金色のガッシュベル!!光と闇の最終決戦! 作:アンドロイドQ14
???
神出鬼没の老婆や謎の女、モールの正体が光の三姉妹である事にガッシュとティオは衝撃を受けていた。
ティオ「あ、あなた達が…光の三姉妹…」
ベルベーラ「驚くのも無理はないわね。あたし達は魔界の王を決める戦いの時以外は表立って魔界に干渉しなくなったから、存在を知らなくて当然だわ」
ガッシュ「ビックリしたのだ」
モール「新しい王様は素直でいいわね」
ローラ「ガッシュが王になって嬉しいわ。ブラゴじゃ愛想がなくて可愛げがないし、ゼオンは大目に見ても、ゾフィスやクリアなんて論外よ」
ティオ「ローラは結構ノリが軽いわね…。って、あなた達って闇の魔物の正体を知ってるんでしょ?教えて」
ベルベーラ「その前にあたしは以前、闇の魔物は魔界の王を決める戦いの歪みから生まれた話したから、魔界の王を決める戦いの成り立ちから話すよ」
ティオ「ちょっと、あなた達って魔界の王を決める戦いの成り立ちを知ってるってどういう事?」
ベルベーラ「知ってるも何も、魔界の創造主にして、魔界の王を決める戦いのシステムを作り、その主催者となってるのは命を作り、育む聖なる光の力を持つ光の魔物の分裂した姿であるあたし達光の三姉妹なんだよ」
光と闇の書に光の魔物のその後が描かれていなかったため、光の三姉妹の正体が光の魔物の分裂した姿である事にまたしても驚きを隠せなかった。
ガッシュ「お、お主達が光の魔物!?」
ティオ「ええ~~っ!?光の魔物って言ったら、てっきり、天使かと思ってた」
ローラ「ティオの言う通り、光の魔物は天使みたいな魔物だとイメージするのも無理はないわね」
ティオ「そもそもどうして3人になったの?」
ベルベーラ「至って簡単さ。寂しかったからだよ」
ティオ「寂しいって…」
モール「私達がまだ一人の魔物だった頃はあまりにも長く生きるために、友人を作ってもその友人から死んでいき、その度に1人ぼっちになったの。そして、分裂すると力が弱まるのを承知の上で3人に分裂し、三人姉妹の光の三姉妹になったの」
ガッシュ「そうであったか…」
魔界を創造した上に命を作り、育むというのを聞いたティオはある考えが思い浮かんだ。
ティオ「あなた達って命を作り、育む力を使えるのなら死んだ人間や魔物を生き返らせる事ってできるんでしょ?お願い、闇の魔物に殺された清麿と恵を生き返らせて!」
ベルベーラ「……あんた、それを本気で言ってるの?」
ティオ「だって、魔界の王を決める戦いが終われば元通りになるシステムを作ったのがあなた達なら、生き返らせる事ってできるんでしょ?」
ベルベーラ「できるさ。けどね、命の価値を何だと思ってるんだい?」
ベルベーラにきつい事を言われ、ガッシュもティオも言い返せなかった。
ベルベーラ「命ってもんは本来、限りあるもの。失った命をそう易々と生き返らせたりできる軽々しいものじゃない。以前のあたし達は命を軽く見ていたが故に生き返らせたり、王の特権を作って魔界の住人の命の価値を軽くさせてしまい、闇の魔物を生み出すという過ちを犯してしまった。それ故に以降のあたし達は王を決める戦いの時以外はよっぽどの事がない限り干渉をしなくなったのさ」
ティオ「だけど…、恵は私にとってかけがえのない存在なのよ!一人ぼっちの時に救いの手を差し伸べてくれて、よく会場にも連れて行ってくれて、一緒にいた日々は大切な思い出になったのよ!」
ガッシュ「頼むのだ!今にも闇の魔物は魔界の民を殺し続けておる!私は王としてそんな理不尽な出来事には耐えられぬのだ!頼む、清麿と恵、そして闇の魔物に殺された魔物達を…生き返らせてほしいのだ!」
パートナーを殺されて悲しむガッシュとティオを見て、ややひねくれているベルベーラも頭を悩ませた。
ローラ「私もあの子達のパートナーと殺された魔物を生き返らせるべきだわ。だって、あの殺された2人はあの子達にとってかけがえのない存在なのよ」
モール「ベルベーラ、私もそうするべきよ」
ベルベーラ「……しょうがないわね。生き返らせる事にするわ」
ティオ「本当!?」
ベルベーラ「あの2人から先に生き返らせる。他の殺された魔物を生き返らせるのは後。それと…、二度目はないと思いな。ローラ」
ローラ「セラフォジオ!」
ガッシュとティオが命を軽視しないように清麿と恵の遺体に刺さった鉱石を抜きながらベルベーラは釘を刺し、ローラは蘇生呪文を使った。天使が出現し、清麿と恵の遺体に優しい聖なる光の塊を入れた。すると、2人の致命傷となった胸の傷が塞がり、生き返った。
清麿「…んんっ…、ここは…」
恵「私達…、闇の魔物に殺されて…」
ガッシュ「清麿…、清麿~!」
ティオ「恵!」
清麿と恵が生き返ったため、ガッシュとティオは抱き付いた。
魔界
闇の魔物は飛行しながら殺戮を続けていた。
闇の魔物『我らをこんな姿にした癖にのうのうと生きてる奴等はみんな死ね~!!』
自分達を消した魔物はもう死んでいるために関係のない現代の魔物にやり場のない怒りと憎しみをぶつけ、闇の魔物はビームを吐いて町や村を焼き払いながら進んでいった。
魔界の王を決める戦いの実力者達は闇の魔物の分身と戦いながら、闇の魔物の方を目指していた。
デュフォー「ジャウロ・ザケルガ!」
11本の矢のようなザケルガが次々と闇の魔物の分身の頭目掛けて放たれ、分身の頭に命中すると分身は消滅した。
シェリー「バベルガ・グラビドン!」
重力で分身は押し潰された。
キャンチョメ「い、一体、どれぐらい分身が作られているんだ…?いくら倒してもキリがないよ…」
フォルゴレ「闇の魔物は強すぎるし、おまけにいくらでも分身は作れるし…」
ブラゴ「お前達は無抵抗のまま闇の魔物に消されたいのか?」
キャンチョメ「い、嫌だよ!クリアに消されるのも嫌だったけど、闇の魔物に焼かれたり、溶かされたり、氷漬けにされたり、微塵切りにされて死にたくないよ~!」
フォルゴレ「さ、流石の私でもあれはまともに受けたら死ぬ~!」
デュフォー「無駄口を叩くな。そうするだけで余計な体力を消耗させるぞ」
そう言っていると、アシュロンが空を飛んで移動しているのを目撃した。
ゼオン「アシュロンだと?」
サンビーム「背中にテッドとかバリーがいなかったか?」
チェリッシュ「テッド?テッドが向かっているのね!」
ウォンレイ「私達もこうしてはいられないな」
ウマゴン「メルメルメ!」
一同も闇の魔物の方へ進んでいった。
アシュロン「そろそろ闇の魔物のいる場所へ来るぞ」
???「お~い、この俺を忘れるな~~!」
突如、叫び声がしたためにどこにいるのか一同が気になっていると、アシュロンの尻尾にキースとベルンが必死でしがみついていた。
バリー「キース、気絶してたんじゃなかったのか?」
キース「バリー、お前だけにいいかっこはさせんぞ!だから、必死でしがみついているのだ!!」
知らないうちにキースがベルンと一緒に尻尾にしがみついていた事にはアシュロン本人も困惑したが、一刻も早く闇の魔物の所へ行くため、一緒に連れて行く事にした。
???
生き返った清麿と恵はガッシュとティオ、生き返らせてくれた恩人である三姉妹から事情を聞いていた。
清麿「そっか、あんた達が光の三姉妹で俺と恵さんを生き返らせてくれたんだな」
ローラ「そうよ。ベルベーラは攻撃、モールは次元移動、私は回復や蘇生を得意としてて、死んだ人間や魔物を生き返らせる事なんて簡単な事よ。だけど、王の特権で消された魔物だけは生き返らせる事はできないわ」
恵「それよりも、モールが光の三姉妹の次女だなんて驚いたわ。分裂した状態でもクリア並だから、本来の姿だともっと強いのかしら?」
ベルベーラ「そりゃ当然さ。分離する前、魔界を消そうと企んだ消滅の魔物なんてあっさり倒したのよ。消滅の攻撃なんて屁でもないし、所詮、クリアなんて闇の魔物に比べれば本来の姿のあたし達からすれば赤ん坊程度の力しかないのさ」
今回は元の姿で老婆の姿の時に似たような事を話したが、老婆の時と同じで強がっている様子もなく、堂々とクリアは光の魔物とは赤子と大人ほどの力の差があると言い切ったベルベーラに清麿はクリアを何とか倒せた自分達の存在が非常にちっぽけなように思えた。
清麿「それよりもあんた達に聞きたい事がある。闇の魔物の正体とは何者なんだ?なぜ倒せない?それに、ガッシュから聞いたが、どういった理由で魔界の王を決める戦いのシステムを作ったんだ!?」
ベルベーラ「ちょっと、あんたは頭がいいからヒントを与えればわかると思ったのに闇の魔物の正体が全然わからないのかい?」
清麿「そんな事を言われてもわかるわけないだろ!?どうして闇の魔物は殺せないんだ!?」
ベルベーラ「あ~あ、ほんと、最近の人間は科学を発展させ過ぎたせいでオカルトに疎くなっちまってるな。しょうがないから闇の魔物の正体を教えるよ。闇の魔物の正体はね…、王の特権で消された魔物達の怨念が集まって生まれた最強最悪の魔物さ」
ベルベーラの言った事に清麿達は衝撃を受けていた。
恵「怨念の…集合体…?」
ガッシュ「それではよくわからぬのだ」
ベルベーラ「まぁ、具体的に言う前に闇の魔物が生まれる原因となった魔界の王を決める戦いのシステムを作ったいきさつについて教えるよ」
清麿「(いよいよ明らかになるのか…)」
ローラ「魔界は私達がまだ1体の魔物、光の魔物だった頃に作り出した世界で、命を育む聖なる光の力によって色々な種族の魔物が生まれ、私達は創造主として魔物達を見守り続けていたわ」
モール「だけど、魔物が増えていくにつれ、種族間の価値観の違い故にさまざまな偏見が生じ、それが積み重なって種族間の溝も大きくなり、遂には戦争が始まったのです。戦火は瞬く間に広がっていき、長きに渡って種族同士が互いを殲滅し合う戦国時代となったのです」
恵「ひどい…、魔界でも人間界のような戦争があったのね…」
ティオ「そんな隠された歴史があったなんて…」
大昔の魔界が互いの種族が憎み合い、殲滅し合う戦乱に満ちた世界であった事にガッシュペアとティオペアは沈痛な様子だった。
ガッシュ「どのようにしてお主達は争いを終わらせたのだ?」
ローラ「あまりに長きに渡る戦いは魔界の民の心を疲弊させ、やがて和平を望む民が増えていき、その民達の様子に心を痛めた私達は見守るだけではダメだと判断し、戦争に介入して平和を望む民達と共に戦国時代を終わらせる事に成功させたわ」
モール「それから、魔界の文明は飛躍的に発展し、当時の人間界とも交流を持つまでに至りました」
ガッシュ「昔の魔界は人間界と繋がっておったのか」
モール「ですが、種族間の問題は解決されたわけではありませんでした。せっかく平和になったのに、争いが起ころうとしていました。そんな時、どうすればよいのか考えていた所、学識のある魔物達が選ばれた魔物の子供達を人間界に送り、人間と組んで互いに争い、最後に残った1人が魔界全土を統べる王になるという代理戦争を提唱しました。これには当初は子供を戦わせるべきではない等の様々な反発が起きましたが、もう戦乱の世に戻したくない魔物達が大勢いたために受け入れられ、私達も学識ある魔物達と話し合った末、選ばれた100人の魔物の子達が人間と組んで互いに戦い、最終的に勝ち残った1人が魔界全土を統べる王となる、魔界の王を決める戦い、別名、神の試練が作られたのです」
清麿「(魔界の王を決める戦いは魔界を戦乱の世に戻さないための代理戦争だったのか…。この戦いがなければ、魔界では様々な種族による戦争で多くの犠牲者が出る…)」
コルルの悲劇などを目撃し、魔界の王を決める戦いのシステムを作った者に文句を言いたかった清麿だったが、魔界の王を決める戦いが始まる原因となったのが魔界での悲惨な戦争を回避するためだった事に何とも言えなくなった。
恵「どこがあなた達が犯した過ちなの?」
ベルベーラ「そう急かさなくても話すよ。あたし達はルールなどを決める際、命の価値を軽く見ていたが故にとんでもない過ちを犯しちまったんだ」
清麿「それが王の特権なのか?」
ベルベーラ「そうさ。王となった奴の理想とする世界にさせるが故に王の特権を作ったんだが、とんでもないバグが発生するのを当時のあたし達は知らなかったんだ。王の特権で消された魔物は魂も完全に消え去ると思っていたが、実際は消された事を恨んで怨念だけが残ったんだ。そして、王の特権で生まれた歪みは魔界の王を決める戦いが始まって1万年が経過した時にピークに達した」
ティオ「それが、闇の魔物なのね…」
モール「その通りです。代々の王によって消された魔物達の怨念は自分達を消した王を、そしてのうのうと生きている消されなかった魔物達を恨み、憎んで一つに集まり、闇の魔物と化したのです」
ローラ「現れた闇の魔物は消された魔物達の全ての術を使用し、不死身の体と圧倒的な力で人間界を滅ぼし、魔界でも多くの魔物達を虐殺していきました。この脅威に私達は立ち向かい、戦いは長く続きました。そして、私達は深い傷を負わされながらも、同時に力を消耗した闇の魔物を封じ込める事に成功しました」
恵「……消された魔物は私達では想像もできない程に消した魔物や他の生きている魔物を憎んだのでしょうね……」
清麿「だったら、何で王の特権をその時に廃止しなかったんだ!?」
ベルベーラ「廃止しなかったんじゃないよ、できなかったのさ。この戦いのシステムはあたし達が本来の姿に戻らないと変える事ができないから、モールがいつ覚めるかわからない眠りについてしまってあたし達は早く目覚めてほしいと思ったぐらいなんだよ…。これが、あたし達が過ちを犯したが故に背負った罪なのかも知れない…」
俯いて語るベルベーラに清麿も三姉妹は悪意があって王の特権を廃止しなかったわけではなかった事が理解できた。
ベルベーラ「それと、ガッシュ、清麿、あんた達は一度、クリアとの戦いで闇の魔物と似た力を使ってクリアに勝利しているよ」
清麿「闇の魔物と似た力で?まさか…」
清麿には心当たりのあるものは一つしかなかった。
清麿「金色の本なのか?」
ローラ「当たりよ」
ベルベーラ「金色の本は魂だけの魔物達が集まって力を貸してくれたから色んな魔物の術が使えただろ?闇の魔物は王の特権で消された魔物達の怨念の集合体だからだいたい同じような感じで様々な魔物の術を使えるのさ」
清麿「そうだったのか…」
闇の魔物が様々な系統の術を扱えるのが金色の本とだいたい同じ感じだという事に清麿は納得した。
魔界
破壊と殺戮を続ける闇の魔物を倒すべく、アシュロンが仲間を乗せて遂に到着した。
闇の魔物『自分から死にに来る魔物がいたか…』
アシュロン「お前が魔界の伝説に登場する最強最悪の魔物、闇の魔物か…」
リーン「ダンナ、あいつからはクリアが可愛く見えるほどのとんでもねえ殺気と力と威圧感を感じますぜ」
アシュロン「正直言って、リーンの言う通りだな。クリアがまるで子供、それも赤ん坊に見えてしまうぐらいだ…」
キース「ふん、闇の魔物がどうであれ、このキース様にひれ伏すがいい。ベルン、一気に決めるぞ!」
ベルン「シン・ギニスドン!」
ディオガ・ギニスドンの強化版、シン・ギニスドンを放ったが、闇の魔物は直撃してもびくともしなかった。それどころか、尻尾でビームを発射し、反撃した。
キース「オギャーーン!!」
バリー「(さっきからキースはこういうオチばかりだな…)」
あっけなくやられたキースに一同は唖然としていた。
レイン「おっと、気を取り直さなくてはな」
アシュロン「闇の魔物よ、貴様のような奴に魔界を滅ぼさせん!俺達がここで倒す!」
闇の魔物『クソガキのクリアにも及ばん貴様らが我らを倒すなど、叶わぬ。今すぐ我らがぶっ殺してやる!!』
闇の魔物は威嚇も兼ねて大きく吠えた。そして、ビームを放った。咄嗟にアシュロンは回避したが、辺り一帯を吹き飛ばす威力だった。
リーン「ダンナ、あの攻撃はまともに当たったらイチコロですぜ」
アシュロン「わかってる」
バリー「行くぞ!」
アシュロン達は闇の魔物に向かっていった。しかし、闇の魔物は羽を出してから羽の羽ばたきのみでアシュロン達を吹っ飛ばしてしまった。
レイン「何て風の強さだ!?」
テッド「踏ん張っても吹っ飛ばされちまう!」
そんな中、ゼオン一同が到着した。
サンビーム「何とか、間に合ったな」
それも束の間、また闇の魔物が咆哮をあげた事で一同は震え、キャンチョメとフォルゴレ、ウマゴンに至っては怯えていた。
ウマゴン「メ、メル……」
フォルゴレ「ちょ、やっぱり物凄く怖い…」
キャンチョメ「だ…、だけど僕達以外に戦えるのはいないんだ…」
一同は立ち向かっていき、その後も続々と集まっていた。
???
その頃、ガッシュ達と三姉妹の話はまだ続いていた。
ガッシュ「聞きたかったのだが、闇の魔物が怨念の集合体というのはどういうものなのだ?」
ローラ「わかりやすく例えるなら、闇の魔物は王の特権で消された事に恨みを持った小さな幽霊が集まって巨大且つ強大な1体の幽霊になったと思えばいいのよ」
ベルベーラ「ここで前にしたナゾナゾの続きで答えを言ってもらうよ。人や魔物は恨みを抱いて死んだら何になる?」
清麿「恨みを抱いて死んだら何になるかって?普通、死んだらゾンビとか幽霊に……!?」
図書館で会った時は本気で考えてなかったため、今度はアンサー・トーカーで答えを求めたら、ある答えが出た。
清麿「怨霊…」
ベルベーラ「正解。闇の魔物は王の特権で消された魔物の怨念の集合体、要するにデカくてとんでもなく強い怨霊みたいなもんさ」
恵「怨霊だったなんて…」
モール「あなた達の住んでいる人間界の日本にも怨霊がいるわ。それも、有名な怨霊よ」
清麿「有名な怨霊…。まさか、菅原道真や平将門、崇徳上皇の事なのか!?」
ローラ「その通り。だけど、闇の魔物は菅原道真や平将門などの怨霊とは比べ物にならない程、強力よ」
清麿「それは俺達も嫌という程、思い知らされた…。俺達が苦労して何とか倒したクリアを赤子の手を捻るかのように抹殺した上、攻撃も全く効かないし、シン級の術さえ全く効かなかった…」
ベルベーラ「攻撃が効かないのは当然さ。闇の魔物の肉体は自分の手で殺戮を行うために生み出したもの。本体は怨念だから頭や心臓を潰したり、全身を消滅させたって奴はいくらでも再生して復活できるし、心はもうぶっ壊れているからシン・ポルクとかいう精神攻撃も効果がない。死なないと言うよりは、もうとっくに死んでるから不死身なんだよ」
ティオ「私達は幽霊と戦っていたのね…」
清麿「(幽霊に攻撃する手段なんてない。だから、あの時は闇の魔物に関する答えは一切出なかったのか…)じゃあ、あんた達はどうやって闇の魔物を封じ込めたんだ?」
モール「それは闇の魔物の唯一の弱点、全てを浄化できる聖なる光の力で闇の魔物の力を弱め、怨念と肉体を分離させてから封印したの」
ローラ「言っておくけど、光は光でも私達の扱う聖なる光の力はビライツとかの系統の術とは根本から違うから、ビライツ系統の術では闇の魔物には一切効かないよ」
ベルベーラ「もっとも、本当は完全に浄化したかったけど、追い詰めている際に最後の手段として闇の魔物が力を暴走させたから思わぬ深い傷を負ってしまって完全な浄化ができなくなっちまって奴の怨念と肉体を分離させてからそれぞれに封印を施すしかできなかったんだ。おまけにあたしとローラは万単位の年数を経ないと治らない深い傷を負った上、さっきも言った通り、モールは最も重傷で水晶になっちまっていつ覚めるかわからない眠りについてしまったんだ。それから、残されたあたし達は闇の魔物が復活した際に備えて、あたし達の持ち物である聖なる光の力を宿した光のペンダントを守りの力の一族に授けたのさ」
ティオ「それが、私のご先祖様なのね」
モール「そうよ」
清麿「何であんた達はティオの先祖に授けたんだ?魔界には竜族とか色んな強い種族もいるんだろ?」
ローラ「私達がティオの先祖に授けたのは守りの力が聖なる光の力に近い性質の力であるから、光のペンダントの力を引き出す事が可能だからよ。竜族とかでは力を引き出せないし、仮に魔鏡のようにどんな魔物でも扱える代物だったらファウードみたいに悪用もできるから、下手をすればペンダントそのものが戦争の火種になるのよ」
恵「でも、光のペンダントがあってもティオは闇の魔物の攻撃を防げなかったわ」
ベルベーラ「それはチャージル・セシルドン程度では力不足な上、ペンダントのリミッターが解除されていないからさ。クリアの攻撃を何とか防げてるようじゃ、闇の魔物の苛烈な攻撃なんて防げないよ。予想はしてたけど、あの婆さんは説得に骨が折れたけど、解除をやってなかったとはね」
ティオ「説得ってまさか…あの時のお婆さんは…」
ティオが祖母からペンダントを貰った際に見かけた老婆の正体がベルベーラだという事にティオは驚いた。
ベルベーラ「あたしさ。光のペンダントを渡してから、あたしは老婆に姿を変えて闇の魔物を監視し、怨念の封印が解けかかるとそれをティオの先祖達に伝えて備えさせたのさ」
清麿「ペンダントのリミッターを解除すればティオは闇の魔物の攻撃を防げるようになるのか?」
ベルベーラ「それだけではダメだ。だから、その準備をあたしがするのさ」
ガッシュ「今、魔界はどうなっておるのだ?」
モール「ローラ、魔界の様子を」
ローラは手から水晶を召喚し、映像を映した。その映像には闇の魔物がガッシュの仲間達を蹂躙している様子が映っていた。
清麿「何てこった…!」
ガッシュ「ベルベーラ殿、すぐに私達を魔界に」
ティオ「無理よ!あんな化け物に勝てるわけ…」
ティオが闇の魔物に怯えている事を察したガッシュはティオと手を繋いだ。
ガッシュ「お主は1人で闇の魔物と戦うのではない。私もいるのだ」
ティオ「ガッシュ…」
恵「あの時からティオは1人じゃない」
清麿「恵さんや俺も忘れるなよ」
ティオ「恵…、清麿…」
ベルベーラ「じゃ、話しがまとまった所で行くよ。気分が悪くなるかも知れないけど、我慢しな」
ティオ「う、うん…」
ベルベーラはティオの頭に手を置き、莫大な魔力をティオに注いだ。
ティオ「な、なんか……」
言葉にできない感覚にティオは戸惑っていた。そして、ティオの本が光った。
恵「新しい呪文?」
本をめくってみると、新しい呪文が出ていた。
恵「シン・チャージル・セシルドン…」
ティオ「平行世界の私が習得した術が使えるようになるなんて…」
ガッシュ「どうやってシン級の術を習得させたのだ?」
ローラ「至って簡単、莫大な魔力を注ぎ込んで強引に眠っている力を目覚めさせたのよ」
モール「だけど、これは莫大な魔力を持つ私達にしかできない事、あなた達の言葉で言えば裏技みたいなもの。未熟な魔物がやれば命を落としかねないので、この事は絶対に教えないように」
ガッシュ「ウヌ!」
ベルベーラ「さて、今度はペンダントのリミッターを解除する。解除自体はこのままでもできるけど、闇の魔物が大暴れしてるから元の姿に戻るよ。モール、ローラ、いいかい?」
モール「ええ」
ローラ「勿論よ」
三姉妹は一つに重なった。すると、眩い光を放ってガッシュ達は目を瞑った。光が弱まると重なった三姉妹は本来の1人の魔物となり、虹色の服に蝶の羽、鎧を纏った美女の姿があった。
清麿「あの魔物が…光の魔物…」
恵「綺麗…」
光の魔物「さぁ、ペンダントを」
光の魔物はティオのペンダントにそっと手を置くと、ペンダントは虹色の光を放った。
ティオ「綺麗…」
見とれているティオだったが、ペンダントのリミッターを解除した事で解放された強大な聖なる光の力はティオ1人ではとても扱いきれるような力ではなかった。
ティオ「こ、この力…」
光の魔物「(幼すぎるが故にまだ制御しきれないから、あのお婆さんはリミッターを解除しなかったのね…)」
ガッシュ「ティオ、1人で聖なる光の力が制御できぬのなら2人でやろうではないか」
ティオ「ガッシュ…」
ガッシュも一緒に手をかざした。すると、清麿と恵の持っている本が光るのと同時にガッシュとティオは眩い光に包まれて2人の服装が変化していき、ガッシュは王の衣装に、ティオはいつもの服のアクセサリーはそのままに、ガッシュの母親と同じドレスへと変化していった。
ティオ「嘘…、ガッシュのお母さんと同じドレスになるなんて…」
清麿「あのガッシュの服、手紙に一緒に入っていた写真に写っていたのと同じ服だ」
恵「清麿君、本が!」
清麿と恵の持っている本も最初は本の色と同じ輝きだったが、その輝きは色を変え、ガッシュの本はかつての金色の本に、ティオの本は金色に白も混じって白金色の本となった。
恵「これって…」
清麿「間違いない…、あの時と同じ、金色の本だ!それに、ティオの本も少し色は違うが金色だ!」
光の魔物「では、参りましょうか、闇の魔物を倒しに」
ガッシュ達は闇の魔物を倒すため、光の魔物と共に魔界に次元移動した。
これで今回の話は終わりです。
今回は清麿と恵の素性と魔界の王を決める戦いの成り立ち、そして闇の魔物の誕生を描きました。
ベルベーラが清麿と恵を蘇生させる前にガッシュとティオに釘を刺したのは、犬夜叉で殺生丸の母親がりんを蘇生させる際のやりとりを参考にしました。
魔界の王を決める戦いが始まった経緯は4話でも語られていましたが、ぶっちゃけ、Gガンダムのガンダムファイトが始まったのと似たような理由にしています。
闇の魔物の正体が王の特権で消された魔物達の怨念の集合体としたのはドラゴンボールGTの邪悪龍のように王の特権で安易に魔物を消すと罰が当たるのではないかと考えたためで、元ネタはデジモンアドベンチャーのラスボスのアポカリモンとゴジラモスラキングギドラ大怪獣総攻撃の白目ゴジラとなっています。
いよいよ元の1人の魔物に戻った光の魔物ですが、今回出た人間体は映画ハートキャッチプリキュアに登場したキュアアンジェがモデルです(HUGプリのキュアアンジュではないのでご注意を)。元の姿は次に登場します。
次はガッシュ達と闇の魔物が激突します。