今回は久しぶりに零人サイドのお話です!
シオウたちがゼロワールドにいる間の出来事です。
※今回は文字量が多くなってます。
エンペラー達がゼロワールドに行ってしまった。だが俺にもやれることはある。
「トウカ先輩。デッキを貸してくれませんか?」
ゲートのある駐車場からの帰り道、そんなお願いをした。ゼロワールドのデッキはエンペラーがいないので、まともに機能しない。今の俺には戦う術は無いのかも知れない。でも……。
「経験の浅い俺は学ぶことが多いはずです。……知識を得るのが、今、やるべきことなんだと思うんです」
「……そ、そうですね。エンペラーが、どんな仲間を連れてくるか……まだ分かりません……。い、色んなワールドの戦法に触れておくのは、良い判断かも……」
「零人、マジでやる気か?」
ソウタは困ったような顔になった。無理難題を重ねているのだから、そういう表情になるのも分かる。
「……ああ」
この返事にどれほどの気合いが入っていたのだろう。どこか埋まりきらない、心の隙間を感じた。しかし誰も気付いていないのだろう。疑問を告げる人はいなかった。
「なら『キャッスル』に戻るか!んで、トウカ先輩のデッキ使ってファイト三昧!どう?」
「ソウタにしてはいいこと言うね。雨でも降るんじゃない?」
「降らねぇよ!寧ろめっちゃ晴れるわ!」
「……なぁ、タスク。……さん」
ぎこちなくタスクを呼んだ。年下にさん付けするのは初めてで慣れない。
「呼び捨てで構いませんよ?僕の方が年下だし」
半端になった敬語が可笑しかったのか、タスクは笑ってくれた。考えてみればタスクが笑うのを初めて見た気がする。
「じゃあ、タスク……。俺の相手をしてくんない?」
「それは良いアイディアですね!と言いたい所なんですが……」
「何、やることでもあんのかい、タスクきゅ~ん?」
「ソウタ、ウザい。引っ込んでて」
「七瀬ちゃん怖っ!」
暫く考え込んで、タスクがある提案をして来た。
「僕は少し仕事があって……すみません。でも、あの人なら、もしかしたら……」
「あの人?もしかして友達か?」
「いえ、バディポリスの凄く頼れる仲間です。僕と同じ、スタードラゴンワールドを使う人ですよ」
「あ!もしかして『流星の麗しき騎士』ですか?」
七瀬が答える。何だ、その二つ名っぽいのは?しかもスタードラゴンワールドって……。
「連絡してみます。といっても五分五分かな……」
そう言うと電話をかけ始める。全く誰か分からないので、七瀬に聞いてみることにした。
「なぁ、その『流星の……』何ちゃらかんちゃらって何なんだ?」
「『流星の麗しき騎士』のこと?ある人の二つ名だよ。聞いたことは無い?」
「んーと、……すまん」
全く聞いたことが無い。だがソウタもトウカ先輩も、さっきから目を輝かせている。どうやら知らないのは俺だけらしい。
「“盛谷
「……た、確かこの前も、犯罪ファイターを倒して、ニュースに取り上げられてました、ね……」
「俺もあんなイケメンで強かったらな~」
どうやら相当の実力者らしい。そして見た事は無いが、ソウタの意見には賛成しておこう。
「零人さん、許可が取れました。近くにいるそうで、奥さんと一緒に、『キャッスル』に向かうとのことです」
マジか……。イケメンでファイトも強くて、バディポリス在籍で結婚してるって……。すげぇ勝ち組だな。
「……サ、サンキュー、タスク。……何だろうな、この気分」
「彼女無し、ファイトもそこそこ、顔はイケメンの俺でも負けた気がするな」
「無いわー。自画自賛とか無いわー。とりあえずお前バカってことでいいか?」
「いいと思うよ?ソウタって大概、ナルシストだもん」
「今日の七瀬ちゃんスゲー毒吐いてくる……」
「……ま、まあまあ。……あまり、責めないであげてください……」
そうこうしている内に、俺たちは『キャッスル』に辿りついた。まだご夫婦は来ていないようだ。
「おーーい!タスクくーーん!」
店の前で待っていると、タスクを呼ぶ声がした。
「七瀬ちゃーーん!お待たせーー!」
次に七瀬を呼ぶ、女性の声。噂の奥さんだろうか。2人はこちらへ来ると、俺たちに爽やかな笑顔を見せた。
「えーと、君が無我零人くんだね。初めまして。僕は盛谷颯樹、どうぞよろしく!」
「妻の
うわぁ……。何て明るい雰囲気の人たちなんだ……。俺たちとはオーラが違うのが、その眩しさからも良く分かる。
「タスクくんから話しは聞いてるよ。ファイトの特訓がしたいんだって?」
「……あ、はい……そうです」
何か違う。オーラではない別の何かが、この人の身体から溢れている。そんな気がした。
「ねぇ、これ何?いっぱい入ってるね」
「私たち、今日は一緒にお泊まりなんです!」
「……その為の、し、食材です……」
「えー!じゃあ女子会ってこと?いいな~」
女性陣は既に盛り上がっているようだ。だが目の前のサツキさんは、それ以上に気分が高揚しているらしい。何となくだが、そう感じた。
「……サツキさん、早速なんですが……」
「ああ!稽古をつけてあげるよ!僕もファイトしたくてワクワクしてるからね」
「……お願いします!」
*
店内に入った俺たちは、空いているテーブルに座った。トウカ先輩のデッキを見る為だ。タスクは仕事がある様で、帰ってしまった。
「……す、すみません、たくさん、あるので……。す、好きなデッキを、使ってください……」
大きめのケースに入っているデッキは18個。綺麗に小分けにされており、その一つ一つに対して、使用ワールドやデッキの大まかな情報が付箋で貼ってある。成程、トウカ先輩らしい。
「カタナワールドにダンジョンワールド、マジックワールド……。あ!このデッキ、私とファイトした時のやつですよね?」
「……は、はい。あれから、少し手を加えました……」
「あれ、スタードラゴンワールドのデッキは無いんすか?」
「……はい。中々、組むのが、その……難しくて……」
ヒーローワールド、ダークネスドラゴンワールド、レジェンドワールド……。うーむ、困った。どれも試してみたいけど、今は昼の1時。皆の予定を考えると、せいぜい6時間が限界だろう。もっと時間が欲しい、と心から思う。
「……よし。まずはこのデッキ、お借りします」
「エンシェントワールドの[怒羅魂頭]だね!面白そう!」
七瀬の声が弾んでいる。確かにこのデッキは面白い。サイズ3のモンスターの多くは、自身に攻撃対象を変える、“攻撃誘導”を持っている。これを使って防御をこなしつつ、アイテムとサイズ0と共に3~4回の攻撃を行なうのが定石……。あれ、なんで俺、こんな詳しいんだ?
「そういやお前、エンシェントのカード持ってたよな」
確かに言われてみれば。ポケットからお守りを取りだすと、中身を引っ張りだす。《竜撓不屈》。【対抗】でライフを+2する魔法だ。
「うーむ、思い出せん……。でも、懐かしさはある」
「昔、使っていたとか?ちっちゃい頃によく遊んでたとか、ありがちだろ?」
すぐそこまで出掛かっているような、でも上手く思い出せない。ただ、この属性のデッキは問題なく動かせる。
「デッキも決まったようだし、始めようか」
ルミナイズはしないようだ。恐らくは込み入った事情も聞いているのだろう。ルミナイズできない俺に配慮してくれたようだ。
「お願いします……!」
フラッグとバディを裏向きに置く。よくシャッフルし、デッキを渡して相手にもシャッフルしてもらう。デッキが返されると、手札を6枚引き、ゲージを2枚置いた。
「じゃあ行くよ?」
「「バディファイト!オープン・ザ・フラッグ!」」
「スタードラゴンワールド!バディは《流星帝竜 アポカドラス》!」
初めて見るモンスター!全く効果が分からない以上、慎重に行かないと……。
「……エンシェントワールド。バディは《無天竜王 メラバクシン》」
零人
ライフ10/ゲージ2/手札6/デッキ42枚
サツキ
ライフ10/ゲージ2/手札6/デッキ42枚
「先攻は僕から。チャージアンドドロー。まずは《竜装機 ストレングス》を捨ててキャスト、《ドラグアームズ・ファクトリー》。2枚ドローだ!そして、デッキの上から1枚をこのカードのソウルに入れ、ゲージ2を払う……」
(G:2→3→1、手:6→4→6、墓:4)
先攻1ターン目でいきなり来るのか!?飛ばしすぎだろ、サツキさん!
「センターにバディコール、《流星帝竜 アポカドラス》!ソウルに入った《竜装機 ピスカ・ピスカ》の効果でゲージ+1だ!更に【起動】効果でドロップゾーンの《大竜装機 トリプルバスター》をソウルイン!これでアポカドラスは攻撃力+3000、打撃力+1され、『貫通』を得た!」
(G:1→2、L:10→11、手:6→5、墓:4→3)
流星帝竜 アポカドラス
サイズ3/攻8000/防6000/打撃2
アポカドラスの打撃力は2+1で3。ここは受けておくか……。
「行くよ、零人くんに攻撃!!ダメージ3だよ!」
「くっ……。動きに無駄が無いな」
(L:10→7)
「僕のターンは終わり。君のターンだよ」
場にはソウル2枚・防御力6000のモンスター。攻撃力なら突破できそうだけど、そう上手くいかないだろうな。ドローカードに託すか……!
「……ドロー。チャージアンドドロー。ライフ2を払って《天竜開闢》をキャスト、2ドロー。更に《竜王伝》でゲージとライフを+1して、1ドロー!」
(G:2→3→4、L:7→5→6、手:6→8)
「さあ、どう来るかな?零人くん!」
「ゲージ2を払い、デッキの上から1枚をソウルに入れて、ライトにコール!《義羅義羅竜王 マジガンリキ》!レフトに《ドラゴンキッド ザック》をコール、効果でゲージを+1。そしてゲージ1を払って装備、《青春甲 オトコナキ》!」
(G:4→2→3→2、手:8→5)
3列攻撃態勢が整った。【貫通】が無いのが残念だが、とりあえずはこれでいい。
「アタックだ!マジガンリキでアポカドラスに攻撃!」
防御力6000に対し、攻撃力8000。単体で超えられるはず……!
「キャスト、《マーズバリア》!無効化させてもらうよ!」
(手:5→4)
「なら、ザックとオトコナキで連携攻撃!攻撃力は4000+5000で合計9000!」
「マーズバリアじゃ連携攻撃は防げない、なら【ソウルガード】発動!ソウルのピスカ・ピスカをドロップゾーンに置くよ」
アポカドラス:ソウル2枚→1枚
「……ターンエンド」
零人
ライフ6/ゲージ2/手札5/デッキ34枚/ドロップ5枚
サツキ
ライフ11/ゲージ2/手札4/デッキ37枚/ドロップ5枚
「ここからが本気だ!零人くん、耐えられるかな?ドロー!チャージアンドドロー!」
(G:2→3、手:4→5)
このターンを耐える。簡単なようで難しい行為だが、やらなきゃ勝利は無い。
「まずはキャスト、《スタージャック・ブースト》!ゲージを+1して1ドロー!次にゲージ1を払って装備!《スターブレード エンペラー》!」
(G:3→4→3、手:5→4、墓:5→7)
スターブレード エンペラー
攻6000/打撃2
「アイテム装備してきた……!」
「アポカドラスの【起動】効果、発動!ドロップゾーンから《流星機 ドラグソラール》をアポカドラスのソウルへ!さあ、攻撃だ!アポカドラスをライトへ移動!」
(墓:7→6)
アポカドラス:ソウル1枚→2枚
来る……結構まずい感じの攻撃が……!
「アポカドラスでマジガンリキに攻撃、した時に能力発動!“瞬輝流星撃”!ゲージ1を払って相手の場のカード1枚を破壊する!対象はマジガンリキだ!」
(G:3→2、墓:6→7)
マジガンリキ:ソウル1枚→0枚
「……はぁ!?無茶苦茶して来るな、サツキさん!【ソウルガード】だ!」
(墓:5→6)
「まだだよ。ドラグソラールの効果で手札を1枚捨て、1枚ドローする!捨てたカードは《流星機 グラヴィダージ》。効果でゲージ1を払い、ドロップゾーンのこのカードをアポカドラスのソウルに入れる!アポカドラスの攻撃力はトリプルバスターとグラヴィダージの効果で+6000された!」
(G:2→1、墓:7→8)
アポカドラス:攻撃力8000+3000+3000=14000/ソウル2枚→3枚
攻撃力14000……。何だ、そのパワープレイは!?
「オトコナキの効果!相手の場のカードが攻撃した時、サイズ3の[怒羅魂頭]がいるなら1ドロー。くっ……何も引けなかったか。マジガンリキは破壊されて、【ライフリンク2】によってダメージ2を受ける」
(手:5→6、L:6→4、墓:6→7)
「スターブレード エンペラーで攻撃!能力でアポカドラスをスタンド!その後に[竜装機]を2枚まで、ドロップゾーンからアポカドラスのソウルに入れる!《竜装機 フォルフェックス》、《竜装機 エルガーカノン》をソウルイン!」
(墓:8→6)
アポカドラス:ソウル3枚→5枚
おいおい……。打撃力が+1されて、トリプルバスターでも+1だから、打撃力4!?そんなのが再攻撃するのかよ!?
「フォルフェックスの効果でドラゴンキッド ザックを手札に戻す!そしてスターブレード エンペラーの攻撃中だよ!」
「……そういやそうだった!」
(L:4→2、手:6→7)
「これでトドメだ!アポカドラスで攻撃!」
「……キャスト!《怒羅魂頭参上!》手札の《炎魔連合 リーゼントホーン》をレフトにコール!【反撃】を与えて防御力を+2000し、攻撃対象をリーゼントホーンに変更する!……ぐっ!」
(手:7→5、墓:7→9)
リーゼントホーンの防御力は2000、効果で上昇しても4000……。当然、破壊される。でもこれで、ファイトには負けない!
「やるね……。だったら、アポカドラスのソウルからグラヴィダージをドロップゾーンに置いてキャスト、《into the future…》。1枚ドローしてスターブレード エンペラーをスタンド!」
(手:4→3→4、墓:6→8)
アポカドラス:攻撃力14000→11000/ソウル5枚→4枚
「……は?」
「スターブレード エンペラーで攻撃!効果でアポカドラスをスタンドして、ドロップゾーンのピスカ・ピスカとグラヴィダージをアポカドラスのソウルに入れる!ピスカ・ピスカの効果でゲージ+1、グラヴィダージの効果で攻撃力+3000!」
(G:1→2、墓:8→6)
アポカドラス:攻撃力11000→14000/ソウル4枚→6枚
「ちょ……戻ったどころかソウル1枚増えたし!キャスト!《怒羅魂シールド 漢気の盾》!攻撃を無効化!」
(手:5→4、墓:9→10)
「アポカドラスで攻撃!」
「もう一回、《怒羅魂シールド 漢気の盾》!」
(手:4→3、墓:10→11)
「僕の場にソウル2枚以上がある[ネオドラゴン]がいるので、ゲージ1を払いキャスト!《ソウル・ジェネレーター》!アポカドラスを再スタンド!」
(G:2→1、手:4→3、墓:6→8)
「……ちくしょ、またスタンドかよ!?」
手札を見るが流石にもう、防御札がない……。詰んだな……。
「どうやらもう防げないようだね。じゃあ、これでラストだ!アポカドラスで零人くんに攻撃!」
「……ライフで受けます」
(L:2→0)
ゲームエンド!WINNER 盛谷颯樹!
今回出て来た、颯樹くんとオリカを紹介します!美奈ちゃんの紹介はすみません、次回とさせていただきます。後書きが長くなりすぎた……。
彼らは『穂乃果ちゃん推し』さんの小説からお借りしました!
穂乃果ちゃん推しさん、ありがとうございます!
盛谷颯樹
性別:男/年齢:26
誕生日:10月6日
性格:誰にでも分け隔てず優しくする温厚な性格
設定:高校2年生になった際に東京へと引っ越して来た。そして高校卒業後、バディポリスへと務め始めた。今では『流星の麗しき騎士』の二つ名がある。現在は美奈と共に生活をしている。
容姿:身長は170cmでバランスのとれた頭髪をしており、目が少々ツリ目になっている。基本的にバランスのとれた形を好み、不釣り合いな物は好んでいない。
好きな食べ物:カレーライス
嫌いな食べ物:特に無し
イメージCV:佐倉綾音
使用デッキ《飛翔する流星》
使用バディ〈流星帝竜 アポカドラス〉
使用ワールド〈スタードラゴンワールド〉
流星帝竜 アポカドラス
フラッグ:スタードラゴンワールド
種類:モンスター 属性:ネオドラゴン/星
サイズ3/攻8000/防6000/打撃2
■【コールコスト】君のデッキの上から1枚をこのカードのソウルに入れ、ゲージ2を払う。
■【起動】君のドロップゾーンのカード1枚を選ぶ。選んだら、このカードのソウルに入れる。この効果は1ターンに1回だけ使える。
■ "瞬輝流星撃" このカードが攻撃した時、ゲージ1を払ってよい。払ったら、相手の場のカード1枚を破壊する。この効果は1ターンに1回だけ使える。
【移動】【ソウルガード】
FT『星を極めし帝王は、星の魂を胸に……覚醒する』
スターブレード エンペラー
フラッグ:スタードラゴンワールド
種類:アイテム 属性:星/武器
攻6000/打撃2
■【装備コスト】ゲージ1を払う。
■このカードが攻撃した時、君の場にあるカード1枚を選ぶ。そのカードをスタンドして、ドロップゾーンにある《竜装機》2枚までをそのカードのソウルに入れる。
■このカードが場からドロップゾーンに置かれた時、君のライフを+1してカード1枚を引く。