動かされているのでしょうか?
きっと会えますように。
会って話ができますように。
宇宙人の神様お願いします。
ミッション前に気持ちを集中させる琴美。
「『俺は歴史も嫌いだ。
あったことない人に興味もてん。』
って、言ってた俊。
次から次へとおもし論を展開してくれるヤツだ。
たしかにねーーーー。歴史上の人物って会ったことないし
これからも会うことないだろうから、興味もてないってのは
わかるけど・・・
私は会ったことがない人に
会えてしまったりするから
この能力を持ってしまった場合
歴史は必然なタームになってくる・・・
時間を行き来するのが
歴史ロードを歩むことだからね・・・
過去を気にしないで生きていけたらね
いいのかもね
でも、気にしないっていうより
そういうことがあったって
色あせて風化してしまえば
単なる記憶の残骸でしかないのではないかな
その「会ったことない人」達に
私はこれから会いに行かなくちゃいけない
本来犯してはならない法則を
あえて破ってこい、との指令を
遂行するため・・・
休息をとってエネルギー補給完了
あの時のあの場所へ・・・」
琴美は目的地へと気持ちを集中させる。
目をあけると、そこはかいわい町の駅付近だった。
ちょうど駅前で海藤の姿をみつける。
歩み寄って話しかける琴美。
「あ、海藤さん。どちらへ?」
(憑依したが当時の琴美には眠っていてもらう)
「お、照橋さん。誂えた服をとりに」
「へえ、無頓着にみえるけど、海藤さん、服、誂えたりするんだ?
ちなみにどこですか?」
「ナカJだよ。ほら、すぐその角にある」
うまくいった。これで目的の人物と合流できそうだ。
「あ、私も行きたい。ちょうどフォーマル一つ
必要だったから。ついってってもいいですよね?」
「あ、ああ・・・・(なんかスーツみられんの恥ずかしいな・・・
試着とかすんだろ?あれ・・・)いいけど・・・」
一瞬躊躇した海藤だったが、琴美と一緒にナカJに行くことになった。
店に着くと、中から外の二人に気が付く茉莉沙。
(あれ?俊君だ・・・一緒にいる女性は彼女かな?)
海藤と琴美は一緒に中に入る。
「うーっす、茉莉沙っち。スーツ取りにきた」
笑顔で茉莉沙が応対する。
「いらっしゃい!俊君。お連れは彼女さん?」
「え?ちがうちがうちがう!単なる同僚」
海藤と琴美は同時に手を左右に振る。
茉莉沙は二人の様子をほほえましく眺めながら
(どうやら本当に同僚さんみたいね。
・・・・え?・・・・私に話しかけてるの?)
茉莉沙の目が一瞬大きく見開いた。
琴美が茉莉沙に思考で話しかける。
(あなたがテレパスの茉莉沙さん?私には
あなたの声が聞こえないけど、私はタイムトラベラーなの)
茉莉沙が驚愕し、両手をぐっと握りしめる。
(・・・・!!!!どういうこと!!!!!!)
琴美は茉莉沙を見ながら心で話しかける。
(あなたと二人で話したい。なんとか、こいつを
追い出してもらえない?)
事情はわからないが、目の前にいる女性と話す必要があると
即断した茉莉沙は、めくばせで合図した。
(わかったわ・・・・やってみる)
「そういえば、この間モデルの●●が来たの。」
「え!そうなの?私、彼女のプライベートの服、結構好きなの」
「そうなの!同じのあるよ。よかったら、合わせてみない?」
「ええ!ぜひ!」
「あー、なんだか女子で盛り上がってるなー。
おれ、外で一服してくるわ」
「俊君。どうぞどうぞ~。ガールズトークに花が咲ているから
ゆっくりしてきていいからね。」
「けっ、邪魔もの扱いだな。ったーよ。なんか食いてーのある?
スィーツ買ってきてやるよ。俺の分も買うからさ、あとで
お茶いれてくれる?」
「あら、俊くん、気が利くのね!じゃあ、シフォンケーキお願い。
紅茶用意しておくわ」
海藤にわからないように、琴美にウィンクする茉莉沙。
女子同士話が盛り上がるふりをして、うまく海藤を追い出し
すかさずSNSでのIDを交換する、琴美と茉莉沙。
海藤が外に出ると、茉莉沙は琴美を中に案内し、
お茶を入れながら話をはじめる。
「突然ごめんなさいね。何分時間がないもので、
焦ってしまったけど、あなたが理解の早い人でよかった」
ソファに腰かけながら、琴美が口を開く。
「はじめは驚いて、動揺してしまったけど
俊君の同僚さんだし、なんとなく事情があるようだと思って」
「助かったわ。俊も単純で。すぐにひっかかってくれたもんね。」
「下の名前で呼ぶなんて、仲が良いのね?」
「ああ、ごめんなさい。今はまだ、苗字にさん付けで
呼んでるわ。私は未来からきたの。
実はある指令があって、過去に戻ってあなた方と合流するよう
言われたのよ。弟さん?もテレパスよね?」
「そうよ。弟も同じ能力があるわ。まだ調節機能が不十分で
時折つらい思いをしているようだけど」
「そうなのね。あなたは熟達しているのね。心強いわ。
ところで、あなたの近くにサイコキネシスがいるらしいんだけど
存在は自分で確認するようにって言われてきたの」
「え?知らないのね。知っているのかと思った・・・」
茉莉沙は、琴美が海藤と連れ立って来たため、海藤の能力を知っているのかと
想定して話をしていた。
「どういうこと?」
琴美が一瞬動揺する。
「俊君よ。」
「え?」
琴美は驚いて飲もうとしていた紅茶をこぼしてしまった。
「大丈夫・・・・?やけどしていない?」
茉莉沙はすぐにこぼした紅茶をティッシュで拭き取った。
「あ、平気よ。ありがとう。で、どういうことなの?俊って?」
茉莉沙は琴美の手についた紅茶をぬぐいながら答えた。
「俊君ね、私と幼稚園が一緒だったの。高校も一緒だったから
一瞬同時にいたんだけど、その後、私たちが引っ越してしまったから
消息はわからなかったけれど、先日同窓会で再会して、軽く会話をして。
うちのお店を紹介したら、スーツが必要だから行くよって。そんな流れ。
でね、幼稚園のときは同じクラスだったから、一緒に遊んだ・・というより
砂場にいるときに彼の不思議な行動を私が眺めていたの」
「不思議な行動?」
「ええ、砂場で遊んでいたときに、目の前のおもちゃが
勝手に動きだすのよ。彼が頭の中で命令すると、目の前のおもちゃが動き出す。
いつもそうだったから、俊君ってそういう力があるんだなって
こどものときは漠然と思っていて。
大人になってから思い起こしてみると、彼はサイコキネシスだったんだって
わかったのよ。でも、もうその頃は連絡が取れなくなっていた」
琴美は瞬きすることすら忘れて、茉莉沙の話に聞き入っていた。
「ぜんぜん知らなかったわ・・・・・でも、確かに
彼はとっても変なヤツだから。言われてみれはそうかも・・・
一緒に車に乗っていても、あれ?信号ちょっと長いよね・・・とか
お客さんのところに遅れそうになると、決まって信号が早く変わったり
ちょっとフェイントかけたいってときは、信号が長かったり。
単に、感覚の問題かとは思っていたけど・・・・
それに、サイコキネシスの名前だけは明かされず、自分で探せって
なぜかしら」
琴美は紅茶をすすりながら首を傾げた。
「おそらく、遂行に支障があると思ったのではないかしら?
なんとなく思ったんだけど、琴美さん、俊君のこと好きでしょ?」
「・・・・・」
図星をつかれて、言葉が出ない琴美。
「でも、大丈夫よ。メンバーがそろえば冷静に対処できるわ。
私もフォローできるし。きっとみんなで力を合わせれば
あなたが受けたミッションは遂行できると思うわ。
ところで、どんなミッションなの?」
「封印しなくちゃいけないテロキクスがいるの。
おそらくクレオバヤンスと思われるわ。あなたの周辺にいるらしいけど。
名前は牧田」
「牧田・・・・・あ!高校にいたわ。いけすかないやつ。
たしか、弟の真己人の同級生が妹のはず。真己人も苦手みたいよ。
その娘」
「きっとその人達ね。妹の方は能力はないと思うわ。兄の方だけだと思う」
「そうなのね。わかったわ。家に戻ったら、弟に話してみるわね。
さりげなく妹の方も探ってみるわ。」
「ありがとう。助かるわ。私もあなり長くここにいられないから・・・
そして、この時代の照橋琴美には眠ってもらってるの。
今、ここで話して思考しているのは、未来の照橋琴美。
本来ならあなたたちと出会う予定ではなかったの」
「そうなのね・・・・未来に戻ってしまったら、この時代の照橋さんは
私たちのことは忘れてしまうのね」
「ええ。残念だけど、琴美は知らないままで
あと、かかわった人達の記憶は消去させてもらう。
もちろん、かかわった部分だけね
私が未来に戻る直前に、デリートコマンドを送らねばならない」
「そう・・・・せっかく知り合えたのに、なんだか寂しいけど
でも、とにかくミッションを成功させなくちゃね」
「ええ。よろしくね」
二人はしっかりと手を握りながら、心を一つにした。
「ところで、俊君にはいつ話すの?」
「とりあえず、牧田に関する情報が入ってから
必要な時に呼ぶわ。ぎりぎりまで黙ってましょう。
ただ・・・私がトラベラーだってことは、言わないでね。
最後までかくしておきたいの。あなた方、姉弟と俊達には協力して
動いてもらって、私は陰であなたをサポートするわ」
「わかったわ。あなたの気持ちは大切にするわ。
とにかく最初にミッションを成功させなくちゃね」
「ええ」
ガランガラン。お店のドアが開く音がした。
「うぉーっす、レディースアンドレディース。
スィーツ買ってきたぞ」
ちょうどよいタイミングで、海藤が戻ってきた。
さて、ミッションは成功するのでしょうか?
いよいよ耐え切れずに暖房を強化しました。
普段はなくても平気ですが、夜などちょっと寒いときは
要暖房ですね。
でも、11月に入ってからより10月の方が寒かったような・・・・
皆様もくれぐれもお体大切になさってください!