【完結】迅雷の軌跡   作:カオスカラミティ

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ここ数日更新してなくて申し訳ありませんでした。今日から更新を再会します


高原での任務

16:30・ゼンダー門

 

?「おお!やっと到着したか」

 

ガイウス「中将、ご無沙汰しています」

 

?「うむ。数ヶ月ぶりになるか。士官学院の制服もなかなかサマになっているではないか」

 

アリサ「どうやら帝国正規軍の将官の方みたいね(小声)」

 

リィン「ああ。中将という事はこの門の責任者なんだろうな(小声)」

 

すると中将と呼ばれた人物がリィン達を見る

 

?「ふむ、そしてそちらがⅦ組の仲間というわけか。フフ、噂には聞いていたが面白い顔ぶれが集まっているようだな」

 

リィン「あっ…よ、よろしくお願いします!」

 

?「帝国軍第三機甲師団長ゼクス・ヴァンダールだ。以後よろしく頼む」

 

その言葉にリィンとユーシスは驚く

 

リィン「っ!〈隻眼〉のゼクス…!」

 

ユーシス「アルノール家の守護者か…!〈ヴァンダール〉といえば皇族アルノール家を守護する武門の一族として有名だ。そして〈隻眼〉のゼクスといえば帝国正規軍で5本の指に入る名将とも聞き及んでいる」

 

リィン「ラウラの〈アルゼイド流〉と並ぶ帝国のおける武の双璧…その、お目にかかれて光栄です」

 

ゼクス「ハハ。そう大層な人間ではないのだが。お主達の話も聞きたいが時間も時間だ。今日中に帰るつもりならすぐに出発した方がいいだろう。例のものは用意してあるぞ」

 

ガイウス「ご好意感謝いたします」

 

ゼクス「このくらいどうという事はない。お主は私の命の恩人だからな」

 

エマ「恩人?」

 

レイ「確か…一年前にゼンダー門に異動になった際、ノルド高原を探索していたら狼型魔獣の群れに囲まれたと聞きましたが?」

 

ゼクス「うむ。そこへ十字槍を持ち、馬に乗った彼が現れ魔獣を追い払ってくれたのだ」

 

アリサ「へぇ、そんな事が。かっこいいわね」

 

ガイウス「そんな大げさな話ではないんだがな。…でもその縁あって俺は士官学院の推薦を受けられる事になったんだ」

 

エマ「そうだったんですか…」

 

ゼクス「さぁ、例のものは外に用意してある。アレを使えば集落まで1時間ほどだ。風と女神の加護を」

 

そして一行が外に出るとノルド産の馬が5頭用意されており、男子は1人1頭で乗り、エマはアリサの後ろに乗せてもらっていた

 

リィン「凄いな…とんでもない爽快感だ!」

 

アリサ「ええ!まるで風になったみたい!大丈夫、エマ?」

 

エマ「は、はい…ちょっと怖いですけど」

 

ユーシス「しかし馬術部の連中に羨ましがられそうな体験だな」

 

レイ「ハハ…確かに。」

 

ガイウス「俺の故郷は北東…あちらの山脈の方角に向かった先にある。日没までに何とか辿り着くとしよう」

 

そしてA班はガイウスの故郷に到着する

 

レイ「前に憲兵隊のファイルで見たことがあるが、本当に家が布で出来てるんだな」

 

ガイウス「ああ。移動式の住居でな。夏から秋にかけては北へ異動するのが常だ。さて、まずは俺の実家に…」

 

?「あんちゃぁぁぁぁん!あんちゃん!ガイウスあんちゃん!」

 

ガイウスが仲間達を実家に案内しようとすると妹のリリが駆け寄ってきてガイウスはリリを抱きしめる

 

エマ「わぁ…!」

アリサ「か…可愛い!///」

 

シーダ「ガイウスあんちゃん、お帰り!」

 

ガイウス「ただいまリリ、シーダ。トーマも元気そうだな」

 

トーマ「へへ、あんちゃんこそ」

 

リィン「はは…すごく慕われているんだな」

 

アリサ「ええ…一人っ子には目の毒ね」

 

レイ「……」

 

?「ふふ、良き友に恵まれたようだな」

 

声がした方を見ると2人の男女がいた

 

ガイウス「父さん、母さん!」

 

ファトマ「お帰りなさいガイウス。皆さんも初めまして、ガイウスの母ファトマです」

 

エマ・アリサ(お母さん!?)

 

女子2人はファトマのあまりの美しさに心の中で驚くが…

 

レイ「母親!?てっきり姉かと……」

 

ファトマ「フフッ、ありがとう」

 

レイは思いっきり声に出てしまっていた

 

ラカン「ガイウスの父、ラカン・ウォーゼルだ。よろしく頼む士官学院の諸君」

 

エマ・アリサ「は、はい!こちらこそ」

 

ユーシス「……。何というか…恵まれている男だな」

 

レイ「そうだな…優しそうな両親に可愛らしい兄弟達か……」

 

エマ「それと高原の雄大な自然…そういった環境がガイウスさんの悠然とした所を育んだのかもしれませんね」

 

リィン「ああ…そうだろうな」

 

ラカン「客人用の住居を離れに用意しておいた。じきに日も暮れる。今夜は我が家でゆっくり休んでくれ」

 

 

-翌日・早朝

リィン「ん~。ここは…そうかノルド高原だったか」

 

ガイウス「早いなリィン。」

 

リィンが起きたのと同時にガイウスが客人用の住居に入ってきた

 

リィン「おはようガイウス…ってその格好は?」

 

ガイウスの今の服は士官学院の制服ではなく、昨日のラカンと同じような服を着ていた

 

ガイウス「ああ、久々に羊の放牧を手伝ってきたんだ。そろそろ朝餉の支度も出来ている頃だ。皆、朝だぞ。起きるがいい」

 

ユーシス「ん……ここは…?」

アリサ「羊の…鳴き声…?」

エマ「えっと眼鏡…眼鏡…」

 

3人の起床のやり取りにガイウスは微笑み、リィンは苦笑する

 

リィン「あれ?そういえばレイは?」

 

ガイウス「レイならすでに起きて朝餉の支度を手伝ってくれている。どうやら俺よりも早く起きていたみたいだ」

 

リィン「そ…そうか。(いったい何時に起きたんだ?)」

 

その後、リィン達は朝食をいただいた後ラカンから〈特別実習〉の封書を貰いA班が実習を始めようとした時…

 

レイ「さて、悪いが俺はここで別行動を取らせてもらう」

 

エマ「えっ!?」

 

ユーシス「なぜだ?」

 

リィン「何か理由があるのか?」

 

レイ「このノルド高原で極秘の任務を行わなければならない」

 

アリサ「だったら私達も協力するわ。一緒にやれば早く終わるだろうし…」

 

レイ「ダメだ」

 

だがレイはアリサの提案をバッサリと切り捨てた

 

アリサ「なっ、何でよ!?」

 

レイ「これは姉さんから要請された任務…つまりかなりの危険が伴うという事だ。鉄道憲兵隊大尉としてお前等を同行する事は認められない」

 

アリサ「で…でもね!」

 

リィン「アリサ、やめておけ。レイの言うことは理にかなっている」

 

その言葉でとうとうアリサは黙る

 

ガイウス「だがレイ、無茶はするなよ?」

 

レイ「大丈夫だ。今回の任務に命を失うような危険はない」

 

それだけ言うとレイは馬に乗り、集落から高原へと向かう

 

-30分後・高台(閃の軌跡Ⅱでヴァリマールが転移してきた所です)

 

そこにはバリアハートでリィン達に目撃された少女がいた

 

ミリアム「あっ、ようやく来た~!もう~遅いよ~!」

 

レイ「悪かったな。あいつらがなかなか離してくれなくてな。それよりミリアム、ちょっとこっちに来い」

 

ミリアム「ん~?何~?」

 

レイに呼ばれてミリアムが近くに来た…その時!

 

レイ「フンッ!」

-ゴンッ!

 

ミリアム「痛~い!!何すんのさ!?」

 

いきなりゲンコツを受けたミリアムは目に涙をためながらレイを睨むが本人は拳を握りながら反論する

 

レイ「当然の報いだ!お前バリアハートで俺達に見られてんだぞ!いや、それはまだ良い。不可抗力だからな。」

 

ミリアム「なら何で殴るのさ!?!」

 

レイ「お前…姉さんから聞いてるはずだよな?俺の説教を受けろと…」

 

その言葉にミリアムは「あっ」っと声を漏らし、目を背ける

 

レイ「なのに俺が自由行動日にお前の所に行ったらお前はいなかった。姉さんに聞いたら、『ミリアムちゃんはその……遊びに行ってしまって…あはは(苦笑)』って言っていた。お前、何俺の説教から逃げてんだ?」

 

ミリアム「いや~、それはその……(汗)」

 

言い訳が思いつかないミリアムは大量の冷や汗を流す

 

レイ「まぁ、今回の任務を無事にやり遂げれば不問にしてやっても良いが…」

 

ミリアム「頑張ります!」

 

「任務をやり遂げれば不問」と言うレイの言葉がよほど効いたのか、物凄くやる気を出したミリアム

 

レイ「それじゃ行くぞミリアム」

 

ミリアム「了~解!」

 

そう言ってミリアムは銀色の戦術殻〈アガートラム〉を出現させ、レイは腕をクロスさせて再び広げると背中に雷で出来た翼が形成される

 

そして2人はノルド高原の空を飛び、任務を開始する




レイが背中に形成した翼について設定に追加しました

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