※ファイト中のゲージとライフの表記は、『ゲージ→G、ライフ→L』としています。
例(G:2、L:10)
※右矢印の先の数値が、変化後の数値となります。
例(G:2→3、L:10→9)
※手札の枚数は基本、後攻のターン終了時に表記します。
俺は未知のワールドであるゼロワールドからやってきたモンスター、《ゼロ・エンペラー》といろいろあってバディを組んだ。今はバディポリスの滝原さんとタスクと一緒に、特殊車両でバディカード管理庁に向かっている。
「零人くん。今回のことは一応、親御さんや先生にも伝えなきゃならない。連絡はとれるかな」
滝原さんが運転しながら言った。後部座席で俺の隣りに座るタスクは、じっとこちらを見つめている。
「ごめんなさい、親は無理です」
「どうしてですか?」
タスクが問う。俺は言葉に詰まってしまう。
「何か言えない事情が?」
「いや、そういうんじゃないよ。ただ、親がいない、ってだけ」
「どこか旅行とか、入院しているとかですか」
「違う。昔、いろいろあってさ、この世にもういないんだ、2人とも……」
車内が凍りついた。大抵の場合、この話しをするとこうなる。だから必要以上に過去のことを喋りたくなかった。それから暫くはお互いに、口を閉ざした。多分、気を使われている。
「ん?誰だ、あいつ?」
バディカード管理庁まであと僅かという所で、滝原さんが車を止めた。何事かと外を見ると、黒ずくめの人物が路上に立っている。顔はフードを被っているため、認識できない。
「そこをどけ!」
車を降りた滝原さんが叫ぶ。黒フードは立ち去る気配すら見せない。
「どかなければ、お前を拘束する!」
「……やってみろ、飼い犬風情。バディファイトで勝って、拘束してみろ」
「なら、僕が相手だ」
気付くと、タスクも車を降りていた。コアデッキケースを取り出し、構える。年下だが凄みを感じる。
「ほう、少年バディポリスの龍炎寺タスクか。……面白くなりそうだ」
「バディポリス結界!」
合図と共に、周囲が光に包まれていく。そして、お互いのコアデッキケースがロックされる。
「いくぞ、ルミナイズ!シャイニングドラグナー!」
「……ルミナイズ」
「バディファイト!オープン・ザ・フラッグ!」
「スタードラゴンワールド!バディは《逆天星竜 ジャックナイフ》!」
「ドラゴンワールド。バディはシステミックダガー・ドラゴン」
「僕の先攻だ。チャージアンドドロー!ゲージ1とライフ1を払って、《J・スターリング》を装備。いくぞ、アタック!」(G:3→2、L:10→9)
タスクの右手首に付いた武器から、光の剣が生成される。
「はあああぁぁっっ!」
相手に真正面から突っ込んでいく。大きく右手を振りかぶるその姿は、俺が見ても格好いいと思えた。
「キャスト、青竜の盾。攻撃を無効化し、ゲージ+1」(G:2→3)
「くっ……ターン終了だ」
「俺の番か……。ドロー。チャージアンドドロー。レフトに《蒼穹騎士団 システミックダガー・ドラゴン》をコール。ライトにバディコール、《システミックダガー・ドラゴン》。バディギフトでライフ回復」(L:10→11)
何か違う。そう思った理由はよく分からない。ただ淡々と作業を進めるだけのようなそのやり口に、少し不安を抱いてしまう。
「蒼穹ダガーの能力。他の《システミック》が登場したのでライフ+1、1ドロー。アタックだ」(L:11→12)
その言葉にタスクが身構える。だがなぜか、アタックして来ないと思った。
「いや、やめておこう。このままターンを終わる」
タスク
ライフ9/ゲージ2/手札5
黒フード
ライフ12/ゲージ3/手札6
「な……っ」
『なぜ、彼は戦闘を終えたのだ?』
滝原さんとエンペラーは驚きを隠せず、そして黒フードの行動に首を傾げる。……まあ、エンペラーはカードの中だからよく分からないけど。
「多分あいつ、本気じゃない」
『どういう意味だ、零人』
「勝つのが目的なんじゃなくて、何というか、様子を窺うみたいな」
『つまり、偵察か』
「あくまで多分、だけど」
確信は無いが、そんな気がした。どうにも理由を付けられないから不気味だ。
「何が目的だ?……僕のターン、ドロー。チャージアンドドロー」
『私も戦うぞ、タスク!』
「頼むよ。ゲージ1を払い、ドロップゾーンの《大竜装機 トリプルバスター》をソウルに入れて、《逆天星竜 ジャックナイフ》をライトにバディコール!」(G:3→2、L:9→10)
その声と共に、小さかったジャックが光に包まれ、大きくなる。息を飲んで見ていると、蒼い装甲を纏う竜がいた。
「あれが、本当のジャック……」
『なんと煌びやかな……』
「更にコール、《超虹影 シャドウスキアー》。キャスト、《スタージャック・リペア》!デッキの上から1枚をゲージに置き、ドロップゾーンの《剣星機 J・イグナイター》をジャックのソウルに入れる!」(G:2→3)
「さあ、もっと力を見せてみろ、龍炎寺タスク……」
「キャスト!《スタービリーバー》!ジャックのソウルからJ・イグナイターを捨てて、ライフ+1、2ドロー!――来た!」(L:10→11)
動く。そして、恐らくこのターンで決まる。そんな予感がした。
「J・スターリングでファイターにアタック!能力で手札からJ・イグナイターをジャックのソウルに入れ、ゲージ+1、1ドロー」(G:3→4)
「受けてやろう」(L:12→10)
「シャドウスキアーも続け!」
「そいつも貰おうか」(L:10→8)
「ジャック!」
『今の私は攻撃力9000、打撃力4、貫通を持っている!行くぞ、シャイニング・ターミネイト!』
黒フードに攻撃が入って、残りライフ4になった。だが黒フードは微動だにしない。
「ファイナルフェイズ!」
タスクがファイナルフェイズを宣言した。するとどこからともなく、巨大な剣が現れた。そしてタスクの背に、翼が生み出された。
「キャスト!《シャイニング・パニッシャー!!》このカードは無効化されず、ダメージを減らせない。そして、相手はライフ0になったら復活できない!くらえ、5ダメージ!」
一気にシャイニング・パニッシャーが振り下ろされる。そして、黒フードに直撃し――。
「ふっ、負けたか。まあ、こんなものだろう」
「さあ、投降するんだ」
「すまないが、そうもいかないのさ。データも採れたし、収穫もあった。今日は失敬するよ」
一瞬、黒フードと目が合った。薄い笑みを携えたそいつは、懐からカードを取り出すと、空間が歪んだ。
「あっ」
「しまった!」
「くっ……!」
滝原さんが何かを投げた。その直後、空間の歪みが消える。
「逃げられた……」
「いや、大丈夫。さっき発信機を投げたから」
「あんなに分かりやすく怪しい行動とって、バレませんか?」
『あの発信機は簡単に取れない、そして壊れない。ではないか、滝原殿』
「すごいな、そんなこと知ってるのか。流石、皇帝様だな」
滝原さんの言葉にエンペラーは答えなかった。一方、タスクは誰かと無線で通信を始めた。暫くして、俺たちは再び、バディカード管理庁へ向かうことになった。
表記方法を変えた方がいいでしょうか?宜しければ教えてください。