彼女はエスパー   作:coltysolty

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真のヒーローって
なんでしょうね?


ヒーロー論

茉莉沙の懸案事項は、ずばり予想的中。

なんと煤無はあの後、高熱で倒れていたのだ。

通常は断崖絶壁から落っこちても死ぬはずがないと

周りも信じて疑わない程、頑丈な精神と肉体をもった男だが

極まれに、予想外な突発性感冒などに見舞われることがある。

 

なんといっても雨男。

ひとたび外にでると、ざっと降られてしまったりすることから

無防備な時にどしゃぶりにやられ、風邪をひいてしまうことがある。

 

この日も煤無は朝から熱っぽいなと思って体温計を

咥えたら、なんと「39.5」と、デジタル表示の数字がならんだ。

 

「うわー、こりゃむり」

 

いくら細マッチョ頑丈男でも、今無理するとあとあと

よろしくない、と、即断し、上司に連絡

この日は大事をとって仕事を休むことにした。

 

先日の見舞いと救助の礼を言うタイミングで

真己人は弟の木菟に連絡し、煤無の様子を窺った。

 

「ズッキー、この間、ほんとうにありがとな。

ねーちゃんからも、深く礼を言ってくれと言われちゃって

今度またおいしいケーキでも届けるからって。

お兄さん元気?」

 

それとなく、不自然にならないように真己人は木菟に

兄、煤無の様子をさぐった。

 

「おーーー、まっきー。わざわざ電話してくれて

ありがとー。なんとあの、不死身マンは今、熱で倒れております」

 

「(やっぱり・・・・)え???お兄さん具合悪いの?」

 

「まー、やつの不摂生がたたった、ってやつですかね。

40度近い熱で、うーうーうなってるよ」

 

「え!!!!そうなんだ・・・・病院行ったの?」

 

「病院嫌いでさぁ・・・でも、さすがに今回は

やばいでしょーってね、無理やり連れて行ったよ。オレが。

タクシーで」

 

「だ、だよね・・・・で、ただの風邪なの?」

 

「うん・・・こじらせちゃったみたいで。

あの事情聴取の後、風呂掃除とかやっちゃってさ

なんかわからないけど、普段やらないよーなことやってたから

様子がおかしいなとは思ったんだけど、とにかく疲労が

たまってたみたい」

 

「そうか・・・なんかお兄さんに悪いことしちゃったね。

事情聴取とかで、緊張したのかもしれないね・・・だって

まるで犯人扱いだもんね?」

 

「あ、それは気にしないでよ。あいつが勝手にやったことだから。

結果、お姉さんは助かったけど、一歩間違えたら一大事だからね。

説教たれられて当然だよ」

 

「でもさ・・・なんか、お兄さん、男らしくてかっこいいよ。」

 

「はは、ありがとな。いつも、どあほうとか、無鉄砲とか

怖いもの知らずとかって、周りから罵倒されてた人生だけど

マッキーとか、マッキー姉に褒められて、やつも舞い上がっちゃったんだよ」

 

「話題のうちのねーちゃんは、もうすっかり良くなって

家で安静にしているよ。ねーちゃんがズッキーによろしく

言っててっていうから、連絡してみたんだ」

 

「そっか。おねえさん、退院したんだね!よかった!

こちらこそお大事にって伝えてくれよ!」

 

「ズッキーありがとう。姉ちゃんに伝えておくよ。

じゃ、お兄さんお大事に。またな。連絡する。」

 

「お、じゃな」

 

木菟との会話が終わると、速攻で茉莉沙に連絡をとる

真己人。しっかりはっきり伝えたいときは、やはり念より

生の音声がいい。

 

「ねえちゃん!!!やっぱり、ズッキー兄、倒れてたよ。40度熱あるって」

 

「え????やっぱり!!!なんか、胸がわさわさするなって

思ったの・・・そうとうひどいのね・・・・大丈夫かしら」

 

「うん・・・だから、思考も飛んでこないはずだよ。熱でうなされてるからね。

なにも考えられない状態だと思う」

 

「心配ね・・・・」

 

「病院には行ったようだから、安静にしていれば、大丈夫だと思う」

 

「お礼をしたいって思ってたの。よくなったら、お食事にでも

お誘いしたい。もちろん、木菟君とマッキーも一緒に」

 

「それはいいね。でも、しばらくは安静にした方がいいかもね。

ズッキー兄もねえちゃんも」

 

「そうね・・・時期を待つわ」

 

「なにか食べたいのある?これから地下鉄乗るから

その前になんか買ってくよ?」

 

「まあ、ありがとう。シフォンケーキが食べたいって思ってたの。

もし、その辺にあったら、買ってきてもらっていい?」

 

「お!ちょうどアルシフォンの前だよ。紅茶とバナナとバニラビーンズ

買ってくよ」

 

「ありがとう!お茶用意しておくわ。夕ご飯は作ってあるから」

 

「おー、じゃ、速攻買い物して帰るよ」

 

なんとスーパー助っ人無邪気な英雄

鈴木煤無は高熱でダウン。そんな彼を心配する茉莉沙。

少しずつ距離が縮まりそうな予感。

 

煤無は男性恐怖症の茉莉沙が初めて心を開く男になるのだろうか。

 




まだ8歳なのにとても男気のある子がいます。
やることなすことワイルドで、断固として自分の信念を曲げないが、
思いやりがあって、譲り合うことを知っている男子の鏡みたいな子。
きっと大人になったら、誰よりも素敵なヒーローに
なるんだろうな~

と、温かい目で見守っている今日この頃です。
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