見た目は槙島。頭脳は小市民。その名は神様転生   作:あたまや

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なかなかどうして書くのが下手くそだなぁと実感します。




第5話

いつもと変わらない夕暮れ時。

変わり無い1日の大半を学校で過ごし、いざ帰路に着いたと思ったら不審者に襲われた。

 

 

胸に向かって突き出された白く鋭利な穂先から、その獲物を槍と断定した。

ただ、槍と言っても光の集合体が槍の形状になっているファンタジーチックなソレ。

ソレを最小限の動きで回避しつつ、この状況を打破すべく最大限に思考して行動を開始する。

 

 

このまま、こんな閑静(かんせい)な住宅街で、しかも未だ帰宅する人がいるであろう時間帯である事から、周りの被害がもっとも抑えられるであろう公園への逃亡を謀る。

 

 

(はし)る。(はし)る。(はし)る。

 

 

不自然な程、静まり返った公園で始まった、命を賭けた鬼ごっこ。

あいにく、体力には人並み以上に自信があった。

 

ーー背後から、二対の黒い翼を背に携えた中年の男がなりふり構わず、こちらに向けて157本目の白く光る槍を投げてきた。

最初、自身を追う中年の背中からはえたカラスのような翼を見た時、目を疑った、が、どうやら本物らしい。

 

 

あいにく、アレはそこまで速くない。

目で追える。しかし、あの槍には触れてはいけない物だと“伝えられた”。

 

 

ーー故に。

 

 

()ける。(かわ)す。回避(かいひ)する。

紙一重、目と鼻の先、薄皮一枚。

当たるか当たらないかの回避。

研ぎ澄まされた神経と感覚が、槍の軌跡(きせき)を捉える。

だからこそ、避けられる。

 

 

「何故だ‼︎ 何故当たらん‼︎ 人間如きがっ‼︎ このドーナーシーク様をコケにしよって‼︎」

 

 

先ほどまで、手を休めずこちらに攻撃を仕掛けてきていたが、一旦止んだ。

その間に消耗した体力の回復と、乱れかけた呼吸を整える。

 

だだっ広い公園だからこそ過分(かぶん)に動いても、動きを阻害(そがい)するモノが無いから助かった。

 

ドーナーシークとやらも顔を真っ赤にして、いい感じに怒り狂っている。

程度が知れるな。

 

 

「人間如き、か。その如きに手をこまねいているお前は人間以下だな」

 

 

「クッ、クッ、クソがぁぁぁあああ‼︎ シネエェェェエエエ!!!!!!」

 

 

投擲はせず、二対の翼から生み出される速さを活かしたインファイト。

人間には出せない最高速度。普通の人間には、まず避けられない。

だがしかし、あのドーナーシークとやらは気づいていないのだろうか。

 

 

 

ーー自身の投げた槍より、その速度が格段に遅いという事を。

 

 

 

「シネ‼︎‼︎」

 

 

 

突き出された槍。

隠しきれない怒りと人間相手という侮りからひどく単調な攻撃になっている。

槍の先から推測した最終到達点は、額のど真ん中。

これも紙一重で躱す。耳に微かに擦れて、痛みが走ったが些細な事だ。

 

 

「ドーナーシークと言ったかな」

 

 

ヤツの懐に潜る。

槍を突き出した事により、利き腕は伸ばしきり、空いている腕も開ききっている。

 

 

「お前は人間を舐めすぎた」

 

 

槍を突き出して伸ばしきった腕の手首を左手で即座に掴み、更に伸ばし、腕が最大限までまっすぐになった所で、(ひじ)を下から上に力を込めて押し上げる。

ボキリと骨が折れる音が手から伝わる。

 

 

驚きに染まったドーナーシークをそのままに、両手で後頭部を掴み(あご)に向けて膝蹴り。

ムエタイで言うところのティー・カウ。

口から、大量の血と白い欠片がこぼれ落ちた。

 

 

「ッ⁇⁇⁇!!!!!!」

 

 

痛みと驚きに顔をこれでもかと歪ませ、流れる血を無事な方の手でおさえる。

それにしても“硬い”な。

人間なら先の膝蹴(ひざげ)りで、(くび)(あご)がイカれてても良いのだが……。

 

 

「痛いか? これが人類が闘争の中で生み出した技だ。悔しいか? なら殺してみろ。でなければオレがお前を殺してやる」

 

 

ファイティングポーズなどとらない。

構えから、相手に情報を与える。

故に、身体はだらりと無気力を装い、腕も自然体のままぶら下げる。

はたから見たら、ただリラックスして突っ立っているだけ。

 

 

オレは、この“構え”が最強だと知っている。

 

 

一匹の手負いの獣は、ただただ吠えた。

策もなく、満身創痍で、愚直極まりなく突貫する。

左手には、白い槍。

先ほどまで無かったダメージがある分、速度はたかが知れている。

 

 

「ガァァァアアア!!!!!!」

 

 

骨格は、人間より頑丈。

関節は、人と同等。

脳味噌は人間同様、しっかりと内包されている。

筋力は人類の最高クラス以上。

動体視力、反射速度もしかり。

精神面はかなり未熟。

統合すると、このまま始末するのは、なかなか骨が折れる。

だがしかし、それなら、話は早いーー。

 

 

“絶対に避けられない必殺の一撃”を。

 

 

右手に力を込め、“相棒”から力を借りる。

 

 

“イッセー、我の力、使う。”

 

 

身に襲う激痛と共に、右手が一瞬にして黒く染まる。

幾重(いくえ)にも黒い“蛇”の模様(もよう)が腕に絡みつき、肘まで黒く染まった。

 

 

「ひ……あ……ァ」

 

 

あいつはきっと、理解したのだろう。

 

 

この手に宿る、理を嘲笑(あざわら)う程の力を。

 

 

「運が無いよなぁ、オレも。お前も。ところでさ、触らぬ神に祟りなし、って諺知ってるか? この場合は触らぬ“龍神”に祟りなしだけど」

 

 

ドーナーシークは目の前で尻もちをつき、顔の穴という穴から体液を撒き散らしながらも、此方から絶対に目を離そうとせず、されど必死に距離をとろうとしている。

 

 

「あぁ、すまんが人間であるこの身で、この力を維持するだけでも数秒ともたないんだ。だからーー」

 

 

人の身では過ぎたる力。

借りた力は、数パーセントにも満たないが、ーー今だけは、人類最強だ。

 

 

「もう、終わりにしよう」

 

 

ーー公園の真ん中、とてつもない音と共に、小規模の隕石が落ちた様なクレーターが出来た。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

私は公園近くの転移魔法陣を後にすると、対象1を追って公園内に入りました。

 

 

 

ーー不意に身構える。

圧倒的なまでの魔力の奔流(ほんりゅう)

少なくとも、制限をかけた私をはるかに上回る力。

制限を解除して、 同等。

故に、相対した時を想定して、いつでも解除出来るよう準備する。

もし仮に、この力の原因が敵であった場合、即座に消し飛ばさないと、被害が甚大になる恐れがある。

 

 

そして、最悪、私が負けた場合を考えて、懐から念話用端末を取り出し白音に指示を出します。

 

 

『はい。白音、です。先程の魔力波は観測しました』

 

「いまから、観測地点に向かいます。専用直通回線を使って魔王様に報告と応援を。イザイヤにも連絡して、事が終わり次第救援を要請してください」

 

 

ーー刹那、凄まじい音が公園内から聞こえました。

 

 

「通信終わります」

 

『はい、です。……ご武運とご無事を願っています』

 

 

音の発生地と、先ほどの力の発生地が同じ。

詰まる所、戦闘行動中、いや、力が消え去ったので、戦闘は終了したようです。

 

 

ーー覚悟を決め、その場へ向かうと、小規模の戦場が出来上がっていました。

 

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