見た目は槙島。頭脳は小市民。その名は神様転生   作:あたまや

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昨日更新するはずなのに寝ちゃった(てへぺろ)

木場くんやばいなぁ・・・

4.28名前をイザイヤに変更しました



第4話

「省吾クン。今日は(たら)の煮付けなんてどうですか?」

 

「煮付け大好きです。……まあ朱乃さんが作ってくれる料理なら何でも大好きですけどね」

 

「もう!省吾クンたらっ!」

 

 

そんな甘い会話をひと通りこなすと、此方に一言断ってから部屋を出ました。

 

 

ーー牧島くんは、どうやら気づいていないみたいですね。

彼の身の内に巣食う“ナニカ”が、日に日に大きくなっているのを。

ソレの力を無意識の内に吸い取って、吐き出していた姫島さんも、先ほど気づいたようです。

その“力”が大きくなり過ぎて、手に負えなくなる前に対策を講じないと……。

 

 

二人が部屋から退室すると、部屋は静寂に包まれーーませんでした。

 

 

瞬間、眼前の床に眷属専用転移陣。

そこから一人の長身痩躯(ちょうしんそうく)な男性が、姿を現しました。

 

 

その男性は黒衣を纏い、両目を隠す幾何学的(きかがくてき)な模様の入った黒い眼帯をつけているにも関わらず、しっかりと私の目を捉えてから、片膝をついて頭を下げる。

先ほど魔力を使って転移をして来たので、身体から発せられる魔力が、何処までも鋭く、どくんどくんと脈動(みゃくどう)している。

美しい“金髪”が、さらりと揺れた。

 

 

「お嬢様。指定された場所への転移陣の配置、完了いたしました」

 

 

無表情に近い固く閉じられた口元から、必要最低限の情報だけを伝えられた。。

 

 

「おかえりなさい、イザイヤ。ご苦労様でした。無事で何よりです。貴方のおかげで処分対象を発見次第、即座にその場所の近くに転移できます」

 

 

彼に礼を言うと「もったいなきお言葉。感謝します」と返事が返ってきた。

 

 

イザイヤはスッと立ち上がると白音に「こちらが設置した場所が記された地図と転移陣起動札です」と、必要最低限の情報伝達を行っている。

 

 

今だ彼と私達の間に、大きな隔壁(かくへき)があるのは出会ってから今日まで変わりません。

 

 

 

ーーイザイヤと初めて会った時の事は、今でも鮮明に覚えています。

 

 

 

それは私がまだ幼い頃。

人間界のとある森に用があり、赴いた時でした。

 

 

深い森の中、血の海に身を沈めている数百の教会関係者。

 

 

皆一同(みないちどう)に指一つ動かさないーー既に絶命(ぜつめい)していた。

これだけでも異常な光景なのですが、更に目を疑いたくなる光景が、そこにはありました。

 

 

血の海の真ん中。

一人の少年がいました。

体の至る所に痛々しい切り傷や打撲痕(だぼくこん)、両の(まなこ)から血を流し、膝をついて天を仰ぎ見ていました。

 

 

ーー無傷の所が無いほどに痛めつけられた彼は、今だ体表のほとんどから流れ出る血を意に返さず、潰れた目で、しかし、まるで目があるかのようにしっかりと私を見て、問うた。

 

 

「お前も敵か」と。

 

 

そこで彼は最後の力を使い切り、繫ぎ止めていた意識を手放した。

私は、倒れている教会関係者には意もくれずに、慌てて彼を抱き起こす。

 

 

ーー体重的に言えば驚くほどに軽い彼の重みは、幼い私の腕では、まるで鉛の様な重さに感じられた。

 

 

それが、“命の重さ”だと気づくまで、少なくない時間が必要でした。

 

 

半ば、目の前の現実に茫然自失(ぼうぜんじしつ)になりながらも、なんとか傷だらけの彼を背負い家まで連れて行き、そのままグレモリー家専属の医療スタッフに彼を任せました。

その時はお父様とお母様の()()しのおかげで、トントン拍子で彼の保護ができて、安堵と嬉しさがこみ上げてきました。

 

 

これで彼を救えた、と。

 

 

ですが、喜んでいられたのはそこまででした。

 

 

最善を尽くしてくれた医療スタッフから告げられたのは無慈悲な宣告。

「体中の傷は傷跡は残るものの、命に別状がない位には何とかなりました。ですが、私共の力が及ばずに、潰れた目だけは、どうする事も出来ませんでした」と。

 

 

目の前が真っ暗になりました。

 

 

私が慌てず、もう少し早く、正確な対応が出来ていれば、彼が盲目にならずに済んだのでは?と自問自答(じもんじとう)がグルグルと頭の中を這いずり回る。

 

 

来る日も来る日も、底知れぬ罪悪感と自身への不甲斐なさからくる嫌悪感に、眠れぬ夜を過ごしました。

 

 

ーー私の未熟な精神が押し潰されそうになった時。

ちょうど彼が運び込まれてから一週間がたった時です。

医療スタッフのリーダーから「彼が目を覚ましました」と告げられました。

 

 

その瞬間とてつもない恐怖が私を襲いました。

私を恨んでいるのではないか、憎んでいるのではないか、と。

 

 

恐る恐る、病室を尋ねると、ベットに座る彼は見えない筈の目で、窓から外を眺めていました。

ーーそれを見た私は、溢れ出そうになった涙をこらえ、彼に謝罪をしました。

 

 

「助けるのが遅くなって、本当にごめんなさいっ‼︎‼︎ 貴方の光を奪ってごめんなさいっ‼︎‼︎」

 

 

沈黙が、続く。

1秒、2秒、3秒と。

たった少しの静寂が、これほど恐ろしく感じたのは生涯において、この時だけです。

 

 

ーー不意に、彼が口を開いた。

 

 

「………助けてくれて、ありがとうございました。貴女があそこでボクを助けてくれなかったら、死んでいました。だから貴女には一生を賭けても返しきれない大きな恩が出来ました」

 

「でもっ‼︎」

 

「もう、良いんです。それより、もし良かったら、ボクを使ってくれませんか?」

 

「え?」

 

 

にわかには信じ難い言葉に、動揺を隠せませんでした。

 

 

「ボクはただの剣です。剣として生まれ。剣として育てられ。剣として死ぬ運命にありました。使われるべき主を見つけられない剣など、ただの鉄の棒と変わりないのです。だから貴女の剣として側に置いてください。お願いします」

 

 

彼はどこまで無表情を貫いた。

その無表情の目の端からこぼれ落ちた、ひと雫の涙は、きっと彼に残った最後の感情なのだと私は理解しました。

 

 

 

「命令して下さい。貴女の歩む道を邪魔する“モノ”を一切の慈悲なく切り捨てる事を。……我が儘ばかりだと自分でも思います。でも、ボクには剣を振るう事しか出来ないのです。恩の返し方すら知らず、仲間達の弔いの仕方も分からず、この身のうちに巣食う激情もコントロール出来ません」

 

 

「だから貴女の側に置いてください。それがボクにできる唯一の事なのです。お願いします」

 

 

ベットの上で深々と頭を下げる彼。

私は、乱暴に目元を拭い、自身が今すべき事を考え実行した。

 

 

「貴方の名前は?」

 

 

「イザイヤ・・・です」

 

 

「イザイヤ。私にはただ命を奪うだけの剣は必要ありません。ーー誰かを守る為に力が必要です。そして、その為には誰よりも強い剣が必要です。なれますか、その強い剣に」

 

 

「貴女がそれを望むのなら」

 

 

「貴方に騎士の駒を渡そうと思います。ーーですが、この駒を使ったが最後、人間をやめ、悪魔になる事になります。それでもよろしければ、この駒を受け取ってください」

 

 

見えていないはずなのに。

こちらに顔を向けた彼と目があった気がした。

 

 

 

「誓います。この剣が朽ち果てようとも」

 

 

 

ーーその誓いから今日に至るまで、不甲斐ない私の剣として、彼は仕えてくれています。

 

 

 

そんな昔の事を思い出していたら、白音が町の地図を開いて、私を呼ぶ。

彼女の細い指の先は、とある場所を指していました。

 

「部長。反応有り、です。対象1、2が結界から出ました。対象1の現在の位置は公園です。近場に転移陣が無いので、次点で近い転移陣を起動してあります。対象2は転移陣のすぐ近くの廃協会付近にいます。こちらも転移陣の起動は済んでいます」

 

 

「分かったわ。イザイヤは対象2を。大人しく投降(とうこう)した場合は身柄(みがら)を確保のち、堕天使陣営に送還。抵抗するようであれば、排除して構わないです。私は対象1を。白音は万が一を考えて、引き続き町内の監視を続行してください。今対象が同時に動いたとなれば、陽動の可能性も否定出来ないので」

 

「分かりました。お二人共、お気をつけてください」

 

「自身の命が最優先ですから危なくなったら絶対に無理はしないでください。白音も、私達のサポートをお願いします」

 

「了解しました」

 

「では、行動を開始します」

 

 

白音が起動済みの魔法陣を展開させると、景色がぶれた。

 




なんかオカ研の面子がどんどん廃スペック集団に・・・。


作者の中では白音ちゃんはナビゲーターのイメージ。

さて、次の話でとうとう原作主人公が登場するのですが、どう料理してやろうか

1クズゥな転生者、基本的に牧島くんからのザマァな展開が多くなる。噛ませイエイ。

2超☆アニキ、筋肉モリモリマッチョマンの赤龍帝。

3爆死、もしかしたら一行で終了。仕方ないね。だって作者。あのクソみたいな変態嫌いなんだもの。
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