「なあ、マッキー」
「なに?木菟君。」
「実は、俺のにーちゃんがさ、腰痛めちゃって。
俺、料理得意だから、にーちゃんの体に良い食事作ってあげようかと
思ってんだけどさ。おすすめの本、教えてくれないか?」
「え?あの面白いお兄さん?一体どうしたの?」
「椎間板がどーとか言ってた。手術はしなくていいみたいだけど」
「そっかー。あまり刺激物はよくないから、筋肉が強くなるような
食事がいいかも。この本どうかな?」
「お、いいね。ちょっとやってみるわ。俺、スポーツで将来飯くうより
飯を作る人になってもいいかなって思ってんだ」
「おお!それはいいね!スポーツに進む段取りで、調理師の免許も
取っておけばいいんだよ!つぶしがきくから。木菟君は才能が
豊だなあ」
「そんなことねーよ。食うのが好きだからさ、自分で好きなもの作って
食べたいってのが最初の動機で、あとはにーちゃんが酒のつまみに
なんか作ってくれっていうから、甘辛味チキン揚げ作ってやったら、
めっちゃ喜ばれてさ。それから、はまっちゃったんだよな」
「うわあ!それ、おいしそうだね。お酒のおつまみにもいいかもしれないけど
ごはんもすすみそうだね」
「ああ、俺の作る料理、自慢じゃないけど、なかなかいいらしいぜ」
「木菟君、今度ごちそうしてくれよ!お礼はするから!」
「あ、礼なんていらねえぜ。お前にはいつも世話になってるしな。
にーちゃんもお前のこと気に入ってたぜ。利発な子だなあ、って」
「え・・・そんな・・・でも、僕も木菟君のおにいさん
好きだよ!」
「あらあ~。相思相愛なわけえ~?ぼく、焼いちゃうわ」
「ふふっ・・・木菟君兄弟も仲良しだよね。あ、そうだ。
お兄さん、タバコ吸うよね?椎間板などを痛めているときは
タバコはよくないからね・・・ひそかに処分しちゃって」
「あ~。確かに。タバコよくないよね。でも、兄貴からタバコ奪ったら
発狂しそうだな。よくなくてもタバコ吸わなかったらストレスで
おかしくなるぅ~かなんか言って」
「ん・・・そうかもしれないけど、でも・・・ほんとよくないんだよ。
僕のねえちゃんも前にケガしたとき、ストイックにしてたら
なおったらしくて。辛いものがすきだったんだけど、それをセーブして
大好きだったコーヒーも止めて、鶏肉ばっか食べてたらしいよ。タバコはもともと吸わないけど」
「なんか、アスリートみてえだな。」
「ははっ、ほんとだね。ねーちゃんタフだからさ」
「いいことだな(まっきーのねーちゃんって、たしか洋服屋さんだっけ?)」
「お店の店員さんしてるけど、ねーちゃんだけ無欠勤らしいよ。
前に表彰されてたよ」
「店員さんってなにやってんだっけ?」
「ああ、ブティックで働いてるよ。」
「へえ!俺、行ったことねえけど・・・高いんだろ?」
「ん・・・・誂えものが主だけど、リーズナブルな
カジュアル系も置いてるらしいよ。たまに処分品とかねーちゃんが
社員価格で買ってきたの、僕がもらったりしてる」
「あああああ、この間来てたTシャツとか?」
「そう。あれそうだよ」
「なんだ、センスいいじゃねえか。今度、のぞいてみよっかな」
「あ、じゃ、僕と一緒にいこうよ。お兄さんのお見舞いになにかプレゼンとするよ」
「うれしいこと言ってくれるねえ。じゃあ、俺はその店の常連になっちゃおうかな。似つかわしくなかったら、さいせーん!って、速攻退去するけど・・・」
「似つかわしくないなんてことないよ!常連になってくれたら
ねーちゃん、めっちゃ喜ぶよ!」
思わぬところで意外なつながりがあったりする。
真己人と木菟の縁も別ルートでつながっているということは
この時はまだ気づかないない二人だった。
男の友情って固い絆で結ばれているらしいですよ。