―翌日、レイは誰よりも早く起きて鉄道憲兵隊の服を身に纏って駅に向かおうと第3学生寮の扉に手をかけた時…
シャロン「おはようございますレイ様」
レイ「予想はしていたがやはり起きていたか」
シャロン「ウフフ。レイ様の事ですから、朝食を抜いてすぐに帝都に向かうのではないかと思いましたので、シャロンが腕によりをかけて作った朝食をどうぞ。列車の中で食べて下さいね」
そう言ってシャロンは朝食が入った篭をレイに差し出し、レイはそれをありがたく受け取る
レイ「何で俺が朝食抜いてすぐに帝都に行こうとしたのを知っているのかは聞かないでおくわ…(汗)」
シャロン「ウフフ、行ってらっしゃいませ」
そして、レイが駅に入ると改札の前にクレアが立っていた
レイ「悪い姉さん、少し遅れたな」
クレア「大丈夫よ。さっ、早く乗りましょう」
その後、姉弟は列車に乗りその中でシャロンからもらった朝食を食べながら帝都へと向かった
―帝都ヘイムダル
レイ「さて、この後はどうするんだ?」
クレア「閣下の元に行くのよ」
レイ「通商会議関係の話か?」
クレア「恐らくそうだと思うわ」
―バルフレイム宮・宰相執務室にて
オズボーン「朝早くにすまんなクレア、レイ」
クレア「いえ、自分は弟を迎えに行っただけですから」
レイ「それで閣下、通商会議関係で何か話があるようですが?」
レクター「その事ならまずは俺から話させてもらうぜ」
宰相執務室の扉が開き、〈かかし男〉の異名を持つ帝国軍情報局所属の特務大尉レクター・アランドールが入ってきた
クレア「レクターさん…」
レイ「盗っ人〈かかし男〉」
レクター「おい、何だよその呼び方…(汗)」
レイ「いつまで経っても貸した金を返さない奴にはピッタリの呼び方だ」
レクター「分かった分かった。この報告が終わったら返すから。そんでレイ、クロスベルで行われる通商会議だがどうやらあの〈帝国解放戦線〉が狙ってるらしい。」
レイ「早速行動を開始してきたという事か。ご苦労な事で」
レクター「その他にも凄腕の猟兵団がクロスベル入りするという情報がある。お前1人じゃ手が回らない事が十分起こりうる。そん時はこいつらを頼りな」
そう言ってレクターは何かのファイルをレイに渡す。受け取ったレイはその場でファイルを読み、レクターに返した
レイ「確かになかなか使える奴らだな」
オズボーン「彼らと協力し通商会議を守り、彼らの他の情報も入手してくれ」
レイ「そのファイル以上の事を入手ですか。あまり期待しないで下さいよ。俺はレクター以上の情報収集能力は持ってないのですから」
オズボーン「無論出来ればで構わん」
レイ「わかりました」
レクター「んじゃ、用事は終わったんで俺は帰らせてもらうぜ」
―ビュンッ!
レクター「っ!!危ねっ!!」
レクターが帰ろうとした時、鉤爪を着けたレイがおもいっきり腕を振るったが間一髪でレクターは避けた
レイ「何、勝手に帰ろうとしてんだ?お前にはまだやるべき事があるだろう?」
レクター「何だっけ?」
レイ「金を返せ」
レクター「何の事?」
レイ「とぼけるなら利子10倍だぞ」
レクター「分かった、ちゃんと返す。通商会議を乗り切ったらね」
レイ「……。分かった。帰ってきたらちゃんと返せよ?」
レクター「おうよ!」