〈6月26日・特別実習1日目ヘイムダル中央駅構内〉
A班
リィン・レイ・アリサ・エマ・ユーシス・ガイウス
(実習地・ノルド高原)
リィン「しかし驚いたよ。まさかガイウスの故郷…〈ノルド高原〉が実習地に選ばれるなんてな」
アリサ「ちょっと遠いけどガイウスの実家に泊まるなんて楽しみね」
レイ「そうだな、遊牧民の家か」
B班
マキアス・エリオット・ラウラ・フィー
(実習地・ブリオニア島)
マキアス「〈ブリオニア島〉…帝国西部の外れにある島か」
ラウラ「ああ、古代文明の遺跡で有名だったはずだ」
エリオット「そういえば僕、海って見るの初めてなんだよね-」
フィー「私はあるけど」
ラウラ「ほう、そうなのか?」
フィー「ん、団の上陸作戦についていった時に」
ラウラ「っ!」
フィーの言葉にラウラは反応し、お互いにそっぽ向く
2人「……(汗)」
2人の反応にマキアスとエリオットは冷や汗が流れる
マキアス「そ…そういえばラウラの故郷〈レグラム〉にも遺跡があるんじゃなかったか?」
ラウラ「ああ、〈ローエングリン城〉だな。街から見える湖に面した壮観な古城でな」
エリオット「確か〈聖女のお城〉だっけ?僕も見てみたいなぁ~」
フィー「ん~、腕の良い狙撃手に陣取られたら厄介そうな場所だね」
ラウラ「っ!」
フィーの言葉にラウラはまた反応し、再びそっぽ向く
2人「………(汗)」
リィン「う~ん、B班早速苦戦してるな」
ユーシス「フン、思った通りか。情けない」
すると冷や汗をかきながらマキアスがA班の元に来て一言
マキアス「何だか……自信が無くなってきた…。ずっとああなんだ…」
エリオット「ちょ…ちょっと!諦めるの早すぎない!?」
リィン「……(汗)」
ガイウス「何よりもA班・B班共に全員無事に戻ってくること…それが重要だろう」
マキアス「そ…そうだな」
そして列車の発車時間になり、A班とB班はそれぞれの実習地に向かう為に列車に乗った
-列車内にて
ガイウス「前にも話したがノルドまでは片道8時間以上は列車に揺られる事になるだろう」
アリサ「改めて考えると物凄い距離よね…。ちなみにレイ、鉄道憲兵隊の列車だとどれ位かかるの?」
レイ「憲兵隊の高速列車〈クルセイダー〉なら半分の4時間位だな」
ユーシス「さすが鉄道憲兵隊が所有する列車だな」
そして昼になり、A班はルーレ駅に到着した
リィン「ルーレ…〈黒銀の鋼都〉か。こちらに来るのは初めてだな」
エマ「ここはアリサさんのご実家、ラインフォルト社があるんですよね」
レイ「次は貨物列車に乗り換えて終点の〈ゼンダー門〉まで。向こうに到着するのは大体4時頃…結構な長旅になるな」
アリサ「売店で何か買っていきましょうか?」
そう言ってアリサが売店に行こうとした時…
?「その必要はありませんわ」
駅の柱の影からトリスタにいるはずのシャロンが現れた
アリサ「ど…ど…ど…どうして貴女が先回りしてるのよ!?」
シャロン「それはもう、お嬢様への愛のなせる業と言いますか…。朝食のサンドイッチと違い、お昼は腕によりをかけたお弁当を用意いたしました。どうぞ」
ユーシス「フン。ラインフォルト家のメイドは主人を驚かすのが趣味らしい。大方帝都で定期飛行船に乗り込んだというところだろう」
シャロン「フフッ、そうでございます」
レイ「シャロン、この後に何か用事でもあるのか?」
シャロン「さすがレイ様はお察しが鋭いですね。実はこの後、別の仕事がありまして」
アリサ「別の仕事?」
?「私の仕事の手伝いをしてもらうのよ」
そう言ってアリサと同じ髪色をした、いかにも仕事人間といった感じの女性…イリーナ・ラインフォルトが現れた
アリサ「か…か…母様!?」
イリーナ「久しいわねアリサ、そしてそちらが〈Ⅶ組〉面々ね。アリサの母のイリーナ・ラインフォルトです。ラインフォルトグループの会長を務めているわ」
さすが帝国の大企業の会長と言うべきか、物凄い威圧感を放っている
レイ「お久しぶりですねイリーナ会長」
イリーナ「ええ、そうね。1年ぶりかしら?」
アリサ「えっ!?もしかしてレイがシャロンと知り合いの理由は…」
シャロン「はい。レイ様は1年前にイリーナ会長の護衛をしたことがございます。その時に私も知り合いになったんです」
アリサ「な…なるほど」
イリーナ「これからも不肖の娘と仲良くしてやってちょうだい。仕事があるからこれで失礼するわ」
そしてイリーナは挨拶もそこそこにシャロンを従えて仕事に向かおうとする。するとアリサが…
アリサ「い…いい加減にして!勝手に家を飛び出した娘に何か一言ないわけ!?」
イリーナ「貴女の人生…貴女の好きに生きればいいでしょう。ラインフォルトを継ぐことを強制する気もないわ。〈あの人〉のように勝手気ままに生きるのも…悪くはないでしょう」
アリサ「っ……!」
イリーナ「それに貴女の学院生活も最低限のことは把握してるわ。それと〈Ⅶ組〉の運用レポートについても〈学院からの月ごとの報告でね〉」
アリサ「……え?」
イリーナ「ああ、言ってなかったかしら。〈トールズ士官学院〉--貴女達の学院の常任理事を務めさせてもらっているから」
-その後、A班は列車に乗りシャロンから貰ったお昼をいただいていたが雰囲気は良くなかった
エマ「アリサさん…」
アリサ「騙された…。せっかく家を出たと思ったのに…まさかあの人が理事をしている学院だったなんて!なんでもっとよく調べなかったのよ~!ああもうバカバカ!」
レイ「母親とはうまくいってないのか?」
アリサ「まぁね、昔から折り合いが悪くて実家を出たんだけど……」
ユーシス「フン、あの場で挨拶をしてきただけマシというものだろう。完全な無視よりはな」
アリサ「あ…」
エマ「ユーシスさん…」
ユーシス「……つまらんことを言ったようだ」
ガイウス「どうやら最後のトンネルも終わりのようだ」
ガイウスの言葉に仲間達が窓の外を見るとそこには雄大な景色が広がっていた
ガイウス「皆、長旅ご苦労様だったな。もうすぐ〈ノルド高原〉だ」