ベル・クラネルとアイズ・ヴァレンシュタイン 【台本式Ver】 作:へたくそ
ベルが恩恵を貰ってから20日と前の回で言いましたが、訂正して恩恵を貰って10日という事にしました。
フィン「これから強化遠征を開始する。今回はLV3、LV4のみでの構成だ!アイズ、ベート、ティオナ、ティオネ、ガレス、リヴェリア、そしてこの僕はサポートに回る。この遠征では君たちだけで28階層まで攻略してもらう!それが出来ないのであれば今回の遠征は失敗だ!その事を忘れない様に!!」
「「「はい!!!」」」
フィン「そしてもう一つ!君たちに大事な報告がある!」
フィンの言葉にファミリアの皆んなが疑問を抱いた時、フィンの後ろからベルが、前に出てきた。
フィン「今日は例外的にLV1であるベル・クラネルもこの遠征には参加する!この事について皆んな、思う事があると思う。しかしベルの力は確かな者だ!LV1でありながらLV1では到底到達できない領域まで足を踏み込んでいる!その才能を僕とリヴェリア、ガレス、そして我らが主神、ロキがこの遠征に参加させないとう訳にはいけないと言う結論に至った!もし、彼の実力に不満のある者は今回の遠征で彼の力を見ていてくれ!そうすれば僕達の言っている事が分かるはずだ!それでは皆んな、無事に生還出来る事を祈っているよ」
遠征直前のダンジョン前でベルは一人でダンジョンを見上げていた。
その顔はどこか、見えない果ての地を見果てる様だった。
フィン「ベル、すまないね。君をあんな風に扱ってしまって」
ベル「いえ、本来僕はこの遠征に参加できないんです。この遠征に参加するのに沢山の努力をしてきた人達から見れば、僕の事をよく思わないのは仕方ない事です。だけど…」
フィン「なんだい?」
ベル「ここで立ち止まる訳にはいかないんだ…。この手で掴めるものがあるのなら僕は、それを取りこぼす様な事はしたくないんです…!」
ベルのその目には確かにな覚悟が見えた。いつもはどこか弱気で、自分たちの後ろを隠れてついてくる様なイメージがあったが、今日のベルは誰よりもダンジョンへの冒険を求める、一人の冒険者の姿があった。
フィン「君の覚悟は分かった。僕から言える事は一つ、絶対に死ぬな」
ベル「はい」
フィン「それと、後ろにいる彼女の相手もしてやってくれ」
ベル「え?」
アイズ「ベル、少しいいかな?」
ベルが後ろを見るとそこにはアイズがいた。何やら不安そうな顔をしている。
ベル「アイズさん、どうしたんですか?」
アイズ「少し気になって。その、大丈夫かなって」
ベル「大丈夫ですよ。アイズさん達とたくさん訓練してきましたから」
アイズ「そうじゃなくて。ベルがいつもと少し様子が違うから」
ベル「そうですか?」
アイズ「うん。無理だけはしないでね。絶対にだよ?」
ベル「は、はい。それじゃ僕はもう行きますね」
アイズはベルの背中を見て明らかにいつもと違うと確信した。
その背中はどこか、過去の自分にどこか似ていた。いつも死と隣り合わせだったあの頃の自分に。
フィン「気になるかい?彼のことが」
アイズ「うん…」
フィン「ロキからベルがこの遠征に参加した理由は聞いている。そこでロキから伝言だ、アイズ」
アイズ「ロキから?」
【前話した通り、ベルは恐らくこの遠征でレベルアップする。それはつまり、死んでも可笑しくない状況に落ちるっちゅう事や。そこで】
フィン「ベルの事はアイズに任せる。レベルアップも大事だが、ベルの命を何よりも優先にしろ、っと言っていたよ。だからアイズはベルの事に集中してくれ、他は僕達がカバーする」
アイズ「分かった。ベルは私が守っみせる」
フィン「任せたよ」
先程まで不安そうだったアイズの表情は、ベルを守る使命を与えられた事により強い目になっていた。
21階層
リヴェリア「フィン、どう思う?」
フィン「順調とは言えないね。やはりベルに影響を受けているらしい」
LV1のベルがいる事により、遠征の雰囲気はハッキリ言って悪かった。
ベルの扱いが気に喰わない者、熟練度が頭打ちになってきた者、中々レベルアップできない者がベルに対して対抗心を燃やしていた。
ベート「けっ、雑魚が雑魚を意識してるから雑魚のままなんだよ」
フィン「あまりそういう事を言うものでは無いよベート」
アイズ「………」
リヴェリア「どうしたアイズ。さっきりから黙り込んで」
アイズ「ベルは頑張ってるのに、皆はどうして分かってくれないんだろうって」
フィン「もちろん知らない訳ではないよ。ただ認めたくないんだ。ベルは新人、そんな彼がいきなり強化遠征に参加してるんだ。不満がない方が不自然だろうね」
アイズ「でも……」
フィン「アイズの言いたい事も分かるよ。でも、ベルのスキルの事を話すわけにはいかいな」
アイズ「分かってる…」
アイズが不安な顔をしているの見かねたフィンは、自分が予想している事をアイズに伝える。
フィン「まぁそれに、ロキは言っていた事が本当ならベルを見る目はおそらく変わるだろう」
アイズ「レベルアップの事?」
フィン「うん、ベルはまだ二週間しか経ってない駆け出し。それがレベルアップなってしたら他の皆も認めざるおえないだろう」
現在のレコードホルダーはアイズの1ヶ月でのレベルアップだ。
それを優に超える二週間でのレベルアップ、一体ベルは何者なのだろうか。
他の者に言っても信じないだろうが、ロキのあの目とこの親指の疼き。
間違いなくベルはレベルアップする。その事にフィンは少しばかりの期待と興奮を覚えていた。
そんな時、ベル達のいる場所で大きな爆発が起こった。そこにはさっきまでいなかった大量のモンスター。
いきなりの非常事態にフィン達も少し行動が遅れた。
それでもフィンは的確な指示を出した。アイズにはベルを最優先させる様に改めて伝えた。
リヴェリアは怪我人の対応、ガレスやベートは残っているモンスターの掃討に当たった。
そしてアイズは一目散にベルを探す。土煙が邪魔で中々見つけられない為、魔法で土煙を払う。
周りを見渡し、ベルの姿を見つける。しかしベルは爆発で地面に空いた穴に落ちそうになっている気絶した仲間を引っ張り上げようとしていた。
だがそんなベルを、後ろから狙うモンスター数体がいた。
アイズ「(まずいっ!)
アイズはすぐさまエアリアルを発動させる。
そのおかげでベルが襲われる前にモンスターを殲滅させる事に成功させ、ベルに手を伸ばす。
ベルもアイズに気づき、手を伸ばす。しかしベルは穴の縁ギリギリにいた為地面がベルの重さに耐えきれず、崩壊する。
ベルは一瞬驚いた顔をしたが、次の一瞬には何かを決めた顔をしていた。
そしてベルは仲間をアイズに向かって投げる。
ベル「この人を!」
アイズ「っ!ベル!」
アイズが仲間を受け止めるが、ベルはそのまま穴の底に落ちてった。
ベル「アイズさん!」
その顔は何故か笑っていた。まるで自分は大丈夫だと言っているかの様に。
いや違う、きっと自分が助けに来てくれると信じてくれているのだ。
それなら早く助けに…!!そう思いすぐに穴の中に飛び込むとするが
ベル「僕は大丈夫です!それより皆さんを!!」
その言葉にアイズは足を止めてしまった。ベルは笑顔のまま穴の中に消えていった。
さっきベルが助けた仲間は気絶している。
もしかしたらどこか怪我をしてるかもしれない。もし自分がこのまま助けに行ってもベルは喜んでくれるだろうか…。
ベルは優しすぎる、故にどうしても自分の事よりも他人の心配をしてしまうのだ。
そんなベルはアイズに向けた短い言葉、それに込められた想いをアイズは
アイズ「くっ…!」
アイズは苦虫を噛み潰した顔をしたが、気絶している仲間をリヴェリアの元に連れて行く。
アイズ「リヴェリア!この人を!」
リヴェリア「アイズ?どうしたのだ?何をそんなに慌てている?」
アイズ「説明は後でする。それよりもフィンはどこ?」
フィン「ここだ。それよりもアイズ、ベルは?」
アイズ「あの穴に…」
アイズの顔を見てフィンは何も言えなかった。
アイズにはベルの事を最優先させる様に言ったのは、アイズがベルを過保護にしている事があるからだ。
そうなればベルに危険が迫っている時に何の迷いもなく、ベルの安全を確保できると思ったからだ。
フィン「(アイズが何の理由もなくベルの元に向かわないのはおかしい)アイズ、一体何があったんだい?」
アイズ「ベルに…皆を守ってくれって…」
フィン「あの状況で他人の心配とは…。アイズ、団長命令だ。」
【モンスターを殲滅しろ】
その一言を聞いた瞬間、アイズはエアリエルを発動させる。
そして地面を蹴るとアイズは目にも止まらない速さでモンスターを殲滅して行く。
フィン「LV3までの者はなるべく戦闘を避け怪我人の救護にあたってくれ!そして魔法攻撃を使える者は遠距離攻撃で敵を殲滅!手の空いてる者は詠唱の間の援護を頼む!レフィーヤ!魔力の事は気にしなくていい!敵の数を減らすことだけ考えくれ!リヴェリアは怪我人の手当てが終わり次第戦闘に参加してくれ!」
フィンはまたしても的確な指示を出す。
アイズ「(ベル、待ってて。すぐ助けに行くからっ!)」
ベルはアイズ達と分断され、十数階層下の階層にきていた。そんなベルがまず最初に
そう、この階層のモンスタニーに見つかればベルは間違いなく殺される。ベルが穴に落ちる時に、アイズは迷わず一緒に穴に突っ込もうとした。
しかしベルは自分の事より、まずは仲間の安全を優先した。そうしなければ犠牲者が出るかもしれないと思ったからだ。
ベル「はぁ、はぁ、はぁ。最悪だな…、見つかったら絶対に殺される。なるべく動かない様にアイズさん達を待つしか…」
しかし、ベル達が襲撃を受けたのは21階層。推測では10階層は落ちたはず。
アイズ達がここに来るまで隠れ切れるか…。いや、そもそも助けは来るのか?
ベル「ダメだ…。悪いことしか思いつかない。はぁ…」
ベルは今の状況ではネガティブな気分になるしかなかった。それもうそうだろう。
今までダンジョンに潜ったのはたったの数回、そしていきなり強化遠征に参加されられ、今は最悪と言ってもいい状況。
LV1の自分はすぐにでもモンスターに襲われて…
ベル「いや、来る。来てくれる。皆、僕が生きてる信じてくれいるはずだ。だから僕も皆を信じて何としても生き残らなきゃ…!」
ベルは弱気な自分を鼓舞するかの様に言い聞かせる。何としても生き残るのだと。
そのための第一条件としてまずは、モンスターの少ない場所に居続けなければいけない。
今ベルの居る場所にモンスターが集まってきたのためベルは他の場所に移動しようとした。
『バキッ』
しかしダンジョンとは冒険者にとって宝の山であり、そして墓場でもある。
その理由は単純明快。冒険者に危機を逃さず、残酷な程に牙を剥く。
『グルゥゥ』
ダンジョンの壁を破り、そこに現れたのは10体は居るであろうリザードマン。LV1の冒険者が勝てる様な相手では無い。
ベル「ぐっ。リ、リザードマン…。こんな数相手できるわけ…」
ベルは後退りする。一刻も早くここから逃げなければいけない。
その為のベルは全力で後方に逃げるしかない。そう思った時だった。
ベル「ぁ……、嘘だろ…何で、何で…!!!」
ベルは絶望した。
前方には多数のリザードマン、そしてベルを挟み撃ちをするかの様に2
『$%$&#'%$#%$%'$&!!!』
2体のミノタウロスがいた