サラ教官の言葉に全員が一瞬驚いた表情になる
レイ(なかなか面白そうなクラスだが…)
マキアス「冗談じゃない!身分に関係ない!?そんな話は聞いてませんよ!?」
レイ(やはりこういう人がいるよな)
サラ「えっと君は…」
マキアス「マキアス・レーグニッツです!それよりサラ教官、まさか貴族風情と一緒のクラスでやっていけって言うんですか!?」
サラ「え~、そう言われても…。同じ若者同士すぐに仲良くなれるんじゃない?」
マキアス「そんなわけないでしょう!」
ユーシス「フン。」
マキアスが騒いでいると彼の横にいる青年が鼻を鳴らす
マキアス「君、何か文句でもあるのか?」
ユーシス「別に。『平民風情』が騒がしいと思っただけだ」
マキアス「これはこれは…。その尊大な態度、さぞ名のある家柄と見受けるが?」
ユーシス「ユーシス・アルバレア。『貴族風情』の名前ごとき覚えてもらわなくて結構だ」
エリオット「し…『四大名門』!?」
アリサ「アルバレア公爵家……大貴族の中の大貴族ね」
エリオットと金髪の美少女アリサ・Rを始め、レイと長身の青年ガイウスと銀髪の少女フィー以外の皆が驚く
マキアス「だ…だからどうした?!その大層な名前に誰もが怯むと思ったら…」
レイ「そこまでだ。こんな所で言い合っていては『特別オリエンテーリング』とやらを始められないだろ?」
レイの言葉にマキアスとユーシスは言い合いを止めた
サラ「ありがとね。確かに色々あるとおもうけど、文句は後で聞かせてもらうわ。そろそろ『特別オリエンテーリング』を始めないといけないしね」
そう言ってサラは柱のある所まで下がり、その柱にあるボタンをポチッと押す
レイ「っ!!」
すると足下の床が傾き、次々と地下に落ちていくがフィーはワイヤーフックを天井に引っかけ、レイは落とし穴が作動する前に横に飛んで回避する
サラ「こらフィー、サボってないであんたも付き合うの」
フィー「めんどくさいな…」
サラ「それとあんたもなに軽々と落とし穴回避してんのよ!」
レイ「つい癖で…」
サラ「とにかく二人ともさっさと降りなさい」
二人「しょうがない」
そして二人は落とし穴に降りると、丁度黒髪の青年リィン・シュバルツァーがアリサに頬を叩かれていた
レイ「何があったんだ?」
フィー「女性の頬が赤いから、多分ラッキースケベがあったんだと思う」
レイ「なるほど。だいたいわかった」
当人は「厄日だ」と落ち込んでいるが…
その時、皆が所持していた『導力器』から着信音が鳴り響く
ラウラ「これは…入学案内と一緒に送られてきた『
サラ『それはエプスタイン財団とラインフォルト社が共同で開発した次世代オーブメントの1つ…第五世代戦術オーブメント《
エマ「戦術オーブメント…
サラ「そう。
サラがそう言うと部屋に明かりが点灯し台の上に全員の武器と小さな箱が置いてあり皆、自分の武器の所へと向かう
そして小さな箱を開けると、そこにはクオーツが入っていた
サラ「それは《マスタークオーツ》ARCUSにはめれば魔法が使えるようになるわ」
教官の指示通り武器を手にし、マスタークオーツをARCUSにセットするがレイだけは何故かマスタークオーツをセットしようとしない
アリサ「どうしたの?」
レイ「俺のクオーツだけ何故無いんだ?」
サラ『えっ?貴方はもう持っているって聞いたけど?』
レイ(あのアホ皇子、渡し忘れたな)
アホ皇子のミスに怒りが沸々と沸いてくるレイだった
サラ『私のを貸してあげましょうか?』
レイ「いえ大丈夫です。これも修行か試練と思って切り抜けます」
サラ『そ…そう?それじゃ始めるとしますか』
10人が武器を構えると奥にある扉が重々しく開いていく
サラ『その先はダンジョン区画になっているわ。ちょっと広いけど終点まで到着すればオリエンテーリングは終了よ』
レイ(ダンジョン区画という事は当然魔獣も徘徊しているんだろうな。まあ、気配を感じる限り、それほど強力な魔獣はいないから楽勝だな)
サラ『それではこれより士官学院・特科クラス〈Ⅶ組〉の特別オリエンテーリングを開始する。各自ダンジョン区画を抜けて旧校舎1階に戻ってくること。文句はその後に受け付けるわ』
その言葉を最後に通信は終わり、レイはすぐさま自身の武器である鉤爪・カイザークローを装着してダンジョンに入っていく
リィン「待ってくれ。どんな魔獣がいるか分からない。ここはチームを組んで行った方が良いと思う」
レイ「確かに一理あるが、ここの魔獣はそんなに強くない。俺は1人で行くが君達はチームを組んで行くといいだろう」
それだけ言うとレイはダンジョン区画へと入っていった
アリサ「何か嫌な感じ」
ラウラ「まあ落ち着け。とりあえず女子と男子のチームに別れて進もう。そなたらも異論は無いか?」
ラウラの言葉に異論無しと言うように男子達は頷く
めっちゃ長くなってしまいました。次はレイの力の一端が見れます