ベル・クラネルとアイズ・ヴァレンシュタイン 【台本式Ver】   作:へたくそ

7 / 9
7女神

ベルがロキファミリアに入ってから5日が経った。ベルはその5日間を全て、フィン、ガレス、リヴェリア、アイズの訓練や座学に費やしていた。

 

しかしみんなの様子がおかしい。

そう思ったのは初めてアイズとの訓練を終えた次の日の朝、ロキに呼ばれてステイタス更新を行った時だった。

 

 

 

 

 

ベル「えっと、ロキ様?どうかされたんですか?」

 

ロキ「ん〜?いやぁ〜ベルたんの肌はすべすべやなぁ〜っと思ってなぁ?グヘヘ…、もっと触ってもそのすべすべ肌を…ってウソやウソそんなことうちする訳無いやないかホンマにする訳ないっていやマジでだからホントに勘弁して下さい二人ともその杖とレイピアを下ろして!」

 

リヴェリア「そうか、なら今回だけは勘弁してやろう」

 

アイズ「ん…」

 

ガレス「全く本当に学習ないのうお主は」

 

フィン「まぁそれがロキだからね。いきなり物わかりが良くなっていたらそれこそ本物か疑うよ」

 

ロキ「みんなしてウチの事そんなに言わんでも…」

 

ベル「あ、あの、ロキ様さえ良ければ僕は大丈夫ですよ?」

 

ロキ「ほ、ほんまか!?ベルたん!ほんまにいいんか!?」

 

リヴェリア「いい訳ないだろ、全く。ベルもあまりロキの事を甘やかさない方が良い。すぐに調子に乗るから」

 

ベル「あ、は、はい」

 

リヴェリア「それではそろそアイズとの稽古の時間だ。しっかり励んでくると良い」

 

ベル「は、はい!あろがとうございます!」

 

アイズ「それじゃ行ってくるね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィン「行ったようだね。それでロキ、彼に何があったんだい?」

 

ロキ「なんや気付いてたんか」

 

フィン「君にしては随分とベルのステイタスに見入っていたからね」

 

リヴェリア「どう言う事だロキ」

 

ロキ「いやなぁ、それがベルたんのステイタスが、その、なぁ…」

 

ガレス「何を勿体ぶっておるのだ!さっさと見せんか!」

 

ロキ「………ええやろ。ただし他言無用や、絶対にやぞ」

 

 

 

ロキはいつにもなく真剣な目をして3人に言った。

それの目を見たフィン、リヴェリア、ガレスはベルの恩恵を見ずとも事の重大性を察し、静かに頷いた。

そしてロキはベルのステータスを3人に見せた。その瞬間3人は自分の目を疑わずにはいられなかった。

 

 

フィン「ロキ、これは何かの間違いじゃないのかい?」

 

ガレス「これがベルのステイタスとでも言うのか。恩恵をもらったのは昨日、儂らそう認識していたが?」

 

ロキ「せや、アイズたんとの稽古の前に恩恵を与えた。そしてそれは昨日の事、それは間違いあらへん」

 

リヴェリア「だとしたらこの異常なステイタスはなんなのだ。あり得ない…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベル・クラネル

 

LV1

 

力 i 93

 

耐久 H 128

 

器用 i 75

 

敏捷 H 113

 

魔力 i 0

 

 

 

魔法【】

 

スキル【英雄願望(アルゴノゥト)

   【隠された力】

   【護り手の鎧(ガーディアン)

 

 

 

 

 

ロキ「昨日のアイズタたんとの稽古で熟練度トータル400オーバー。しかもスキルが3つも既に発現している」

 

フィン「これはまた、何も言えないね」

 

リヴェリア「あぁ、まさかこれ程とは」

 

ガレス「うむ、鍛え甲斐がある…とは言える状況でもないのう。この事をベルにでも伝えれば…」

 

ロキ「間違いなく他の神共、時にあのアバズレ女神は間違いなくベルたんを狙ってくるやろうな。だからこの事はここにいる4人、後はアイズだけに伝える」

 

リヴェリア「それが無難だろうな」

 

フィン「僕もそれで異存はないよ」

 

ガレス「儂もじゃ」

 

ロキ「皆んな、ベルの事頼むで」

 

 

 

ロキが頼むと3人は力強く頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黄昏の館の訓練場で二人は稽古していた。二人の剣がぶつかる音が訓練場にに響き渡る。

ベルは必死にアイズの動きに付いていこうと必死だが、アイズは涼しい顔をしながらベルの攻撃を簡単に受け流す。

しかしアイズは顔にな出していないが内心ではかなり驚いていた。

 

アイズ(速い…、昨日の訓練の時は全くの別人。動きにはまだ無駄が多い、それでもこの成長の早さは普通じゃない)

 

ベル「……っ!……はぁ!!!」

 

 

 

 

アイズがベルの成長スピードに付いて考えていると、ベルは今まで使ってなかった蹴りを使いアイズの足元を狙いに行った。

それをアイズは難なくと交わす。

 

 

 

アイズ(っ!今の動き…狙ってたのかな。それにしてもやっぱり速い。この子は一体…)

  「今日はこれくらいにしようか」

 

ベル「ま、まだやれます!もう一回だけお願いします!」

 

アイズ「気持ちは分かるけどこれで終わり。この後もフィン達の訓練もあるからあまり無理しちゃダメだよ」

 

ベル「うっ…、で、でも…」

 

アイズ「……」

 

 

 

ベルはアイズの無言のプレッシャーに耐えきれなくなり、訓練はここまでにした。

アイズもベルの気持ちは分かる。つい数日前までの自分がベルと似たようなモノだったからだ。

朝昼夜構わずにダンジョンに潜りひたすらにモンターを倒す。今の自分はもうほとんど頭打ち状態、もうレベルアップするしかない。

しかしレベルアップはそんな簡単な事ではない。

 

そこで悩んでいるときにベルと出会った。そしてベルには何か言葉では言い表せれない何かを感じた。

ベルの事を知れば強くなれる気がした。最初はそんな考えだった。

しかしガレスとの戦いで見せたベルのあの目。何かを願う強いあの目を見た瞬間にアイズは一つ確信した。

ベルは近い内に自分たちと肩を並べるほどの器を持っている。それは戦闘面でも、もちろん精神面でもだ。

しかしそんなベルには自分の様になって欲しくはなかったのだ。

 

 

 

ベル「あの、アイズさん?どうかされましたか?」

 

アイズ「…ベルはどうして冒険者になろうとしたの?」

 

ベル「どうして、ですか…。あまり深く考えた事はありません。でも一つだけ夢があるんです」

 

アイズ「夢?」

 

ベル「はい、僕は英雄になりたいんです。別に世界を救いたいとか、歴史に名前を残したいって言うわけでもないんです。僕、小さい時に一回だけモンスターに襲われたことがあるんです。怖くて動けなくて何も出来なかった時、おじいちゃんが助けに来てくれました。カッコよく現れたわけでも、カッコよくモンスターを倒したわけでもなかったです。畑仕事の格好のままで、持ってたのは泥だらけの桑、最後にはおじいちゃんはぎっくり腰になってしまいました。皆んなからはたくさん笑われていましたけどおじいちゃんはこう言ったんです

 

【どんなに笑われてもお前を守れた。それだけで十分だ】って。

 

その時の僕にはおじいちゃんが英雄譚に出てくるどの英雄よりもカッコよく見えたんです。だから僕は誰か一人だけでも良い、どんなに小さくてもカッコ悪くても良い、ちゃんと胸を張れる英雄になりたいって。それに僕には英雄譚に出てくる様な英雄みたいに勇気も力もありませんから」

 

 

 

ベルは自分の夢を語り終えた後、軽く自虐しながら苦笑いをした

 

 

 

 

アイズ「そんなことないよ。その夢はすごく立派だと思う。だからそんな顔しないで」

 

ベル「アイズさん…」

 

アイズ「ベルはきっと強くなる。昨日と今日の訓練で分かった、動きが昨日とは比べものにならない程成長している。ベルの想いがきちんと結果として出ている証拠だよ」

 

ベル「でも、それだけじ英雄には慣れません…」

 

アイズ「そうだね。でもさっきも言ったよね?ベルの想いがきちんと結果として出ているって。それはきっとこの先必要となってくる、それは絆になり、勇気になり、力になる。それは英雄になる為に必要な事だと思う。だからベルはそのままでいいと思う、それがベルでそんなベルが英雄になるのに意味があると思う。前にも言ったでしょ?今のベルは今まで出会って来た人のおかげで居るんだよって」

 

ベル「アイズさん…、今までこの夢のことを話すと笑われて来たんです。子供の夢だって、お前みたいな弱い奴はなれないって。でもアイズさんに話してよかった。こんな僕でもこの夢を持っていいんだって思えました。ありがとうございます!」

 

アイズ「うん、これからも頑張ろうね」

 

 

 

アイズはベルの事を甘やかす様にベルの頭を撫でた。それを恥ずかしながらもベルは少し嬉しそうに笑った。

最初はベルも受け入れていたがアイズがいつまで経ってもやめない。

 

 

 

ベル「あ…あの、いつまで続けるんですか?」

 

アイズ「あともう少し」

 

ベル「えぇっと、それじゃあと少しだけ…」

 

 

 

アイズはベルの髪の手触りに良さにほんわかとした顔で、この後20分近く撫で続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイズとベルの稽古が終わり、アイズは出かける準備をする為、自室に向かおうとする途中でロキに引き止めれた。

 

 

 

 

 

ロキ「あっ!アイズたん!ちょっとええか?ベルたんの事で大事な話があるやけど」

 

アイズ「ベルの事で?分かった」

 

ロキ(……あれ?OKしたんか?いつもだったら是が非でもダンジョンに行きたがるのに、まさかこんなあっさりOKしてくれるなんて。ベルたんに相当懐いてる様やな)

 

アイズ「ロキ?行かないの?ベルの大事な話があるんでしょ?」

 

ロキ「せ、せやな。ほな行こうか。この話は他のやつの耳には入れられん話やからな。ウチの部屋でするで」

 

アイズ「もしかしてベルの身に何かよく無いことが起こるの?」

 

 

 

アイズは歩きながらロキに質問する。ロキはまたしても驚いた。アイズがここまで他人を気にかける事などなかった。

そんなアイズがここまでベルの事を気にかけるなんて、分かってはいても再確認する度に驚きを隠せない。

 

 

 

ロキ「起こる、かもしれないとも言える話であるし、既に起こってるっちゅう話や。こっから先は流石にこんな所では話せんからな、質問とかはうちの部屋についてからや」

 

アイズ「分かった」

 

 

 

アイズは珍しく真剣な目で話すので少し驚いていた。

いつもはおちゃらけているロキがここまで真剣なのは相当重大な事なのだと察した。

そしてロキの部屋に着き、その中でも一番奥にある部屋に通した。

そこは幹部とロキが極秘の会議をする時などに使用する部屋で、防音になっており外に音が漏れない様になってる。

 

 

 

 

ロキ「さてっと、とりあえずアイズたん。まず話す前にこのステイタス見てくれへんか?」

 

アイズ「っ!これって、本当にベルのステイタス?」

 

ロキ「もちろんや。これはさっきアイズたんとベルたんが稽古に行く前に更新したもんや。ベルたんは昨日アイズたんとの稽古しかしてない。なのに熟練度トータル400オーバー、こんなのいくらLv1の駆け出し冒険者でもありえない数字や。それに関係しているのかもしれにのが、更にあり得ないこの出現している3つのスキルや」

 

アイズ「昨日恩恵を貰ったばかりでこのステイタス、これがロキの言っていた既にベルの身に起こっている事?」

 

ロキ「せや、そしてもう一つ。これから起きるかもしれない良くない事は」

 

アイズ「他の神様に目を付けられるかもしれないと言う事…」

 

ロキ「その通り、このステイタスがバレれば間違いなく他の神が手を出してくる。ただちょっかいを出してくるだけならまだマシなもんや。けどベルたんを自分のファミリアに引き摺り込もうとするモンが現れないとも言い切れない。そこでアイズたんに頼みたい事があるんやけど…」

 

アイズ「私にベルの護衛をしてほしい?」

 

ロキ「護衛とまではいかんけど、少し気にかけて欲しいんや。フィンやリヴェリア、ガレスにもこの事は伝えてある。けど流石にあの3人には任せられない。そこでベルたんの事をアイズたんに頼みたいんや。アイズたんもステイタスの事で悩んでるのは知ってる。けど今はベルの為に協力してくれへんか?」

 

アイズ「分かった。ベルの事は私に任せて」

 

ロキ「アイズたん、今日は偉く物わかりが良いな?ダンジョンに行く事よりもこっちを優先させるし。そんなにベルたんの事が気に入ったんか?」

 

アイズ「気に入ったって言うよりも、放って置けない感じかな。何もしなかったら何処かに行っちゃいそうな気がして」

 

ロキ「アイズたんがそれを言うか、ウチらは毎回アイズたんがそうならんか心配で心配でおちおち寝てもいられんわ…」

 

アイズ「うっ、ごめんなさい…」

 

ロキ「まぁそんなアイズたんも可愛いけどな!それにアイズたんもウチら気持ちを分かってくれる様になってくれるはずやしな」

 

アイズ「これからは気をつけるね」

 

ロキ「よろしい!ベルたんが真似しない様にしっかりするんやで?」

 

アイズ「分かった」

 

ロキ「話はこれで終わりや。もうダンジョンに行っても大丈夫やで?」

 

アイズ「今日はダンジョンには行かないよ」

 

ロキ「へ?そうなんか?それじゃこの後は何するんや?」

 

 

 

アイズがダンジョンに行かない。これは大事件である。アイズが出かけると言えば絶対と言っていい程ダンジョンに行くのだ。と言うかむしろそれ以外思いつかない。もちろん武器屋などにも行くがそれはダンジョンに行く為に行くのだ。つまりダンジョン以外での外出目的は全く心当たりがないのだ。

あまりにも気になったロキはアイズに尋ねた。するとアイズは

 

 

 

 

『ベルと一緒に出掛けるだけだよ』

 

 

 

アイズは振り向きながら今まで見たことない様な優しい笑顔でロキに答えた。

その言葉にロキの思考回路は完璧にキャパオーバー、頭から煙を上げてフリーズした。

そこから再起動するのに3時間の時間を要したとフィンが後に語ったと言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いきなりフィンとの稽古がなくなりベルとアイズは二人で街を歩いていた。

 

 

 

ベル「あの、アイズさん。今日の朝、ロキ様の様子が変だったんですけど何か心たりがありますか?」

 

アイズ「少しだけなら」

 

ベル「ほ、本当です!?」

 

アイズ「ごめん、でも教えられないの」

 

ベル「え…な、何でですか?」

 

 

 

ベルはかなり不安そうな顔をする。

もしかしたら自分は何か良くない事でもしたのだろうかと思ったのをアイズは察っした。

 

 

 

アイズ「大丈夫、ベルが思ってる様な事じゃないよ。少しベルが心配なだけ。ベルは今までオラリオに来た事がないって聞いたし。ここはベルが思っている様な街でもあるけど、それ以上に危険な事もたくさんあるから」

 

ベル「そ、そうですか?僕、捨てられたりしませんか」

 

アイズ「大丈夫だよ、ロキは絶対にそんな事しない。だってベルはもう私たちの家族なんだから」

 

 

 

アイズはそう言うとまたベルの頭を撫でる。

それにベルは安心した様で、不安そうな顔をしていたのがほっとした顔になった。

そこでベルは一つ気になる事ができた。

 

 

 

ベル「そう言えばアイズさん、今日は何をにし街に来たんですか?」

 

アイズ「ん〜、特に考えてないかな。実は私もこの街のことあまり知らないの。いつもダンジョンで強くなることしか考えてなかったから」

 

ベル「そうなんですか?それじゃどうして街に?」

 

アイズ「ベルと一緒に何かしたくて。でも私何も知らないからベルと一緒にこの街のこと知りたくて。迷惑だったかな?」

 

ベル「そんな事ないです!僕もアイズさんと街に来れて嬉しいです。それに僕はアイズさんと同じ思い出を作れるのはとても嬉しいですよ」

 

アイズ「そっか、よかった。それじゃ行こうか、ベル」

 

ベル「はい、アイズさん」

 

 

 

その日、あの剣姫が知らない男と楽しそうに街を歩いていたと言う噂が流れた。まぁ事実なのだが。

それがロキの耳に入るや否や、またしてもロキは機能停止、今度は再起動するのに3時間半もかかったとか…




お久しぶりです。
更新が遅れて申し訳ないです。
プライベートで色々と忙しかったのでやっと投稿できてほっとしました。
今はコロナで大変な時期、自分は在宅作業がメインなので小説の更新を多くするはできませんが、この小説や、その他の小説が皆さんの空いている時間を少しでも有意義にする事ができればと思います。



他にも
【波動ねじれのヒーローアカデミア】
【メリッサ・シールドのヒーローアカデミア】
【Re:異世界で出会う冷酷無慈悲なお姫様】

なども書いています。
興味や時間をお持ちの方は是非見てください!





それとは別に更新されていない物もありますが、続き見たいと言う方がいるのであればまた再開しようと考えています。
どうぞこれからも「へたくそ」の作品をよろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。