彼女はエスパー   作:coltysolty

27 / 63
海藤君、琴美さん、煤無君、そして茉莉沙さん
彼らが集う日が見えてきたようです。


各々方

「なんで連絡よこさねーんだよ!」

海藤が烈火のごとくまくしたてながら、電話口で怒鳴っている。

 

「・・・・・・(前に連絡したら、俺によこされても困るって言ったのは、

私の記憶が正しければあなた様だったではないでしょうか・・・・)」

 

「とにかく、すぐ来て!」

 

「・・・・・・?」

 

「あ、いや・・・・そっち行く」

 

「・・・わかりました・・・・」

 

(まったくもって、めちゃくちゃだなぁ・・・

でも、彼なりに理由があるから、ブチ切れるんだよね・・・

理由より先に感情がつっぱしっちゃうからこうなる。

損な性格だわ・・・てか、気を遣いすぎってか我慢しすぎなのよね。

やれやれ・・・・)

 

息せき切って、街道が琴美の作業場に入ってくる。

 

「データのバックアップ・・・・」

 

肩で息をしながら、海道が焦って琴美に詰め寄ろうとした

その時

 

配線につまづいて、琴美の方に倒れこむ海藤

 

「あ・・・・!」

 

突然のことに、目を丸くする琴美

 

「海藤さん!大丈夫?」

 

海藤の腰を押さえながら、琴美が海藤をいたわる

 

「ん・・あ・・・・だいじょ・・・痛っ・・・!」

 

「海藤さん!!出血してるわ!ちょっとまって」

 

倒れこみそうになったとき、机に置いてあった

セロテープカッターで手を切ってしまったようだ。

 

琴美は素早く救急箱を持ってきて、海道の手のひらを

消毒した。

 

「俊さん・・・深く切れちゃってるよ・・・

とりあえず応急処置しとくから、すぐにお医者さん行ってね。

ばい菌入ったりして化膿するといけないから。

血が止まるまで、ぐっと抑えていてね。」

 

琴美の手早さに驚きながらも、海道は瞬時の

対応に感謝した。

 

「わ・・・・悪いな・・・・」

 

「ぜんぜん悪くないよ。データはとにかく大丈夫だから

心配しないで。海藤さんの指示通り、バックアップとっておいてるから

この部屋で停電になっても、データは無事よ。」

 

「ずいぶん進歩したな・・・」

 

「ふふっ・・・俊さんの愛弟子だもの。できるに決まってるでしょ。」

 

「もいっかい言って?」

 

「え?」

 

「名前で呼んでくれたでしょ。もいっかい、呼んで」

 

「俊さん」

 

「おれさ、上の名前が非凡だから、下の名前で呼ばれることって

あんまりないんだよ。でも、下の名前で呼ばれる方がなんつーか

親しみ感じるってか、ほっとするんだよな・・・」

 

「シュンさん。傷口ひどくならないうちに

さっさと病院行きなさい」

 

「は・・・・はいっ!」

 

いつもは拗ねたりいばったりのさすがの海藤も、

不意の負傷時には少々気弱になったらしく、素直に琴美の提案に従った。

 

(こういう素直なところは、とってもかわいいよね)

 

一方、茉莉沙達は、休憩室のテーブルを囲み和気あいあいと

雑談をしていた。

煤無が立ち寄ってくれたことが、茉莉沙は心から嬉しかった。

ここ最近、不思議な現象が起きて、煤無と思われる念が

飛んで来ていたため、気になっていたからだ。

 

「おねえさん・・・茉莉沙さんって呼んでいいかな?」

 

「ええ、もちろんよ。煤無さん」

 

「なんか、照れるな・・・あはは。てか

茉莉沙さんってサッカー好きなんだね?」

 

「ええ。大好きよ。特に国際大会。

この間もホンジュラス戦をみたわ。前から3番目の

特等席だったの。ちょうどうちの系列がスポンサーだったので

よい席をいただけたの。」

 

「へえ!すごいね。あれ、接戦だったよね」

 

「そうなの。ひとりで行ったんだけど、盛り上がっちゃって

隣に座ってた小学生とハイタッチしちゃった」

 

「茉莉沙さん、子供が好きなんだね?」

 

「ええ。子供、大好きよ。煤無さんは?」

 

「俺もね、今は大人のコーチしてるけど

子供のチームを教えに行ったこともあるんだ。

子供の真剣な顔って、ほんとうにかわいいんだよね。

できるまでずっとリフティング練習する子とかさ

すごいなーって」

 

「ほんとそうね。こどもの集中力って

スゴイわよね。子供に教わることも多いわ」

 

「あれ、なんだか茉莉沙さんと話が盛り上がるなんて

嬉しいな~。Jならまだわかるけど、国際大会熱狂する

女子ってめずらしいから、俺もなんかうれしくなっちゃうな」

 

「あら、そうなの?そういえば、スタジアムの

女子トイレはガラガラだったわ・・・圧倒的に

男子が多いわよね。外国なんか、9割男子よね。

リアルナドリッドの試合なんかそうらしいわ」

 

「ヨーロッパ行きてぇ~。本場の試合、見てみたいな」

 

「煤無さん行ったことないの?」

 

「うん。ちょうど故障しちゃって。機会逃しちゃった」

 

「そうなのね・・・私も海外はほとんどないの。

留学生のお友達の結婚式で、韓国に行ったぐらいかしら」

 

「今度、みんなで行かない?うちら弟も誘って」

 

「わあ!賛成!他のお友達も誘っていい?」

 

「お、いいよ。じゃ、その前に懇親会でも

開きますか?」

 

今まで持ったことがない感情が湧いてくるのが明らかな茉莉沙だった。

 

(木菟君お兄さんって、本当にピュアな人だわ・・・

でも、どこか心に陰りもあるのね。

彼の秘密ってなんなのかしら・・・詮索しては

いけないけど、気になるわ。

 

それより、懇親会はよい提案ね。これで琴美さんや

俊君も誘えるわね。)

 

「ちょうどバーベキューやろうかって言ってたの。

マッキーと。よかったら、煤無さん、ズッキーといらして」

 

「おーーーーBBQね、いいね!じゃ、日にち決まったら

連絡して?弟経由でもいいし」

 

「ええ。そうするわ。今日はどうもありがとう。

シフォンケーキ、おいしくいただいたわ」

 

楽しいひと時を過ごした、茉莉沙と煤無だった。

ミッション計画への日はそう遠くなさそうだ。




シフォンケーキシフォンケーキって書いてたら
無性にシフォンケーキが食べたくなりました・・・

昔、地下鉄沿いにおいしいシフォンケーキ屋さんが
あったんですが、今はどうかな・・・

クリスマスは特になにもしない方向ですが、シフォンケーキでも
買っちゃおうかな・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。