【完結】迅雷の軌跡   作:カオスカラミティ

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マキアスとユーシスの仲直り(?)イベント以外、特に目立ったイベントが無いのでレイとある人物の戦闘シーンを入れます


翡翠の公都バリアハート

特別実習1日目・バリアハート駅

 

レイ「ここが翡翠の公都バリアハートか」

 

A班が駅に到着すると駅員4人が慌てて駆け寄ってくる

 

駅長「ユーシス様、お帰りなさいませ!ささ、お荷物をどうぞ」

 

駅員1「ご学友の方々も預からせていただきます」

 

ユーシス「今回は士官学院の実習で戻ってきただけだ。過度な出迎えは不要と連絡が行っているはずだが?」

 

駅員1「そっ、そうは言われましても…」

 

?「ユーシスの言う通りにしたまえ」

 

声が聞こえた方を振り向くとユーシスと同じ金髪の男性がいた

 

駅員2「ル…ルーファス様!?」

 

ユーシス「あ…兄上!?」

 

ルーファス「親愛なる弟よ。3ヶ月ぶりくらいかな?いささか早すぎる再会だが、よく戻ってきたと言っておこう」

 

ユーシス「はい。兄上も壮健そうで何よりです」

 

ルーファス「そしてそちらが弟からの手紙にも書いてあった…〈Ⅶ組〉の諸君というわけか」

 

エマ「は…はい!」

 

ルーファス「ルーファス・アルバレア。ユーシスの兄にあたる。恥ずかしがり屋の弟の事だ。私という兄がいる事など諸君には伝えていないだろうがね」

 

ユーシス「あ…兄上…!///」

 

フィー「ユーシス遊ばれてる」

 

その後、ルーファスはレイ以外のメンバーに挨拶をした後、特別実習の内容が入った封筒を渡した

 

ルーファス「改めて…ようこそ翡翠の公都バリアハートへ」

 

そして〈Ⅶ組〉とルーファスを乗せた導力リムジンは高級ホテル〈エスメラルダ〉へと向かう

 

ルーファス「それにしてもレイ君も久しぶりだね。話には聞いていたがたくさんの友人を作ったようだね」

 

レイ「お久しぶりですねルーファス卿。ご壮健そうでなによりです。1つ訂正しますが彼らは友人ではなく仲間です」

 

リィン「レイはルーファスさんと面識があるのか?」

 

レイ「時々、彼の護衛をしていたからな」

 

ルーファス「レイ君の部隊が護衛してくれると、とても安心できるよ。おっと到着したようだ」

 

ルーファスの言った通り、導力リムジンはホテル・エスメラルダに到着した

 

ルーファス「私は生憎これから帝都に出向く用があってね。無愛想な弟だがよろしくしてやってほしい。では女神の加護を」

 

そう言って再びルーファスは車に乗って去っていき、レイ達は実習を始めるべく部屋に荷物を置きに行く

 

ホテル・ロビーにて

 

レイ「今回は男女別か。士官学院生とはいえ、女子はこちらの方が良いだろうな」

 

マキアス「前は違ったのか?」

 

レイ「サラが勝手に部屋割りを決めたから一悶着あった。まぁ、俺は男女混合でも構わないがな」

 

マキアス(さすが現役の軍人だ…)

 

フィー「私も別に男女混合でも構わないけどね」

 

エマ「フィーちゃん逞しいですね」

 

その後、レイ達はルーファスから渡された特別実習を行う。内容は…

 

・オーロックス峡谷道の手配魔獣

・穢れなき半貴石

・バスソルトの調達

 

の3つだったのでレイの提案で2つ目はマキアスとリィンとユーシスが、3つ目はレイ、フィー、エマが分担して行う事になった

 

-1時間後

マキアス「全く!貴族にはああいう輩がいるから好きになれないんだ!」

 

マキアスがこんなに起こっているのには理由がある

 

皆が合流する少し前、リィン組は宝飾店に頼まれた半貴石『ドリアード・ティア』を手に入れた

のだが、その石を必要としていた男性から相応のミラで譲ってもらう事になっていた貴族は『ドリアード・ティア』を食べてしまったのだ

 

レイ「マキアス、怒る気持ちは分かるが今は実習に集中しろ。次は手配魔獣の討伐だ」

 

マキアス「わ…分かっているさ」

 

レイ「念のために言っておくがお前達も怒りを持ったまま戦いに挑むなよ。怒りは力を与えるが判断力を鈍らせるからな」

 

レイの言葉に全員頷き、一行はオーロックス峡谷道を進んで手配魔獣の元に向かう

 

-オーロックス峡谷道

 

ユーシス「この先に手配魔獣がいるはずだ」

 

エマ「凄い自然的な所ですね」

 

マキアス「あの街からは想像がつかないというか…」

 

レイ「静かに。手配魔獣がいるぞ」

 

レイの指さす先には両手が巨大なハサミの手配魔獣『フェイトスピナー』がいた

 

リィン「よし、ARCUSの戦術リンクでうまく連携を取っていこう」

 

ユーシス「ああ」

マキアス「いくぞ」

 

そしてリィンはエマと、レイはフィーと、ユーシスはマキアスとリンクを繋げ、戦闘を開始する

 

フィー「やっ」

レイ「フッ!」

 

-ガンッ!ガンッ!

-ザシュッ!

 

素早く動くレイとフィーが先制攻撃を仕掛け…

 

フィー「崩れた、リィン」

 

リィン「よしっ!」

-ザクッ!

 

リィン「委員長頼む!」

 

エマ「はいっ、いきます!」

 

リィンが切りつけた瞬間にエマがアーツを命中させるが…

 

ユーシス「ARCUS駆動…」

 

-ドォンッ!

 

ユーシスがアーツを放とうとARCUSを駆動させるがマキアスはユーシスの傍で導力銃を発砲した

 

ユーシス「っ!!貴様…!?ここはアーツを発動させて効率よくダメージを与えるべきだろう!」

 

マキアス「なにぃ?」

 

戦闘の最中なのに2人の息が全くあっておらず戦術リンクは切れてしまい、最終的にはリィンの斬撃を受けて魔獣は倒れた

 

リィン「結構手こずったな…」

 

一方、手こずった原因であるマキアスとユーシスはお互いを掴み、再びケンカを始めてしまった

 

マキアス「どういうつもりだユーシス・アルバレア……。どうしてあんなタイミングで戦術リンクが途切れる!?」

 

ユーシス「それはこちらのセリフだ……マキアス・レーグニッツ。戦術リンクの断絶…明らかに貴様の側からだろうが!」

 

マキアス「協力すると言いながら結局は腹の底で平民をバカにする!それが貴族の考え方なんだろう!」

 

ユーシス「阿呆が!その決めつけと視野の狭さこそが全ての原因だと何故気づかない!」

 

リィン「よせ2人とも!」

エマ「お、落ち着いてください…」

 

マキアス「うるさい!君達には関係ない!」

 

ユーシス「この際、どちらが上か徹底的に思い知らせてやろう!」

 

レイ「……」

 

2人のケンカがヒートアップし始めた……その時!

 

リィン「危ない!」

 

リィンはいきなり2人を突き飛ばし、突き飛ばされた2人は何事かと見ると倒したはずの魔獣が

立ち上がっていた

 

マキアス「なっ!?」

ユーシス「あいつ、まだ生きて…」

 

フィー「やっ!トドメ」

-ドンッ!ドンッ!

 

フィーは双銃剣を魔獣に突き刺し、引き金を引いて体内に直接銃弾を撃ち込んで魔獣を倒した

 

リィン「……っ。やったか…」

 

エマ「リィンさん、早く手当てを!」

 

ユーシス「お、おい…」

マキアス「大丈夫なのか?」

 

リィン「あはは…大したケガじゃないさ。まさか生きていたとは、俺も甘かったよ」

 

マキアス「すまない。その…」

ユーシス「…完全に俺達のせいだな」

 

リィン「いや、気にしないでくれ。気づかなかったのは俺のミスでもあるし…」

 

フィー「私も迂闊。」

フィー(でも…)

 

フィーはチラッとレイの方を見る

 

リィン「とにかく2人にケガがなくて良かったよ」

 

その後、リィンの手当てが終わると皆はオーロックス砦に魔獣退治の報告に向かう

 

フィー「ねぇ、レイ」

 

レイ「何だ?」

 

フィー「あの手配魔獣がまだ生きていた事、分かってたでしょ?なのに何で言わなかったの?」

 

レイ「あの2人のいがみ合いはちょっとやそっとの事じゃ解決しないからな。荒療治だがああいう手段を取らせてもらった。最低と思うか?」

 

フィー「ううん、私も同感。あの2人にはあれ位が丁度良いと思う」

 

そして6人は砦に手配魔獣討伐の報告を済ませ、街への帰路についた

 

レイ(砦は大規模に改築されていたな。しかもRF社の最新鋭主力戦車アハツェンまで配備されていた。これは姉さんに報告しておかなければ…)

 

マキアス「おい、なぜ地方の領邦軍なんかに最新鋭の戦車が必要になるんだ?!」

 

ユーシス「貴様も分かっているんだろう。これが帝国の『現状』だと」

 

レイ「『貴族派』と『革新派』……四大名門による貴族連合と〈鉄血宰相〉オズボーンの対立は水面下で激化中。今のがその一端か」

 

レイの言葉にユーシスは頷き、話を続ける

 

ユーシス「ああ。帝国正規軍は強大だ。大陸でも最大級の戦力を保持していると言えるだう。その7割を掌握する〈鉄血宰相〉に貴族連合がどう対抗するか…」

 

エマ「だからこその領邦軍の軍備増強ですか…」

 

リィン「……同じ帝国内なのに不毛すぎるとしか思えないな」

 

その時、砦の方からサイレンの音が鳴り響いた

 

リィン「なんだ?」

 

エマ「サイレンの音…みたいですね?」

 

ユーシス「これは…砦の方からか?」

 

エマ「え!?あれは…!?」

 

エマが指さす先には銀色の物体がリィン達の上空を飛んでいくところだった

 

マキアス「な…何か銀色の物が飛んでいったぞ?!この辺りにはあんな鳥が飛んでいるのか!?」

 

ユーシス「阿呆が……そんなわけあるか…!」

 

リィン「今の…子供が乗っていたな」

 

フィー「ん」

 

3人「ええ!?」

 

リィン(なんだ…?あれは一体…?)

 

レイ(あのバカ、また調子に乗ったな?実習が終わったら説教しとくか)

 

 

その後、6人はバリアハートに帰還して一旦部屋に戻り、ユーシス行きつけのレストランで夕食をする事になった

 

マキアス「いい風だ」

 

リィン「ユーシスの行きつけだったか?」

 

ユーシス「ああ、幼い頃から良くしてくれてな。ここの味で育ったようなものだ」

 

エマ「今回のレポートは気が楽かもしれません」

 

リィン「え?」

 

フィー「先月の実習、とてもこんな普通の雰囲気じゃなかった。今回はかなりマシだと思う」

 

リィン「そ、そうか…」

 

レイ(どんな雰囲気だったんだ?)

 

ユーシス「だが決して良くもないだろう」

 

リィン「えっ?」

 

ユーシス「おそらく今回のB班はベストを尽くせる状態だろう。だが俺達A班は今日1日ベストを尽くせたか?手配魔獣との戦いもそうだが、それ以外の依頼についても」

 

マキアス「……」

フィー「…むぅ」

 

レイ「実習は残り1日。明日、なんとか立て直すしかないな」

 

リィン「それにクロイツェン州での増税に領邦軍の大規模な軍備増強……俺達自身の問題以外に難しい状況が見えてきたのも確かだ。残り1日…俺達は俺達で惑わされずに頑張るしかないだろうな」

 

エマ「そうですね…」

マキアス「ああ…」

ユーシス「まずはホテルに戻ってレポートを纏めるか」




とりあえずここで一旦切ります。次の話でレイがとある人物と戦います

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