタロッサ」

 

「フェイトか。ありがとうフェイト」

 

「それより、あれは誰?」

 

さらりと呼び捨てにしてみたが、特に反応はなかった。

 

「詳しく説明すると長くなる。対処法を端的に言うと、倒しちゃって構わない」

 

「……簡単に言わないで」

 

フェイトは少しむすっとした顔になる。

 

その顔がかわいくて、さっきまで戦っていたことを忘れて少し見惚れてしまう。

 

「切り札はある。30秒くらい時間を稼いでくれないか?」

 

「分かった」

 

そう言って、俺を離してフェイトはトールのもとへ飛んでいく。

 

「さてダイヤ、夢幻召喚(インストール)は何分できる?」

 

「4分と32秒ですマスター」

 

「了解」

 

エミヤのカードを取り出す。

 

夢幻召喚(インストール)―――クラスカードに宿っている英霊自体の能力を、術者自身の体を媒介に具現化し、術者の霊格に上乗せする俺の切り札だ。

 

一度息を吐き、目をつぶる。

 

「告げる。汝の身は我に、汝の剣をわが手に、聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者、

汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手―――夢幻召喚(インストール)!!」

 

莫大な魔力が俺を包み、俺の姿が、赤い外套を纏ったものに変わる。

 

同時に、エミヤの戦闘技術が流れ込んでくる。

 

エミヤになった俺は、自分の周りに大量の『雷切』を作り上げる。

 

雷切は雷に対する概念武装で、雷の属性を持つ物をほぼ100%切断することが出来る。

 

トールに対してこれ以上の武器はないだろう。

 

両手には弓と矢。

 

完全に遠距離から狙い撃つスタイルだ。

 

矢を弓につがえ、射る。

 

周りの雷切も同様に射出していく。

 

これの攻撃に気付いたらしいトールは、溶断バーナーを使ってくるが、雷切はそれを切断してスピードを落とすことなくトールに迫る。

 

接近されないように離れながら、マシンガンのごとく矢と雷切を撃ち続ける。

 

さっきとは違いエミヤの技術を十全に扱える俺は、トールの動きを制限しつつ、あいつに隙を作る余裕がある。

 

雷切での攻撃を続けつつとどめの武器を投影する。

 

捩じれた刀身を持つアレだ。

 

偽・螺旋剣(カラドボルグII)!!」

 

空間すら貫通するそれは、トールの胴体を貫通し、この戦いの勝敗を決めた。

 




現在悠斗が使えるカード

セイバー:なし

アーチャー:エミヤ

ランサー:クー・フーリン,黒ウサギ

ライダー:フランシス・ドレイク,メドゥーサ

アサシン:佐々木小次郎

キャスター:トール

バーサーカー:スパルタクス
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