ベル・クラネルとアイズ・ヴァレンシュタイン 【台本式Ver】 作:へたくそ
ベルの入団試験合格から2日の朝、ベルはロキファミリアの正式な眷属、冒険者になった。
そして今日からベルはダンジョンに向かうための訓練が始まる。
内容はフィンからは戦闘最中の的確な況判断と行動を、リヴェリアからはモンスターとダンジョンの特性を、ガレスからは純粋な戦闘力を…
ロキ「と思ってたんやが、それプラスアイズたんにはベルに剣の扱い方を教えてもう事になったで」
フィン「それはまた急だね。もしかしてアイズの意志でかい?」
ロキ「せや。アイズたんがここまで肩入れするんや。他のもんには申し訳ないけどアイズの好きなうようにさせよう思うてな」
リヴェリア「それには賛成だ。これでアイズに何かしらの変化があるかもしれない。いや、変化はもう起こっているか。」
ガレス「うむ、ワシとの戦いでも小僧の可能性を確信していた。あんな目を見るのは初めてじゃ。あの二人のこれからが本当に楽しみじゃな」
ロキ「まったくや、さてそれじゃ3人とも。ベルの訓練とアイズたんの事、頼んだで!」
そう言いながらロキは朝っぱらから大量の酒を飲み始めた。
いつもなら止めるリヴェリアも今回ばかりは止める気にはなれなかった。
強くなる事にしか興味のなかったアイズが初めて他人に興味を持ったのだ。これほど嬉しいことはない。
4人がそんな話をしている中、ベルとアイズは訓練をしていたのだが…
ベル「訓練、よろしくお願いします!」
アイズ「うん、よろしく。ベルは本当に剣でいいの?武器はいっぱいあるから試した方がいいと思うけど」
ベル「いえ、剣で大丈夫です。何故かは分からないんですが、ガレスさんと戦った時に剣を持った瞬間、剣が僕の体の一部になったような気がしたんです。だから剣でお願いします!」
アイズ「分かったよ。君がそこまで言うならそれでいいと思う。」
ベル「ありがとうございます!それでアイズさん、今日は何をするんですか?」
アイズ「ベルはまだ基本が身に付いていないからね。構え、振り方、動き方、防ぎ方。これを覚えてもらう。そうして基礎を染みこませて自分の剣を見つけていくんだよ」
ベル「自分の剣、ですか…」
アイズ「うん、基礎だけじゃ上層のモンスターに通じても中層、下層のモンスターに通用しなくなることが多くなる。だから自分にあった剣を見つける必要があるの。でもそれは簡単な事じゃない、完全に完成させるまでに最低でも10年はかかる。もしかすると型の基本を作り上げるまでに10年かかるなんて事も珍しくないんだよ。」
正直ベルはこの話を聞いて不思議と何も感じなかった。オラリオに来る前の自分なら怖気付いていただろうという確信があった。
だが今はどうだろう。自分の剣を見つける。どれくらい大変なのか聞いて分かるし、想像もできる。けどなぜかワクワクしている自分がいる事にベルは驚いていた。夢に近づけれるからなのか、ただ剣を振れることが楽しみなのか今は分からないが、
ベル「なら今すぐ始めましょう!アイズさん!」
アイズ「……!うん、そうだね」
早く自分だけの剣を見つけたい。そう思っていた。
そしてその真っ直ぐな目を見たアイズはベルは強くなるとまた一つ確信を得たのだった
その日の夜、ベルはアイズ、フィンによる訓練を終え、クタクタになりながら自分の部屋に戻り、ベッドに飛び込んだ。
汗も流し、服も着替えたベルは夕飯を食べる体力もなくそのまま眠りにつこうと思った時、コンコンと扉が鳴った。
アイズ「ベル、起きてる??」
ベル「ア、アイズさん!?どっどうしたんですか!?」
ベルは急いでドアを開けアイズに尋ねる。
しかし、アイズの鎧姿とは違う格好にベルは顔を赤くする。
アイズ「今日の訓練で疲れると思って、これ持ってきたの。よかったら使って?」
そう言って渡してきたのはハイポーションだった。
ベル「あ、ありがとうございます!でも、いいですか?ハイポーションって高いんじゃ…」
アイズ「うん、でもそれくらいなら下層に行けばすぐだから気にしないで」
下層をそんな簡単に攻略できるなんて、流石LV5だ。
僕がそこまでにたどり着くのにどれくらいの時間と努力が必要なのだろうか
まったく想像できない。それでもやらなきゃいけないんだ。
僕が憧れた英雄になるために
アイズ「??ベル?」
ベル「あ、ごめんなさい、ボーッとしてました。ポーションありがたく使わせてもらいますね!」
アイズ「うん。おやすみ、ベル」
ベル「はい!おやすみなさい、アイズさん」
ベルはアイズに貰ったポーションを飲み、眠りについた