第3学生寮の新たな管理人
6月中旬・若葉の季節を過ぎたトリスタでは珍しく長雨が続いていた
士官学院・技術棟にて
クロウ「あ~、試験勉強かったりいなぁ~」
トワ「もうクロウ君、2年最初の試験なのに気を抜いちゃダメでしょ」
クロウ「へ~い」
レイ「まっ、そうやってだらけるのは自由だが留年して後悔しないようにな。ギャンブル先輩」
クロウ「だからそのあだ名はやめろっつうの!!」
レイ「フフッ、それじゃ俺は学院長に呼ばれているから。じゃあな」
そう言ってレイは技術棟を出ていき、学院長室に向かった
レイ「学院長、失礼します。っ!!」
学院長室に入った瞬間、レイは鉤爪を装着し扉から飛び退く
?「あらあら、さすがレイ様ですね。簡単には悟られまいと頑張りましたのに」
扉の陰から紫を基調としたエプロンドレスを着て、緩くカールさせたボブカットの髪に翡翠色の瞳を持った女性が現れたのを見てレイは軽くため息をはく
レイ「嘘つけ、半分くらい試してただろ。お前が本気で隠れたら俺でも見つけるのに数秒かかるぞ『シャロン・クルーガー』」
シャロン「お褒めいただき光栄ですわ」
レイ「誉めたつもりはないがな。学院長、彼女がここにいる理由はもしかして…」
ヴァンダイク「うむ。レイ君が第3学生寮の管理人と料理番をしているとバレスタイン教官から聞いてな。このままでは学業に支障が出ないかと心配しておるのだよ」
レイ「なるほど。それでどこから聞きつけたかは分からないが、彼女が寮の管理人を申し出たという事ですね」
シャロン「その通りですわ」
レイ「分かった。それじゃ寮の鍵を渡しておく」
シャロン「承りましたわ。このシャロン、レイ様が守ってきた寮の管理人を謹んで拝命します」
レイ「ああ、頼むぞ」
〈6月19日〉
16日から始まった試験も無事に終わり、サラ教官のH・Rが終わるとガイウス、フィー、ラウラ以外のメンバーがトリスタの公園に来ていた
エリオット「はぁ~、何ていうか解放感に満ちているよね~」
アリサ「結果発表は来週の水曜日よね」
マキアス「フフン、悪いが僕は自信があるぞ。エマ君はどうだ?」
エマ「そ…そうですね、悪くはないと思います」
マキアス「むっ!」
ユーシス「止めておけ、見苦しい」
エリオット「そういえばサラ教官これからどこに行くんだろうね?」
リィン「ああ。明日までに誰かと会う約束があるって言ってたな」
エマ「普通に考えたら恋人と会うとかでしょうか?」
ユーシス「信じられんな。あれにそんなのがいるのか?」
レイ「あれは失礼だろ。それより明日は自由行動日だったな。リィンはまた生徒会の手伝いか?」
リィン「ああ、そうだな」
マキアス「そういえばガイウスがさっき学院長に呼ばれていたみたいだが……何の用だろうか?」
アリサ「ラウラとフィーも先に教室を出て行っちゃたわね。せっかく皆で一緒に帰ろうと思っていたのに…」
するとリィンが前々から気づいていた事を皆に話す
リィン「そのラウラとフィーなんだが、最近何だかぎこちなくないか?」
エリオット「そ…そうなの?!」
エリオットは驚くが他のメンバーは気づいていた
アリサ「ふう…気づいてたんだ」
エマ「その…お互い避けあっているような気がするんです」
マキアス「ひょっとしたら…」
どうやらマキアスは2人が避けあっている理由に心当たりがあるようだ
マキアス「先月の特別実習での出来事をA班・B班で報告しあっただろう?フィーが爆薬を使った話も…」
エリオット「うん。フィーって学院に来る前に〈猟兵団〉にいたんだよね。確かにびっくりしたけど…」
マキアス「それを話した時ラウラが一瞬だけ険しい顔になったような気がしたんだが…」
エマ「う~ん、どうしてでしょう?」
ユーシス「フン、事情は人それぞれだろう。いまだ家名を明かさない人間もいるくらいだからな」
アリサ「ちょっ、ちょっと今ここでそれを言うの!?」
ユーシス「別に他意はないが、まぁお前の家名については大方予想が出来ているからな」
ユーシスの言葉にアリサは「えっ!?」と焦った声を出し、冷や汗がダラダラと流れる
アリサ「そ、その勿体ぶってるわけじゃ……!ただあまり周りに知られると面倒な事になるかなって…」
?「お嬢様、お久しぶりです」
アリサが家名の話にしどろもどろになっていると可憐な声が響き、そちらを向くと1人の女性が立っておりアリサはその人を見て驚く
アリサ「シャ…シャ…シャ…シャロン!?どうして貴女がここに…!?」
シャロン「フフッ、会長に申しつけられまして…」
レイ「シャロンか。学生寮の管理人は出来そうか?ってお前には愚問だったか」
シャロン「当然ですわ」
アリサ「ちょっと!あなた達知り合いなの!?」
レイ「トールズに来る前にちょっとな」
シャロン「ちょっとです。ですがお嬢様の思っているような関係ではありませんのでご安心下さい」
アリサ「まぁ、別にそこは心配してないけど…。」
3人の話についていけていないメンバーは呆然としていた
レイ「おっと、皆が呆然としているな」
シャロン「あら、私としたことが…。初めまして、アリサお嬢様のご実家〈ラインフォルト家〉で使用人として仕えさせていただいておりますシャロン・クルーガーと申します。今日から皆様の第3学生寮の管理人を勤めさせていただきます」
-次の日の朝
シャロンが作った〈帝国風ブレックファースト〉の出来映えに皆、驚いていた
ガイウス「これは見事だな」
フィー「どれも美味しそう」
ラウラ「ふむ、私の実家で出されるより遙かに彩りも豪華なくらいだ」
ユーシス「公爵家の朝食にも引けを取らないな」
シャロン「ありがとうございます。コーヒー、紅茶共に揃えておりますので遠慮なくおっしゃってくださいね」
皆はシャロンが作った朝食の出来映えに驚いているが、アリサだけはふくれっ面でご機嫌が斜めだった
リィン「さすがにご機嫌斜めだな」
エリオット「昨夜は揉めてたみたいだからね」
レイ(確かに昨日は結構揉めていたな。まぁ、自立したいアリサにとっては受け入れがたいのだろうな)
シャロン「お嬢様、大好物のアプリコットジャムをたくさん作ってきましたわ。せっかくですからシャロンがトーストにお塗りしましょうか?」
アリサ「えっ、ほんと?……って子供扱いしないでよ!!」
レイ(微笑ましい光景だな)
その後、シャロンの作った料理を食べ終えた〈Ⅶ組〉のメンバーは各々の予定の為に寮を出る
-午後・旧校舎第3層最奥にて
レイ「いくぞラウラ!」
ラウラ「任せるが良い!鉄砕刃!!」
レイ「カイザーリッパー!!」
2人のクラフトにより第3層の主は倒された
エリオット「ふう~、ここで行き止まりみたいだね」
ガイウス「驚いたな…オリエンテーリングの時とずいぶん内装が変化しているが…」
レイ「地下へ降りる昇降機が現れるわ、内装が変化するわ。この建物は一体どうなっているんだ?」
ラウラ「ここは第3層だったか。階層の奥にはいつも強敵…主がいるみたいだな」
リィン「よし、探索出来るのはここまでみたいだし…」
アリサ「そうね。学院長に報告しましょう」
そして学院長に報告が終わって探索メンバーは学生寮に帰り、リィンも少し遅れながらも寮に帰ってきた。すると丁度サラも帰ってきたところだった
リィン「サラ教官、お疲れ様です」
サラ「あらリィン、そちらこそお疲れ様。その調子だと今日も生徒会の手伝い頑張っちゃったみたいね」
そしてサラ教官が扉を開けるとシャロンが出迎えてくれた
シャロン「お帰りなさいませリィン様それにサラ様。初めましてラインフォルト家より参ったメイドのシャロンでございます」
サラ「……。ああ…聞いているわ…これはご丁寧に。1つ質問なんだけど…『初めまして』だったかしら?」
シャロン「いえ、初対面なのは間違いないかと存じます。よろしくお願いいたします『サラ・バレスタイン』様」
サラ「ええ、こちらこそ『シャロン・クルーガー』さん」
リィン「なっ、なんか邪魔しちゃ悪そうだな(汗)」
そしてリィンは郵便受けに入っていた手紙を持って自室に戻った
その頃、レイは……
レイ「姉さん、それは確かな情報?」
クレア『ええ、間違いないわ。それで比較的自由に動ける貴方にお願いしたいの』
レイ「分かった。明日学院長に許可をもらってくるよ」
クレア『ごめんなさい。貴方には学院生活を楽しんでほしいのに…』
レイ「良いよ。俺は学生である前に鉄道憲兵隊の大尉だからな。それじゃお休み姉さん」
クレア『お休みレイ』
憲兵隊大尉として極秘の任務を行おうとしていた
-中間試験結果発表日
マキアス「なっ!?」
エマ「あ、あはは…」
マキアスが驚き、エマが苦笑している理由は廊下に貼られている中間試験の結果発表の紙が原因である
エリオット「委員長とマキアスが同点一位…!」
ガイウス「さすがだなマキアス」
マキアス「あ、ああ…何というかさすがだなエマ君」
エマ「いえいえお互い頑張った結果だと思います」
ちなみにユーシスは3位、レイは4位、リィンは7位、アリサは8位、ラウラは17位、ガイウスは20位、エリオットは36位、フィーは72位となっており、さらにはクラス別の順位表ではⅦ組が首位となっていた
ラウラ「ほう、我らⅦ組が首位か」
ユーシス「フン、俺が属するクラスが負けるなどあり得んがな」
マキアス「だから何で君はそんなにも偉そうなんだ?(汗)」
レイ「いや、実際みんな頑張っただろう」
リィン「ああ、誇ってもいいと思う」
フィー「Vだね」
しかしレイ以外のⅦ組のメンバーは気づいていなかった。遠くからⅦ組を見ている人物達がいることを…
-午後・実技テスト
サラ「いや~、中間試験頑張ったじゃないの!これでイヤミな教頭のハナをあかしてやったってもんよ」
レイ「別にサラのために頑張ったわけじゃないぞ」
サラ「堅いことは言いっこ無しよ。じゃ、今月の実技テストを始めるとしましょうか。今回の相手よ」
そう言ってサラが指を鳴らすと例の戦術殻が出てきた。それを見たリィンはオーロックス砦で見た銀色の物体を思い出した
フィー(気づいた?アレに素材が近い気がする)
リィン(ああ、もしかしたら関係があるのかもな)
ラウラ「どうしたのだ?」
フィー「……。別にこっちの事」
フィーの言葉に2人の空気がまたしても悪くなってしまう
リィン(困ったな…)
レイ(何とかして2人の溝を埋めなければならないな)
?「フン、面白そうな事をしているじゃないか」
実技テストを始めようとした時、声が聞こえそちらを振り向くとⅠ組の男子が4人、グラウンドに現れた
エマ「Ⅰ組の…?」
エリオット「あ…四大名門の…!」
ユーシス「パトリック・T・ハイアームズ…」
マキアス「き…貴族クラスが何の用だ!?」
サラ「どうしたの君達?Ⅰ組の武術教練は明日のはずだったけど」
パトリック「いえ丁度トマス教官の授業が自習となりましてね。せっかくだからクラス間の〈交流〉をしに参上しました。最近目覚しい活躍をしている〈Ⅶ組〉の諸君相手にね…」
そう言ってパトリックは腰からスラリとレイピアを引き抜いて構え、取り巻き達も一斉に抜刀する
レイ「なるほど、模擬戦と言う名の喧嘩か」
パトリック「何だと?」
レイ「中間試験で上位を独占し、あまつさえクラス別の平均点でお前達を大きく上回った俺達が気に入らないんだろう?」
パトリック「グッ…」
レイの言った事は全て正しいのでパトリック達貴族生徒は反論できない
レイ「だが止める気は無いから安心しろ」
アリサ「な…何でよ!?」
レイ「軍でも模擬戦は普通にあるからな。今の内に慣れておくのも悪くはないだろう?」
アリサ「そう言われると言い返せないわね…」
レイ「というわけだからサラ教官、実技テストの内容を変更してほしいんだが…」
するとサラは再び指を鳴らして戦術殻を消した
サラ「実技テストの内容を変更!〈Ⅰ組〉と〈Ⅶ組〉の模擬戦とする。リィン、3名を選びなさい。そしてレイ、あんたは現役軍人としての力を見せる為に1人で模擬戦に参加しなさい」
レイ「またかよ。まぁ、別に構わんが…」
そして一回目の〈Ⅶ組〉対〈Ⅰ組〉の戦いが始まる。ちなみにリィンが選んだメンバーはエリオット、ガイウス、マキアスだ
それから数分後、苦戦はしたものの何とかリィン達代表メンバーが勝利した
サラ「そこまで!一戦目、勝者〈Ⅶ組〉代表!続けて二戦目を行うけど大丈夫かしら?」
パトリック「はい。大丈夫です」
そう言ってパトリック達は立ち上がり、再びレイピアを構える
サラ「それじゃレイ、出なさい」
レイ「分かった」
レイは鉤爪を装着しパトリック達の前に立つ
レイ「先に言っておくが、相手が貴族だろうと学生だろうと手加減する気は全く無い。だから……本気でかかってこい」
4人「っ!?」
レイの放つ殺気にパトリック達は気圧されるが何とかレイピアを構える
サラ「それでは第2戦目、始め!」
レイ「フッ!」
-ズガッ!
貴族生徒1「グハッ!」
レイはまず先程のリィン達の戦闘でサポートに徹していた貴族生徒に高速で近づき、腹に膝蹴りをくらわしてダウンさせた
レイ「まずは1人。次は…」
貴族生徒2・3「ハアッ!!」
2人の貴族生徒がレイを挟み撃ちする形で迫るが…
レイ「甘い」
するとレイは鉤爪で2人のレイピアを弾き、背後に移動してARCUSを駆動する
レイ「くらえ、スパークアロー!!」
貴族生徒2・3「グアァァァァッ!!」
レイのアーツをまともに受けた貴族生徒は吹き飛び、戦闘不能になった
レイ「残り1人」
そう言ってレイは貴族生徒のリーダー的存在であるパトリックの目の前に来る
パトリック「く…くそっ!」
模擬戦が始まって1分も立たない内に仲間3人が倒された事に焦ったパトリックはレイピアを突き出すのではなく、振り下ろしてしまった
レイ「英才教育を受けたとはいえ、まだまだ半人前だな」
パトリックの攻撃を体を少しずらす事で避けたレイはすかさずクラフトを放つ
レイ「カイザーリッパー!!」
パトリック「グワッ!!」
レイは赤黒いエネルギーを鉤爪に纏わせたがそれを斬撃として撃たず、そのまま切りつけて相手のレイピアを吹き飛ばした(その余波でパトリックも少し吹き飛んだが…)
サラ「そこまで!勝者レイ・リーヴェルト!」
パトリック「バ…バカな。この僕が二度も…」
するとリィンがパトリックに近づいてきた
リィン「パトリック、いい勝負だった。危うく押し切られる所だった。機会があればまた…」
そう言ってリィンは握手の為に手を出すがパトリックはその手をはねのける
パトリック「触るな下郎が!いい気になるなよリィン・シュバルツァー……ユミルの領主が拾った…出自も知れぬ“浮浪児”ごときが!」
リィン「っ!!」
マキアス「おい…」
アリサ「貴方…」
エリオット「酷いよ…」
しかしパトリックの罵倒は止まらない
パトリック「他の者も同じだ!何が同点首位だ!貴様ら平民ごときがいい気になるんじゃない!」
マキアス「なにっ…!?」
パトリック「ラインフォルト!?所詮は成り上がりの武器商人風情だろうが!おまけに蛮族や猟兵上がりの小娘まで混じっているとは…!」
レイ「少し言い過ぎじゃないのか?」
パトリック「黙れ!極めつけは貴様だレイ・リーヴェルト!貴様のような得体の知れない人間が何故、鉄道憲兵隊の大尉になり皇女殿下やアルバレア家の護衛を務めている!」
エマ「酷いです…」
アリサ「まぁ、否定はしないけど…」
レイ「ハイアームズのご子息殿、1つ良いかな?」
パトリック「良いだろう、聞いてやる」
レイ「では失礼して…」
レイはパトリックの首に手をかけ、足を払って地面に倒し…
パトリック「グワッ!貴様、何を…」
レイ「フッ!」
パトリック「ウワアァァァッ!?」
パトリックの顔面めがけて目にも止まらない速さで拳を繰り出したがその拳はパトリックの顔面直前で止まった。そしてレイはパトリックの胸倉を掴んで無理矢理起きあがらせる
レイ「何を驚いている?」
パトリック「こ…こんな事をして良いと思っているのか?」
レイ「なに、お前にちょっとした授業をしてやろうと思ってな」
そう言ってレイは殺気を含ませながら話を続ける。すると空気が薄くなったのか?周囲にいた生徒が息苦しくなる
レイ「お前の言動には全くと言って良いほど覚悟が備わっていない。大貴族の家に生まれ、何不自由なく育ったんだろう。だからこそ、お前には人間というものが全く分かっていない。人は千差万別、誰1人として同じ価値観を持つ者はいない。つまり、今お前が罵倒した俺の仲間達もそれぞれ違う価値観を持って生きてきたんだ。それは分かるな?」
レイの言葉にパトリックは震えながら頷く
レイ「よろしい。ならば後は覚悟を持て。自分が罵倒した人間にやり返される覚悟を。だがその覚悟が無い者に安全圏から誰かを罵倒する権利など無い!」
それだけ言うとレイはパトリックの胸倉を離す
パトリック「なら…貴方は持っているのか?その覚悟を?」
レイ「当然だ。2年前に鉄道憲兵隊に入った時からずっと持ち続けているさ」
そう言った時のレイの顔がリィンには少し悲しげに見えた
パトリック「そうか…。さすが現役の軍人だ」
パトリックがそう呟いた時、授業終了のチャイムが鳴った
サラ「はいは~い授業終了よ。中々良い題材が出たのは良かったけど、レイはまずその殺気引っ込めなさい」
レイ「分かった」
レイが殺気を収めると息苦しさが無くなり、ホッとする生徒達
サラ「模擬戦はこれで終了。明日の武術教練は今日の模擬戦の反省にするわ。後、自習中だからといって勝手に教室から出ないように」
パトリック「……失礼する」
パトリックは取り巻きを引き連れて教室へと帰っていった
サラ「今回の実技テストは以上!それじゃ早速、今月の〈実習地〉を発表するわよ♪」