ベル・クラネルとアイズ・ヴァレンシュタイン 【台本式Ver】   作:へたくそ

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5 結果

ベルSide

 

 

真っ暗で何も見えない

今にも僕をのみ込んでしまいそうな程の闇

ここはどこなんだろう

 

 

??(ここはお前の世界だよベル)

 

ベル「君は一体誰?姿を見せてよ」

 

??(それはできない。なんせ君が許してくれないからね)

 

ベル「どういう事?僕が許せば君の姿が見れるのかい?」

 

??(究極的に言ったらそうかな。けどそれはそんな簡単なことじゃない。だから今は君の許しの為に力を与えよう、と言ってもさっき君が強引に奪っていったんだけどね)

 

ベル「力ってもしかして、ランドロックさんと戦っていた時の?」

 

??(そうだよ。自覚はあったんだね。それなら話は早い、その能力は君の為に生まれて来たんだ。だから君にしか扱えない。君にしか理解できない力だ。僕が教えれるのこれだけ。あとはベル、君自身で考えるんだ)

 

ベル「待って!僕の為に生まれて来たってどういうことなの!?それに君は一体誰なんだ!?」

 

??(言っただろう?その力の事は君が考えるんだ。それと僕の名前は"まだ"無いんだ。でももう一度会うことが出来たならもしかしたら教えることが出来るかもね。それじゃベル。おはようの時間だ)

 

 

 

 

 

 

謎の声が聞こえた

それはどこか聞き覚えある声で、懐かしくもなく、心地よくもなく、ただ違和感を感じない。そんな普通の声。何の変哲もない。

 

 

 

 

『僕の声』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベルSide Out

 

 

ガレスとの決闘から丸一日が経った

ロキが予想していたよりもガレスの気合が入っていたのでベルが重症を負い、リヴェリアとアイズのこってり怒られた後、アイズはベルの看病をしていた

 

 

 

ベル「………ぅ、」

 

 

 

そしてベルは長いようで短かった夢を終え、目を覚ました

 

 

 

アイズ「っ!ベル、大丈夫?どこか痛いところとかない?」

 

 

 

アイズは心配で不安そうな顔をして訪ねて来た

 

 

 

ベル「ん、ア、アイズさん。大丈夫ですよ。どこも痛くないです」

 

 

 

目を開け、焦点が何となく定まったベルは、何となくだがアイズの様子を確認することが出来た。なので安心させるためにありのままの事を伝えた

 

 

 

アイズ「よかった。それならフィンたちを呼んでくるから大人しく待っててね」

 

ベル「分かりました。あの、アイズさん」

 

アイズ「ん、なに?」

 

 

 

少しの間が空く。すぐに返事が来ないことにアイズは疑問を持ち少し首をかしげる

そして5秒の間の後、ベルはどこか懐かしい顔で

 

 

 

ベル「おはようございます」

 

 

 

この一言、ただの挨拶の一言。それでもアイズは何か感じた。

ベルを見つけて二日も経っていない。ベルと話した時間なんて10分もないだろう

しかしベルを見つけたその時から何かを感じていた。

臆病な子。でもその内から何か強いものを感じる、アイズはその何かを知りたかった。だからベルをこのファミリアに連れて来た

 

 

 

『そしてそれは間違いではなかった』

 

 

 

ベルは負けたものの、ガレスとの一戦でその『何か』を見せてくれた

そしてベル自身もその『何か』に気づき、近づいたのだと悟った

それが何故か無性に嬉しくなり、アイズも優しい笑顔で

 

 

 

アイズ「おはよう、ベル」

 

 

 

そう返したのだった

 

 

 

 

 

 

 

アイズがフィン、ガレス、リヴェリア、ロキを連れてきた

 

 

ガレス「はっはっはっは!!すまんかったなベル!まさかお主との戦いであそこまで興奮する戦いになるとは思わなくてだな、つい力が入ってしまったわい!」

 

フィン「まったく、リヴェリアとエリクサーがあったから良かったけど次からは気を付けてくれよ?」

 

リヴェリア「その通りだ、後でエリクサー一本分の金額を請求するからな。逃げるなよ」

 

ガレス「はっ!誰が貴様相手に逃げるものか!」

 

リヴェリア「ほう、それはまた大きく出たな」

 

 

 

いつの間にか二人は火花を散らしながらにらみ合っている状況になり、その状況にベルは一人取り残されていた

 

 

 

フィン「二人とも喧嘩は後にしてくれ。さてベル、試験から一日が経った。勿論結果は出ている。君はこのファミリアを訪れガレスに挑み、そして負けた。だがそれは当たり前のことだ。恩恵すら持ってない者はLV1の冒険者に勝つことさえままならない。それでは一体僕たちは何を見ていたか。それは戦闘力でも技の技術でもない、君の意志の強さ、そして心の弱さだよ」

 

ベル「心の弱さ…?」

 

ロキ「せや、意志の強さは言わんでも大体察しはつくやろ?でも何故心の弱さを見ていたのか、そんなもん簡単な話や。冒険者にとって必要なもんだからや」

 

 

 

そうは言われてもベルは分からずきょとんとした目でロキを見ていた

 

 

 

フィン「まだ分かってないようだね。ベル、君はガレスと戦っている時、いや初撃をもらった時一度は諦めた、違うかい?」

 

ベル「いえ、その通りです。あの一撃で全てが分かってしまいました。負ける、それはどうやっても引っくり返せない事なんだって。でも…」

 

フィン「君の意志がそれを許さなかった。君の描く夢が諦めること拒んだ」

 

ベル「…はい。諦めたくなかったんです。僕の唯一の夢を」

 

 

 

ベルは下を向き、悔しそうに、悲しそうにシーツを握りしめた

今にも泣きだしそうなその背中を見てアイズたちは少し心を痛めたが、それと同時に確信した

 

 

 

ロキ「それでええんやで。諦めそうになっても、逃げたくなっても。実際に諦めてもいい。逃げてもいい。それがベルの選んだ道ならうちらは何も言わへん。諦めることにだって勇気がいる。だから何も言わへんよ」

 

ベル「ロキ様…」

 

ロキ「でもなベル、意志の強さは、心の弱さでもあるんやで。さっきベルが話したように諦めかけた時、自分は弱い。けど弱いからこそ今の夢を持った、そしてその夢があの時のベルの支えになった。つまりや、意志の強さと心の弱さはお互いに支えあってるってことや。どっちが欠けてもアカン。強さを知り、弱さを知る。これが一番大事なことなんや」

 

ベル「でも、僕は弱い自分が許せないんです。僕が弱いせいでおじいちゃんを助けることが出来なかった。だから!」

 

アイズ「それは違うよ」

 

全員「「「!!??」」」

 

リヴェリア(まさかアイズがここまで…)

 

アイズ「確かにベルが強かったらベルのおじいちゃんは助かったかもしれない。でもそれで自分の弱さを否定しちゃだめ。それは絶対にベルには必要なものだから。だからおじいちゃんの事を受け入れるしないんだよ。悔しいなら強くなるしかないの。そして弱さを忘れちゃダメ。弱さを忘れた人間は優しさを忘れてしまうから。だから…その、ごめん、うまく言えない」

 

ベル「アイズさん…」

 

フィン「アイズがここまで言うなんてビックリだよ。まぁアイズの言いたいことはベル、君は今の君のままでいることが一番大事なんだ。それは性格や外見の話じゃなく心の事だ。今の君の心は今の君にしか持てないものだ。それは今まで君が会ってきた人達が、出来事が築きあげて来たもの、もちろんその中には君のおじい様も含まれている。だから変っちゃいけないんだ。そんなことをしたら今までの事と出会っていた人達を否定することになるからね」

 

 

 

ここでベルは理解した。今の自分は自分だけのものではないと。今までの出来事が、人々が、出会いが自分を作ったのだと。自分の一長一短、それはおじいちゃんがくれたモノでもあるのだと。そう思うと不思議と気持ちが軽くなった。弱いことが悪いことだと思って来た。でもそれは違った。人には、弱さこそ必要なのだと、ベルは理解した

 

 

 

ベル「今の僕は、今までの人の思いが作ってくれんですね。」

 

ロキ「そういう事や!ほんで話がずれてしもうたな。ベルたん今から結果を伝えるで」

 

 

 

そう、結果は既に出ている。ロキはそれを伝えるために来たのだ

緊張のあまりベルは冷や汗が止まらない。一秒一秒が長く感じるとはよく言ったものだ

鼓動が大きくなるのが分かる

 

ロキ「我、ロキファミリアの主神、ロキの名の下に告げる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「文句なしの合格や!おめでとう!これからよろしくな!」

 

 

ガレス「当たり前だ!この儂をあれだけ振るい上がらせて不合格なわけなかろう!」

 

フィン「確かにあの戦いは僕にも何か感じるものはあった。あんな感覚は久しいよ」

 

リヴェリア「私も同じだ。己の信念をあそこまで強く持てる者はそういないだろう」

 

ロキ「おうおう皆偉い褒めるなぁ~。ほんでほんで?アイズたんは何かないんか??ん?ん??」

 

アイズ「私も信じてたよ。君なら出来るって。改めてベル。これからもよろしくね」

 

 

 

そう言いながらアイズはベルに手を差し伸べた

それはあまりにも美して、まるで女神のようだ。とベルは思いその手を取り

 

 

 

ベル「はい!」

 

 

 

夢と弱さを胸に強くなることを誓った

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