【完結】迅雷の軌跡   作:カオスカラミティ

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今回はレイの隠された力が少し出てきます


第2章・レイの隠された力
2回目の特別実習


ケルディックの実習から1ヶ月経過し特に問題なく、平凡な日々を過ごしていた

 

H・R

サラ「は~い、皆お疲れさま。今週の実技テストが終わったら、また特別実習よ。それじゃ副委員長、挨拶して」

 

マキアス「はい。起立、礼」

 

H・Rは終了し皆は部活に行ったが、レイはどこにも所属していないので校内をブラブラしていた。すると…

 

フィー「レイ、匿って」

 

レイ「どうしたフィー?」

 

しかしフィーは何も説明せずにレイの後ろに隠れる。するとそのすぐ後にエマが来た

 

エマ「あっ、レイさん。フィーちゃんを見ませんでしたか?」

 

レイ「何でフィーを探してるんだ?」

 

エマ「フィーちゃん、ほとんどの授業で居眠りしてるので勉強を教えてあげようと」

 

レイ「なるほどな。なら…」

 

右手を後ろに回し、隠れていたフィーの首根っこを掴んでエマの前に出す

 

フィー「レイの裏切り者」

 

レイ「授業中に居眠りするお前が悪い」

 

その後、フィーはエマと共に図書館へ向かい、レイは校門に来ていた

 

レイ「さて、ブランドン商会で色々買ってから寮に帰るか」

 

?「やあ、君がレイ君だね?」

 

校門を出ようとした時、ハスキーな声が聞こえ振り返るとライダースーツに身を包んだ女性がいた

 

レイ「貴女は?」

 

?「失礼、自己紹介が遅れたね。私はアンゼリカ・ログナーだ」

 

レイ「四大名門の一角、ログナー侯爵家の一人娘ですね?」

 

アン「さすがに知っているようだね。『鉄道憲兵隊大尉レイ・リーヴェルト』君」

 

レイ「サラ教官から聞いたんですね?」

 

アン「ああ、色々ね。今日は今から帝都へひとっ走りするから話す暇はないが、近い内に話そうじゃないか。それじゃ」

 

そう言ってアンゼリカは押していた導力仕掛けの自転車のような物に乗るとエンジンをかけ、走り去った

 

レイ「……」

 

クロウ「驚いたか?」

 

レイ「ギャンブル先輩ですか」

 

その言葉にクロウはずっこけた

 

クロウ「誰がギャンブル先輩だ!」

 

レイ「それよりあの乗り物はもしかして導力バイクですか?」

 

クロウ「よく分かったな。一般には普及してねぇのに」

 

レイ「ルーレ工科大学から試作品を貰い、自分なりに改造しましたから」

 

クロウ「お前もかよ」

 

レイ「どうやら先輩も一枚噛んでるようですね。その話はまた後日という事で。これから夕食の買い出しがあるので失礼します」

 

それでけ言うとレイはトリスタへと向かう

 

 

-数日後・グラウンドにて

 

サラ「実技テストお疲れさま~。それじゃ今回の特別実習の場所を発表するわね。受け取りなさい」

 

そして受け取った紙には…

 

5月特別実習

A班

リィン・レイ・エマ・マキアス・ユーシス・フィー

(実習地・公都バリアハート)

 

B班

アリサ・ラウラ・エリオット・ガイウス

(実習地・旧都セントアーク)

 

と書かれていた

 

レイ(何という班分けだ)

 

エリオット「バリアハートは東部にあるクロイツェン州の州都…ユーシスの故郷だよね」

 

アリサ「セントアークは南部にあるサザーラント州の州都になるわ」

 

マキアス「冗談じゃない!!サラ教官いい加減にして下さい!何か僕達に恨みでもあるんですか!?」

 

ユーシス「茶番だな。こんな班分けは認めない。再検討してもらおうか」

 

サラ「え~、あたし的にはこれがベストなんだけどな~」

 

マキアス「〈翡翠の公都〉…貴族主義に凝り固まった連中の巣窟っていう話じゃないですか!」

 

サラ「確かにそう言えるかもね。だからこそ君も入れてるんじゃない」

 

マキアス「……っ!」

 

サラ「う~ん、そんなに異議があるなら……いいわ。2人がかりでもいいから力ずくで言う事を聞かせてみる?」

 

そう言って微笑んだサラが取り出したのは紫色の凶悪そうな導力銃と剣だった。それを見た2人は一瞬怯むが、気を取り直して各々の武器を取り出して構える

 

レイ「サラに勝とうなんて無理だと思うが?」

 

サラ「ならレイがやる?」

 

レイ「拒否する」

 

サラ「なら教官命令よ。やりなさい」

 

その言葉にレイは何かを言いたそうに目を細めるが何も言わずに鉤爪を装着して2人の前に立つ

 

レイ「命令なら仕方ないが、本来ならやらなくて良い戦いなんだ。今度何かおごれよ」

 

サラ「オッケ~。それじゃリィンも入りなさい。3対1でやるわよ」

 

リィン「は、はい!」

 

マキアスとユーシスのタッグにリィンを加えた3人でレイに挑む事になった

 

サラ「それではリィン&マキアス&ユーシスVSレイ……始め!!」

 

レイ「フッ!」

マキアス「なっ?!」

 

戦闘開始の直後、レイは一瞬でマキアスの目の前に現れて導力銃を彼の背後に蹴飛ばす

 

レイ「次は…」

 

ユーシス「フッ!」

 

-ガギィィィンッ!

 

ユーシスが背を向けているレイに騎士剣を振り下ろすが、レイは振り返る事なく左手の鉤爪を背に持ってくる事で受け止める

 

レイ「甘い。ハッ!」

-キィィィンッ!

 

レイは振り返りざまに右手の鉤爪でユーシスの騎士剣を弾き飛ばした

 

リィン「四の型・紅葉切り!」

 

リィンはケルディックで見せた八葉の技を繰り出すが…

 

レイ「お前もまだまだ甘いな」

 

レイは斬撃を避け、いつの間にかリィンの後ろに立っており首筋に鉤爪を立てていた

 

リィン「クッ…」

 

サラ「そこまで!勝者レイ・リーヴェルト!」

 

勝利したレイは3人の前に立つ

 

レイ「2人とも、同じ班になった以上今回の実習では挽回してもらうぞ」

 

ユーシス「わだかまりを捨てて仲良くしろとでも?」

 

レイ「そこまでは言わない。皆、立場も違えば考え方も違う。譲れない事もあるだろう。俺が言いたいのは『友人』としてではなく同じ時間と目的を共有する『仲間』…もっと言えばアリサ達B班に負けない為の仲間として挽回しろという事だ」

 

マキアス「う……分かった。今回の実習が終わるまでは少なくとも休戦する!良いな?」

 

ユーシス「フン、その位の茶番に耐える忍耐力なら発揮しよう」

 

リィン(さすが鉄道憲兵隊大尉だな)

 

エマ「良かった~。これで少なくとも一緒に行動できそうですね」

 

フィー「ちょっとだけ安心」

 

サラ「それじゃA班・B班共に週末から頑張ってきなさい♪お土産期待してるから~」


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