何を言っているのか分からない部分もあるかも知れませんが、ご了承ください。
零人たちがチーム『フューチャーゲイザー』を結成した日の深夜。バディカード管理庁の会議室に、数人の隊員が集まっていた。
「ではこれより、緊急会議を開きます」
コマンダーI、龍炎寺タスク、《逆天星竜 ジャックナイフ》、滝原剣、ステラ・ワトソン、《七角地王 ドーン伯爵》、竜神シオウ、《創造神竜 イデアライズ・ドラゴン》の5人と3体が出席した。
「ですがその前に、シオウさん。4年間の任務、お疲れさまでした」
「お、タスクちゃん、労いの言葉サンキュー!」
シオウはタスクとステラの先輩で、滝原の同期である。昔から同期から下の人物に対して「ちゃん」付けで呼んでおり、その癖は抜けていない。
「でもよぉ、帰還を喜んでる場合じゃねぇぞ。な、ツルギちゃん?」
「その言い方は止めろ」
『シオウよ。吾輩たちに見せるべきものはしっかり見せてくれないか』
「伯爵も変わんねぇな。そんじゃ、チャッチャと進めねぇとな」
「では諸君、手元の資料を見てほしい」
コマンダーIの言葉で全員が資料に目を通す。そこには【『カグラレポート』について】と書かれていた。
『カグラレポート』とは、4年前に見つかった「ある事件についての捜査記録」である。書いたのはカグラオサムという人物らしいが、この名前以外のことが一切分からない。そもそも「カグラオサム」という名前も怪しい。だがこのレポートには、重要な事実が幾つもあった。
「なあシオウ、これは信頼できるのか?」
「ぶっちゃけ、怪しいと思う。だがコイツは、トップシークレットまで知っているようなんだよ。と、なると」
「信じざるを得ない、という訳か」
滝原は苦虫を潰したような顔をする。信頼に値するとは言えない情報を、鵜呑みにするしかないのだ。やはり納得いかないだろう。
『カグラレポート』に書かれていたもの。それは『ワールディアス・インシデント』に関することだった
。
「ではまず、『ワールディアス・インシデント』についておさらいしよう。ステラくん」
はい、と返事をしてステラが小型のパソコンをいじり出す。過去の事件をデータベースから探しているのだ。僅か数秒で作業を終えた彼女が語り出す。
「『ワールディアス・インシデント』とは10年前に発生した、モンスターによる初の、人間捕食事件です」
「つまり、食害のことですね」
タスクの発言にステラが頷く。過去に起きたモンスター絡みの事件で、人間が命を落とした事例は幾つかある。しかしその中でも、この事件は特に異質だった。
ある親子3人が何者かに誘拐され、1か月間、監禁されていた。その中で両親は激しい拷問を受け、モンスターに捕食された。彼らの子どもである少年は栄養失調で、暴力を受けた痕が見つかったが、それでも辛うじて生きていた。
モンスターの名は《ワールディアス》。所属するワールドは不明。バディが誰かも分からない。ただ一人生存した少年の供述によって、何とか名前だけは判明したのだ。
「改めて凄惨な事件だな」
シオウが呟く。その場の誰もがそう思っているであろうことは明白だった。
「確かこの少年が、《ワールディアス》について話してくれたんだったな」
「そうだな」
「なぜ彼は、名前を知ることが出来た?」
「あれ、ツルギちゃん、知らない?こいつは生きてたんじゃない、生かされたんだよ。《ワールディアス》の名を伝えて、事件の生き証人にさせるために」
それはあくまでシオウの推理だった。分かる範囲の情報を集めた結果、そこに着地する。
「シオウさん、余り想像で語るのはまずいかと」
「いやいやタスクちゃん。そんな的外れでも無いっしょ?第一、タスクちゃんもたどり着いてたんじゃないの?」
「それは……」
タスクが言葉を濁す。薄々、感じてはいたのだろう。
「ま、タスクちゃんの言うとおり、想像だからね。確定じゃない。でも頭の片隅には入れておいたほうがいいと思うぜ?」
「……はい」
『タスク、シオウ。そろそろ話しを変えよう』
「おっ、ジャックは分かってるね~」
話題は『カグラレポート』に移ることになった。全員が置かれていた、もう一つの資料を手に取る。
「こいつは先月、俺たちがダークネスドラゴンワールドを捜査する中で見つけたんだ」
「あれ、確かシオウさん、先月はヒーローワールドにいたんじゃ」
「ああ、定期報告の後に移動したんだ。有力な情報が入ってな」
『そこで我がグレートな能力を使い、確かめに行ったのだよ!すごいだろう?すごいだろう、我は!?褒めても構わんぞ?何ならクッキーやら塩結びを備えてもよい!』
「あー、はいはい。後でキャットフードやるから黙ってろ」
『カリカリしたのを所望する!』
そう言うとイデアは、固まったまま動かなくなった。シオウが資料を一枚めくる。
「そんじゃ進めるぞ。資料を見てちょーだい」
『カグラレポート』についてシオウが語り始める。
「じゃあまず『カグラレポート』の作者様、カグラオサム氏についてだが、素性は不明。多分、ペンネームなんだろうけど、情報がまるで無い」
「確かに怪しいが、まだ何とも言えないな」
「うん、よくある話しだと思う。ただ問題は、『カグラレポート』が『ワールディアス・インシデント』について書かれたモノっつーことだ」
『一体どういうことだ、シオウ?』
「つまりさ、『ワールディアス・インシデント』に関わった人間が消えちゃうってことっすよ、伯爵」
「だがまだ、その結論を出すには早いんじゃ」
滝原が横から入る。シオウの話しに、不確定な想像が多いことに多少、不安がある様だ。しかしシオウはその懸念をあっさり否定した。
「そうでもねーよ?事実、被害者の2人はこの事件を追っていたみたいだし」
「危険と分かっているのに?子どももいるのに、何故?」
「さあ、そこまでは知らん。だがレポートの中で、カグラオサムに協力者がいたことが分かっている」
「それが被害者の2人だったと?」
「しかも興味深いのは、被害者の苗字が、『無我』なんだ」
「無我……!?まさか」
滝原とタスクが目を見開く。彼らは最近、同じ苗字を持つ少年と出会っているからだ。
「まさか、無我零人くんが言っていた『昔、いろいろあって、この世にもういない』って」
「そのことだろうな。ま、本人はどこまで覚えてるかな……」
『つまり、かつて事件に携わった人間が、何らかの形で失踪あるいは死亡している。そういうことだな』
「ジャックは頭いいな~。そしてもう一つ、このレポートには少ーし気になることがあるんだ」
そう言うとシオウは、資料の最後のページを開く。そこにはこう書かれていた。
『私は知りすぎた。近く、私も同じ運命を辿るだろう。皆の犠牲の先にあったのは、悲劇だった。それでもまだあの子がいる。私たちの全てをここに記す。全部は分からなかったが、それでも足しになればいい。ワールディアスは化け物だ』
「この『皆の犠牲』って部分。何か含みを持たせてるように思わない?」
「そうか?俺はおかしくないように思うが」
「ツルギちゃんも鈍感だな~。普通なら『2人』とかでいいじゃん、被害者が本当に2人なら」
「お前の見立てでは3人じゃないのか」
「このレポートが書かれた時点では、カグラ氏は生きてるはずだ。なのに『皆の犠牲』ってさ、まるでまだ被害者がいるみたいだろ?」
「まさか、私たちも把握していない被害者が?」
「そういうことだよ、ステラちゃん」
その後も議論は続いたが、それ以上の進展は得られなかった。そして一度、情報の整理という名目で、この場は解散となった。そして、コマンダーIは終始、口を開けたままだった。
増える登場人物!増える用語!作者は何がしたいのか!
……小難しい話しは後にして、とりあえず大会編に移ればいい気がする!
いや、その前にオリキャラだけでもどこかで紹介せねば……。