ゼロワールドの動き、是非ご覧ください!
俺と音峰ソウタは、バディファイトをすることになった。実際の理由はよく分からない。というか、聞く前にソウタが「バディファイトしよう」なんて言うからうやむやになったのだ。……まあ俺も、誘いに乗ったから何とも言えないけど。
「さあ、やったるぜ~~!」
俺たちは校舎の裏手にある、ファイティングステージに立っていた。授業は一時中断したらしい。既に観客席は生徒や教員でいっぱいだ。
「いよいよだな」
隣に立つエンペラーに語りかける。
『楽しみだが、我らの初ファイトがまさか、これほどの観客の前とはな』
「緊張するよな」
正面を向くと、ソウタが仁王立ちをしている。傍らには、バディモンスターがSD形態で立っていた。
「それではこれより、音峰ソウタと無我零人のファイトを開始します!」
審判は岡流斗先生が務めている。実際の所、音声ナビゲートによって進められるので、特に意味はない。
「両者、ルミナイズしてください!」
「俺たちの演奏で、敵を、客を、虜にしてやるぜ!ルミナイズ、『ドリーム・ビリーバー』!」
「2つのゼロが重なって、新たな未来が今、始まる。ルミナイズ、『ビギニング・ゼロ』」
「バディ……ファイッ!!」
「「オープン・ザ・フラッグ!!」」
「マジックワールド!バディは《指揮者 メンデルース》!」
「ゼロワールド。バディは《ゼロ・エンペラー》」
「なっ……何だ、そのフラッグ?」
「ゼロワールドの能力。俺は属性に[ゼロ]を持つカードだけ使えて、手札6枚、ゲージ0枚、ライフ10でファイトを始める」
「はぁ!?特殊フラッグかよ!」
ジェネリックが使えず、他のワールドのカードも使えない。[ゼロ]限定のフラッグだ。
「っしゃあーー!!俺の先攻、チャージアンドドロー!まずはキャスト、《ナイスワン!(最高だぜ)》で2ドロー!更に《ソロモンの鍵 上巻》、2枚チャージ!」(G:2→3→2→4)
早速、動いてきやがった。流石マジックワールド、安定の初手だ。
「さあ、いくぜ皆!レフトにコール、《音楽機 ベースロイド》。能力で1枚引いて、1枚捨てる。センターにコール、《音楽機 ドラムロイド》。能力でゲージを全て見て、1枚を手札に加え、デッキの上から1枚チャージ」(G:4→3→4)
音楽機 ベースロイド
サイズ1 攻撃力3000/打撃力1/防御力3000
音楽機 ドラムロイド
サイズ1 攻撃力1000/打撃力2/防御力4000
「ターンが、来ないな……」
「こっからが本気だ!いくぜ、【
「何だ!?」
「【合奏】は、俺の場に【合奏】を持つカードが2枚以上あることで使える能力なんだ。ベースロイドはゲージ1を払って、2枚ドロー。ドラムロイドはドロップゾーンの魔法1枚をデッキに戻し、その効果を使うことができる!つーわけで、2つとも発動!2ドローからの、ナイスワンを戻して2ドロー!」(G:4→3)
「マジか……」
「よっし、アタックだ!ドラムロイド、無我をぶっ飛ばせ~~!!」
打撃力2のスティックが、回転しながら飛んできた。音で攻撃、とかじゃないのかよ!
「ぐっ……」(L:10→8)
「ターン終了!」
「やっと俺のターンか、ドロー。チャージアンドドロー。まずはセンターにコール、《ゼロ・サプライヤー》。登場時に1ドロー」(G:0→1)
ゼロ・サプライヤー
サイズ0 攻撃力0/打撃力0/防御力0
「数字が0ばっか……!?」
「ライトにコール、《ゼロ・ブラスター》。登場時に2ドロー。《ゼロ・ベアー》をレフトにコール。登場時、ソウタよりゲージが少ないので3枚チャージ」(G:1→4)
ゼロ・ブラスター
サイズ1 攻撃力0/打撃力0/防御力4000
ゼロ・ベアー
サイズ2 攻撃力0/打撃力2/防御力0
「また0だらけだな」
いい反応をありがとう、と心の中で伝える。だがまだ、終わりじゃない。
「キャスト、《オーバーチャージ》。ライフを5払い、デッキの上から10枚チャージ」(G:4→14、L:8→3)
「無茶苦茶やりやがる!」
「更に《オーバードロー》をキャスト。こいつはライフ5以下なら、自分のゲージの枚数分、ドローする魔法だ」
「14枚引くのかよ!?壊れカードだろ、それ!」
そういう効果なのだから仕方ない。お構いなしにカードを引く。
「ゲージ2を払って《ブレイク・ルール》をキャスト。5枚チャージして、5枚ドロー」(G:14→12→17)
「デッキが無くなるぞ、お前。大丈夫かよ?」
「ああ。とりあえずターン終了」
「……はあ!?」
ソウタ
ライフ10/ゲージ3/手札9
零人
ライフ3/ゲージ17/手札23
「あいつら皆、攻撃力0……。そのくせアドを取りまくりやがる」
「それがゼロワールドの戦い方だ」
「なるほどな……おもしれぇ!だったらこっちも超、本気だ!!」
気迫が伝わってくる。その時、不意に感じた。ソウタの切り札が来る、そんな気配を。
「ドロー!チャージ、アンド、……ドロオオォォォッッ!!」(G:3→4)
「来い!ソウタ!」
「センターのドラムロイドをソウルに入れて、ゲージ3を払う!バディコール、《指揮者 メンデルース》!バディギフトだ!」(G:4→1、L:10→11)
指揮者 メンデルース
サイズ3 攻撃力9000/打撃力2/防御力6000
『任せなさい、ソウタ』
現れたモンスターは緑色のハットを被り、緑色のタキシードを身にまとった、人間と変わりない姿をしていた。
「サイズ3がいるのに、サイズ1のベースロイドが残ってる?」
「メンデルースがいる間、属性に[音楽隊]を含むモンスターはサイズ0として扱うんだ」
「なるほどな」
「メンデルースの【合奏】!ソウルのカードが持つ能力を使える!ゲージ確認、1枚を手札に、1枚チャージ。更にベースロイドの【合奏】!ゲージを払って2ドローだ!」(G:1→0→1→0)
これで手札11枚。ここからがマジックワールドの本領発揮、って所か。
「よっし、アタック入るぜ!まずはベースロイド、センターにいったれぃ!」
アタックかよ!?さっきから思ってたけど、ソウタは脳筋らしい。
『ぐうっ』
ゼロ・サプライヤーが破壊される。すまん、犠牲は無駄にしない。
「っしゃぁ!今度はお前の番だ!ファイターにアタックしろ、メンデルース!」
『覚悟なさい、僕らの勝利のために。グランデ・マエストロ!』
「ぐ……っ」(L:3→1)
「まだだ、キャスト!《ムジカ・コール》!手札から[音楽隊]のモンスター1体、コールコストを払ってコールする!たのむぜ、《音楽機 キーボードロイド》をライトにコールだ!」
音楽機 キーボードロイド
サイズ2 攻撃力6000/打撃力1/防御力4000
「……[音楽隊]のモンスターが2体以上あれば、ゲージ2を払わずコール可能、か。」
「更に【合奏】!場の[音楽隊]の数だけ、デッキの上からチャージだ!」(G:0→3)
一気にゲージ3となる。ちゃっかり得をしてきやがるな、こいつ……。
「いっけーー!キーボードロイドは打撃力1、これでトドメだーー!!」
次回へ続く!