あと数分で着陸態勢にはいる時間帯に突入した。
煤無は小さい手荷物からごそごそ何かを取り出した。
「あ・・・これ・・・・」
煤無が茉莉沙に小さい箱を手渡した。
「え?なにかしら?」
煤無は直前まで違うことを考えていたため
思考は茉莉沙に読まれていない。
茉莉沙は、きれいな包み紙に覆われた箱を見て
少々戸惑いながら煤無に問うた。
「あ・・・開けてみて」
煤無も照れながら、答えた。
茉莉沙は丁寧に包みを開き
箱をあけた。中にはかわいらしいバイオレットの
ピアスが入っていた。
「まあ、素敵!」
茉莉沙は頬を赤らめて喜びながら
「でも・・・どうしたの?」
と、突然の贈り物に喜びながらも予想外のサプライズに
戸惑いを隠せなかった。
「あ・・・・バレンタイン。とさ、日本て
女子が男子にあげるじゃない?本命だったり義理だったり。
でも、それって外国は違うらしくてさ。
試合で出会ったり、外部講師や選手でくる外国人にきいたんだけど
あっちは反対だって言うんだ。
日本のバレンタインみて驚いていたから
こんなかんじーって教えたら、欧米中南米もバレンタインの日は
あるけど、こんな感じだよ!って教えてもらったんだ。
あっちは、男が女にプレゼントするらしく、旦那さんとか
恋人が、普段の感謝を込めて贈り物をあげるんだって」
冷や汗をかきながら煤無が説明する。
「まあ!そうだったのね・・・ぜんぜん気が付かなくてごめんなさい。
今回このミッションのことで頭がいっぱいで、バレンタインのチョコを
あなたに・・・っていうのはすっかり忘れていたわ・・
それなのに、あなたの方からくださるなんて・・・・」
感激で胸がいっぱいになる茉莉沙。
「いや・・・でさ、でもプレゼントあげよう!って決めたのはいいけど
女子にあげるって、なにあげたらいいの?って
しかも洋服屋さんなんだから、自分でなんでも持ってるしなーって。
すっげー悩んじゃって。そしたら、今いるメキシコ人アシストコーチが
彼女の普段の姿を思い出してごらん?って。
そんで、こんなかんじーって言ったら、じゃあそれと似たものがいいよって。
ピアスしてるの?って聞かれて、あ!赤紫系のなんかぶら下がってるのみたことある!
って言ったら、じゃあ、それと似たようなものを
あげたらいいよって言われて。
で、店とかわかんないから、コーチの奥さんが知ってる店の場所を
メールで送ってもらって、それでお店の人に相談しながら
選んでもらったんだ・・・」
必死に説明する煤無の様子と気持ちを受け取りながら
茉莉沙は感涙にむせび涙が溢れて止まらなくなった。
「こ・・・こんな人、いない・・・・よかった・・・
本当にあなたに会えてよかった・・・・」
「現地についたら、バタバタして渡せなくなっちゃうと
思ったから、今、渡した」
その言葉を聞くやいなや、茉莉沙は思わず煤無に抱き着いた。
その様子を、二人の弟たちはニヤニヤしながら座席の合間からながめていた。
「な!俺が教えたんだよーーーー
というか、外国のバレンタイン事情は兄貴も知ってるけど
フライト中にあげたら?って勧めたんだ。」
木菟が鼻の穴を大きく膨らませながら得意満面
真己人に説明し始めた。
「ズッキーさすがだなあ~
これで、彼女いないっての、不思議すぎる・・・・
まるで、カリスマ高校生じゃないか!
そこまで女子ごごろわかる男子って
いないよ!
俺が女子だったら、速攻彼女立候補しちゃう!」
「いやいや。そういうことは気が付いても
びみょーーーーーな女心はわかんねえよ。」
そろそろ着陸態勢に入るため、機内アナウンスが流れはじめた。
現地では、すでに海藤と琴美が4人を待っていた。
ヒロアカみて、ピースサインいいなって思って、
米津さんのアルバム手に入れてみたんですけど
いろいろすごいこと発見。
自分でイラストも描いて、PVも作って
曲作ってアレンジも自分、、歌&演奏ももちろん全部全部自分・・・すごくない?一人オーケストラ状態だよ?
作曲も譜割りも演者も指揮者も全部自分てのと同じよ?
10年に一度って言われてるけど
いやいや50年とか100年単位じゃないの?
って、思ってしまった・・・
人から羨まれる程の溢れる才能持ってるのに
ハンデがあったりとか、実はいろいろすんごく悩んでたりして、塞いでた時期もあって・・・
人間は考える葦っていうけど
人にないすごいものを持っている人程
悩みも深いのか・・・・
なんて思ってしまった
極寒の今日この頃。
どうやったらこの寒さを回避できるだろー
なんてことで、真剣に頭をひねっている
おめでたい私とは
世界が違う人様ですね・・・
どうか完全週休二日制になりますよーに
っていうのが
目下、私の最大の願いです・・・