探すのをあきらめたときに
みつかるって・・・・・
あるある!!!
照橋琴美と海藤俊はシステム部で開発を行うチームメンバーだった。
同プロジェクトにかかわっていたため、クライアントに出向き
共に打ち合わせを行う業務に携わっていた。
「お客様の意向通りに進めるのもいいんだけど
それだとプログラムを構築する上でバグが発生しやすくなって
結果、ちゃんとしたものができなくなるんだよ。
なんでも、はいはいじゃだめなんだ。わかる?」
[まだなんにも言ってないじゃん。とりあえず顧客の要望と
プランをきいてから、こちらで企画して説明するって流れで
いいんじゃないの?]
「いいえ」
海藤のこめかみあたりの血管が一瞬浮き上がった。
「はあ?俺の言ってることわかんない?」
不満をあらわにしながら琴美が答える。
「なんでも、はいはいじゃだめって言ったから」
「あああああ、そういうへりくついらない。
とにかく、プログラムってのは、あとあと変更をかける上で
できることとそうでないことがあるんだから、
ここまではできますが、それ以上はできませんってことを
しっかり言わないといけないんだよ」
「へい、わかりました」
「・・・・・・はい、じゃなくて、『へい』ときたか。
照橋さんってつむじまがりだね?」
[なんか表現古いんだけど・・・]
「あまのじゃくともいうな」
[言い方変えただけじゃん]
「不満そうだなー。まあいいや。とにかく
徹夜覚悟でプログラミングに臨んでほしい。
俺はベーシックの部分をやるから、君はバグ修正を
やってほしい」
「わかりました。」
(そういえばこんなやりとりしてたっけ・・・・
当時はカチンときたりしたこともあったけど
今思うと、俊って、仕事に対して本当に真剣なんだよね。
また、相手を思いやっていないわけじゃなくて
期待しているからこそ苦言を呈するってタイプだから
誤解されることも多々あり。
期待もしていない人は、存在消すって言ってたもんな・・・
私も余裕がなかったから、ふんっ、って顔しちゃったけど
悪かったな・・・今なら無条件に笑顔で、はい!って言うんだけど)
「じゃ、今日はこれでおしまい。
あとは、ゆっくり寝て鋭気を養って。先は長いからね」
「はい、お疲れさまでした」
社用車を降りると、琴美は自分の車のある駐車場へと向かった。
琴美の姿を見送りながら、海藤は社用車の窓をあけて一服することにした。
右手の人差し指と中指で持ったタバコをくゆらしながら、左手に持った携帯の画面を右手の親指でスライドしながらメールチェックをした。
「あ~。同窓会か・・・しばらく顔だしてなかったな。
とりあえず行くって返事しとくか。酒も飲めるし、この日程ならプロジェクトが
終わる頃だから、たぶん大丈夫だよな。結婚してるやつらも多いだろうなー」
地元から動いていないにも拘わらず、同窓会にはほとんんど顔を出していなかった
海藤。久しぶりに旧友の顔を拝みたいという気持ちにかられ、出席の返信を送ってみた。
自家用車に戻った琴美は、帰路に就こうとしていた。
[あー、つかれた。ほんと、いちいち細かいよね。まあ、
まじめな人なんだろうけど・・・わかってるっつーの!って
言ってしまいそうになっちゃった。でも、瞳がきれいな人だな・・・
近眼なのかな?]
当時の琴美の思考を受け取りながら、憑依した琴美が考えをめぐらす。
(とりあえずこの日に戻ってみたけど・・・目的のものは
この日から何日目だったろう・・・・話し方の感じから、だいたい
今頃のはずだけど・・・・)
いったい琴美が探している「もの」とは?
探すのをあきらめると出てくるっていうのは
もう定番なので、
なくしたものがあったら、探さないことに決めました。
タイムトリップまでして、琴美が探したいものって
なんなんでしょう?